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第1章 VRMMORPG アルマゲドン

第24話:英雄神! 処女神! そして──地母神!! ☆

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 神族と魔族──アルマゲドンにおける上位種族の二大巨頭。

 LV80から成り上がれる神族に対して、魔族は少し低めのLV75から成り上がることができる。いち早く上位種族になれることもあって、好んで魔族を選択するプレイヤーも多かった。

 種族によっては少なからずデメリットを背負わされることもあるが、やり方次第で対策はいくらでもある。

(※魔族のデメリットは主に二種類。ひとつは外見が醜くなること。もうひとつは弱点を設定されること。後述こうじゅつする吸血鬼は最たる例)

 特に人気があるのが──吸血鬼ヴァンパイア

 種族変更で人間種から早めに変えられて素で強い。日光や銀製武器など弱点も多いが、それでも人間種とは比べ物にならない強さになれる。

 LVを上げれば、伝説の吸血鬼真祖トゥルーブラッドも夢じゃない。

 真祖になれば魔族や神族にさえ引けを取らない。

 そもそもマンガやアニメにゲームでも、吸血鬼という題材は未だに魅力的な存在なためか、アルマゲドンでもこの種族を選ぶ者が後を絶たなかった。

 そして、吸血鬼を選ぶプレイヤーにはある傾向が見られる。

 みんな──かっこつけの気取り屋なのだ。

   ~~~~~~~~~~~~

 深淵なるディープ・鮮血のブラッド・集いし地ソサエティ──というプレイヤーギルドがある。

 プレイヤーが独自に仲間を集めて運営するのがギルドだが、このギルドに必ず設定されるのが加入条件とギルド内ルールだ。

 こちらのギルドの加入条件──それは吸血鬼の眷属であること。

 何であれ、吸血鬼と分類される種族になっていなければならない。

 ドラキュラに代表されるような欧州系のオーソドックスな吸血鬼がもっとも多いが、そのモデルとなったヨーロッパ伝承にある古いタイプの吸血鬼(クドラク、ストリゴイ、ノスフェラトゥなど)、ギリシャ神話のラミアやエムプーサ。

 変わり種では中国の僵尸キョンシーやフィリピンのペナンガランでもOK。

 とにかく、吸血能力を持つ種族であればいいらしい。

 幹部クラスは全員真祖、始めたばかりの新参プレイヤーでも吸血鬼になっていないと門前払いを食らわされるか、その場で血を吸い尽くされる。

 そして、ギルドルールは──悪役に徹すること。

 吸血鬼として人々を恐怖に陥れること、これをゲームとして楽しめる気質がないと参加できなかった。これは主に対人戦PVPで適用されることになる。

 逆に言えば、正義感を振り翳して敵役種族への弱い者イジメが好きなプレイヤーの標的にされやすいプレイスタイルでもあった。

 悪役の道は辛く険しいそうだ。

 しかし、このギルドは古参プレイヤーが多く、メンバーの大半が吸血鬼真祖にまでLVアップしているので、生半可なプレイヤーが腕試しに挑むと、返り討ちにあってデスペナルティを食らうことで有名である。

 その深淵なる鮮血の集いし地が──壊滅寸前だった。

   ~~~~~~~~~~~~

 深淵なるディープ・鮮血のブラッド・集いし地ソサエティの本拠地──ドラルク城。

 アルマゲドンの北西に位置するこの城は、吸血鬼が有利に働くよう常闇とこやみに変えられたエリアに建築された巨大な魔城である。

 静寂を旨とする吸血鬼たちの居城、そこからいくつもの煙が上がっていた。

 爆音が轟き、第三正門の大扉が外側から打ち破られる。

 それを迎え撃つのは、LV90近い吸血鬼真祖のプレイヤーたち。

 彼らは幹部クラスのプレイヤーだが、もう自分たちしか残されていないことに戦慄していた。今までもこの居城を襲撃されたことはあるが、下っ端の吸血鬼プレイヤーだけで鎮圧することができたからだ。

 自分たちが駆り出されるなど緊急事態。

 その危機的状況を起こした元凶が、崩れかけた正門を潜る

「悪い子はいねがぁ~? 悪役ばっかやってる吸血鬼はいねがぁ~?」

 ……なまはげ? 誰もが最初はそう思った。

 だが現れたのは──夜目にも映える美少女だった。

 青を基調とした豪奢ごうしゃなドレスで着飾り、神剣と崇めたくなるような美しい長剣を肩に乗せて、ゆったりした歩調でこちらへやってくる。

 そう、見た目だけなら目を奪われるほど綺麗な姫騎士だった。

「悪い子はいねがぁ~? 英雄神・・・ミロ様に斬られたい吸血鬼はいねがぁ~?」

 しかし、美しい外見に反して振る舞いが残念すぎた。

 まるでお笑い担当の俳優みたいだ。アンバランスにも程がある。

 だが油断は許されない。彼女はこの深淵なる鮮血の集いし地をここまで追い込んだ3人・・のプレイヤーの1人。その強さは計り知れない。

 ここで仕留める──真祖たちは一斉に彼女へと襲いかかった。

 8人の真祖による波状攻撃に姫騎士は──。

「ミロスッッッ…………セイバァァァァァァーッ!!」

 長剣を横薙ぎ一閃、そこから破壊力を膨張させた斬撃を迸らせる。

 それは8人の真祖を一撃で蒸発させてデスペナルティへと堕としただけでは飽きたらず、ドラクルン城の最後の砦たる第四正門を撃ち破った。

   ~~~~~~~~~~~~

 ドラクルン城の第一正門──ミロによって破壊され尽くした跡地。

 その残骸の上で、2つの小さな影が激しく交差していた。

「ねえ、ミカちゃん……もうやめようよ」
 
 マリナは自分を攻め立てる小さな影に物申した。

 白と黒のコントラスが目立つゴシックロリータなドレス。敬愛する2人をイメージした赤と青のリボン、そして王冠を模したカワイイ帽子。

 藤色の髪をなびかせた幼女は、その全身を盾型防壁で覆っている。

 その盾型防壁に、雨あられのように槍が降り注いだ。

「ええぇい! ミカちゃん言うな! わらわはそんな名前ではないわぁ!」

 相対するは──年寄り口調の吸血鬼風少女。

 口元から覗く牙が吸血鬼の証だ。







 見た目の幼さからすればマリナ同様の幼女である。素のままなら愛らしいだろうが尊大な態度を取っており、不自然な傲慢さが目立つ。

 淡いピンクのゴスロリファッションに身を包み、背には真紅のマントをまとって宙に浮いている。そのマントは生物のようにうごめいていた。

 蠢くマントが槍の穂先を持つ無数の触手に変化して、マリナに襲いかかっているのが、マリナはため息混じりで平然と防いでいる。

 盾型防壁は押し寄せる槍の触手をひとつ残らず弾いた。

「妾こそ真紅の闇より誕生せし吸血鬼真祖! 覇者にして王者にして強者、この世界に君臨する真の支配者! カミュラ・ドラクルンなるぞ!!」

「……ミカちゃん、それ恥ずかしくないの?」

 共感性きょうかんせい羞恥しゅうちでも覚えたのか、マリナは頬を赤くして問い掛ける。

 カミュラは堂々と小さな胸を張っていた

「全然! カッコイイじゃろ!」
「…………すごいなぁ、ミカちゃんは」

 ミカちゃん言うな! とカミュラと名乗る少女は突っ込んできた。

 触手の槍で盾型防壁で破れないならと接近戦を挑むつもりだろうが、それをマリナは読んでいた。カミュラの行く手に盾型防壁をいくつも並べて彼女の行動を制限すると、マリナは自分から踏み込んでいく。

 空中から仕掛けられようが関係ない。

 マリナは的確にカミュラの攻撃を捉え、するりと投げ飛ばした。

「ぎゃん!?」

 受け身も取れず瓦礫がれきに叩きつけられ、カミュラが悲鳴を上げる。

 投げた瞬間、マリナが触れた手から神聖系魔法を流してダメージを与えたのも効いたのだろう。カミュラは全身からブスブスと煙を上げていた。

 魔法系技能だけではない──格闘系技能も伸びている。

「ねぇ、ミカちゃん……もうやめよ? ワタシ、友達にこんなことしたくない」

 マリナは停戦を持ちかけるが、カミュラは頑として頷かない。

「う、うるさい! ここはアルマゲドンじゃぞ! ゲームとはいえ弱肉強食がものをいう強者の世界じゃ! 現実リアルの友達なぞ関係ない! たとえマブダチのマリちゃんだろうと……ここでは吸血鬼な妾の餌食じゃ!」

 いいことを言う、とツバサは2人の会話に割って入った。

 ツバサは離れたところでマリナの戦い振りを観戦していたが、マリナはカミュラを倒すつもりがないし、カミュラはマリナに勝てない。このままでは埒が明きそうにないので、傍観するのをやめてしゃしゃり出てきたのだ。

 真祖でもツバサの気配を感じ取れなかったのだろう。

 カミュラは愕然としながら、マリナの背後に立ったツバサを指差す。

「な、なんじゃ、その強そうなおっぱい女は……マリちゃんの仲間か?」

 カミュラの問いに、マリナは即答する。

「うん、ワタシのセンセイで大好きなお母さんだよ」
「誰がお母さんだ」

 この娘、ミロの悪い影響が徐々に出てきている。朱に交われば何とやらだ。

 そろそろ矯正が必要かも知れない。

「カミュラちゃんと言ったか? 君に勝ち目はない、手を引け」

 マリナの友達なら見逃してやる、と暗に示す。

「君にもわかりやすく教えてやろう……君たちのボスらしい吸血鬼真祖はLV95だろう? そして、君のLVは82……その程度じゃないか?」

「な、なんでそれを知ってるのじゃ!?」

 カミュラは驚き、図星だと自らの口でバラしていく。

 ツバサのいくつかの技能スキルを連動させて、人物の気配探知や強さを感じ取れるようにしていた。これにより相手の力量を正確に推し量れるのだ。

「翻って──俺たちはLV99のカンスト。そこから神族になっている」
「ちなみにワタシが処女神、センセイは地母神だよ」

 処女神──防御系にボーナスが付きやすい、貞淑を最善とする女神。

 地母神──魔術系に特化すると恩恵が多い、全ての母となれる女神。

 地母神といわれたツバサはため息をついた。

「……選ぶつもりなんてなかったんだ。でも、魔術系に恵まれるというから選んだだけで……おまけで技能スキルに“母親”とか“乳母”なんてホンマモンの母親系技能がついてくるなんて思わなかったんだ……ッ!」

 乳母ってなんだよ? 母乳でも出せるようになるのか!?

「……セ、センセイ?」

 マリナがおっかなびっくり顔を覗き込んでくる。

 いかんいかん、つい恨み節でいらんことを愚痴ってしまった。

「……ま、そんなわけだ。俺たちは君たちがあしらってきた下級神族とは違う。上位神族となった俺たちには吸血鬼真祖だろうと太刀打ちできん」

 諦めろ、とツバサは脅迫の視線で言い渡した。

 カミュラは脅えた表情でビクン! と震えて後退る。

「……なんかないぞ」

 掠れる声でカミュラは何かを言ったが、よく聞き取れない。

 するともう一度、大声で叫んできた。

「うっ……羨ましくなんかないぞ!! そんなキレイなお母さんと一緒にゲームできるなんて羨ましくなんかないからな! 絶対じゃぞ! 絶対だからな!」

 妾もキレイなお母さんかお姉ちゃんが欲しかったーッ!

 魂の叫びとも受け取れる絶叫を上げて、カミュラは号泣したまま後ろも見ずに駆けていった。その理由をマリナはこっそり耳打ちしてくれる。

「ミカちゃん、共働きでお母さんが忙しいらしくて……」
「ああ、あの子も母性に餓えてるのね……」

 お母さんはともかく──キレイなお姉さんに会えるといいな。

「さて、ミロが先行しているから追いかけるか」

「ミロさんのことですから、もうボスを倒しちゃってるかもですね」

 さもありなん、と頷いてツバサは浮遊する。

 それにマリナも習うように空を舞う。

 神族になると飛行系技能が使えるので、移動が格段と楽になった。

 この程度の城なら最上階までひとっ飛びだ。

   ~~~~~~~~~~~~

 破壊し尽くされたドラクルン城の最上階。

 壁も天井も吹き飛び床も抜けかけた場所で、2人の人物が談笑していた。

 片方はミロだが、もう1人は──。

「あ、来た来た! ツバサさーん、マリナちゃーん、こっちこっち!」

「おお、やっと噂のご本人が登場ですか」

 長剣を肩に担いだまま立っているミロに対して、もう1人は崩れかけた床に腰を下ろしている。立っていられないのだ、右足が根元からないから──。

 左腕も肘から断ち切られており、顔の右上も削られている。

 それでもまだデスペナルティを受けていないのは、吸血鬼真祖ならではの不死性ゆえだろう。だが、この状態が長続きしないのは明白である。

「ツバサさん、こちら、このお城の城主でギルドマスターで──」

「お初にお目に掛かります、ダオン・タオシーと申します」

 座ったままだが礼儀正しく頭を下げる。

 言っては悪いが──吸血鬼らしくない。

 でっぷりとした体型に無理やりタキシードを着ている。長い髪はワンレンになっているが、その丸顔には不釣り合いだ。しかし、皮肉屋っぽいニヒルな顔付きで、どこか憎めない雰囲気を醸し出している青年だった。

「一応、アタシが完封勝ちしたんだけど。この人が……」

「どうせなら、あなたにお目にかかってから死にたいと思いましてね。こちらのミロさんに我が儘を飲んでもらいましたよ」

 噂に違わぬ美しさだ──とダオンはツバサの美貌を賞賛した。

「……俺を知ってるような口振りだな」

「知らぬ者はおらんでしょうよ。『ツバサとミロのアルマゲドン最強夫婦!!』……あれだけ人気動画の主役なんですからね。それにアルマゲドンでも屈指の有名人でいらっしゃる……お二方共ね」

 孤高の大剣豪──セイメイ・テンマ。
 流浪の大横綱──ドンカイ・ソウカイ。
 紫禁の戦女神──ミサキ・イシュタル。

 蒼麗の美剣姫──ミロ・カエサルトゥス。
 天空の大母神──ツバサ・ハトホル。

「名だたるアルマゲドンプレイヤーの中でも、あなたたちほど名の知られたプレイヤーは数えるほど……間違いなく十指に数えられるでしょう」

 そんな恥ずかしい二つ名、いつ付けられたの!?
 
 ツッコんだら野暮かも知れないので、ツバサは黙っていることにした。

 ダオンと名乗るデブ吸血鬼は、したり顔で話を続けていく。

「我が“深淵なる鮮血の集いし地”も、神族と化したあなた方に潰されるのならば諦めもつきましょう……そして、我らを撃ち破った報奨ほうしょうにひとつ、これから未来さきのことに関わる重要な情報を進呈いたしましょう」



 次回の定例アップデート日──最後までログインしていること。



「これをお勧めいたします。私が言えることは以上です」

「……どういう意味だ?」

 真意を問い質すツバサに、ダオンはニヒルな笑みを釣り上げた。

「そこは言わぬが華、というもの……でしょうよっ!」

 彼の形相が悪鬼のものに豹変した瞬間──床が吹き飛んだ。

 ダオンが斬り落とされた右足と左腕。彼はそれを長話の間に操作しており、密かに床下でアメーバ状の大きな肉塊に変えていたのだ。

 そいつで床を崩しつつ、ツバサたちを肉塊へと飲み込んでいく。

「フハハハハハッ! してやりましたよぉ!」

 あのツバサとミロを討ち取ったーッ! とダオンは狂喜の雄叫びを上げた。

「長話でこちらの注意を引く──常套手段だな」

 その声にダオンはハッとして頭上を仰ぐ。

 常闇の空には、ミロとマリナを従えたツバサが立っていた。

「おまえのやってること、見抜けないとでも思ったか?」

 阿呆あほうが──ツバサは右手を掲げた。

 そこに赤い炎が灯る。炎は留まることを知らず熱量を上昇させていく。

 ハトホルとは──太陽と天空の神ホルスの母だという説がある。

 即ち、太陽を産む女神ということだ。

「神族になると魔術ではなく、魔法が使えるようになる」

 魔術とは──力を技で操作して様々な現象を起こす。

 魔法とは──膨大な力で世の則をねじ曲げて超常現象を起こす。

 これもまた魔法のひとつ──地上に太陽フレアを招く魔法。

「──太陽に焼かれて逝け!」

 常闇を打ち払う太陽の爆炎が一帯を焼き尽くす。

 吸血鬼たちの居城も1分と保たずに燃え落ちた。

 ダオンの断末魔など聞こえなかったが、舞い上がる爆炎の中にデスペナルティの光の泡が浮上していくのは微かに確認することができた。

 そのダオンの言葉が──どうにも引っ掛かる。



「次回の定例アプデ……か」



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