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第1章 VRMMORPG アルマゲドン

第6話:※個人差があります

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僭越せんえつながら──御二方おふたかたにはチェックマークを付けさせていただきました」

 GMゲームマスターの持つ特権技能のひとつだという。

 問題行動の多いプレイヤー、何らかの原因により監視が必要なプレイヤー、そういった人物の居所を把握するGPSみたいな技能スキルらしい。

 その対象者の元に瞬間移動できるのは、クロコ特有の特権技能だとか。

「アタシたち、なんにも悪いコトしてないよ──まだ」
「まだとか言うな、フラグっぽいから」

 承知しております、とクロコは無表情に返してくる。

「ですが、ミロ様たちはわたくしのお気に入り……コホン、せっかく親しくなられたのですから、お呼びとあらば即参上、いつでもどこでも呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン、と駆けつけたいのでチェックさせていただきました」

「……職権乱用って言わないか、それ?」

 ツバサがキレ気味に尋ねると、クロコは鉄面皮で応じる。

「職権は乱用するためにある──今は亡き官僚かんりょうだった祖父の至言しげんです」
「官僚がそれ言っちゃ駄目だろ」

「まあ、晩年の祖父は汚職がバレて失脚してしまいましたが」
「本当にダメダメじゃないか!?」

 さて、とクロコは話を切り替える。

此度このたびのお呼び出しはどういった御用件でしょうか?」

「はーい、ツバサさんがチートでチーターなんですけどー?」

 拗ねた子供みたいな口調で、ミロは初期LVの差について説明する。ミロの言葉が足らない部分は、逐一ちくいちツバサがきっちり補足しておいた。

 話を聞き終えたクロコは得心したらしい。

「……なるほど、初期状態のLVレベル技能スキルの差ですね。誠に申し訳ありません、こればかりは個人差が生じるようになっております」

 アルマゲドンではアバターを作成する際、個人を特定できるタイプの脳波を測定する。これによりプレイヤー本人を模したアバターが提供されるのだ。

 その際、アバターの強さに個人差が現れるという。

「簡単に言えば──経験豊富な方ほど有利になる傾向にあります」

 空手や剣道などの格闘技をしていれば、それらの戦闘系技能が最初から習得済みになることがあり、DIYが趣味だったり大工仕事をしていれば、工作や建築などの生産系技能を習得していることが多いという。

「謂わば初期ボーナスですね」

 ツバサの初期技能はほとんど現実の自分が身に付けているものだから、そこから想像するのは容易だった。

 だとすると、ミロの初期技能には疑問が残る。

「しかし……その理屈ならミロが最初はなっから武器系の技能スキルを持っていることに説明がつかないな。こいつ、ただの引きこもりだぞ?」

「ツバサさんのおかげで、パーフェクトに引きこもれてないけどね」

 健康のためにと最低でも週3日、部屋から出してそこそこの運動(簡単なストレッチやウォーキング)をさせている。ツバサなりの親心だ。

 しかし、間違っても格闘技は教えていない。

 遊び半分やスポーツ感覚で、ツバサと同じように武術のイロハを教えてやったことはあったが、結局ミロはひとつも身に付かなかった。

 これを聞いたクロコは、細い顎に人差し指を当てて考え込む。

「でしたら……ミロ様、最近ハマっているVRゲームはございませんか?」

「あるよ、ダクス9とドラハン8やってる」

 正式名称はダークネススピリット9と、ドラゴンハンティング8。

 どちらも様々な武器を駆使して、モンスターを倒したり狩ったりしていく大人気VRアクションゲームだ。ダクス9はツバサもやっている。

「恐らく、そのおかげでしょう」

 現実世界での経験ではなくとも、VR世界の経験もアルマゲドンには反映されることがあるそうだ。ミロの場合、それが初期技能になったらしい。

 VRゲームは従来のゲームと違い、自分の肉体を動かしている感がある。

 なので肉体的な疲労を覚える者も少なくない。

 この疲労感は感受性の高さによるものと思われていたが、無意識のうちに心身が実体験と捉えていた可能性もありそうだ。VRゲームでのプレイを自身の肉体で感じた経験と錯覚するほどに……。

「つまり、こういうわけか。リアルでもVRゲームでも何でもいい。色んな経験をしていた方がアルマゲドンを始める上での有利になるわけだ」

「その通りです。ですから、初期ボーナスですね」

 最初だけ・・・・ですけど──とクロコは意味深長に付け足した。

「ツバサさんがLV高いのもそのせい?」

 ミロが羨望の眼差しでツバサを見つめながら訊いた。

「LVが高いのは、プレイヤー自身の強さを現しているそうです。例えば現実において武道の有段者やスポーツ選手、もしくはeスポーツのプロなどは、その戦闘経験の高さがLVに現れることも……」

 クロコが話している途中だが、空気を読まずにミロは口走る。

「そっかー、だからツバサさんはLV5なんだね」

「──LV5!? 最初からですか!?」

 クロコは声を荒らげるほど取り乱した。

 この無表情メイドがここまで感情を露わにしたのを初めて見た。同時にアルマゲドンのアバターの表情が本当に多彩なことに驚かされる。

 クロコの表情を観察しつつ、ツバサは言い訳するように返した。

「そうなんだよ。だからミロが騒いでな」

「でもメイドさんの話聞いたら納得できたよ。ツバサさんならしょうがないなー、って。だってツバサさん、リアルだと百戦負けなしの無敵仙人だもん」

 そんな強くないよ、とツバサはやんわり訂正した。

 クロコは──驚愕の視線をツバサに突き刺してくる。

「ツバサ様……あなた…………何者ですか?」

「……え?」

 クロコの無機質な眼が据わっていた。

「私たちGMは運営と逐次情報をやり取りし、プレイヤーの皆様をチェックしておりますが……最初からLV2の方など数えるほどです」

 そうしたLV2の大半が、現実では名の知れた運動神経の持ち主だという。

 プロのスポーツ選手、あるいは格闘家や武術家だったらしい。

「LV3の方など超レア、LV4の方なんて1人たりとも確認できておりません。そのLV4を通り越してLV5だなんて……あなたは…………」

 いったい──何者なんですか?

 尋問みたいに問い詰められ、ツバサは言葉に詰まる。

 クロコの雰囲気が明らかに変わった。

 まるで断罪者──もしくは怪しい人物を調べる警察官だ。

 簡潔に「一介の大学生です」と答えとくべきか? それともちゃんと自己紹介でもするべきか? いっそ奇をてらった回答でもしてみるか?

 たっぷり3秒ほど悩んでいると──。

「アタシのフィアンセで奥さんになってくれるオカン系男子です」
「おまえが答えるの!?」

 ミロが勝手に返事をした。しかも、発言内容が目に余るほどおかしい。

 だが、ミロがふざけてくれたおかげで、クロコの職務質問めいた問い掛けをはぐらかすことができそうだ。

 更にミロは、ツバサに身体を密着させてくる。

「ツバサさんは最強──アタシが知ってるから、それでいいよ」

 ミロはツバサに背中を預けると、こちらの胸の谷間に自分の顔を挟み込ませながら倒れ込んでくる。ちょうど両胸が彼女の両肩に乗るので少し楽だ。

 なんとなく、そんなミロを抱きしめる。

 きっとクロコには──女2人がイチャついているように見えるだろう。

「それにさ、最初っからLV5の相棒なんてステキにムテキじゃん♪ ゲーム実況する時の宣伝にもなるし最高だよ! そーでしょ、ツバサさん?」

 ね? とミロは首を仰け反らせてこちらを見上げる。

 ツバサは──顔がにやけないように平静を装った。

「おまえが喜んでくれるんなら、俺は何でもいいよ……」

 そう答えるのが精いっぱいだった。目の前にクロコがおらず、自制心をフル回転させていなければ、今この場でミロを押し倒していただろう。

 もっとも、VRゲームでは大したこともできないが──。

 そして、クロコは──膝から崩れ落ちていた。

「爆乳のお姉さんと、程良いサイズの美乳な女の子が、互いのおっぱいでムニムニ抱き合いながら甘ったるく愛を確かめ合う……しかも、お姉さん役が恥じらっててちょっとツンデレ気味……ああっ、なんて尊い……ッッ!」

 その場に崩れ落ちたクロコは、ゴボゴボ涙をこぼしながら口元を右手で覆っているが、その手の隙間からは涎と鼻血が止め処なく溢れていた。

 表情どころか分泌物までリアルに再現されるのか……。

 クロコの酷い反応を空目して、そちらに注目させてもらった。

「ホントに好きなんだね、百合が」

 ミロも変に感心している。

「……あれはもう好きっていうより中毒だろ」

 いずれ禁断症状とか現れそうだ。

 ひとしきり堪能したのか、クロコはハンカチで涙と鼻血と涎まみれの顔を綺麗に拭うと、デフォルトとも言える無表情な人形顔に戻った。

「事情はよくわかりませんが……わかったことにしておきます」
「いや、どっちだよ」

 理解しているのかいないのか、意味不明な言い回しだ。

「私の独断と偏見により、仔細しさいは問わないことにいたしましょう」
「そうしてくれると助かるよ」

 ですが……とクロコはまだ不思議がっている様子だ。

「ミロ様、ツバサ様は現実リアルですとそんなにお強いのですか?」

「うん、メッチャ強いよ。だって、小さい頃に仙人から武術を習ってて、今でも毎日修行してるんだもん。向かうところ敵ナシだよ」

「あっ、こらバカ!」

 それは恥ずかしいから誰にもバラすな、と耳にタコができるほど言いつけてあるのに、ミロはあっさり暴露ばくろしてしまったのだ。

 クロコは訝しげに小首を傾げて尋ねてくる。

「仙人に武術を習った……のですか?」

「あー、違う違う違う、言葉の綾だ。人に教わったのは本当だけど」

 ミロの口を両手で塞ぎながら、ツバサは誤魔化す。

 10年ほど前──羽鳥家には仙人が棲み着いていた。

 自称・仙人と言い張る、うさんくさいインチキ親父である。

 ツバサの父の友人で、しばらく客間に居座っていた。

 その人が「家賃代わりに」と、ツバサに武術を教えてくれたのだ。

 女顔のせいで甘く見られがちだった当時のツバサは、何よりも男らしい強さが欲しかったので渡りに船だった。

 その仙人がブラリと消息不明になってからも、ツバサは独自に鍛錬は続けてきたので、それなりに身体は鍛えられたし強くもなれた。

 自慢じゃないが、ケンカで負けたことは1度もない。

 だからミロはツバサのことをよく「無敵仙人」と呼ぶのだ。

「そんなわけで、そこそこ鍛えているのは本当だよ」
「そこそこで初期LVが5になると思えないのですが……」

 クロコはまだ納得できないようだ。

 それほどまでに初期LV5というのは異例らしい。

「ツバサ様のように現実世界で力を追い求め、小石を積み上げるが如く経験を積み重ねてきた方には、無用な進言とも思いますが……」

 ひとつだけアドバイスを、とクロコは人差し指を立てた。

「以前も申しました通り、このアルマゲドンは他のVRゲームなど比較にならないほどの困難を強いてきます。ですが、そこから逃げてはなりません。むしろ、困難には徹底して立ち向かっていただきたい」

「えーっと……若い頃の苦労は買ってでもしろ、ってやつ?」

 ミロの呟きに、クロコの人差し指が向けられる。

「それです──困難に立ち向かい、それを乗り越えれば乗り越えるほど、アルマゲドンはあなた方に何らかの形で報いるでしょう」

 急がば回れ、地味にコツコツ、日々精進、とクロコは続ける。

「学門に王道なし──忘れないでください」

 自分が言った名言を繰り返され、ツバサは思わず目を見張る。

「本来、GMとして依怙贔屓えこひいきなアドバイスをするべきではないのかも知れませんが……私はあなたたちのファンですから、まあいいでしょう」

「だからそれ、職権乱用だろうに」

「職権は乱用するためにある、と申し上げたではありませんか」

 クロコはほんの少しだけ、本当に注意してなければ見落としそうなくらい唇を緩ませると、その姿が右端からゆっくり消えていく。

「では、私もそろそろ本業に戻ろうかと思います。御用の際にはいつでもどこでもお呼び出しくださいませ。GMコールでも、大声でも構いませんよ」

「大声で呼んだら来るのも特権技能なのか?」

 そうとしか思えないのだが、クロコはそこを答えてくれなかった。

「それではまた──お会いできる日を楽しみにしております」

 まるで透明な壁があるかのように、クロコはその向こう側へと消えた。

 森の中には、ツバサとミロの2人だけとなる。

 クロコとの会話がモンスターたちの注意を引きつけたのか、気付けばツバサたちを十重二十重に取り囲むように無数の気配が集まっていた。

 さっきの狼どころではない。5、60匹のモンスターが群れている。

「さっそく困難が押し寄せてきたんですけど!?」
「手間が省けたじゃないか」

 ツバサは両手の指をペキポキ鳴らして準備をする。

「エロメイドも言ってたろ、困難から逃げるなって……こいつらを全部返り討ちにすればSPも金稼ぎも一気に捗るぞ」

「そ、そんなこと言ったって、アタシまだLV1なんだよ!?」

「心配するな、俺はLV5だ」

「そりゃツバサさんは頼りになるししてるけどさ! だけどこれ……いくら何でも多すぎない!? ドバーッて来られたら終わりじゃん!」

 泣き言が減らないミロに、ツバサは焚きつけるような一言を漏らす。

「実況的には面白いんじゃないか──こんなハプニング」

 途端ミロの目の色が変わり、剣を抜き払うと元気よく振り回した。

「オラーっ! かかってこいや雑魚モンスター共ーっ!」
「……本当にアホだな、こいつ」

 いや、脳みそ単細胞と評すべきなのかも知れない。

 だからこそ──可愛くてしょうがない。

 ツバサはミロを庇う位置に立ち、前衛として立ちはだかる。

「さっきと同じ要領だ、いいな?」
「うん! ツバサさんが蹴散らして、アタシがブッタ斬るね!」



 そうだ、と言うより早くツバサはモンスターの群れに飛び込んでいく。


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