想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

曽我部浩人

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第1章 VRMMORPG アルマゲドン

第3話:ツバサ・ハトホル──20歳、女の子(?)です ☆

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 鏡の中の自分──ツバサ・ハトホルも絶叫していた。

 このアバター。母親に瓜二つと言われた顔立ちはそのままだが、それ以外の部分がおもいっきり変わっていた。自分の姿がどこにも反映されていない。

 初期装備の簡素な上着とズボン。

 その上着がはち切れんばかりの巨大な乳房。腰は細いせいで上着が変に張り出している。お尻や太ももも女性らしく豊満なためズボンがパツンパツンだ。

 光沢を帯びる美しい黒髪は、足下まで届きそうなほど長い。

 どこからどう見ても──女性のアバターである。

「なんで、どうして……どうなってるんだ、これは!? 自分そっくりのアバターになるんじゃないのか!? どうして女性の……?」

 姿見に映る自分を食い入るように見つめる。

 顔だけは間違いなく自分のものだ。悔しいけれど認めよう。

 それと身長も本来の自分に近いようだ。

 スタイルは爆乳グラマラスなグラビアモデルのそれだが、身長は変わらずなので高身長のファッションモデルみたいになっている。タイプの違うモデルのいいところをバランス良く配分しているので、長身美女のお姉さんといった案配だ。

 しかし、性別は元より体型や髪型は──。

「まるで母さんの生き写し……あ、いや…………」

 アイツ・・・が生きていれば──こんな風になったのかもな。

 奇妙な感傷が心の隙間をうずかせる。

 母さんも、父さんも、そしてアイツも、みんな、もう…………。

「ツバサさん、みーっけ!」

 姿見にもたれかかったまま呆然としかけていたツバサは、その元気な声にビクリとさせられた。眼をまん丸にして振り向けば、そこに彼女がいた。

 ミロ・カエサルトゥス──美呂のアバターだ。

 ミロのアバターは現実の姿とほぼ一緒だ。シニヨンの髪型がきっちり綺麗に整えられているぐらいで、現実リアルの彼女との違いは見当たらない。

 ツバサより一足先にログインしていたせいか、簡素なマントや飾り気のない量産品の長剣を手に入れていた。見た目は女剣士である。

 ミロは瞳を輝かせて、足早にこちらへ駆け寄ってくる

「なにこれなにこれなにこれー!? ツバサさん、どうしたのこれー!?」
「真っ先に食いつくのがおっぱいか!」

 ミロはツバサに飛び込むように抱きつくと、大きな胸をボールみたいにポヨポヨと弾ませた。その後、女の子にあるまじき笑顔で胸の谷間に顔を突っ込む。

「すっごいプルプルのフカフカぁ~♪ ホルスタインみた~い♪」
「ホルっ……!?」

 なんだろう、乳牛に例えられたことがとてもショックだった。

 そりゃまあ現実では滅多にお目にかかれないような巨乳……いや、もう爆乳とも言うべきサイズの乳房だが、牛扱いされるのは心外だった。

 はしゃぐミロの手が、ツバサのいけない部分へ伸びる。

 反射的に防ぐ前に股間を触られてしまう。

「こっちは……やっぱりない! バッチリ女の子になってる!!」
「ダイレクトに確認するなよ!?」

 胸の谷間に顔を挟んだまま、ミロはこちらを見上げる。

「でも、ホントどうしたのこれ? アバターの初期設定はいじれないはずでしょ? アタシ知らなかったからビックリガッカリしちゃったのに」

「やっぱり読まなかったのか、説明書」

 このアホ娘、予想通り説明書を未読で始めたらしい。

 ツバサは心の底からため息をつく。

「なんでこんなになってるのか、俺が聞きたいよ……自分の似姿なアバターになるって聞いたから、ネカマをやらずに済むと安心していたのに……」

「あ、もしかして……」

 思い当たる節でもあるのか、ミロは神妙な表情になる。

「夜空に流れ星を見る度、『ツバサさんが女の子ならいいのに』とか『ツバサさんがお母さんならいいのに』とか『ツバサさんがお姉ちゃんならいいのに』とか、きっちり3回ずつお願いしてたから……?」

「なに妙ちきりんな願い事してんだよ!? 流れ星もいい迷惑だろ!」

 そんなオカルトでアバターがこうなるわけがない。

「なら、アタシが付けた名前のせい?」

「名前? ああ、ハトホルか……うろ覚えだが、エジプトの神様だよな?」

 ハトホル──エジプト神話における女神。

 雌牛めすうしの角(もしくは頭部が雌牛)を持つ女神として描かれることが多く、神々を産んだ母にして、その豊かな乳房で神々を育てる乳母うばだという。

 なので──おっぱいが超大きい、多分。

「人のハンドルネームになんてもの選んでくれてんだ、このアホニート!」

 可愛さ余って憎さ百倍、ミロを吊し上げる。

 ネックハンギングツリー状態のミロはギャンギャン泣き喚いた。

「だってー! ツバサさんってばオカン系男子だから、オカン系な女神様が似合うかなーって思ったのー! 悪気はこれっぽっちもなかったのー!」

「善意100%なら尚更タチが悪いわ!」

 余計な善意は時として悪意にも勝るものだ。

「とにかく、そんな理由でアバターが変わるものか」

 ミロを放り捨てると、ツバサは自分なりに考察してみた。

「そもそもだ……脳波を測定するだけで、当人そっくりのアバターを作れるなんて意味不明すぎる。そんな技術が開発されたなんて聞いたこともない」

 VRヴァーチャルを研究する学生として基礎知識以上の情報を集めているツバサだが、こんなテクノロジーが開発されたなんて風聞ふうぶんにも聞いたことがなかった。

 道理であの教授が探りたがるわけだ、と納得する。

「それに……なんだ、このアバターは?」

 女性化している云々の話ではない。

 アルマゲドンのアバターが、あまりにも異質なのだ。

 VRシステムにおけるアバターとは、電脳空間でゲームキャラクターに扮装ふんそうできる上等な着ぐるみのようなもの。ついでに各キャラクターに見合った能力が搭載とうさいされたパワードスーツみたいなものである。

 なのでVRシステムでアバターに意識を投影すると、大なり小なりの違和感がある。本来の自分とアバターに言いようのない差違を感じるのだ。

 しかし──このアバターはどうだ?

 凄まじいまでの一体感、違和感など微塵も感じられない。アバターと自分の意識がかつてないほどシンクロする。有り体ありていにいえば馴染なじむのだ。

「良くも悪くも馴染みすぎだろ、これ……」

 これが自分の肉体だと錯覚しそうになっていた。

 ツバサもVRゲームはいくつもやってきたし、大学で研究中の最新版にも携わってきた。それだけVRシステムやアバターに馴れている人間でも、このアルマゲドンのアバターは異常だと感じてしまう。

 これは──病みつきになるプレイヤーが続出するかも知れない。

 また界隈かいわいを騒がせて問題視されそうだなぁ……と妙な心配をしてしまう。

「……で、おまえは何をしているんだ?」

 考え事に耽っているのをいいことに、ミロはツバサのおっぱいを揉んだりこねたり持ち上げたりと、好き勝手にもてあそんでいた。

「ツバサさん、感じないの?」

 どうやら愛撫あいぶのつもりだったらしい。

「残念だったな。なんか触られてるって気がするだけだよ」

 いくらアバターとの一体感が凄いと言えども、アルマゲドンはCERO審査を通過したゲーム。そんな性的欲求を満たすような要素はない。

 大体において──VRゲームでの五感は抑制されている。

 視覚や聴覚はともかく、嗅覚や味覚は低めに設定されており、性的快感に直結する触覚に至っては完全に規制されていた。

 あまりに強烈な仮想ヴァーチャル現実リアリティは感覚器官を麻痺させるからだ。

 度が過ぎれば破壊しかねない。

 最新鋭のVRが普及した直後、いくつもの症例が報告させるようになったため、対策するべく早めに規制が敷かれていた。

 エロスが主目的の18禁ゲームでさえ雰囲気を味わうのが精々である。

「だから、いくら乳を揉んだところでアンアンあえいだりしないぞ」

 そう教えてやると、ミロは残念そうに舌打ちする。

「ちぇっ、ツバサさんは不感症か……」

「その言い方はやめなさい」

 それでも諦めきれないのか名残惜しいのか、ミロはツバサの豊乳にしがみついて離れない。大きな赤ん坊を抱きかかえている気持ちになる。

「しかしミロ、おまえよく俺だってわかったな?」

 顔以外は大胆なモデルチェンジがされているのに、ミロはこのアバターがツバサだと一目で気付いた。そこが不思議でならない。

 ミロはキョトンとしたまま答える。

「大好きな人の顔を見間違えるわけないじゃん」
「…………っ!?」

 この娘は臆面おくめんもなくこういうことを言う。その度にこっちが赤面させられる羽目になり、まともに顔を合わせることさえ恥ずかしくなる。

 このアバターの外見にしてもそうだ。

 家族ぐるみで交際してきたミロは、ツバサの母親やアイツのことをよく知っているはずだ。なのに、このアバターの見た目に言及しない。

 それを口にすれば──ツバサのトラウマを刺激するから。

 ワガママで自分勝手に振る舞うくせして、こういう気遣いはできる。人の心を読むのに長けているというか、空気を読むのが上手いというか……。

 ツバサは何も言わずに、ミロの頭を愛おしげに撫でた。

「? どうしたのツバサさん」

「何でもない……それより、そのマントどこで手に入れた?」

 俺も欲しい、とツバサは話題を逸らした。

 やたらと大きい胸が目立つのか、どうにも男たちの視線がうとましかった。

 マントでも羽織れば少しはマシになるだろう。

「最初の所持金が100コインだからね。それで買ったんだ。あ、道具屋さんはこっちね。このボロいマントなら20Cで買えるよ」

「案内してくれるか?」

 アルマゲドンの通貨はコインというらしい。

 さっそく道具屋で身体を覆うマントと、ついでに回復薬なども購入する。

「ツバサさん、武器は?」

「いらん。俺は手ぶらのが性に合う。知ってるだろ」

「そりゃツバサさんがリアルでもケンカ百段で、戦わせると無敵仙人なのは知ってるけどさぁ……VRMMORPGでも通用するのかなぁ?」

 なんとかなるだろ、とツバサは適当に返した。

「さて……本格的に始める前にGMゲームマスターを捕まえたいな」

「GMを? なんでまた?」

 これを問い質す、とツバサは山盛りの胸元を指差した。

「自分そっくりのアバターが提供されるって聞いたのに……なんだよこれ? 明らかにバグだろ。そこんとこ問い詰めないとな」

 意識を凝らすと、視界にいくつかのウィンドウが表示される。

 これがアルマゲドンのメニュー画面だ。

 アバターのレベルやパラメーター、習得済みの技能などが確認できるステータス欄。所持したり装備しているアイテムが確認できる道具箱インベントリ欄。

 そして──ゲーム設定に関わるシステム欄。

 ログアウトやアバターの変更はこのシステム欄で行うのだが、そこにはGMと連絡が取れるGMジーエムコールという機能もある。

「さっきからGMコールしてるんだが、繋がる気配がないんだよ。発売日当日だからコールが集中してるんだろうが……」

 コールが殺到して回線が混んでいるのかも知れない。

「いっそのことさ、大声で呼んでみよっか?」

「……それで来てくれるならGMコールなんかいらんだろ」

 呆れるツバサを余所にミロは大声で叫ぶ。

「おーい、ゲームマスター! ツバサさんがご指名だぞー♪」

「──お呼びでございますか?」

 突然、ツバサたちの背後に気配が生まれた。

 1秒前まで確実に誰もいなかった。なのに、そいつはミロが叫んだ瞬間、まるで瞬間移動でもしたかのように突如として現れたのだ。

 外見はどこから見てもメイドである。

 ツバサほどではないが女性にしては背が高く、スタイルは痩せすぎず太すぎず健康的。クラシカルなメイド服に身を包み、姿勢よく佇んでいた。

 やや癖のある髪をポニーテールにまとめ、ヘッドドレスで飾っている。

 ただし──その美貌はあまりにも無表情。

 人形のような顔立ちには感情というものが見当たらない。
 自然な動作で長いスカートの両端を摘み、浅めに頭を下げてくる。

「ゲームマスター№19、クロコ・バックマウンド」

 お呼びにより参上いたしました、と彼女は行儀良く名乗った。







 ジョークで呼んだら来てしまったので、ミロも唖然としている。

 ツバサも彼女の気配を感じられなかったので驚かされた。

「もしや──GMコールが繋がりにくい件でしょうか? 誠に申し訳ありません、本日はサービス開始ということもあり、様々な質問が寄せられることを想定して、GMコールは我々ではなく一時的に設けられた特設センターへ繋がるようになっております。ですが、その回線までもがパンク気味のようです」

 こちらの驚愕を気にせず、クロコは淡々と話す。

 淀みなく喋る口調も、まるで電子音声のように無機質である。

「ですが、お呼びだてされて返事をしたのも何かのご縁です。このクロコが責任を持って質問にお答えさせていただきましょう」



 何なりとお尋ねください──クロコは胸に手を当てて頭を下げた。


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