38 / 63
ピロートーク 名前の由来
しおりを挟む
「ずっと思っていたんだが、お前の名、なにか由来があるのか?
桐生という名字は聞くが、名前なのはお前くらいしか知らん」
ベッドに身を横たえ、ふたりでゆるりと会話する。
これがピロートークというやつか。
悪くない。こういうのはすごくいい。
念のため言っておくが、桐生はコウモリから人間に戻っている。
「うん、珍しいかもね。
子供の頃から名字と間違われて、それはそれで慣れちゃったな。
だから朝霧、……えっと、令一も、最初のあれ、気にすることなかったんだよ」
「思い出させるな」
出会い頭に、名字と間違えて桐生をファーストネームで呼んでしまった事件。
何度も後悔したものだが、今になっては、人前で堂々と名前を呼べる大義名分になっている。
「僕の母さんは、心臓が悪くて。
出産どころか妊娠そのものが危険だったんだって。
どうしてそこまでして僕を産もうと思ったか、もう聞くことはできないけれど。
名前の由来だけは、大山さんから教えてもらった」
「大山? あのイカレ理事長か?」
「あははは! 個性的で勢いのある人だよね、大山さん。
僕の後見人なんだ。母さんと知り合いだったらしくて。
今のご時世、後見人がいないと部屋ひとつ借りられないから、大山さんにはいつも感謝してる」
「あのクソジジイも人の役に立っていたんだな。
それで、お前の名の由来とは?」
「『桐のように生きろ』」
桐生、という名前そのままの言葉だ。
しかし、意味がピンとこない。
桐のように生きるとは、具体的にどういうことだ。
「桐とは、材木の桐のことか?
桐箪笥とか、高級な材木っぽいあれか?」
「そうそう、その桐。
桐はね。強いんだ。
軽くて加工しやすくて、湿気や熱気を防いで、虫害も少ないんだって。
ホントかどうかわからないけど、火事にあっても桐箪笥は燃えにくくて焼け残ったり、洪水に遭っても浮いて流れて、中身を守ったんだとか」
「万能だな。桐箪笥が高級な理由がわかる。
最近見かけない気がするが、もったいないことだ。
その強さが名前の意味なんだな」
「わざわざ高級材木を使わなくても、安くていいタンスはいっぱいあるからね。
名前の意味はちょっと違う」
桐生は天井を眺めた。
どこか遠い目は、会ったこともない母を思っているのか。
「桐の木は、苗木を植えて2~3年したら、根元から切っちゃうんだ。ばっさりとね。
切り株が残るだけの状態にする。
『台切り』っていうんだって」
「え、何故だ? そこまで育った木はどうなる」
「捨てると思うよ。いらないからね。
そうしたら、切り株から勢いよく新芽が出るんだ。
強く育った新芽以外を間引くと、最初の木より、太くて強い木になるそうだよ。
そうして桐は、立派な木に育つんだ」
数年かけて育った木が切り倒される。
それまで育ったものは無駄と言わんばかりに廃棄される。
なのに、切り株は生命力に満ちて芽を吹き出す。
生きようとする芽は、弱ければ摘み取られる。
最後に残った芽だけが、すべてを糧にするかのように、強く、強く、育つ。
それを人生に例えれば、なんて過酷で、残酷で、厳しくて。
どれほどの悲痛な思いと深い愛をこめて、その名をつけたのだろう。
「母さんは覚悟してたそうだよ。
僕が産まれても、そばにいられる時間は少ないだろうって。
僕の未来が苦難であることを知りながら、それでも生きてほしいとつけた名前。
だから僕は、この名前が好きだよ。
朝霧が僕を名前で呼んでくれるの、嬉しかった」
「そうか」
たとえ偶然で、間違いでしかなかったとしても、オレは桐生と出会って今までずっと名前で呼んでいた。
桐生の母が残した、愛情の名を呼び続けていた。
それが桐生にとって、心に響く何かであったのなら、これでよかったと思えた。
「あとね、朝霧って名字も好きなんだ。
だってお揃いでしょう」
「??」
オレがきょとんとすると、桐生は嬉しそうに微笑んだ。
「桐生というのは、霧が多い場所の地名らしくてね。
霧が生まれる、霧生、がなまって桐生になったと言われてる。
霧が生まれる僕。朝の霧の君。
こっそり喜んでた。同じ意味の名前だなって」
「そう、か。うん」
照れる。
そうか、お揃いか。
そういえばこいつ国語教師だったな。そういうのに詳しくて当然か。
お揃いか……。
名前がお揃いとか、くすぐったくて悪くない。
「あさぎ……、
令一は、名前の由来はあるの?」
話題をこっちに振られた。
オレはきっと不機嫌な顔をしたのだろう。不思議そうに見ている桐生に、オレは正直に答えた。
「母親の名前が令奈(れいな)、でな。
オレが令一。
弟が令二。
妹が令美。
令奈の奈を無し、つまりゼロとすれば、0、1、2、3。
名づけたのは親父だ。
母親は猛反対したが、勝手に出生届を出してしまったらしい」
「へえ、すごい! お母さんの名前を、きょうだいみんなが受け継いだんだ」
「ガキの頃は、きょうだい揃って一号二号三号と呼ばれて、よく腹を立てていたものだ」
オレはまだいい。母親から産まれた最初の子、父親がはしゃいだのはよしとしよう。
二番目、三番目にまで適用するか!?
もし四人目がいたら、男なら令司とか、女なら令夜とかになっただろうと推測できる。
名前に番号札をつけるな!!
「ふふふ、可愛いな。お父さん、きっとすごくうれしかったんだね。
令一は、お母さんの一番最初の子どもって意味なんだ」
「微妙だぞ。きょうだい揃うとロボみがすごいからな」
実は今でも、親戚が集まると「一号、二号」と呼ばれることがある。
令美はシャレにならないほど怒るので親戚も呼ぶのをやめたが、オレと弟はまだ被害に遭い続けている。
父親は、素晴らしい名前じゃないか! の一点張り。
母親は別の名前を考えていたらしく、延々と根に持っていて、今でもたまに夫婦喧嘩している。
「令一。令一。……令一」
「何故連呼する」
「幸せな名前だなあって思って」
「それは、お前こそだろう」
ん? という顔でオレを見る桐生に、オレはもそもそと身を寄せた。
「どんなつらいことがあっても、どんな苦しみがあっても、お前は絶対に強くまっすぐ育つ。
お前の母は、そう信じていたんだろう。
桐生。いい名前だ。
お前の名前がもっと好きになった」
「ありがとう」
声だけでも、桐生が照れているのがわかる。
「僕、母さんの期待に応えないとね」
「もう十分、お前はまっすぐ育っているぞ。
桐の木は、伐採時以外、育ち切った木を無暗に切りはしないだろう?」
「うん、たぶんね」
「なら、もう身を切られるような思いはするな」
ぎゅ、と桐生を抱きしめてみた。
引き締まった体躯は本当に木の幹のようで、雄々しかった。
この男は、何度切られて、何度傷ついて、何度絶望から這い上がったのだろう。
親がいないこと。差別を生む体質。
オレはどちらもわかってやれない。オレは恵まれて育ったから。
「もう苦しむな。苦しいならオレにも話せ。
これからは、お前が苦しくなったら、オレに分けろ」
桐生がオレを抱きしめ返した。
強くなく弱くなく、じわりと想いが沁みとおるような優しい抱擁だった。
「うまくできなかったら、怒ってね?」
「言われなくても叱り飛ばしてやる」
ふたりでくすくすと笑いあう。
そのうち、どちらともなく眠りについて。
オレたちは翌朝、目覚めた時間に青ざめて、生徒とともに『切ってはいけないゴールテープ』を切りそうになった。
日曜の夜はやめよう。
金曜か土曜にしよう。
オレたちは互いに、心に強く誓ったのだった。
ピロートークおわり
桐生という名字は聞くが、名前なのはお前くらいしか知らん」
ベッドに身を横たえ、ふたりでゆるりと会話する。
これがピロートークというやつか。
悪くない。こういうのはすごくいい。
念のため言っておくが、桐生はコウモリから人間に戻っている。
「うん、珍しいかもね。
子供の頃から名字と間違われて、それはそれで慣れちゃったな。
だから朝霧、……えっと、令一も、最初のあれ、気にすることなかったんだよ」
「思い出させるな」
出会い頭に、名字と間違えて桐生をファーストネームで呼んでしまった事件。
何度も後悔したものだが、今になっては、人前で堂々と名前を呼べる大義名分になっている。
「僕の母さんは、心臓が悪くて。
出産どころか妊娠そのものが危険だったんだって。
どうしてそこまでして僕を産もうと思ったか、もう聞くことはできないけれど。
名前の由来だけは、大山さんから教えてもらった」
「大山? あのイカレ理事長か?」
「あははは! 個性的で勢いのある人だよね、大山さん。
僕の後見人なんだ。母さんと知り合いだったらしくて。
今のご時世、後見人がいないと部屋ひとつ借りられないから、大山さんにはいつも感謝してる」
「あのクソジジイも人の役に立っていたんだな。
それで、お前の名の由来とは?」
「『桐のように生きろ』」
桐生、という名前そのままの言葉だ。
しかし、意味がピンとこない。
桐のように生きるとは、具体的にどういうことだ。
「桐とは、材木の桐のことか?
桐箪笥とか、高級な材木っぽいあれか?」
「そうそう、その桐。
桐はね。強いんだ。
軽くて加工しやすくて、湿気や熱気を防いで、虫害も少ないんだって。
ホントかどうかわからないけど、火事にあっても桐箪笥は燃えにくくて焼け残ったり、洪水に遭っても浮いて流れて、中身を守ったんだとか」
「万能だな。桐箪笥が高級な理由がわかる。
最近見かけない気がするが、もったいないことだ。
その強さが名前の意味なんだな」
「わざわざ高級材木を使わなくても、安くていいタンスはいっぱいあるからね。
名前の意味はちょっと違う」
桐生は天井を眺めた。
どこか遠い目は、会ったこともない母を思っているのか。
「桐の木は、苗木を植えて2~3年したら、根元から切っちゃうんだ。ばっさりとね。
切り株が残るだけの状態にする。
『台切り』っていうんだって」
「え、何故だ? そこまで育った木はどうなる」
「捨てると思うよ。いらないからね。
そうしたら、切り株から勢いよく新芽が出るんだ。
強く育った新芽以外を間引くと、最初の木より、太くて強い木になるそうだよ。
そうして桐は、立派な木に育つんだ」
数年かけて育った木が切り倒される。
それまで育ったものは無駄と言わんばかりに廃棄される。
なのに、切り株は生命力に満ちて芽を吹き出す。
生きようとする芽は、弱ければ摘み取られる。
最後に残った芽だけが、すべてを糧にするかのように、強く、強く、育つ。
それを人生に例えれば、なんて過酷で、残酷で、厳しくて。
どれほどの悲痛な思いと深い愛をこめて、その名をつけたのだろう。
「母さんは覚悟してたそうだよ。
僕が産まれても、そばにいられる時間は少ないだろうって。
僕の未来が苦難であることを知りながら、それでも生きてほしいとつけた名前。
だから僕は、この名前が好きだよ。
朝霧が僕を名前で呼んでくれるの、嬉しかった」
「そうか」
たとえ偶然で、間違いでしかなかったとしても、オレは桐生と出会って今までずっと名前で呼んでいた。
桐生の母が残した、愛情の名を呼び続けていた。
それが桐生にとって、心に響く何かであったのなら、これでよかったと思えた。
「あとね、朝霧って名字も好きなんだ。
だってお揃いでしょう」
「??」
オレがきょとんとすると、桐生は嬉しそうに微笑んだ。
「桐生というのは、霧が多い場所の地名らしくてね。
霧が生まれる、霧生、がなまって桐生になったと言われてる。
霧が生まれる僕。朝の霧の君。
こっそり喜んでた。同じ意味の名前だなって」
「そう、か。うん」
照れる。
そうか、お揃いか。
そういえばこいつ国語教師だったな。そういうのに詳しくて当然か。
お揃いか……。
名前がお揃いとか、くすぐったくて悪くない。
「あさぎ……、
令一は、名前の由来はあるの?」
話題をこっちに振られた。
オレはきっと不機嫌な顔をしたのだろう。不思議そうに見ている桐生に、オレは正直に答えた。
「母親の名前が令奈(れいな)、でな。
オレが令一。
弟が令二。
妹が令美。
令奈の奈を無し、つまりゼロとすれば、0、1、2、3。
名づけたのは親父だ。
母親は猛反対したが、勝手に出生届を出してしまったらしい」
「へえ、すごい! お母さんの名前を、きょうだいみんなが受け継いだんだ」
「ガキの頃は、きょうだい揃って一号二号三号と呼ばれて、よく腹を立てていたものだ」
オレはまだいい。母親から産まれた最初の子、父親がはしゃいだのはよしとしよう。
二番目、三番目にまで適用するか!?
もし四人目がいたら、男なら令司とか、女なら令夜とかになっただろうと推測できる。
名前に番号札をつけるな!!
「ふふふ、可愛いな。お父さん、きっとすごくうれしかったんだね。
令一は、お母さんの一番最初の子どもって意味なんだ」
「微妙だぞ。きょうだい揃うとロボみがすごいからな」
実は今でも、親戚が集まると「一号、二号」と呼ばれることがある。
令美はシャレにならないほど怒るので親戚も呼ぶのをやめたが、オレと弟はまだ被害に遭い続けている。
父親は、素晴らしい名前じゃないか! の一点張り。
母親は別の名前を考えていたらしく、延々と根に持っていて、今でもたまに夫婦喧嘩している。
「令一。令一。……令一」
「何故連呼する」
「幸せな名前だなあって思って」
「それは、お前こそだろう」
ん? という顔でオレを見る桐生に、オレはもそもそと身を寄せた。
「どんなつらいことがあっても、どんな苦しみがあっても、お前は絶対に強くまっすぐ育つ。
お前の母は、そう信じていたんだろう。
桐生。いい名前だ。
お前の名前がもっと好きになった」
「ありがとう」
声だけでも、桐生が照れているのがわかる。
「僕、母さんの期待に応えないとね」
「もう十分、お前はまっすぐ育っているぞ。
桐の木は、伐採時以外、育ち切った木を無暗に切りはしないだろう?」
「うん、たぶんね」
「なら、もう身を切られるような思いはするな」
ぎゅ、と桐生を抱きしめてみた。
引き締まった体躯は本当に木の幹のようで、雄々しかった。
この男は、何度切られて、何度傷ついて、何度絶望から這い上がったのだろう。
親がいないこと。差別を生む体質。
オレはどちらもわかってやれない。オレは恵まれて育ったから。
「もう苦しむな。苦しいならオレにも話せ。
これからは、お前が苦しくなったら、オレに分けろ」
桐生がオレを抱きしめ返した。
強くなく弱くなく、じわりと想いが沁みとおるような優しい抱擁だった。
「うまくできなかったら、怒ってね?」
「言われなくても叱り飛ばしてやる」
ふたりでくすくすと笑いあう。
そのうち、どちらともなく眠りについて。
オレたちは翌朝、目覚めた時間に青ざめて、生徒とともに『切ってはいけないゴールテープ』を切りそうになった。
日曜の夜はやめよう。
金曜か土曜にしよう。
オレたちは互いに、心に強く誓ったのだった。
ピロートークおわり
23
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる