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○月×日
予想とは違っていた城下町訪問は思いのほか俺の心に打撃を与えていたらしい。
あれから数日経つが食欲がない。
生理になってしまったのもあってやる気が全く出ない。
毎月きちんと生理が来ているのはありがたい。妊娠してない証拠だから。
こんな事を思う日がくるなんて信じたくなかった。
王はSEXできないのが嫌なのか、生理だからダメだと言うと残念そうな顔をする。
イライラしていたので、そんなにやりたいなら他の女としてこいと思わず言ってしまったら、もっと悲しそうな顔をされた。
無理をされてるのはこっちなのに、俺がいじめている気分になるのはなんでだろう。
納得いかない。
ーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
気分転換にテラスで休んでいたらランさんに会った。
ランさんは静かに「あなただったのですね」と言った。
何がと聞けば「陛下の大切な方です」と信じられない事を口にした。
俺は男なのであり得ないと言ったが、でも一緒に城下町に行ったのでしょう?と言われた。
だからなぜそれからそうなるんだと聞いてみたら、王はランさん達親子にはっきりこう言ったのだそうだ。
「これ以上滞在されてもあなた方の国と婚姻を結ぶつもりはない。側室を持つつもりもない」
と。
さらに、もし婚姻を結んだとしてもあなたや生まれてくる子どもを愛する事はないでしょうと。
王は誰かを妃に決めたなどという事は言わなかったが、急遽決まった城下町への訪問がランさんを確信させた。
これだけ忙しい身分の王が貴重な時間を割いて訪問を実現させた。
今は訪問するほど何か問題が起こっているわけでもない。しかもランさん達が滞在している最中だ。
なら、なぜいきなり計画が立てられたのか。
誰かを連れて行く為ではないか、と。
ランさんは俺が城下町に行くと言っていたのを思い出した。
俺に聞こうと思ったがなかなか見つからない。そのまま訪問する日になり、王達が出発するのを陰で密かに見守っていたら、使用人であるはずの俺が王の隣にいるのが見えた。
王は笑っていた。しかも俺の腰に手を添えて。
さりげなく城の使用人達に聞いてみたら、俺が使用人ではなく、王の客だと言う事がわかった。
しかも、俺が城下町訪問を希望したという事も聞き出したという。
王はランさんの前では笑った事がないらしい。そして、俺は多忙な王を動かした。大切でなければそんな簡単に言う事を聞くはずがない。
だから、きっと俺が王の大切な方なんだろうと。
ランさんは俺に謝罪した。
本当なら、俺にとって自分の存在は嫌悪されるべきなのに、使用人という嘘をついてまで自分に付き合ってくれたその優しさは尊敬に値すると。
話していて楽しかったし、こんな心の綺麗な方ならば勝てないと。
潔く身を引きますと。
ランさんはそう頭を下げた。
俺はどうすればいいんだ?
ランさんが去って行く姿を見つめる事しかできなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
ランさんは父親を説得したらしい。
これ以上迷惑を掛ければ外交問題にも発展すると訴えたら、父親は渋々承諾したそうだ。
使用人に聞いたら、王の機嫌を損ねたら自分の国が危うくなりますからと言っていた。
そんなにこの国は影響力が大きいのかと言ったら、はいと頷いていた。
陛下は容赦のないお方ですからと言っていた。だからこうして平和になったんだと。
そういえば城下町の責任者も王が国を立て直した英雄だと言っていた。
どんな事をしたのかは怖くて聞けなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
ランさん達は自分の国へと帰ってしまった。
最後に会いに来てくれて、今度は私の国へ遊びに来てくださいと言ってくれた。
違う国への興味はあるけど、たぶん行く事は無いと思う。
王は俺達が話しているのを見てしかめっ面をしていた。
そういえばランさんと面識があると言ってなかったかもしれない。
きっと勝手に他の国の王族と接触した事を怒っているんだろう。何か粗相があっては王の責任になるし。
王はそのまま公務に戻ったが、使用人が話があるので部屋にいるようにとの事ですと告げてきた。
気が重い。体調が悪いと自分の部屋に戻ってしまおうか。
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○月×日
予想とは違っていた城下町訪問は思いのほか俺の心に打撃を与えていたらしい。
あれから数日経つが食欲がない。
生理になってしまったのもあってやる気が全く出ない。
毎月きちんと生理が来ているのはありがたい。妊娠してない証拠だから。
こんな事を思う日がくるなんて信じたくなかった。
王はSEXできないのが嫌なのか、生理だからダメだと言うと残念そうな顔をする。
イライラしていたので、そんなにやりたいなら他の女としてこいと思わず言ってしまったら、もっと悲しそうな顔をされた。
無理をされてるのはこっちなのに、俺がいじめている気分になるのはなんでだろう。
納得いかない。
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○月×日
気分転換にテラスで休んでいたらランさんに会った。
ランさんは静かに「あなただったのですね」と言った。
何がと聞けば「陛下の大切な方です」と信じられない事を口にした。
俺は男なのであり得ないと言ったが、でも一緒に城下町に行ったのでしょう?と言われた。
だからなぜそれからそうなるんだと聞いてみたら、王はランさん達親子にはっきりこう言ったのだそうだ。
「これ以上滞在されてもあなた方の国と婚姻を結ぶつもりはない。側室を持つつもりもない」
と。
さらに、もし婚姻を結んだとしてもあなたや生まれてくる子どもを愛する事はないでしょうと。
王は誰かを妃に決めたなどという事は言わなかったが、急遽決まった城下町への訪問がランさんを確信させた。
これだけ忙しい身分の王が貴重な時間を割いて訪問を実現させた。
今は訪問するほど何か問題が起こっているわけでもない。しかもランさん達が滞在している最中だ。
なら、なぜいきなり計画が立てられたのか。
誰かを連れて行く為ではないか、と。
ランさんは俺が城下町に行くと言っていたのを思い出した。
俺に聞こうと思ったがなかなか見つからない。そのまま訪問する日になり、王達が出発するのを陰で密かに見守っていたら、使用人であるはずの俺が王の隣にいるのが見えた。
王は笑っていた。しかも俺の腰に手を添えて。
さりげなく城の使用人達に聞いてみたら、俺が使用人ではなく、王の客だと言う事がわかった。
しかも、俺が城下町訪問を希望したという事も聞き出したという。
王はランさんの前では笑った事がないらしい。そして、俺は多忙な王を動かした。大切でなければそんな簡単に言う事を聞くはずがない。
だから、きっと俺が王の大切な方なんだろうと。
ランさんは俺に謝罪した。
本当なら、俺にとって自分の存在は嫌悪されるべきなのに、使用人という嘘をついてまで自分に付き合ってくれたその優しさは尊敬に値すると。
話していて楽しかったし、こんな心の綺麗な方ならば勝てないと。
潔く身を引きますと。
ランさんはそう頭を下げた。
俺はどうすればいいんだ?
ランさんが去って行く姿を見つめる事しかできなかった。
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○月×日
ランさんは父親を説得したらしい。
これ以上迷惑を掛ければ外交問題にも発展すると訴えたら、父親は渋々承諾したそうだ。
使用人に聞いたら、王の機嫌を損ねたら自分の国が危うくなりますからと言っていた。
そんなにこの国は影響力が大きいのかと言ったら、はいと頷いていた。
陛下は容赦のないお方ですからと言っていた。だからこうして平和になったんだと。
そういえば城下町の責任者も王が国を立て直した英雄だと言っていた。
どんな事をしたのかは怖くて聞けなかった。
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○月×日
ランさん達は自分の国へと帰ってしまった。
最後に会いに来てくれて、今度は私の国へ遊びに来てくださいと言ってくれた。
違う国への興味はあるけど、たぶん行く事は無いと思う。
王は俺達が話しているのを見てしかめっ面をしていた。
そういえばランさんと面識があると言ってなかったかもしれない。
きっと勝手に他の国の王族と接触した事を怒っているんだろう。何か粗相があっては王の責任になるし。
王はそのまま公務に戻ったが、使用人が話があるので部屋にいるようにとの事ですと告げてきた。
気が重い。体調が悪いと自分の部屋に戻ってしまおうか。
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