黒の騎士と銀の少年

９ ＊

　

　次に気づいた時、俺は男の膝の上に抱えられた状態で貫かれていた。

「あ……？　んっ、」

「ルディ様、お気づきになりましたか？」

「こ、これは一体……？」

「あなたがお気づきにならないので、こうして抱えたまま抱かせていただいております」

　男は話しながらも、俺の尻を掴んだままゆさゆさと腰を揺らしている。直接乗っているからさっきよりも深く入っていて、圧迫感が凄い。凄いけど、気持ちよさはそのままだ。そのままだから、俺のペニスはダラダラと透明な液を垂らしていた。

　俺は気を失っている間に何度か射精したのか、男の腹や自分の腹に白い液体の跡らしきものがテカテカと光っていた。出したものが全部ついていないという事は、嫌な予感がする。

「こ、これはっ、どういう、事ですかっ！」

「どういう事…と言いますと？」

「俺は、何度か出したんですか？」

「はい。可愛くこのペニスを震わせて、私の腹の上に何度もかけてくださいました」

「……」

　かけてくださいましたって、変態かよ。引いた。

「…それは、拭いたのですか？」

「いいえ。あなたが出したモノは神聖な物ですので、私がいただきました。掬いきれない量は、こうしてあなたの身体に塗らせていただきまして、舐め取らせていただきました」

　男は俺の腹についたわずかな精液を掬い、そのまま俺の乳首に塗り込めた。そして、恍惚とした表情のまま俺を抱きしめ、乳首に吸いついた。

「ちょっ、やめっ……」

「ああ…何度吸っても素晴らしい味がします……」

　男はうっとりと俺の乳首を見つめ、唇や舌で何度も愛撫した。するとなぜか俺の乳首はピンと立っていて、ぷっくりとその存在感を露にした。

「……」

　本当に変態だな。

　俺の乳首を嬉々として吸う男にも引いたが、それを見ても萎えない自分が信じられない。昔、色んな奴を見てきたせいで耐性ができてしまったんだろうか。

　でも、男をイかせないと終わらない。俺は自分の穴をぎゅっと締めて、自分からも腰を振るようにした。

「あっ、ルディ様…そんな……！」

　男はいきなり攻撃をしかけた俺に驚いていたが、まだ出す様子はなかった。

「グラインさん、早く、激しくしてもいいから、俺の中に出してください…あなたが欲しい……」

　今度は自分から男にキスをしてみた。すると、中に入っていたモノがグンッ…と大きくなり、男の息がさらに荒くなった。

「はあ、はあ…ルディ、さま…そんなに、私を煽らないでください……！」

「ひっ……！」

　男がそう呟いた瞬間、俺の身体はペニスが抜けるギリギリまで持ち上げられ、そのあと急に落とされた。

「ああっ、ああっ、」

「ルディ様……！」

　男は何度も深く突き刺し、俺の中を蹂躙した。それに煽られた俺も、目の前の男の事しか見えなくなって、もっと欲しい、もっと激しくして欲しいと、それだけしか考えられなくなっていた。

「グラインさんっ、もっと、もっと突いてください……！　もっと、強く……！　俺の中で出して……！」

「ルディ様…本当に、本当にあなたが私のモノになったのですね……！　本当に……！」

「うん…なる…グラインさんのモノに、なります……！」

「ルディ様……！」

　俺が「あなたのモノになる」と言った瞬間、男は俺の顔を引き寄せ、激しいキスを仕掛けてきた。キスというよりは、ぶつかると言った方が良かったかもしれない。それほど激しいモノだった。

「ルディ様……！　愛しています…これからは、ずっと、一緒です……！」

　そのあと男は何度も俺の中で精を吐き出し、俺を抱きしめながら「愛しています」と繰り返していた。