黒の騎士と銀の少年

マメ

文字の大きさ
上 下
7 / 12

7 *

しおりを挟む
 

 ペニスなんて仕事で嫌ってくらい見慣れていたはずなのに、久しぶりのせいか触るのに戸惑ってしまう。でも、触らなきゃ始まらない。俺は昔を思い出すようにペニスを握りしめ、上下に動かした。

 男のペニスからはすでに透明な汁が少しずつ出てきていた。俺が触れたら急に増えた気がする。ドクドクと脈を打ち、血管まで浮き出たそれは、自分についているモノと同じとは思えないくらいにグロテスクで、凶悪に見えた。

「ルディ、さま……!」

 男は呻き声を漏らし、眉間にもしわが寄っている。もうすぐだ。

 俺はペニスに顔を寄せ、その先端を口に含んだ。

「ルディ様……! そんな、ああっ……!」

 男は俺が口に含んだ瞬間に射精していた。俺の頭をどけようと髪を掴まれたが、それを無視するように先端を吸ってやると、ペニスからはドクドクと白い液体が溢れ出た。思っていたより濃い気がする。溜まってたのかな。

「…最近してなかったんですか?」

「あ、あなたを見つけてからは、してません……」

 頬を上下しながら男は言った。俺を見つけてから…つまり、店に来るようになってからって事か?

「店に来るようになってからって事ですか?」

「はい、私はあなたを見つけてから、あなたしか見えなくなりました」

 男が来るようになったのは、確か二ヶ月くらい前。つまり、それだけしてないのか。すげえな。

「それだけしてないの、凄いですね」

「ああ…あなたが私のモノをお触りになっているなんて…夢のようです……」

「……」

 男は息を荒げながらも、どこか遠くを見つめるような様子で感動している。どこまで俺の事好きなんだよ。

 でも、悪い気はしなくなってきた。最初はキモいとか怪しいって思ったけど、一緒にいたら感化されたのかな。無理強いされる事はないし、もう少しご褒美的な何かをあげたくなってきた。

「…じゃあ、夢をもう少し見せてあげます」

「え?」

 俺は自分のズボンを脱いで、男に尻を向ける形で跨った。これで俺の尻は男の目の前に晒されている。

「俺も好きにしますから、あなたも好きにしてください」

 俺は片手で自分の下着をちょっとずらし、尻の割れ目が見えるようにした。すると、男のペニスが再び勃ち上がり、ドクドクと脈を打った。早いな。

 男はまだ何もしない。戸惑っているんだろう。でも、俺は男を待たずに、再びペニスを口にした。

「…んっ、んっ、」

 唾液を垂らし、ジュボジュボと卑猥な音をわざと立てながら男を煽ってやると、男はようやく俺の尻に手をかけた。

「ああ…本当に……」

 男は俺の下着をゆっくりと下ろしていった。そして、太股まで下ろしきると、尻に手をかけ、ぐいっと尻たぶを広げた。

「はあ…はあ……」

 男の息は荒く、俺の尻の穴に何度も息がかかる。しばらく眺めていたようだが、そのあとすぐに熱い何かが穴に触れた。

「……っ、」

 男は俺の尻の穴を舐め始めた。ほぐしてあるからすんなり舌が入ってくる。久しぶりの感触に耐えていると、男の呟きが聞こえてきた。

「ああ…本当に準備をしてくださったのですね……」

 男は遠慮なしにグイグイ舌を入れてきて、ついでに潤滑油みたいなものを塗っていた。男も用意していたんだろう。その隙に俺の袋も揉んだりしている。でも、ペニスは触ってくれなかった。

 俺も負けじと男のペニスを頬張り、筋を舐めたり先端をつついたり、時にはゆっくりと舌を這わせたりと、あらゆる技を駆使してみたが、今度は果てる様子がない。一度出したからだろうか。

 なるべくフェラで回数稼ぎたいんだけど、ダメかな。顎が痛くなってきた。

 ペニスを舐めながらそんな事を思っていると、突然自分の身体に凄まじい快感が襲ってきた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

使用人の俺を坊ちゃんが構う理由

真魚
BL
【貴族令息×力を失った魔術師】  かつて類い稀な魔術の才能を持っていたセシルは、魔物との戦いに負け、魔力と片足の自由を失ってしまった。伯爵家の下働きとして置いてもらいながら雑用すらまともにできず、日々飢え、昔の面影も無いほど惨めな姿となっていたセシルの唯一の癒しは、むかし弟のように可愛がっていた伯爵家次男のジェフリーの成長していく姿を時折目にすることだった。  こんなみすぼらしい自分のことなど、完全に忘れてしまっているだろうと思っていたのに、ある夜、ジェフリーからその世話係に仕事を変えさせられ…… ※ムーンライトノベルズにも掲載しています

騎士は魔石に跪く

叶崎みお
BL
森の中の小さな家でひとりぼっちで暮らしていたセオドアは、ある日全身傷だらけの男を拾う。ヒューゴと名乗った男は、魔女一族の村の唯一の男であり落ちこぼれの自分に優しく寄り添ってくれるようになった。ヒューゴを大事な存在だと思う気持ちを強くしていくセオドアだが、様々な理由から恋をするのに躊躇いがあり──一方ヒューゴもセオドアに言えない事情を抱えていた。 魔力にまつわる特殊体質騎士と力を失った青年が互いに存在を支えに前を向いていくお話です。 他サイト様でも投稿しています。

進行性乙女症

あこ
BL
衛は決して乙女ではないのに、匡の前ではそれに近い状態になってしまう。 その上、匡の色気に当てられた相手を見つけては嫉妬して威嚇してと大忙し。 ────俺、匡に夢中すぎるじゃねぇか! ▷ 長身平凡×イケメン不良 ▷ フェロモン撒き散らし系普通顔色気男子、受け溺愛攻(平凡とは?) ▷ 不良だけど実姉に「乙女ちゃん」と呼ばれるイケメン、ちょいツン受け ▷ 攻めはいわゆる全寮制王道学園在学中 ▷ 受けは不良がいっぱいの工業高校在学中 ▷ ほのぼの甘い日常 ▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。

【BL】SNSで出会ったイケメンに捕まるまで

久遠院 純
BL
タイトル通りの内容です。 自称平凡モブ顔の主人公が、イケメンに捕まるまでのお話。 他サイトでも公開しています。

魚上氷

楽川楽
BL
俺の旦那は、俺ではない誰かに恋を患っている……。 政略結婚で一緒になった阿須間澄人と高辻昌樹。最初は冷え切っていても、いつかは互いに思い合える日が来ることを期待していた昌樹だったが、ある日旦那が苦しげに花を吐き出す姿を目撃してしまう。 それは古い時代からある、片想いにより発症するという奇病だった。 美形×平凡

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

英雄の帰還。その後に

亜桜黄身
BL
声はどこか聞き覚えがあった。記憶にあるのは今よりもっと少年らしい若々しさの残る声だったはずだが。 低くなった声がもう一度俺の名を呼ぶ。 「久し振りだ、ヨハネス。綺麗になったな」 5年振りに再会した従兄弟である男は、そう言って俺を抱き締めた。 ── 相手が大切だから自分抜きで幸せになってほしい受けと受けの居ない世界では生きていけない攻めの受けが攻めから逃げようとする話。 押しが強めで人の心をあまり理解しないタイプの攻めと攻めより精神的に大人なせいでわがままが言えなくなった美人受け。 舞台はファンタジーですが魔王を倒した後の話なので剣や魔法は出てきません。

獅子王と後宮の白虎

三国華子
BL
#2020男子後宮BL 参加作品 間違えて獅子王のハーレムに入ってしまった白虎のお話です。 オメガバースです。 受けがゴリマッチョから細マッチョに変化します。 ムーンライトノベルズ様にて先行公開しております。

処理中です...