愛人契約しました

長月〜kugatu〜

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留守番でした

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土曜日の朝、二人で朝食を食べる。
一緒に暮らし始めてから、食事は二人でとることが通例となった。
イングリッシュマフィンに卵焼きとハムを挟む。サラダはコールスローにして、コンソメスープを添えた。

「俺はこのあと出かけます、昼食と夕食は必要ないですから、哲は好きにしてください」

昼も夜も・・・デートかな・・・心がチクりと傷む 「は・・・い」 この一言をようやく絞り出す。

淳一が出かけたあと、リビングやキッチンの掃除をする。そのあとは自分の部屋の整理をした。 
引っ越しをしてから、必要なものだけを段ボールから取り出して使っていたが、きちんと納める場所に収納をしていく。 
からくり箱を取り出して、その中をのぞき込む。



あのお兄さんは、今、どうしているのだろう?

好きな人に必要とされないのがこんなに寂しくて辛いことなんだ。

僕は、淳一さんが好きなんだ。


一度だけしてくれたキスを思い出す。
優しくて、それでいてとろけてしまうほど気持ちが良くて、そういえば、あの唇・・・どこかで見たことがある。 

どこだったろう・・・

今頃、淳一さんは誰とどこで何をしているんだろうか・・

また、泪がでてくる・・

いい年をした男が泣いてばかりいるのもバカみたいだと思うのだが、哀しいから涙がでる。
生理現象なんだから仕方が無い。

何も食べたくなくて、小箱を持ったままベッドに横になった。



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