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あいそがつきました
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「さて、そろそろ帰りましょうか」
専務に就任したばかりということで、お知らせや挨拶廻りなどの調整、社内についての報告に追われて声を掛けられるまで集中していて時間に気づかなかった。
今までは、補佐をする対象は複数の人間で頼まれたことを忠実にこなせばよかった。
しかし、秘書として専務を補佐をするのなら、自分の作業以上に専務の時間の管理をしなくてはいけないのに声を掛けられるまで時間に気づかなかったとか、これは良くない仕事としては失敗だ。
しばらくはアラームを使った方がいいかもしれない。
「すいません」
「あの・・部屋はどこにあるのでしょうか?住所とか教えてもらえれば」
「一緒に帰りますから、車を呼んでください」
そうだった・・・
仕事中は普通すぎて、というより如月はかなりデキるし常識的だ、だから男に愛人契約を持ちかけるような人物に思え無い為すっかり忘れていた。
今夜、その・・・相手をするのだろうか・・ そう思うと急に顔が赤くなった、なんだか変な気分だ。
部長とは一応、好意というのが介在していたが、如月にはそういう感情は無い。
法外な報酬にどんなことを要求されるのか不安が無いと言えば嘘になる。
後部座席に並んで座ると、如月は行先を告げるでも無く腕を組んでそのまま目を瞑る。
別宅のようなものも運転手には伝えてあるのだろうか?
どちらにしても、もう僕がどうのと言えない状況であるのは確かだし、僕の身体で借金も返せるならそれでいいと思うしかない。
すっかり忘れていたが部長はどうしただろう。
スマホを取り出してみると、今まで見たことの無い数のメッセージが入っていた。
通知バッチは130件、LINEを起動すると部長からのメッセージは108件になっていた。
煩悩の数・・・ ふと108という数字でそんなことを考えてしまったが、正直“面倒”だ。
目を通した方がいいだろうな・・・最初は朝の続きで
『わたしには、哲が必要だ』
『わかって欲しい、君に捨てられたら私はどこに癒やしを求めればいい』
など、ほぼピロートークのような文言が並んでいる。
その後は、僕が秘書課に異動になったことについてのメッセージがいくつかあったあとは、 たぶん部屋に行ったが留守であることへのメッセージが続いていた。
『なぜ出てこない』 から始まって 『秘書課におまえは男が好きな淫乱だと言ってやる』 とか書いてある。
相手はあんただろう・・・と、思うとうんざりした。
こんな人を好きだったんだ・・・ この人に好かれたくて、痛いのを我慢して気持ちがいい振りまでして・・・
この人は絶対に証拠になるようなものを残さない人だった。だから写真を撮られることもなかったから、それだけは良かったと思う。
「はぁ・・・」 小さくため息をついたと同時に着信を知らせるための振動が起きた。
部長からだ。既読がついたことで直接、電話をしてきたのだろう。
手元でバイブ音が鳴る。
画面をじっと見つめていると
「出ないのですか?かまいませんよ」
眠って居たのかと思っていたが、目だけ瞑っていたんだろう。
出てもいいって言われても、さすがに部長が相手では出にくい。
「いえ・・・」
「でなさい」
「!」
「わたしに従ってもらうと伝えたはずです、電話にでなさい」
くっ、こんなことまで従えというのか・・
しかし今日一日一緒に居て、これほど強く言葉を投げられたのは初めてだ。
「部長からです」
「だから?」
声が冷たい、黙って従った方がいいようだ。
「・・でます」
如月は一度もこちらを見ること無く、視線はあくまでも窓の外にあった。
「はい、橋本です・・・」
『橋本君、きみ今どこにいるの?』
「・・・・」
『怒らないから、もう遅いから今からは会えないが、明日の夜はちゃんと部屋にいなさい』
「あの部屋はもう、帰らないです。引っ越しをしました」
『引っ越し?どういうことだ?まあ、いい、新しい住所を教えなさい』
「もう、部長とは」 会いたくないという前に
『橋本君、君が秘書課に移ったことは聞いたよ、どうしてそんな部署に行ったのかわからないが、君を潰すことくらい簡単だ。秘書課にも懇意にしている人物が居るのだから』
『君は賢いだろ?そこをよく考えてごらん』
この人は、自分から捨てるときは容赦ないが、相手が離れていくのは許せないのだろう。
若くして営業部長になってトップを走る人間にとって、僕なんかにフラれるのは屈辱だとでも思ってるんだろうか?僕がどれほど傷ついたのか一生わからないのかもしれない。
『黙ってないで、新住所を教えなさい。そして、明日の夜はわたしが行くまで裸で待っていなさい、いいね!なんなら仕事も休んでいい、わたしから上手く言っておくから』
『外回りだということで、朝から君をかわいがってもいいよ』
苛立って暴走していく部長を遮ることも、如月の前でむやみに電話を切ることもできない。
『明日はお仕置きとして、いままで使ったことの無い物も使ってあげるから』
部長の話はどんどんエスカレートしていく、もう本当に聞きたくない。
部長をこれ以上嫌悪させて欲しくない。 僕がこの人を好きだったことは事実だから・・
「部長・・・」
なんとか、言葉を絞り出し先を続けようとしたところで目の前に手のひらが差し出された。
その手の主を見ると、この車に乗り込んで初めて僕を見ていた。
手のひらにスマホを載せると、如月はゆっくりとした動作でスピーカーに切り替えた。
『いくらでも、私のを舐めていいから、なんなら君のもたっぷり舐めてあげる』
いたたまれない・・・
如月は恥ずかしい言葉がスピーカーから流れてきても、顔色ひとつ変えることなく
「田中部長、お疲れ様です。如月です。」
『は?如月?』
あきらかに動揺した声が聞こえてくる。
「本日、専務取締役に就任しました如月淳一です」
『き・・・如月専務・あの・・この携帯・・』
「橋本君のです。そして、今日から橋本君は私付きの秘書ですから今も一緒におります」
「ところで、プライベートで他部署の部長と平の社員との交流というのは珍しいですね」
『まぁ・・以前、橋本君がミスをしまして、それ以降、私が色々と教えております』
「そうですか、これからは必要ないです。橋本くんの直属の上司は私ということになりますので、私が教育します。」
さすがに、これで部長も何も言えないだろう。
『ですが』
うわ・・・まだ、何か言うんだろうか・・・・
如月はどう返すんだろう ほんとうに、いたたまれない・・
もう、終わりにしてほしい・・
「田中部長は新人教育に熱心だとお聞きしてます。」
「?」
『は?・・え・ええ・・そうですね、はやく一人前になって欲しいですから』
「確か、秘書課のリーダーと今年の新入社員、経理部の昨年入社の一人と橋本君の4名も“教育”してくださっていると報告が上がってます」
『いえ・・その・・・そ・・・それは・・』
部長がしどろもどろになっているのが少し可笑しかったが、如月のところに報告が上がっているだけでも僕を含め4人が部長の“教育”を受けていたことに更にショックを受ける。
「ほかの3人は確認はしておりませんが、橋本くんは“教育”は必要ないと言っておりますので、今後は無用です。
それから、社内の風紀などにも力を入れていく予定ですので、田中部長もそのあたりのことはよくよくと考えておいてください。
我が社には地方にも支社がありますし・・・って、田中部長はよくご存じですよね?田中部長の“教育”後、数名が田中部長の推薦によって地方支社へ移動になっているものがいると聞いてます」
ごくりとスピーカーからでも聞こえるほど、喉の鳴る音がした。
「それでは今後、橋本くんへの“教育”は無用です。プライベートでの接触も控えていただきます。」
「いいですね!」
さすがの部長も、ここまでキッパリと告げられて、さらには数人の不倫相手の話をされて引き下がるしかない。
『わかりました。失礼します』 電話をかけてきたときとは大違いな呟くような声で通話を終えた。
通話が切れると如月は無言でスマホを哲に返してきた。
専務に就任したばかりということで、お知らせや挨拶廻りなどの調整、社内についての報告に追われて声を掛けられるまで集中していて時間に気づかなかった。
今までは、補佐をする対象は複数の人間で頼まれたことを忠実にこなせばよかった。
しかし、秘書として専務を補佐をするのなら、自分の作業以上に専務の時間の管理をしなくてはいけないのに声を掛けられるまで時間に気づかなかったとか、これは良くない仕事としては失敗だ。
しばらくはアラームを使った方がいいかもしれない。
「すいません」
「あの・・部屋はどこにあるのでしょうか?住所とか教えてもらえれば」
「一緒に帰りますから、車を呼んでください」
そうだった・・・
仕事中は普通すぎて、というより如月はかなりデキるし常識的だ、だから男に愛人契約を持ちかけるような人物に思え無い為すっかり忘れていた。
今夜、その・・・相手をするのだろうか・・ そう思うと急に顔が赤くなった、なんだか変な気分だ。
部長とは一応、好意というのが介在していたが、如月にはそういう感情は無い。
法外な報酬にどんなことを要求されるのか不安が無いと言えば嘘になる。
後部座席に並んで座ると、如月は行先を告げるでも無く腕を組んでそのまま目を瞑る。
別宅のようなものも運転手には伝えてあるのだろうか?
どちらにしても、もう僕がどうのと言えない状況であるのは確かだし、僕の身体で借金も返せるならそれでいいと思うしかない。
すっかり忘れていたが部長はどうしただろう。
スマホを取り出してみると、今まで見たことの無い数のメッセージが入っていた。
通知バッチは130件、LINEを起動すると部長からのメッセージは108件になっていた。
煩悩の数・・・ ふと108という数字でそんなことを考えてしまったが、正直“面倒”だ。
目を通した方がいいだろうな・・・最初は朝の続きで
『わたしには、哲が必要だ』
『わかって欲しい、君に捨てられたら私はどこに癒やしを求めればいい』
など、ほぼピロートークのような文言が並んでいる。
その後は、僕が秘書課に異動になったことについてのメッセージがいくつかあったあとは、 たぶん部屋に行ったが留守であることへのメッセージが続いていた。
『なぜ出てこない』 から始まって 『秘書課におまえは男が好きな淫乱だと言ってやる』 とか書いてある。
相手はあんただろう・・・と、思うとうんざりした。
こんな人を好きだったんだ・・・ この人に好かれたくて、痛いのを我慢して気持ちがいい振りまでして・・・
この人は絶対に証拠になるようなものを残さない人だった。だから写真を撮られることもなかったから、それだけは良かったと思う。
「はぁ・・・」 小さくため息をついたと同時に着信を知らせるための振動が起きた。
部長からだ。既読がついたことで直接、電話をしてきたのだろう。
手元でバイブ音が鳴る。
画面をじっと見つめていると
「出ないのですか?かまいませんよ」
眠って居たのかと思っていたが、目だけ瞑っていたんだろう。
出てもいいって言われても、さすがに部長が相手では出にくい。
「いえ・・・」
「でなさい」
「!」
「わたしに従ってもらうと伝えたはずです、電話にでなさい」
くっ、こんなことまで従えというのか・・
しかし今日一日一緒に居て、これほど強く言葉を投げられたのは初めてだ。
「部長からです」
「だから?」
声が冷たい、黙って従った方がいいようだ。
「・・でます」
如月は一度もこちらを見ること無く、視線はあくまでも窓の外にあった。
「はい、橋本です・・・」
『橋本君、きみ今どこにいるの?』
「・・・・」
『怒らないから、もう遅いから今からは会えないが、明日の夜はちゃんと部屋にいなさい』
「あの部屋はもう、帰らないです。引っ越しをしました」
『引っ越し?どういうことだ?まあ、いい、新しい住所を教えなさい』
「もう、部長とは」 会いたくないという前に
『橋本君、君が秘書課に移ったことは聞いたよ、どうしてそんな部署に行ったのかわからないが、君を潰すことくらい簡単だ。秘書課にも懇意にしている人物が居るのだから』
『君は賢いだろ?そこをよく考えてごらん』
この人は、自分から捨てるときは容赦ないが、相手が離れていくのは許せないのだろう。
若くして営業部長になってトップを走る人間にとって、僕なんかにフラれるのは屈辱だとでも思ってるんだろうか?僕がどれほど傷ついたのか一生わからないのかもしれない。
『黙ってないで、新住所を教えなさい。そして、明日の夜はわたしが行くまで裸で待っていなさい、いいね!なんなら仕事も休んでいい、わたしから上手く言っておくから』
『外回りだということで、朝から君をかわいがってもいいよ』
苛立って暴走していく部長を遮ることも、如月の前でむやみに電話を切ることもできない。
『明日はお仕置きとして、いままで使ったことの無い物も使ってあげるから』
部長の話はどんどんエスカレートしていく、もう本当に聞きたくない。
部長をこれ以上嫌悪させて欲しくない。 僕がこの人を好きだったことは事実だから・・
「部長・・・」
なんとか、言葉を絞り出し先を続けようとしたところで目の前に手のひらが差し出された。
その手の主を見ると、この車に乗り込んで初めて僕を見ていた。
手のひらにスマホを載せると、如月はゆっくりとした動作でスピーカーに切り替えた。
『いくらでも、私のを舐めていいから、なんなら君のもたっぷり舐めてあげる』
いたたまれない・・・
如月は恥ずかしい言葉がスピーカーから流れてきても、顔色ひとつ変えることなく
「田中部長、お疲れ様です。如月です。」
『は?如月?』
あきらかに動揺した声が聞こえてくる。
「本日、専務取締役に就任しました如月淳一です」
『き・・・如月専務・あの・・この携帯・・』
「橋本君のです。そして、今日から橋本君は私付きの秘書ですから今も一緒におります」
「ところで、プライベートで他部署の部長と平の社員との交流というのは珍しいですね」
『まぁ・・以前、橋本君がミスをしまして、それ以降、私が色々と教えております』
「そうですか、これからは必要ないです。橋本くんの直属の上司は私ということになりますので、私が教育します。」
さすがに、これで部長も何も言えないだろう。
『ですが』
うわ・・・まだ、何か言うんだろうか・・・・
如月はどう返すんだろう ほんとうに、いたたまれない・・
もう、終わりにしてほしい・・
「田中部長は新人教育に熱心だとお聞きしてます。」
「?」
『は?・・え・ええ・・そうですね、はやく一人前になって欲しいですから』
「確か、秘書課のリーダーと今年の新入社員、経理部の昨年入社の一人と橋本君の4名も“教育”してくださっていると報告が上がってます」
『いえ・・その・・・そ・・・それは・・』
部長がしどろもどろになっているのが少し可笑しかったが、如月のところに報告が上がっているだけでも僕を含め4人が部長の“教育”を受けていたことに更にショックを受ける。
「ほかの3人は確認はしておりませんが、橋本くんは“教育”は必要ないと言っておりますので、今後は無用です。
それから、社内の風紀などにも力を入れていく予定ですので、田中部長もそのあたりのことはよくよくと考えておいてください。
我が社には地方にも支社がありますし・・・って、田中部長はよくご存じですよね?田中部長の“教育”後、数名が田中部長の推薦によって地方支社へ移動になっているものがいると聞いてます」
ごくりとスピーカーからでも聞こえるほど、喉の鳴る音がした。
「それでは今後、橋本くんへの“教育”は無用です。プライベートでの接触も控えていただきます。」
「いいですね!」
さすがの部長も、ここまでキッパリと告げられて、さらには数人の不倫相手の話をされて引き下がるしかない。
『わかりました。失礼します』 電話をかけてきたときとは大違いな呟くような声で通話を終えた。
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