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幾久しく幸せな日々
伝わない想い
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華視点
「はぁあ。どうしてうまくいかないんだろ・・。」
もう既に会社から帰り、自宅のお風呂の中でここ数日を思うと、あたたかいお風呂でも自分の心までは温めてはくれないようだ。佐々木さんとトイレで会った後にランチに行って帰ってきたら、取引先へと外出したユウマさんはもういなかった。そして、急な海外からの問い合わせがあったため、明日は朝から大阪に行ってしまうと帰りがけに聞いた。
湯船の中で膝を折り曲げあごをのせて白い湯けむりに包まれていると、思い出すのは初めてユウマさんに抱かれた次の日の朝。
逃げたい気持ちをどうにか抑えて、ユウマさんの家のお風呂で体を洗っていたらユウマさんが扉を凄い勢いで開けて入ってきたっけ・・。なんとなく、ここにユウマさんが入ってくるわけないのに扉を眺めてしまう。
あの時のユウマさんは麗しい瞳を真っ赤にして、シュッとした鼻も赤くて、息が出来ない強い力で抱き締める身体は少し震えていた。
私はそれが一番嬉しかった。
出会った時はしたくもない苦労をして塩対応だったユウマさんと日に日に近づく距離に、いつも私の心臓を壊れちゃうぐらいドキドキした。甘い言葉と態度で私を甘やかすユウマさんは余裕溢れる大人で、その心のうちはいつもはよく見えない。だから、あの震えて抱きしめられた時だけは、ユウマさんの本音が見えた気がしたんだ。
・・いつだって可愛い、好きだとは言ってくれる。こちらが聴き慣れてしまうくらい。
でも、それだけじゃなんだか足りない・・。
自分でも贅沢だなぁって分かってるんだけど・・。
考え込んですっかり長湯になってしまった湯船からざぱっと出て、ボディーソープをつけたタオルで身体を洗う。
ふわふわの泡でつま先からくるりくるりと泡を滑らせていくと・・ぞくりとした官能にどきりとしてしまう。
「なんでこうなるのよ・・ユウマさんのせいなんだからっ。」
外の外気温との差で白い湯気が充満する浴室に響く独り言。水滴がシャワーノズルの曲線を滑り落ちていく。
誰もいないこの空間なら許されるだろうか・・。
こんなことなどした事はなかった。
大人になった今ならば、誰に咎められる事などないけれど・・。
ここにはいないユウマさんの不埒な手の幻覚に自分の手を重ね、足首から膝の裏、太ももの前面へ沿わせるように泡のついた手のひらを撫で上げていく。その手が太ももの付け根までたどり着くと・・、
「はぁっ・・。」
押し殺すような吐息が漏れ、自分の隠された女の声に恥ずかしさと、隠しようもない興奮を感じた。
歯がゆい快感からもじもじと太ももをすり合わせると、くちゅりと小さな音。
静かすぎる浴室に響くその淫らな音に背徳感を感じ、さらなる興奮に熱に浮かされるように自分の指先を茂みの奥にそっと滑らせる。
グチュッと響く音に羞恥心と諦めのような想いがわく。
滑らせていた指先は敏感な突起へとたどり着き、自身のぬめりを利用しくるりと撫でると、どうしようもない快感に襲われる。
この指が・・ユウマさんの指だったら・・。
ユウマさんの幻覚を見るように、自分の指を淫らな記憶をなぞるように動かしていく。
「ふっ、うん、、はぁぁ。」
体の一部が火傷するように熱くなる。
ぐちぐちと自分のぷっくり立ち上がった突起を撫で回す。
お風呂の椅子に座ったまま、両足を開き自分の秘部を弄る自分はなんて淫らなんだろう、そう思うのに弄る手を止めることができない。そんな視線の先には、ぴんと上を向いた乳首。ユウマさんなら優しく口付けて、あの熱い舌で舐めて転がして、ちゅって吸いこちらの様子を甘く熱い視線で伺っていた。
そんな甘い記憶に涙がにじむ。
自分で自分の尖った乳首を触っても、あんなに気持ち良くなれない。
ぐちょぐちょと濡れる秘部も快感は感じるけど、あんなに息が止まりそうな快感じゃないの。
切なく締めつけるお腹の奥に、満たされない空虚感。
もう、これ以上触ってもきっと私は満たされない。
幻覚じゃない、ほんとのユウマさんの温もりが、甘やかさが欲しい。
身体を触れば感じられる官能も、ユウマさんの熱さを感じなければ一人虚しくなるの。
あの不埒な手で触って欲しい、息ができないくらいのキスをして、あの甘い声で呆れるくらい好きだって言って、ぎゅっと抱きしめて奥まで満たして欲しい。
冷えた泡だらけの身体を自分で抱きしめ、ポロポロ涙がこぼれた。
ユウマさん、私、ちゃんとユウマさんのこと好きだよ・・。
「はぁあ。どうしてうまくいかないんだろ・・。」
もう既に会社から帰り、自宅のお風呂の中でここ数日を思うと、あたたかいお風呂でも自分の心までは温めてはくれないようだ。佐々木さんとトイレで会った後にランチに行って帰ってきたら、取引先へと外出したユウマさんはもういなかった。そして、急な海外からの問い合わせがあったため、明日は朝から大阪に行ってしまうと帰りがけに聞いた。
湯船の中で膝を折り曲げあごをのせて白い湯けむりに包まれていると、思い出すのは初めてユウマさんに抱かれた次の日の朝。
逃げたい気持ちをどうにか抑えて、ユウマさんの家のお風呂で体を洗っていたらユウマさんが扉を凄い勢いで開けて入ってきたっけ・・。なんとなく、ここにユウマさんが入ってくるわけないのに扉を眺めてしまう。
あの時のユウマさんは麗しい瞳を真っ赤にして、シュッとした鼻も赤くて、息が出来ない強い力で抱き締める身体は少し震えていた。
私はそれが一番嬉しかった。
出会った時はしたくもない苦労をして塩対応だったユウマさんと日に日に近づく距離に、いつも私の心臓を壊れちゃうぐらいドキドキした。甘い言葉と態度で私を甘やかすユウマさんは余裕溢れる大人で、その心のうちはいつもはよく見えない。だから、あの震えて抱きしめられた時だけは、ユウマさんの本音が見えた気がしたんだ。
・・いつだって可愛い、好きだとは言ってくれる。こちらが聴き慣れてしまうくらい。
でも、それだけじゃなんだか足りない・・。
自分でも贅沢だなぁって分かってるんだけど・・。
考え込んですっかり長湯になってしまった湯船からざぱっと出て、ボディーソープをつけたタオルで身体を洗う。
ふわふわの泡でつま先からくるりくるりと泡を滑らせていくと・・ぞくりとした官能にどきりとしてしまう。
「なんでこうなるのよ・・ユウマさんのせいなんだからっ。」
外の外気温との差で白い湯気が充満する浴室に響く独り言。水滴がシャワーノズルの曲線を滑り落ちていく。
誰もいないこの空間なら許されるだろうか・・。
こんなことなどした事はなかった。
大人になった今ならば、誰に咎められる事などないけれど・・。
ここにはいないユウマさんの不埒な手の幻覚に自分の手を重ね、足首から膝の裏、太ももの前面へ沿わせるように泡のついた手のひらを撫で上げていく。その手が太ももの付け根までたどり着くと・・、
「はぁっ・・。」
押し殺すような吐息が漏れ、自分の隠された女の声に恥ずかしさと、隠しようもない興奮を感じた。
歯がゆい快感からもじもじと太ももをすり合わせると、くちゅりと小さな音。
静かすぎる浴室に響くその淫らな音に背徳感を感じ、さらなる興奮に熱に浮かされるように自分の指先を茂みの奥にそっと滑らせる。
グチュッと響く音に羞恥心と諦めのような想いがわく。
滑らせていた指先は敏感な突起へとたどり着き、自身のぬめりを利用しくるりと撫でると、どうしようもない快感に襲われる。
この指が・・ユウマさんの指だったら・・。
ユウマさんの幻覚を見るように、自分の指を淫らな記憶をなぞるように動かしていく。
「ふっ、うん、、はぁぁ。」
体の一部が火傷するように熱くなる。
ぐちぐちと自分のぷっくり立ち上がった突起を撫で回す。
お風呂の椅子に座ったまま、両足を開き自分の秘部を弄る自分はなんて淫らなんだろう、そう思うのに弄る手を止めることができない。そんな視線の先には、ぴんと上を向いた乳首。ユウマさんなら優しく口付けて、あの熱い舌で舐めて転がして、ちゅって吸いこちらの様子を甘く熱い視線で伺っていた。
そんな甘い記憶に涙がにじむ。
自分で自分の尖った乳首を触っても、あんなに気持ち良くなれない。
ぐちょぐちょと濡れる秘部も快感は感じるけど、あんなに息が止まりそうな快感じゃないの。
切なく締めつけるお腹の奥に、満たされない空虚感。
もう、これ以上触ってもきっと私は満たされない。
幻覚じゃない、ほんとのユウマさんの温もりが、甘やかさが欲しい。
身体を触れば感じられる官能も、ユウマさんの熱さを感じなければ一人虚しくなるの。
あの不埒な手で触って欲しい、息ができないくらいのキスをして、あの甘い声で呆れるくらい好きだって言って、ぎゅっと抱きしめて奥まで満たして欲しい。
冷えた泡だらけの身体を自分で抱きしめ、ポロポロ涙がこぼれた。
ユウマさん、私、ちゃんとユウマさんのこと好きだよ・・。
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