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初恋は香りとともに
労わり方 後半
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課長視点
ピンポーン
誰だ、俺の睡眠を邪魔する奴は。。。
気だるい体でベッドから起き上がりインターホンの通話ボタンを押した。
「あの、加藤です、、、」
「。。えっ!!げほっ。かと、う?」
予想外の人物にはっきりと目が覚めた。慌ててふらふらしながらドアを開けると心配そうに見つめる可愛い彼女の姿が。うわぁ。俺の家の玄関に彼女がいる。。感動を覚えつつ、見舞いの品を置いて帰ろうとする彼女を引き止め、部屋に迎え入れた。
やばい、密室空間に彼女と二人。
あ、部屋がやばい事になってる。ちょっと、片付けないと、
「ちょっと部屋、散らかってるからここで座って待ってて。」
縦長の俺の部屋は入ってすぐに両サイドにトイレや風呂があり通り抜けると小さいながらもダイニングがあって、奥がベッドのある6畳ほどの空間。彼女にダイニングのソファを勧める。その間に奥のベッド周りをどうにかしないと。
床に落ちていたものをとりあえず狭いクローゼットに押し込み、やばそうなものがないか目視で確認する。特に男子的なもので。。。うん、大丈夫。そういうのはちゃんとあるべき場所にしまってある。
掛け布団をバサバサと乱れを直し、とりあえず大丈夫だろう。
いや、別に布団が寝乱れてたから直しただけで意味はない。閉めたままのカーテンを開けようと思ったが、すでに暗くなっていた。
「待たせてごめん。」
ダイニングに戻るとコートを着たままの彼女。しかし、座っているのは以前、俺が彼女を妄想し致したソファ。
(ぐはっ!)視覚的攻撃を受け、動悸を感じながら彼女のコートを受け取り部屋の隅のハンガーラックにかける。彼女のコートと俺のコートが二つ仲良く並ぶ
。。いかん、いちいち感動している場合ではない。
「課長、大丈夫ですか?具合悪いんですから、課長が座ってください。でないと、申し訳なくて私帰りますよ。」
優しい彼女らしい言葉。
具合は確かに悪いが、10時間ほどぶっ通しで寝たら、やっと熱が下がり、あまりの汗の不快感にシャワー浴びてから薬を飲んでまた寝たから、逆にもう寝れないぐらいだ。だって、彼女がいるんだし。
しかし、彼女が帰ってしまうのは嫌なので、彼女の隣に座る。2人がけソファは大人2人で座るとかなりの密着感がある。彼女の甘い匂いは体に毒だ。なんとなく、出来るだけはじに身体を寄せつつ彼女を見ると、ぽっと彼女の顔が赤らんだ。
?なんだろう?と思っていると
「。。課長が前髪下ろしてるの初めて見ました。なんだかかわいいですね。」
目元を赤くしにっこり笑う彼女はとてもかわいい。そして、俺の中身は決して可愛くない狼さんですよと心の中で思う。
「あ、ごめんな。昼間、シャワー浴びた時ヒゲは剃ったけど髪とかハネ放題で、服もちょっとだらしないな。」
部屋の散らかり具合に気を取られて、自分の姿をすっかり忘れていた。気恥ずかしくなり、手ぐしで髪を整えつつ、Tシャツにカーディガン、スウェットのパンツに変じゃないかと不安になる。いつもなら、このまま近所のコンビニに行くんだけど、せっかく初めて彼女が来てくれたのに、、そう思いがっかりしていると、
「いえ、なんか、いつもと雰囲気が違くて、、ど、、カッコいいです。あ、いつもも、もちろんカッコいいですが!」
ど、カッコいい?、、そこじゃないな、もちろんカッコいい?焦りながら、褒めてくれる彼女に嬉しくなる。
「そうだ、換気するか。部屋臭うかも、、」
立ち上がった俺の腕を彼女がぎゅっと掴んだ。心臓がぎゅっとなり振り返ると、
「だから、座っててください!部屋、全然臭くないです。逆に課長のいつものいい匂いしかしません!」
ムッとした顔でいつも通りの無自覚攻撃を繰り出した。
分かってるさ、俺にも学習能力はある。。。でも、にやけるのは仕方がない。
「色々、買ってきたんですけど、、何か食べられますか?、、よければお粥作ろうかと思って材料買ってきたんですけど。」
なんとなく、恥ずかしそうに聞く彼女。そんな彼女の手料理。食べたい。すごく食べたい。
「うん、ぜひ食べたい。実は一昨日の夜からほとんど食べてないんだ。」
「っ!ダメですよ!しっかり食べないと!えっとじゃあそこのキッチンお借りします。冷蔵庫に入れるもの私入れても大丈夫ですか?」
彼女に怒られる、、これ最高。風邪引いてみるモンだな。俺幸せ。
そう思いつつ、冷蔵庫には自分で入れるよと言って、袋の中のものを順番に入れていく。彼女はおかゆの材料をテキパキ出して、小鍋でお粥を作り出した。
俺がインスタントラーメンを作る時にしか使ってない小鍋、お前も今日は幸せだな、、。
若干頭の中がお花畑の俺は、また彼女の無自覚攻撃を受ける。
プリンやデザートを入れていくと最後、栄養ドリンクが数本。滋養強壮の文字。元気になって俺にどうしろと。。いや、これは俺の勝手な妄想だ。はぁ。。。なんか頭痛い。そんな俺のため息を聞いて、
「ほら、やっぱり具合悪いんですよ!寝ててください。お粥が出来たらベッドまでお持ちします。」
またもや、彼女の怒り顔。ご褒美です。
そして、俺の頭では「ベッドまでお持ちします→ベッドで待っててね」に自動変換され、悶えながらベッドに入る。いいんだろうか。。ベッドで待ってて。
そう思いつつ、ちゃっかりベッドに入ると、サイドテーブルに置いたスマホが光っていた。
やべえ。長時間寝たあと、昼前に会社に休みの連絡入れてから全然、確認してない。
先ほどまでのお花畑から高速で現実に戻ってきた。
着信が5件。メール3件。。。大丈夫かこれ。
一つ一つ確認すると、すでに対応が終わっているようで、俺で止まっているものはないようだった。
しかし、和田部長のメール、トラブル解決したからご褒美届けるって、彼女の事だろ、これ。和田部長も知ってるのかよ。これ死んだ。。。もう今更か。
あ、山城からメール。加藤さんみんなでお届けしました。襲っちゃダメですよ。嫌われますよ。って、彼女をよこした事は感謝するが、不吉な事を送ってくるな。大丈夫だ。今のところ。
それぞれに、それなりのメールを送っていると、彼女がホカホカのお粥を持ってきた。
「すみません。勝手にお茶碗お借りしました。このサイドテーブルに置きますね。」
黄色いタマゴ粥に、なんか赤い物が見える。
「梅干しが刻んで入ってるんです。すごく美味しいですよ、熱いので気をつけて下さい。」
彼女は、スプーンを渡してきたが、、この美味しい展開を俺は逃しはしない。
「華、食べさせて。」
最大限出来る甘い笑みとつい出た甘えた声。
彼女はプルプルして、真っ赤になっていた。
良かった、引かれたらどうしようかと思ったけど、大丈夫そうだ。どうやら、俺の見た目は彼女にも有効になったようだ。ニヤニヤと彼女を見つめると、
「もう、ずるいです!」
ぷりぷりしながら、彼女がお粥をスプーンですくい、ふうふうした後、口元にスプーンを差し出した。
何がずるいかは分からないが、満面の笑みであーんしていただく。
病人最高!
口に入ったお粥はまだ少し熱いが、たまごのトロッとした感じと梅干しの酸っぱさがちょうどいい感じですごく美味しい。
「これ、すごく美味しいな」
「実家で食べてたお粥なんです。ちょっと、自信なかったんですけどお口にあって良かった。」
にこにこ笑う彼女。また、ふうふうしてくれてる。
そんな彼女の胸元は見えそうで見えないカットのシャツ。以前も見たことあるが、こんな近くで前かがみの姿を見れるとは。。。
俺、大丈夫かな。自制心、持つだろうか。布団の中の下半身は緩く反応している。自室という気の緩みが下半身の緩みにつながっているようだ。ふうふう、口を突き出す彼女の唇にさえキスしたくなって堪らない。
今は風邪だし、キスしたらダメだ。それにキスしたら、キスで終わらないのは明確だ。
なんか、天国なのか地獄なのか分からなくなってきた。それでも、気恥ずかしそうにあーんを繰り返す俺たち。
なあ、俺の事少しは意識してくれてる?
俺は華の気持ち、いつまで待てるか分からない。
「今度、休日出かけないか。お礼に何か奢る。」
ピンポーン
誰だ、俺の睡眠を邪魔する奴は。。。
気だるい体でベッドから起き上がりインターホンの通話ボタンを押した。
「あの、加藤です、、、」
「。。えっ!!げほっ。かと、う?」
予想外の人物にはっきりと目が覚めた。慌ててふらふらしながらドアを開けると心配そうに見つめる可愛い彼女の姿が。うわぁ。俺の家の玄関に彼女がいる。。感動を覚えつつ、見舞いの品を置いて帰ろうとする彼女を引き止め、部屋に迎え入れた。
やばい、密室空間に彼女と二人。
あ、部屋がやばい事になってる。ちょっと、片付けないと、
「ちょっと部屋、散らかってるからここで座って待ってて。」
縦長の俺の部屋は入ってすぐに両サイドにトイレや風呂があり通り抜けると小さいながらもダイニングがあって、奥がベッドのある6畳ほどの空間。彼女にダイニングのソファを勧める。その間に奥のベッド周りをどうにかしないと。
床に落ちていたものをとりあえず狭いクローゼットに押し込み、やばそうなものがないか目視で確認する。特に男子的なもので。。。うん、大丈夫。そういうのはちゃんとあるべき場所にしまってある。
掛け布団をバサバサと乱れを直し、とりあえず大丈夫だろう。
いや、別に布団が寝乱れてたから直しただけで意味はない。閉めたままのカーテンを開けようと思ったが、すでに暗くなっていた。
「待たせてごめん。」
ダイニングに戻るとコートを着たままの彼女。しかし、座っているのは以前、俺が彼女を妄想し致したソファ。
(ぐはっ!)視覚的攻撃を受け、動悸を感じながら彼女のコートを受け取り部屋の隅のハンガーラックにかける。彼女のコートと俺のコートが二つ仲良く並ぶ
。。いかん、いちいち感動している場合ではない。
「課長、大丈夫ですか?具合悪いんですから、課長が座ってください。でないと、申し訳なくて私帰りますよ。」
優しい彼女らしい言葉。
具合は確かに悪いが、10時間ほどぶっ通しで寝たら、やっと熱が下がり、あまりの汗の不快感にシャワー浴びてから薬を飲んでまた寝たから、逆にもう寝れないぐらいだ。だって、彼女がいるんだし。
しかし、彼女が帰ってしまうのは嫌なので、彼女の隣に座る。2人がけソファは大人2人で座るとかなりの密着感がある。彼女の甘い匂いは体に毒だ。なんとなく、出来るだけはじに身体を寄せつつ彼女を見ると、ぽっと彼女の顔が赤らんだ。
?なんだろう?と思っていると
「。。課長が前髪下ろしてるの初めて見ました。なんだかかわいいですね。」
目元を赤くしにっこり笑う彼女はとてもかわいい。そして、俺の中身は決して可愛くない狼さんですよと心の中で思う。
「あ、ごめんな。昼間、シャワー浴びた時ヒゲは剃ったけど髪とかハネ放題で、服もちょっとだらしないな。」
部屋の散らかり具合に気を取られて、自分の姿をすっかり忘れていた。気恥ずかしくなり、手ぐしで髪を整えつつ、Tシャツにカーディガン、スウェットのパンツに変じゃないかと不安になる。いつもなら、このまま近所のコンビニに行くんだけど、せっかく初めて彼女が来てくれたのに、、そう思いがっかりしていると、
「いえ、なんか、いつもと雰囲気が違くて、、ど、、カッコいいです。あ、いつもも、もちろんカッコいいですが!」
ど、カッコいい?、、そこじゃないな、もちろんカッコいい?焦りながら、褒めてくれる彼女に嬉しくなる。
「そうだ、換気するか。部屋臭うかも、、」
立ち上がった俺の腕を彼女がぎゅっと掴んだ。心臓がぎゅっとなり振り返ると、
「だから、座っててください!部屋、全然臭くないです。逆に課長のいつものいい匂いしかしません!」
ムッとした顔でいつも通りの無自覚攻撃を繰り出した。
分かってるさ、俺にも学習能力はある。。。でも、にやけるのは仕方がない。
「色々、買ってきたんですけど、、何か食べられますか?、、よければお粥作ろうかと思って材料買ってきたんですけど。」
なんとなく、恥ずかしそうに聞く彼女。そんな彼女の手料理。食べたい。すごく食べたい。
「うん、ぜひ食べたい。実は一昨日の夜からほとんど食べてないんだ。」
「っ!ダメですよ!しっかり食べないと!えっとじゃあそこのキッチンお借りします。冷蔵庫に入れるもの私入れても大丈夫ですか?」
彼女に怒られる、、これ最高。風邪引いてみるモンだな。俺幸せ。
そう思いつつ、冷蔵庫には自分で入れるよと言って、袋の中のものを順番に入れていく。彼女はおかゆの材料をテキパキ出して、小鍋でお粥を作り出した。
俺がインスタントラーメンを作る時にしか使ってない小鍋、お前も今日は幸せだな、、。
若干頭の中がお花畑の俺は、また彼女の無自覚攻撃を受ける。
プリンやデザートを入れていくと最後、栄養ドリンクが数本。滋養強壮の文字。元気になって俺にどうしろと。。いや、これは俺の勝手な妄想だ。はぁ。。。なんか頭痛い。そんな俺のため息を聞いて、
「ほら、やっぱり具合悪いんですよ!寝ててください。お粥が出来たらベッドまでお持ちします。」
またもや、彼女の怒り顔。ご褒美です。
そして、俺の頭では「ベッドまでお持ちします→ベッドで待っててね」に自動変換され、悶えながらベッドに入る。いいんだろうか。。ベッドで待ってて。
そう思いつつ、ちゃっかりベッドに入ると、サイドテーブルに置いたスマホが光っていた。
やべえ。長時間寝たあと、昼前に会社に休みの連絡入れてから全然、確認してない。
先ほどまでのお花畑から高速で現実に戻ってきた。
着信が5件。メール3件。。。大丈夫かこれ。
一つ一つ確認すると、すでに対応が終わっているようで、俺で止まっているものはないようだった。
しかし、和田部長のメール、トラブル解決したからご褒美届けるって、彼女の事だろ、これ。和田部長も知ってるのかよ。これ死んだ。。。もう今更か。
あ、山城からメール。加藤さんみんなでお届けしました。襲っちゃダメですよ。嫌われますよ。って、彼女をよこした事は感謝するが、不吉な事を送ってくるな。大丈夫だ。今のところ。
それぞれに、それなりのメールを送っていると、彼女がホカホカのお粥を持ってきた。
「すみません。勝手にお茶碗お借りしました。このサイドテーブルに置きますね。」
黄色いタマゴ粥に、なんか赤い物が見える。
「梅干しが刻んで入ってるんです。すごく美味しいですよ、熱いので気をつけて下さい。」
彼女は、スプーンを渡してきたが、、この美味しい展開を俺は逃しはしない。
「華、食べさせて。」
最大限出来る甘い笑みとつい出た甘えた声。
彼女はプルプルして、真っ赤になっていた。
良かった、引かれたらどうしようかと思ったけど、大丈夫そうだ。どうやら、俺の見た目は彼女にも有効になったようだ。ニヤニヤと彼女を見つめると、
「もう、ずるいです!」
ぷりぷりしながら、彼女がお粥をスプーンですくい、ふうふうした後、口元にスプーンを差し出した。
何がずるいかは分からないが、満面の笑みであーんしていただく。
病人最高!
口に入ったお粥はまだ少し熱いが、たまごのトロッとした感じと梅干しの酸っぱさがちょうどいい感じですごく美味しい。
「これ、すごく美味しいな」
「実家で食べてたお粥なんです。ちょっと、自信なかったんですけどお口にあって良かった。」
にこにこ笑う彼女。また、ふうふうしてくれてる。
そんな彼女の胸元は見えそうで見えないカットのシャツ。以前も見たことあるが、こんな近くで前かがみの姿を見れるとは。。。
俺、大丈夫かな。自制心、持つだろうか。布団の中の下半身は緩く反応している。自室という気の緩みが下半身の緩みにつながっているようだ。ふうふう、口を突き出す彼女の唇にさえキスしたくなって堪らない。
今は風邪だし、キスしたらダメだ。それにキスしたら、キスで終わらないのは明確だ。
なんか、天国なのか地獄なのか分からなくなってきた。それでも、気恥ずかしそうにあーんを繰り返す俺たち。
なあ、俺の事少しは意識してくれてる?
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