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出会ったのは
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森の中、細い道を歩く。
丘まで続く細い道。
丘に向かう途中、何度か博士ときた色とりどりの花が咲く場所に寄り道をした。
花の甘い蜜の匂いでもするのか数羽の鳥や蝶々が飛んでいる。
『ササラ、みてごらん?綺麗だろう。この花はね…』
色んな花について教わった。
どんな花なのか、いつ咲くのか。
そのほとんどはデータ(博士は記憶と言っていたけど。)に入っていたのでわかっていたけど、それを話す博士を見るのが好きだった。
「摘んでいこう」
ササラは近くに咲く橙色の花を数本折った。
多分コスモスだろう。
博士の墓に添えてあげるのだ。
博士は花が大好きだから。
花を手に持ったまま丘に続く道へと戻る。
そのまま数分ほど歩いていると丘についた。
簡易的に作った墓。
作り方はわからないが博士のインターネットを使って調べ、実験の道具であろう石などを材料にして作った、見様見真似の墓。
その下に博士はいる。
墓石の前に先程折った花を添えしゃがむと手を合わせる。
墓の前なんかではこうする、とデータにあったからだ。
立ち上がって家に帰ろうとした時、
ザッ
誰かがこっちに歩いてくる。
後ろから聞こえる足音はだんだん大きくなる。
バッと振り返るとそこには白いシャツに茶色のズボン、茶色の靴を履いた男の子が立っていた。
サラサラな黒髪に綺麗な青い目。
背丈はササラより大きく165cmくらいだ。
「誰…何の用?」
初対面、それも博士の墓があるこの丘にきた男の子に警戒しながらササラは問いかける。
「僕は、レン。君は…」
そう言うと男の子は腹から「きゅ~」と音を鳴らして倒れた。
「え…」
突然のことで驚くが腹が鳴ったということは腹が空いているのだろう。
とりあえず肩に手を回すと家まで運ぶことにした。
木の生い茂り、昼なのに暗い道を歩く。
来た時の倍近くの時間をかけて家についた。
だがレン、というらしい男の子は起きない。
玄関で靴を脱ぎ、レンの靴も脱がせる。
レンをリビングまで運ぶとそのまま床に置いてササラは台所に向かった。
冷蔵庫をあけ、いくつか材料を取り出す。
久しく使っていなかった食器を洗い、料理を始めた。
丘まで続く細い道。
丘に向かう途中、何度か博士ときた色とりどりの花が咲く場所に寄り道をした。
花の甘い蜜の匂いでもするのか数羽の鳥や蝶々が飛んでいる。
『ササラ、みてごらん?綺麗だろう。この花はね…』
色んな花について教わった。
どんな花なのか、いつ咲くのか。
そのほとんどはデータ(博士は記憶と言っていたけど。)に入っていたのでわかっていたけど、それを話す博士を見るのが好きだった。
「摘んでいこう」
ササラは近くに咲く橙色の花を数本折った。
多分コスモスだろう。
博士の墓に添えてあげるのだ。
博士は花が大好きだから。
花を手に持ったまま丘に続く道へと戻る。
そのまま数分ほど歩いていると丘についた。
簡易的に作った墓。
作り方はわからないが博士のインターネットを使って調べ、実験の道具であろう石などを材料にして作った、見様見真似の墓。
その下に博士はいる。
墓石の前に先程折った花を添えしゃがむと手を合わせる。
墓の前なんかではこうする、とデータにあったからだ。
立ち上がって家に帰ろうとした時、
ザッ
誰かがこっちに歩いてくる。
後ろから聞こえる足音はだんだん大きくなる。
バッと振り返るとそこには白いシャツに茶色のズボン、茶色の靴を履いた男の子が立っていた。
サラサラな黒髪に綺麗な青い目。
背丈はササラより大きく165cmくらいだ。
「誰…何の用?」
初対面、それも博士の墓があるこの丘にきた男の子に警戒しながらササラは問いかける。
「僕は、レン。君は…」
そう言うと男の子は腹から「きゅ~」と音を鳴らして倒れた。
「え…」
突然のことで驚くが腹が鳴ったということは腹が空いているのだろう。
とりあえず肩に手を回すと家まで運ぶことにした。
木の生い茂り、昼なのに暗い道を歩く。
来た時の倍近くの時間をかけて家についた。
だがレン、というらしい男の子は起きない。
玄関で靴を脱ぎ、レンの靴も脱がせる。
レンをリビングまで運ぶとそのまま床に置いてササラは台所に向かった。
冷蔵庫をあけ、いくつか材料を取り出す。
久しく使っていなかった食器を洗い、料理を始めた。
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