魔王が望む世界

闇猫古蝶

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幼馴染と兄さん

「…ろ。ルーン、起きろ」

横からダージの声がする。ダージは真面目で、綺麗な青い目に黒髪の男だ。

「ああ、すまない…」

眠い目をこすり姿勢を正す。

「またアノ夢でもみたの~?」

明るい橙色の目をした黒髪の男、カイ。こいつはいつもひょうひょうとしてつかみどころがないが怒ると怖い…。

「まぁな。」

一言だけ返す。

アノ夢…一時期私が育てていた捨て子のカーナリアス。その子がでてくる夢。

数百年も生きている私が。二年。たったの二年一緒に過ごした子を忘れられないのだ。
もう十年も過ぎたというのに。

こいつら幼馴染と同じくらい。大切な存在になったというのか…?

まぁこいつら、とはいってもあと一人幼馴染はいるわけだが。

「とりあえず休憩にしない?」

この人は私の兄さん、ナラン。赤い目に銀髪がよく似合う。とても優しい人だ。

私達はいま極秘で会議をしていた。そんな時に寝てしまうとは…。

本来ならこの会議にはあと二人の人物がいるはずだった。

ここにいない幼馴染と、義兄さん。

幼馴染はまたどこぞの女と遊んでいるのだろう。

義兄さんは信用できない、と兄さんが判断したのだ。だから呼んでいない。
義兄さんとはいっても兄さんの弟子、というだけで親類ではない。

ここで二人について紹介をしておこう。

幼馴染、セイという。穏やかで優しいが女たらしのジジイだ。金髪に赤い目をしている。(見た目は私達とセイも人の二十代前後、という風だが)

義兄さん、ミカという。突如現れ兄さんに弟子入りをした男。私も、幼馴染も、兄さんも。皆こいつを信用していない。
ミカが義兄さんになってから、父さん。つまり魔王が殺されたからだ、何者かによって。

兄さんは魔王職にはつかず魔王補佐の職につき私が魔王となった。
私は大一神魔王という座。すなわち魔界で一番偉い。
他にも小魔王はいるがまた紹介するとしよう。

「よし、休憩終り。お茶も飲んだし、会議再開する?」
「今日はもういいんじゃない~?セイもいないんだしさ~」
「それもそうかもね…どうする、ルーン?」
「今日はもういいんじゃないか?これ以上話しているとミカも不審がるだろうし」
「そうだね、じゃあ今日の会議はこれまでにしようか」

人や意見をまとめるのが得意な兄さんは私よりよっぽど魔王にむいているのではないかと思う。

体が弱い兄さんは魔王にはならなかったのだが。
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