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第5話

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「はぁ……」

 俺は深くため息をついた。

 いやだって、ただあのままの格好だと気持ち悪いだろうし、本人も嫌だろうから風呂に連れて行かせただけだしな。

『魔王様、準備が整いました。どれを捕縛しますか?』

 マチルダからの念話が届いた。

『あ―、そうだな。大盾の彼にしようか。面白そうだしな。とりあえず適当に痛めつけてやれ』

『了解っ』

 さて、その場面も見てたいからな。

「リルリー、次の準備を頼んだぞ」

 ロリ巨乳に自然に支持を出す。

「オッケー。でもさ、さおりちゃん可愛いのよねぇ、私もお風呂行きたいわぁ」

「駄目です。仕事をして下さい」

「ケチね」

「何でやねんっ、後での楽しみに取っておきなさい」

「もう、分かったわよ」

 リルリーは渋々従う素振りを見せて、そして転移で移動した。

 あのロリ巨乳は、基本的に男女問わず可愛いと思った物を収集・・したがる癖があるからな。気を付けないと。

「さて……」

 そしてまた俺は、頬杖をつきながら【モニター】で状況を確認するのだった。


☆☆☆☆☆


「くそ!こいつら、強い!」
「メグっ援護を!」
「こっちだって目一杯だよ!」

 大量の魔物に囲まれ、勇者君たちはピンチの様だった。

 いや、もうその時点で魔王に勝てるハズ無かろうて。

「メグっ、アキラっ、一旦引くぞ!」

「分かった!」「おうよ!」

「シャインスパーク!」

 勇者君が剣を高々と掲げ、スキルを発動する。

 シャインスパークには攻撃力は無いが、目くらましと麻痺の効果を発生させるスキルだ。

 魔物は動きを封じられ、視力も奪われ、勇者達を逃してしまった様だ。


 来た道を戻り、脇道に逃げ込み一息つく勇者達。

「おいメグ、お前回復魔法使えたよな。頼むよ」

 大盾君は魔法使いちゃんに偉そうに頼むが、

「あのねぇ、回復魔法はあくまでさおり・・・の担当だったんだから、私は初級しか覚えて無いのよ。それに、回復ならショウの方が優先でしょう?」

「んでだよ、誰が前に立って攻撃防いでると思ってんだっ」

「それがあんたの役割でしょうよ!」

「あぁ?てめぇ誰に口きいてると思ってんだ?!」

「何をキレてるのか知らないけど、先にショウを回復するってだけでしょ?順番よ、順番っ」

 大盾君と魔法使いちゃんが言い争っていると、

「二人共っ」

 勇者君が声を上げた。

「んだよ、勇者様。何か文句でもあんのか?」

 大盾君は勇者君にまで悪態を付くが、

「いや……」

 それを気にする様子も無く、勇者君は通路の奥を指さした。

 そこには、勇者君達の所へ静かに近寄って来る女性の姿があった。
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