禍ツ天使の進化論

空月 瞭明

文字の大きさ
上 下
101 / 141

第101話 監獄(6) ルシフェル

しおりを挟む
背後から声がして振り返ろうとした瞬間、後ろから抱きしめられた。
んんん?? これ、デジャヴ感が半端ないんだけど・・・


――――なんで、僕は銀髪金眼のイケメン美丈夫に抱きしめられてるのかな? ――――


『アオイ?』

「・・・・・・って、誰!? 」

『我はヴァル。アオイに名をもらった神獣だ』

「はい? ヴァル? 本当に?? 」

『うむ。証拠に耳と尻尾はそのままだ』


そういうと指を差し『ほら、犬型の我と同じ手触りであろう?』と、僕の手をとり耳と尻尾に触れさせてくれた。


「・・・ほんとだ・・・。でも、どうして? 」

『森を出て移動するのであれば、獣人として動いた方が何かと面倒が減るのだ』

「どういうこと? 」

『我の大きさのまま森を出て移動してみよ。魔獣として討伐隊が組まれ、総攻撃してくるであろう』

「ヴァルを攻撃してくるってこと!? それは嫌だ!! 」

『まぁ、我が人間ひと如きに負けることはないが アオイを危険な目に合わせるのは本意ではない』

「じゃあ、僕の為に獣人化したってこと? 」

『そうだ。我は、アオイが見ているものも興味がある。もちろん、お主自身のこともな』


ヴァルは僕の見てるものに興味を示してくれてる。それって、すごく嬉しい。
でも、僕の目的は死に場所だ。

確か、契約者が命を落としたら 如何に神獣といえども無事ではいられないはず・・・
そんなことになっても、ヴァルは気にしないのかな。
いつか聞いてみたいな。そんな日が来るか怪しいけど・・・


「ねぇ、ヴァルのステータスってどうなってるの? 」

『我のステータスか。アオイには特別に開示してやろう』

「いいの?」

『構わぬ。が、我が許し認めた相手のみにしか開示はされん』

「僕に見せてくれるのって、ヴァルが僕に興味があるからだよね」

『それだけではないが、今は興味があるとだけ認識しておればよい』

「そっか・・・。うん、わかった」


それからヴァルが開示してくれたステータスは、どれも規格外すぎて正直 僕のキャパを大きく上回り数分は思考が停止した。

僕、こんな凄い神獣ヴァルと一緒に旅して目立たずにって無理だよね・・・
どうやっても目立つ。見た目もそうだけど、中身はもっと凄かった。




しおりを挟む
感想 139

あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

代わりでいいから

氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。 不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。 ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。 他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

その部屋に残るのは、甘い香りだけ。

ロウバイ
BL
愛を思い出した攻めと愛を諦めた受けです。 同じ大学に通う、ひょんなことから言葉を交わすようになったハジメとシュウ。 仲はどんどん深まり、シュウからの告白を皮切りに同棲するほどにまで関係は進展するが、男女の恋愛とは違い明確な「ゴール」のない二人の関係は、失速していく。 一人家で二人の関係を見つめ悩み続けるシュウとは対照的に、ハジメは毎晩夜の街に出かけ二人の関係から目を背けてしまう…。

目標、それは

mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。 今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】

まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。

処理中です...