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第11話 メフィストフェレスの一族 ②
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有珠斗は口をぽかんと開けた。
「え……?え?ええええええええええ!?そうだったんですかぁ!?」
有珠斗のリアクションに、ヴィネが苦笑いする。
「いや、それしかねえだろ?」
ラミアが頬に手をやり、
「思ってた以上にお馬鹿さんなのかな、この子は」
「ごめん、ちょっと、ちょっとだけ頭のネジ外れてるんだよウストは」
オライが気まずそうに言い訳をして、サマエルが不快そうに眼をすがめる。
「オライが謝るな。お前はいつからこの馬鹿の身内になった」
(うっ、完全に馬鹿扱いされている!)
「だってそんな!こんな全力でこちらを殺しにくる人達がまさか、父に頼れと言われたメフィストフェレスの子孫だなんて!」
だが言われてみれば彼らに違いない。
神子しか使えないはずの魔法を使い、神子を異様に警戒する一族。
その一族こそきっと、探していた魔女の末裔だろう。
こんな簡単に会えるとは思わなかったが、父はメフィストフェレスの子孫のいる地点を目的地と定めたのかもしれない。有珠斗がすぐに彼らに出会えるように。
「父さん……。僕を確かにここまで届けてくれたんだ……」
父は有珠斗を生かすために最大限のことをしてくれた。
有珠斗の胸は、父への感謝の念でいっぱいになる。
バフォメットが感極まりながら言う。
「貴方がファウストの末裔と分かったからには、我々は貴方を全力で御守りします。フワ・ウストさん、よくぞ我々の元に戻ってきて下さった。ファウストの帰還、すなわちワルプルギスの心臓の帰還はこの滅びゆく世界にもたらされた最後の希望だ……」
「ぼ、僕が最後の希望?」
見れば、バフォメットの頬が涙に濡れている。
バフォメットは有珠斗の手を取った。有珠斗がたじろぐほどの熱意の圧が全身からほとばしっている。
「あなたは邪神ターラ・ヴェヌー復活のための最後のかけら。敵もまた、最後の心臓の帰還を喜んでいることでしょう。しかしそもそも既に世界はターラ教の支配下にあり、邪神は復活せずとも人類を滅ぼせる段階にあるのです。我々は、もはや人類の滅亡は避けられないものだと思っておりました。我々にできることはせいぜい、その滅びを少しでも遅らせることだけだと。だが貴方がいれば。地上唯一の『聖統魔男』、最大の魔女ワルプルギスの心臓を受け継ぐ貴方がいれば……!これは邪神にとってのチャンスではなく、むしろ人類にとってのチャンスなのだと私は確信する……!」
バフォメットは語りながらどんどん有珠斗に、黒眼鏡&もみ上げ&カイゼル髭の顔を近づけてくる。
「え、う、はい??」
「頼みましたぞウストさん……!」
バフォメットの黒いレンズに引き攣った有珠斗の顔が映し出される。
(怖い!なんか怖いバフォメットさん!)
「待て待て」
サマエルがため息をつきながらバフォメットの肩を叩いて、有珠斗から引き離す。バフォメットはポケットからハンカチを取り出して鼻水をかんだ。
サマエルはしばらく無言で、困惑している有珠斗を見つめてから、問いかけた。
「お前は……この世界で何をするつもりだ?ファウストの末裔、ワルプルギスの心臓の継承者よ」
「『何を』……?」
そう聞かれると答えに窮する。
神子に家族を殺され、この世界に飛ばされ、父の言いつけどおり、メフィストフェレスの子孫に会った。
そして一体、何をしたいのか。
有珠斗が悩んでいると、サマエルが再び口を開いた。
「質問を変えよう。お前には、俺たちの戦いに巻き込まれる覚悟はあるか?お前は、ここにいる俺たちが逆立ちしても手に入らない、強大な力を持っている。俺たちは、お前のその力を利用して神子どもと……この世界の支配者と戦おうとしている」
有珠斗は言葉を失って、しばし固まる。
(僕に強大な力が?その力で、神子たちと戦う……!)
脳裏に浮かんだのは、惨殺された家族の姿と、幽霊となって有珠斗をこの世界に送った父の姿。
思い出した瞬間、己の身を引き裂きたいような悲しみと苦しみが沸き上がる。
この悪夢が現実であろうと文字通りの夢であろうと、今ここにいる有珠斗の心に刻まれた、深い深い痛みは本物だ。
なぜ父は自分をこの世界に送り出したのか。
なぜ自分一人、生き残り、自分一人、ここにいるのか。
意味があると思いたい。
この命に、この異世界転移に、何か意味があるのだと。
こぶしを握り固めた有珠斗の口から出たのは、こんな言葉だった。
「皆さんの戦いは……『義のある戦』でしょうか」
既に神子がまぎれもない「悪」であると確信はできていたが、今一度確認したかった。
有珠斗の質問に、目の前の一家は虚をつかれたような顔をする。
サマエルは有珠斗の内面を推し量るような口調で問う。
「お前の家族は、神子に皆殺しにされたわけだが……?」
「はい。僕は神子が憎い。誰よりも神子を憎みます。でも僕は、復讐のためには戦えません。家族を殺した神子はもう、父さんによって討たれました。家族を殺したあの神子以外の神子と、『神子が憎い』という理由だけでは戦えません」
サマエルの口元がゆるむ。
「なるほど。私怨のためには戦えない、大義がなければ力は貸せない、ということか」
その声音には、有珠斗の示した意思への好感がにじんでいるように思えた。
ラミアが吹き出した。
「一番気になることがそれなのかい?興味深い坊やだ。もっと大事なことはあるんじゃないのかな、戦いに巻き込まれた場合の、メリットとリスクとか、君の生存率とか」
ヴィネが面白そうに引き継ぐ。
「まあメリット少しでリスクは巨大、戦い始めたら命の保証だってねえだろうな。けど、『義』だけは大ありだぜ」
うんうん、とオライが誇らしげに言う。
「そうだよ。なんてったて、人類救うんだよ!」
「人類を……。とても大きな義ですね」
その時にふいに、今さっき見た夢の記憶がよみがえった。
そうだ、父と会話する夢だった。父は有珠斗に、一族の使命を果たせと言っていたではないか。
(父さん、これが僕一人、生き残った意味だったんですね)
有珠斗は笑みを浮かべる。
「では、僕も皆さんの戦いに参加させてください。僕は……父に託されたものを全うしたい。これは父が僕に遺した使命だ。一人生かされたこの命、義のために使えるなら本望です。だから……」
そこで言葉を切って、有珠斗は深呼吸した。握りしめていたこぶしを開き、右手をサマエルに差し出す。
「だから、僕はあなた方の戦いに巻き込まれるのではありません。これは僕の戦いです」
サマエルはふっと微笑する。
サマエルは差し出された有珠斗の右手をしっかりと握った。
「いいだろう。では始めようフワ・ウスト、お前の戦いを!」
「え……?え?ええええええええええ!?そうだったんですかぁ!?」
有珠斗のリアクションに、ヴィネが苦笑いする。
「いや、それしかねえだろ?」
ラミアが頬に手をやり、
「思ってた以上にお馬鹿さんなのかな、この子は」
「ごめん、ちょっと、ちょっとだけ頭のネジ外れてるんだよウストは」
オライが気まずそうに言い訳をして、サマエルが不快そうに眼をすがめる。
「オライが謝るな。お前はいつからこの馬鹿の身内になった」
(うっ、完全に馬鹿扱いされている!)
「だってそんな!こんな全力でこちらを殺しにくる人達がまさか、父に頼れと言われたメフィストフェレスの子孫だなんて!」
だが言われてみれば彼らに違いない。
神子しか使えないはずの魔法を使い、神子を異様に警戒する一族。
その一族こそきっと、探していた魔女の末裔だろう。
こんな簡単に会えるとは思わなかったが、父はメフィストフェレスの子孫のいる地点を目的地と定めたのかもしれない。有珠斗がすぐに彼らに出会えるように。
「父さん……。僕を確かにここまで届けてくれたんだ……」
父は有珠斗を生かすために最大限のことをしてくれた。
有珠斗の胸は、父への感謝の念でいっぱいになる。
バフォメットが感極まりながら言う。
「貴方がファウストの末裔と分かったからには、我々は貴方を全力で御守りします。フワ・ウストさん、よくぞ我々の元に戻ってきて下さった。ファウストの帰還、すなわちワルプルギスの心臓の帰還はこの滅びゆく世界にもたらされた最後の希望だ……」
「ぼ、僕が最後の希望?」
見れば、バフォメットの頬が涙に濡れている。
バフォメットは有珠斗の手を取った。有珠斗がたじろぐほどの熱意の圧が全身からほとばしっている。
「あなたは邪神ターラ・ヴェヌー復活のための最後のかけら。敵もまた、最後の心臓の帰還を喜んでいることでしょう。しかしそもそも既に世界はターラ教の支配下にあり、邪神は復活せずとも人類を滅ぼせる段階にあるのです。我々は、もはや人類の滅亡は避けられないものだと思っておりました。我々にできることはせいぜい、その滅びを少しでも遅らせることだけだと。だが貴方がいれば。地上唯一の『聖統魔男』、最大の魔女ワルプルギスの心臓を受け継ぐ貴方がいれば……!これは邪神にとってのチャンスではなく、むしろ人類にとってのチャンスなのだと私は確信する……!」
バフォメットは語りながらどんどん有珠斗に、黒眼鏡&もみ上げ&カイゼル髭の顔を近づけてくる。
「え、う、はい??」
「頼みましたぞウストさん……!」
バフォメットの黒いレンズに引き攣った有珠斗の顔が映し出される。
(怖い!なんか怖いバフォメットさん!)
「待て待て」
サマエルがため息をつきながらバフォメットの肩を叩いて、有珠斗から引き離す。バフォメットはポケットからハンカチを取り出して鼻水をかんだ。
サマエルはしばらく無言で、困惑している有珠斗を見つめてから、問いかけた。
「お前は……この世界で何をするつもりだ?ファウストの末裔、ワルプルギスの心臓の継承者よ」
「『何を』……?」
そう聞かれると答えに窮する。
神子に家族を殺され、この世界に飛ばされ、父の言いつけどおり、メフィストフェレスの子孫に会った。
そして一体、何をしたいのか。
有珠斗が悩んでいると、サマエルが再び口を開いた。
「質問を変えよう。お前には、俺たちの戦いに巻き込まれる覚悟はあるか?お前は、ここにいる俺たちが逆立ちしても手に入らない、強大な力を持っている。俺たちは、お前のその力を利用して神子どもと……この世界の支配者と戦おうとしている」
有珠斗は言葉を失って、しばし固まる。
(僕に強大な力が?その力で、神子たちと戦う……!)
脳裏に浮かんだのは、惨殺された家族の姿と、幽霊となって有珠斗をこの世界に送った父の姿。
思い出した瞬間、己の身を引き裂きたいような悲しみと苦しみが沸き上がる。
この悪夢が現実であろうと文字通りの夢であろうと、今ここにいる有珠斗の心に刻まれた、深い深い痛みは本物だ。
なぜ父は自分をこの世界に送り出したのか。
なぜ自分一人、生き残り、自分一人、ここにいるのか。
意味があると思いたい。
この命に、この異世界転移に、何か意味があるのだと。
こぶしを握り固めた有珠斗の口から出たのは、こんな言葉だった。
「皆さんの戦いは……『義のある戦』でしょうか」
既に神子がまぎれもない「悪」であると確信はできていたが、今一度確認したかった。
有珠斗の質問に、目の前の一家は虚をつかれたような顔をする。
サマエルは有珠斗の内面を推し量るような口調で問う。
「お前の家族は、神子に皆殺しにされたわけだが……?」
「はい。僕は神子が憎い。誰よりも神子を憎みます。でも僕は、復讐のためには戦えません。家族を殺した神子はもう、父さんによって討たれました。家族を殺したあの神子以外の神子と、『神子が憎い』という理由だけでは戦えません」
サマエルの口元がゆるむ。
「なるほど。私怨のためには戦えない、大義がなければ力は貸せない、ということか」
その声音には、有珠斗の示した意思への好感がにじんでいるように思えた。
ラミアが吹き出した。
「一番気になることがそれなのかい?興味深い坊やだ。もっと大事なことはあるんじゃないのかな、戦いに巻き込まれた場合の、メリットとリスクとか、君の生存率とか」
ヴィネが面白そうに引き継ぐ。
「まあメリット少しでリスクは巨大、戦い始めたら命の保証だってねえだろうな。けど、『義』だけは大ありだぜ」
うんうん、とオライが誇らしげに言う。
「そうだよ。なんてったて、人類救うんだよ!」
「人類を……。とても大きな義ですね」
その時にふいに、今さっき見た夢の記憶がよみがえった。
そうだ、父と会話する夢だった。父は有珠斗に、一族の使命を果たせと言っていたではないか。
(父さん、これが僕一人、生き残った意味だったんですね)
有珠斗は笑みを浮かべる。
「では、僕も皆さんの戦いに参加させてください。僕は……父に託されたものを全うしたい。これは父が僕に遺した使命だ。一人生かされたこの命、義のために使えるなら本望です。だから……」
そこで言葉を切って、有珠斗は深呼吸した。握りしめていたこぶしを開き、右手をサマエルに差し出す。
「だから、僕はあなた方の戦いに巻き込まれるのではありません。これは僕の戦いです」
サマエルはふっと微笑する。
サマエルは差し出された有珠斗の右手をしっかりと握った。
「いいだろう。では始めようフワ・ウスト、お前の戦いを!」
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