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魔導国家ヴェリス編
80話 ラファエル様の実力発揮ですわよ!
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「あらあら、綺麗な鎧と武器ですわね。素材として有効活用出来るかしら?」
地下三階の扉を開けた先にいる、明らかに強敵と思われるアンデットナイトを見て、クリスは一言目にそう呟いた。
「いや、クリスティーナ殿!ほがらかに素材として語っていますが、奴らは明らかに強敵ですぞ!?油断は禁物ですぞ!?」
ジェンガもいい加減慣れたら良いのだが、元々の真面目な性質がクリスの非常識な言動にツッコミを入れざるを得ない心境になっていた。
「うふ。まぁまぁ、落ち着いてくださいな。これは、アンデットナイトの上位種ですわね。アルヴィジョ産のオリジナルかしら?拘束術式が効けば…ラファエル様の実験台に出来ますわね。」
「え?クリスティーナ殿、一体何を?」
「重力網…ダブルスペル…薔薇縛り」
クリスは扉に入る手前で、まだアンデットナイト達が動き出す手前で拘束術式の重ね掛けを実施した。なお、術式の重ね掛けは、非常に高度な技術を要するために使える魔法使いはこの世界では一握りしかいない為、それを目の当たりにしたジェンガ他ラファエルも含めて、目を見開いて驚いたのであった。
そして拘束術式を重ね掛けされたアンデットナイト達は、何も出来ないまま身動きを封じられたのであった。アンデットナイトの足元には、蜘蛛の巣の様な黒い網目模様が浮かび上がり、そこには重力の枷がアンデットナイトを縛りつけていた。
更に、どこからか現れた特大の茨の蔓がアンデットナイトを縛り付け、所々に大輪の薔薇を咲かせていた。完全に身動きを封じられ無力となったアンデットナイト達は、それでもクリス達を襲わんと本能で動こうとしていた。
「ふむ。アンデットであっても、拘束術式は効果的である…と。一つ収穫ですわね。」
「…な…なんて力なんだ。クリスティーナ殿、貴女は一体…。」
「うふふ、ジェンガさん。今は驚いている時間ではなくてよ。ラファエル様、少しよろしいですか?」
「はい!なんでしょうか?」
「ちょうどいい的が、あそこに四体おります。ラファエル様の属性魔法がどれほどAランクの魔物に通用するか、実験といたしましょう。」
それを聞いたアクセルは、のほほんとした表情で「良いなー楽しそう。」と小声で呟いており、その光景を見ていたジェンガ達は、いっそのこと魔物達が哀れにすら感じ始めていた。
「は…はい!で、出来るかな。僕に…。」
「大丈夫だよ!だって、母上の術式が破られるわけ無いもの。」
「うん!頑張る!アクセル君、僕の特訓の成果見ててね。」
ラファエルは一歩前に進み、アンデットナイトに杖を向け、魔力を展開しだした。生まれ持っての高魔力を見事に制御出来ているのは、王宮でもずっと地道に訓練をしていた賜物でもある。そこに聖宝石の補助が入り、ラファエルはクリスやアクセルにも匹敵する魔法を使いこなす事が出来るようになっていた。
「浄化爆弾!」
ラファエルの放った魔法は、白い塊が二体のアンデットナイトの中央部に着弾し、その刹那真っ白な火柱が二体のアンデットナイトを包み込んだのである。そして、一瞬で鎧と武器だけを残して灰塵へと帰したのであった。
「こ…これは、聖属性と炎属性の複合魔法だと!?訓練に年月を費やした高ランク魔法使いでも一握りしか使えないという…。こんな少年が…。私は夢でも見ているのか…?」
ジェンガの呟きを余所に、ラファエルは次の魔法を展開していた。どうやら先ほどの浄化爆弾の威力はラファエルにとって満足出来る威力だった様で口角が僅かに上がっている。
「聖なる花の刃!」
ラファエルの杖の先に光が集まり、それはそのまま美しい花びらへと変化して、一体のアンデットナイトへと襲い掛かる。一枚一枚の花びらの威力は小さいが、それらすべてが鋭利な刃物の様な威力を持っており、また浄化作用も重ね掛けしているため、身動きの取れないアンデットナイトはすぐさま関節部分からバラバラにされ、鎧と武器だけ残して消滅したのであった。
「わーい!アクセル君、見た?威力だけじゃなく、見た目にも美しくってクリス様から言われた通りに出来たよ!」
「すごいよ!ラファエル君!綺麗だったよ。さっすが、攻撃魔法は僕よりも威力はあるね。」
「えー、でも、まだまだアクセル君やクリス様の術式制御にはかなわないよ~。」
「すぐに追いつくって!まぁ、僕も負けてられないけどね!えへへ。」
二人の少年がダンジョン内とは思えない無邪気さで、手を取り合い飛び跳ねてキャピキャピしている光景は、一見ほのぼのとして見えるが、その中身が凶悪な実力を秘めている事を知ってしまったジェンガ達は、死んだ魚のような目をして美少年二人を眺めていた。
(人は…外見では判断出来ないということを、今日だけでしっかりと学ばせてもらったなぁ。ここまで凄いと、嫉妬も湧かない。規格外だ、この方たちは。)
ジェンガ達は規格外のパーティに同行している事で見せつけられる実力の差に、最初は陰鬱とした気持ちを僅かながらにも持ってしまっていたが、ここまで突き抜けているのであれば、いっそのこと清々しい気持ちへと変わっていった。
「さて、ラファエル様。あと魔物は一体ですが、魔法での攻撃は十分Aランク級の魔物を瞬殺できる威力がある事がわかりました。ねぇ、そう思いませんか?ジェンガさん?」
「…はい。間違いなく、Aランク冒険者以上の実力は兼ね備えていると考えられます。」
「うふふ、同じパーティメンバー以外の証言も得た事ですし、ラファエルさんの昇級も間違いなしですわね。さて、残り一体はもういいですわね。」
クリスはそういうと、手にしていた扇子を横に一閃し、無詠唱でアンデットナイトの首を切断したのであった。
戦闘にもならない戦闘シーンを見たジェンガ達は、これまで誰もが先に進むことのできなかった地下三階層を、少年の練習場として使い、一瞬で強敵を討伐したクリス達を尊敬と畏怖の混ざった視線で見つめていた。
そうこうしている間に、モニカとポールがアンデットナイトの煌びやかな鎧と武器を回収し、空間収納へと保管したところ、部屋の奥の扉が開き、さらに地下へと進む階段が現れたのである。
「さて、ここから先は誰もが足を踏み入れたことのない場所ですわね。さて、ジェンガさん達、覚悟はよろしいですか?私たちはこのまま先に進みますが、貴方達にとっては危険な場所かもしれません。命の保証は致しかねますわ。無理強いは致しません。…このまま一緒に行かれますか?」
「…もちろんです。このような機会、二度とありますまい!スピナー、ウーノ!いいな?」
「へへ、もちろんッスよ。」
「俺たちは間違いなく足手まといになるだろうが、許してくれるなら着いていかせてほしい…」
三人の決意を聞いたクリスは、美しい微笑みを三人へ向けて小さくうなずいた。
その所作を見た三人が顔を赤くしながら、クリスの美貌へ見惚れてしまったのは、致し方ないことであろう。
「さて、アルヴィジョ王城跡ダンジョンの初踏破に向けて、頑張りましょうね。初回踏破の場合と二回目以降の踏破の場合では、出てくるボスとその宝箱の中身には大きな隔たりが有るようですから、今から楽しみですわね。」
まるで、これからお散歩が楽しみですわね、とでも言っているような声色で、クリス達は優雅な姿勢を崩さず、疲れた様子見せないまま軽い足取りで地下へと降りていくのであった。
唯一、疲れた表情をしているのはクリス達の無自覚な非常識に振り回されているジェンガ達だけであったのに気づく者は、誰もいなかったとさ。
地下三階の扉を開けた先にいる、明らかに強敵と思われるアンデットナイトを見て、クリスは一言目にそう呟いた。
「いや、クリスティーナ殿!ほがらかに素材として語っていますが、奴らは明らかに強敵ですぞ!?油断は禁物ですぞ!?」
ジェンガもいい加減慣れたら良いのだが、元々の真面目な性質がクリスの非常識な言動にツッコミを入れざるを得ない心境になっていた。
「うふ。まぁまぁ、落ち着いてくださいな。これは、アンデットナイトの上位種ですわね。アルヴィジョ産のオリジナルかしら?拘束術式が効けば…ラファエル様の実験台に出来ますわね。」
「え?クリスティーナ殿、一体何を?」
「重力網…ダブルスペル…薔薇縛り」
クリスは扉に入る手前で、まだアンデットナイト達が動き出す手前で拘束術式の重ね掛けを実施した。なお、術式の重ね掛けは、非常に高度な技術を要するために使える魔法使いはこの世界では一握りしかいない為、それを目の当たりにしたジェンガ他ラファエルも含めて、目を見開いて驚いたのであった。
そして拘束術式を重ね掛けされたアンデットナイト達は、何も出来ないまま身動きを封じられたのであった。アンデットナイトの足元には、蜘蛛の巣の様な黒い網目模様が浮かび上がり、そこには重力の枷がアンデットナイトを縛りつけていた。
更に、どこからか現れた特大の茨の蔓がアンデットナイトを縛り付け、所々に大輪の薔薇を咲かせていた。完全に身動きを封じられ無力となったアンデットナイト達は、それでもクリス達を襲わんと本能で動こうとしていた。
「ふむ。アンデットであっても、拘束術式は効果的である…と。一つ収穫ですわね。」
「…な…なんて力なんだ。クリスティーナ殿、貴女は一体…。」
「うふふ、ジェンガさん。今は驚いている時間ではなくてよ。ラファエル様、少しよろしいですか?」
「はい!なんでしょうか?」
「ちょうどいい的が、あそこに四体おります。ラファエル様の属性魔法がどれほどAランクの魔物に通用するか、実験といたしましょう。」
それを聞いたアクセルは、のほほんとした表情で「良いなー楽しそう。」と小声で呟いており、その光景を見ていたジェンガ達は、いっそのこと魔物達が哀れにすら感じ始めていた。
「は…はい!で、出来るかな。僕に…。」
「大丈夫だよ!だって、母上の術式が破られるわけ無いもの。」
「うん!頑張る!アクセル君、僕の特訓の成果見ててね。」
ラファエルは一歩前に進み、アンデットナイトに杖を向け、魔力を展開しだした。生まれ持っての高魔力を見事に制御出来ているのは、王宮でもずっと地道に訓練をしていた賜物でもある。そこに聖宝石の補助が入り、ラファエルはクリスやアクセルにも匹敵する魔法を使いこなす事が出来るようになっていた。
「浄化爆弾!」
ラファエルの放った魔法は、白い塊が二体のアンデットナイトの中央部に着弾し、その刹那真っ白な火柱が二体のアンデットナイトを包み込んだのである。そして、一瞬で鎧と武器だけを残して灰塵へと帰したのであった。
「こ…これは、聖属性と炎属性の複合魔法だと!?訓練に年月を費やした高ランク魔法使いでも一握りしか使えないという…。こんな少年が…。私は夢でも見ているのか…?」
ジェンガの呟きを余所に、ラファエルは次の魔法を展開していた。どうやら先ほどの浄化爆弾の威力はラファエルにとって満足出来る威力だった様で口角が僅かに上がっている。
「聖なる花の刃!」
ラファエルの杖の先に光が集まり、それはそのまま美しい花びらへと変化して、一体のアンデットナイトへと襲い掛かる。一枚一枚の花びらの威力は小さいが、それらすべてが鋭利な刃物の様な威力を持っており、また浄化作用も重ね掛けしているため、身動きの取れないアンデットナイトはすぐさま関節部分からバラバラにされ、鎧と武器だけ残して消滅したのであった。
「わーい!アクセル君、見た?威力だけじゃなく、見た目にも美しくってクリス様から言われた通りに出来たよ!」
「すごいよ!ラファエル君!綺麗だったよ。さっすが、攻撃魔法は僕よりも威力はあるね。」
「えー、でも、まだまだアクセル君やクリス様の術式制御にはかなわないよ~。」
「すぐに追いつくって!まぁ、僕も負けてられないけどね!えへへ。」
二人の少年がダンジョン内とは思えない無邪気さで、手を取り合い飛び跳ねてキャピキャピしている光景は、一見ほのぼのとして見えるが、その中身が凶悪な実力を秘めている事を知ってしまったジェンガ達は、死んだ魚のような目をして美少年二人を眺めていた。
(人は…外見では判断出来ないということを、今日だけでしっかりと学ばせてもらったなぁ。ここまで凄いと、嫉妬も湧かない。規格外だ、この方たちは。)
ジェンガ達は規格外のパーティに同行している事で見せつけられる実力の差に、最初は陰鬱とした気持ちを僅かながらにも持ってしまっていたが、ここまで突き抜けているのであれば、いっそのこと清々しい気持ちへと変わっていった。
「さて、ラファエル様。あと魔物は一体ですが、魔法での攻撃は十分Aランク級の魔物を瞬殺できる威力がある事がわかりました。ねぇ、そう思いませんか?ジェンガさん?」
「…はい。間違いなく、Aランク冒険者以上の実力は兼ね備えていると考えられます。」
「うふふ、同じパーティメンバー以外の証言も得た事ですし、ラファエルさんの昇級も間違いなしですわね。さて、残り一体はもういいですわね。」
クリスはそういうと、手にしていた扇子を横に一閃し、無詠唱でアンデットナイトの首を切断したのであった。
戦闘にもならない戦闘シーンを見たジェンガ達は、これまで誰もが先に進むことのできなかった地下三階層を、少年の練習場として使い、一瞬で強敵を討伐したクリス達を尊敬と畏怖の混ざった視線で見つめていた。
そうこうしている間に、モニカとポールがアンデットナイトの煌びやかな鎧と武器を回収し、空間収納へと保管したところ、部屋の奥の扉が開き、さらに地下へと進む階段が現れたのである。
「さて、ここから先は誰もが足を踏み入れたことのない場所ですわね。さて、ジェンガさん達、覚悟はよろしいですか?私たちはこのまま先に進みますが、貴方達にとっては危険な場所かもしれません。命の保証は致しかねますわ。無理強いは致しません。…このまま一緒に行かれますか?」
「…もちろんです。このような機会、二度とありますまい!スピナー、ウーノ!いいな?」
「へへ、もちろんッスよ。」
「俺たちは間違いなく足手まといになるだろうが、許してくれるなら着いていかせてほしい…」
三人の決意を聞いたクリスは、美しい微笑みを三人へ向けて小さくうなずいた。
その所作を見た三人が顔を赤くしながら、クリスの美貌へ見惚れてしまったのは、致し方ないことであろう。
「さて、アルヴィジョ王城跡ダンジョンの初踏破に向けて、頑張りましょうね。初回踏破の場合と二回目以降の踏破の場合では、出てくるボスとその宝箱の中身には大きな隔たりが有るようですから、今から楽しみですわね。」
まるで、これからお散歩が楽しみですわね、とでも言っているような声色で、クリス達は優雅な姿勢を崩さず、疲れた様子見せないまま軽い足取りで地下へと降りていくのであった。
唯一、疲れた表情をしているのはクリス達の無自覚な非常識に振り回されているジェンガ達だけであったのに気づく者は、誰もいなかったとさ。
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