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魔導国家ヴェリス編
79話 ジェンガさん驚く
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「はい?クリスティーナ様は王家からの勅命でこのダンジョンを踏破しに来たのですか?」
「えぇ、本日はサクッとアルヴィジョ王城跡ダンジョンを踏破しようかと思っていますのよ。」
「さ…サクッと…。未踏ダンジョンをサクッと…。こんな美しい人が…」
「あらあらまぁまぁ。美しいだなんて。ありがとうございます。」
クリス達と魔剣士ジェンガの三人組は軽い自己紹介の後、一緒に王城跡内部へと侵入し、四階の王座の間へとたどり着こうとしていた。
ジェンガは、魔法と剣を巧みに使いこなす万能型の前衛だ。王城に入ってから、ジェンガ達がスケルトンと戦っているのを見てしっかりとした実力があるのを確認できている。
他のパーティメンバーは、レンジャーであるスピナーと、戦士のウーノで、皆Bランク冒険者であり、前衛よりのパーティ編成だが戦闘時の連携はしっかりと取れていた。
「ジェンガさん達は、王城地下へは行ったことはありますの?」
「いえ、王座の間迄ですね。パーティメンバーも少なく、また実力が足りないと認識している為、アルヴィジョ冒険者街で魔法使いや後衛メンバーを探しているところです。」
「なるほど。どうです?もしよければ、後学の為にも一緒に踏破致しますか?手柄は勿論、私達の物になりますが、ジェンガさん達の今後を見据えると悪い話では無いのでは無くて?」
「えぇ!?ここまでの道案内だけでは無くて、ですか?」
「踏破したら、私達は早々にヴェリスに戻らなければなりませんの。ダンジョン内部の情報提供含めて、ギルドの報告などをお手伝いして頂けると助かるのですが。」
ジェンガ達は、最初クリス達がかの有名な英雄だと知らされても、外見がか弱い女性と少年少女だった為に実力を疑っていた。しかし、王城に入った瞬間にスケルトンの群れが現れた時、クリスが放った殲滅破壊光線を目の当たりにしてから、常識はずれな力を持っている事を理解して護衛の必要性はない事と、逆に足を引っ張る事になると瞬時に理解した。
また、クリスだけで無く、美しい顔立ちの少年二人も見事な魔法と剣技にてスケルトンを殲滅し、うさ耳少女は拳で骨を砕いていた。猫耳少年はいつのまにかスケルトンの頭部を転がしていて、明らかに自分達とは次元の違う実力を見せつけられたのだ。
だが、稀代の英雄と話題の【クリスティーナ様御一行】と行動を共にする事が出来た栄誉を胸にこれからも頑張ろうと思っていた矢先にまさかのダンジョン踏破同行許可が出るとは、夢にも思わなかった。
「一緒に行っても、よ、宜しいのですか!?」
「えぇ。私達は王家より褒賞を頂ける予定ですので、ギルドへの情報提供による報酬は差し上げますわ。ただ、私達の名前をしっかりと出すこと。ギルドへは私達がこのアルヴィジョ王城跡ダンジョンを踏破する目的も伝えております故、ズルは出来ませんわよ。」
「ズルなんてしません!しかし…そ、そんな我々に都合の良い話が…。」
「あらあら。冒険者たるもの、チャンスは掴むべきでは無いかしら?」
「!!はい!女神の如きクリスティーナ様と行動を共に出来る事、光栄です!よろしくお願いします!」
「うふふ。ただ、出来る限りサポートはしますが自分の身は自分で守って下さいましね?」
こうして、クリスはダンジョン踏破後の冒険者ギルドへの生贄…もとい身代わり…いや、代理報告者を味方に引き入れたのであった。
(只でさえ目立っているのに、ギルドで報告なんてしていたら、どれだけ時間と労力を食うか。踏破後には早々に王宮に戻って報告と帰還術式の研究をしなければいけませんもの。ジェンガさん達も名が売れるでしょうし、お互い損は無いはず…ですわよね?将来性のある青年に恩を売っておいて損は無いでしょうし。)
「スピナー、ウーノ!またと無いチャンスだ!クリスティーナ様と同行し、勉強させて頂くぞ!」
「あいよ~。いや~荷が重いっスけど、楽しみましょ。」
「…よろしく頼む。」
臨時で行動を共にする事にした三人は気合十分にクリス達の後についてきて、そのままトントン拍子に王城地下二階迄たどり着いた。
途中で遭遇する敵も非常に強力になってきており、いよいよジェンガ達三人の実力では対応が難しくなってきているが、そんな事を気にするクリス一行ではない。
「うわぁ!デュラハン!初めて見たっス!」
「スピナー落ち着け!デュラハンは騎士の亡霊、魔法は撃ってこないから…って、モニカ氏!何を!?」
ジェンガとスピナーがアワアワしている間にモニカが素早くデュラハンに駆け寄り、拳一発で鎧を粉砕したのを見て、真顔でドン引きしたのはまだ可愛らしい方だ。
「ひぃ!ここの部屋、Bランクの魔物であるレイスが群れてウジャウジャといるっス!物理攻撃効かない魔物っスよ!」
「…こ…怖ぇぇ…。」
「スピナー、落ち着け!ウーノ、小声で怖がるな、それ本気で怖がってるだろ!物理が効かなくても私の魔法剣で攻撃すれば…って、アクセル氏とラファエル氏!?流石のお二人でもこのレイスの大群は…!?」
ジェンガが背後で慌てているが、少年二人は落ち着いた様子で、レイスがワサワサいる部屋の中央までゆっくりと向かい、展開している結界が見事に襲いかかってくるレイスを『ピチュン!』と弾け飛ばしていた。
「ラファエル君、出来る?」
「う、うん。やってみるよ。」
ラファエルは手にした杖を右手で頭上高く掲げ、クリスより譲り受けた聖宝石を左手で握りしめて、浄化魔法を展開した。
部屋の中にラファエルを中心に清らかな光が放たれると同時に、爽やかな果実の様な香りが立ち込めると、部屋の中にいた無数のレイスが一瞬にして消滅したのであった。
「わぁい!アクセル君、出来たよ!」
「凄いよラファエル君!聖魔法は僕よりも断然強力に使いこなしてるね!」
そう言って、ハイタッチしたままピョンピョンと無邪気に跳ねてる少年二人を、ジェンガ達は感情が抜け落ちた目で眺めていた。
「…レイスって、こんな簡単に倒せる魔物だっけ?」
「いやいや、んなわきゃ無いっスよ…。」
「…少年…凄ぇな…。」
ジェンガ達の呟きをよそに、圧倒的な力技でアルヴィジョ王城を探索していくクリス達。そして強力なアンデッドが出ると報告されている地下三階に到着したのである。
そこには重厚な扉が待ち構えており、訪れた者に威圧感を与えるのに一役買っていた。
「あら、大きな扉ですわね。皆様、扉を開けた先には強敵がいると聞いております。時にはリッチキング、時にはイビルゴースト、時にはヴァンパイアクイーンなど、出てくる魔物はランダムながらもAランク以上ばかりですわ。特にジェンガさん達は最後尾で身を守る事に専念なさいまし。」
「はい!情けない話ですがここまででも大した活躍はできていないので、クリス様達の邪魔にならないように控えておきます!」
クリスはジェンガの真面目な受け答えに小さく微笑み、そのまま扉の前に立つと、大きな扉が自動的に開きだした。
ギギギギギィ…と不気味な音を立ててゆっくりと開いていく様子は、いかにもゴーストハウスでクリスは(ダンジョンって、こういう雰囲気作りにも凝っているのね…どういう仕組みなのかしら。)と右斜め上な事を考えていた。
そして開いた扉の先に広い闘技場の様な空間があり、中央には光り輝く全身鎧の魔物が四体、それぞれ大きな武器を構えて待ち構えていたのであった。
「えぇ、本日はサクッとアルヴィジョ王城跡ダンジョンを踏破しようかと思っていますのよ。」
「さ…サクッと…。未踏ダンジョンをサクッと…。こんな美しい人が…」
「あらあらまぁまぁ。美しいだなんて。ありがとうございます。」
クリス達と魔剣士ジェンガの三人組は軽い自己紹介の後、一緒に王城跡内部へと侵入し、四階の王座の間へとたどり着こうとしていた。
ジェンガは、魔法と剣を巧みに使いこなす万能型の前衛だ。王城に入ってから、ジェンガ達がスケルトンと戦っているのを見てしっかりとした実力があるのを確認できている。
他のパーティメンバーは、レンジャーであるスピナーと、戦士のウーノで、皆Bランク冒険者であり、前衛よりのパーティ編成だが戦闘時の連携はしっかりと取れていた。
「ジェンガさん達は、王城地下へは行ったことはありますの?」
「いえ、王座の間迄ですね。パーティメンバーも少なく、また実力が足りないと認識している為、アルヴィジョ冒険者街で魔法使いや後衛メンバーを探しているところです。」
「なるほど。どうです?もしよければ、後学の為にも一緒に踏破致しますか?手柄は勿論、私達の物になりますが、ジェンガさん達の今後を見据えると悪い話では無いのでは無くて?」
「えぇ!?ここまでの道案内だけでは無くて、ですか?」
「踏破したら、私達は早々にヴェリスに戻らなければなりませんの。ダンジョン内部の情報提供含めて、ギルドの報告などをお手伝いして頂けると助かるのですが。」
ジェンガ達は、最初クリス達がかの有名な英雄だと知らされても、外見がか弱い女性と少年少女だった為に実力を疑っていた。しかし、王城に入った瞬間にスケルトンの群れが現れた時、クリスが放った殲滅破壊光線を目の当たりにしてから、常識はずれな力を持っている事を理解して護衛の必要性はない事と、逆に足を引っ張る事になると瞬時に理解した。
また、クリスだけで無く、美しい顔立ちの少年二人も見事な魔法と剣技にてスケルトンを殲滅し、うさ耳少女は拳で骨を砕いていた。猫耳少年はいつのまにかスケルトンの頭部を転がしていて、明らかに自分達とは次元の違う実力を見せつけられたのだ。
だが、稀代の英雄と話題の【クリスティーナ様御一行】と行動を共にする事が出来た栄誉を胸にこれからも頑張ろうと思っていた矢先にまさかのダンジョン踏破同行許可が出るとは、夢にも思わなかった。
「一緒に行っても、よ、宜しいのですか!?」
「えぇ。私達は王家より褒賞を頂ける予定ですので、ギルドへの情報提供による報酬は差し上げますわ。ただ、私達の名前をしっかりと出すこと。ギルドへは私達がこのアルヴィジョ王城跡ダンジョンを踏破する目的も伝えております故、ズルは出来ませんわよ。」
「ズルなんてしません!しかし…そ、そんな我々に都合の良い話が…。」
「あらあら。冒険者たるもの、チャンスは掴むべきでは無いかしら?」
「!!はい!女神の如きクリスティーナ様と行動を共に出来る事、光栄です!よろしくお願いします!」
「うふふ。ただ、出来る限りサポートはしますが自分の身は自分で守って下さいましね?」
こうして、クリスはダンジョン踏破後の冒険者ギルドへの生贄…もとい身代わり…いや、代理報告者を味方に引き入れたのであった。
(只でさえ目立っているのに、ギルドで報告なんてしていたら、どれだけ時間と労力を食うか。踏破後には早々に王宮に戻って報告と帰還術式の研究をしなければいけませんもの。ジェンガさん達も名が売れるでしょうし、お互い損は無いはず…ですわよね?将来性のある青年に恩を売っておいて損は無いでしょうし。)
「スピナー、ウーノ!またと無いチャンスだ!クリスティーナ様と同行し、勉強させて頂くぞ!」
「あいよ~。いや~荷が重いっスけど、楽しみましょ。」
「…よろしく頼む。」
臨時で行動を共にする事にした三人は気合十分にクリス達の後についてきて、そのままトントン拍子に王城地下二階迄たどり着いた。
途中で遭遇する敵も非常に強力になってきており、いよいよジェンガ達三人の実力では対応が難しくなってきているが、そんな事を気にするクリス一行ではない。
「うわぁ!デュラハン!初めて見たっス!」
「スピナー落ち着け!デュラハンは騎士の亡霊、魔法は撃ってこないから…って、モニカ氏!何を!?」
ジェンガとスピナーがアワアワしている間にモニカが素早くデュラハンに駆け寄り、拳一発で鎧を粉砕したのを見て、真顔でドン引きしたのはまだ可愛らしい方だ。
「ひぃ!ここの部屋、Bランクの魔物であるレイスが群れてウジャウジャといるっス!物理攻撃効かない魔物っスよ!」
「…こ…怖ぇぇ…。」
「スピナー、落ち着け!ウーノ、小声で怖がるな、それ本気で怖がってるだろ!物理が効かなくても私の魔法剣で攻撃すれば…って、アクセル氏とラファエル氏!?流石のお二人でもこのレイスの大群は…!?」
ジェンガが背後で慌てているが、少年二人は落ち着いた様子で、レイスがワサワサいる部屋の中央までゆっくりと向かい、展開している結界が見事に襲いかかってくるレイスを『ピチュン!』と弾け飛ばしていた。
「ラファエル君、出来る?」
「う、うん。やってみるよ。」
ラファエルは手にした杖を右手で頭上高く掲げ、クリスより譲り受けた聖宝石を左手で握りしめて、浄化魔法を展開した。
部屋の中にラファエルを中心に清らかな光が放たれると同時に、爽やかな果実の様な香りが立ち込めると、部屋の中にいた無数のレイスが一瞬にして消滅したのであった。
「わぁい!アクセル君、出来たよ!」
「凄いよラファエル君!聖魔法は僕よりも断然強力に使いこなしてるね!」
そう言って、ハイタッチしたままピョンピョンと無邪気に跳ねてる少年二人を、ジェンガ達は感情が抜け落ちた目で眺めていた。
「…レイスって、こんな簡単に倒せる魔物だっけ?」
「いやいや、んなわきゃ無いっスよ…。」
「…少年…凄ぇな…。」
ジェンガ達の呟きをよそに、圧倒的な力技でアルヴィジョ王城を探索していくクリス達。そして強力なアンデッドが出ると報告されている地下三階に到着したのである。
そこには重厚な扉が待ち構えており、訪れた者に威圧感を与えるのに一役買っていた。
「あら、大きな扉ですわね。皆様、扉を開けた先には強敵がいると聞いております。時にはリッチキング、時にはイビルゴースト、時にはヴァンパイアクイーンなど、出てくる魔物はランダムながらもAランク以上ばかりですわ。特にジェンガさん達は最後尾で身を守る事に専念なさいまし。」
「はい!情けない話ですがここまででも大した活躍はできていないので、クリス様達の邪魔にならないように控えておきます!」
クリスはジェンガの真面目な受け答えに小さく微笑み、そのまま扉の前に立つと、大きな扉が自動的に開きだした。
ギギギギギィ…と不気味な音を立ててゆっくりと開いていく様子は、いかにもゴーストハウスでクリスは(ダンジョンって、こういう雰囲気作りにも凝っているのね…どういう仕組みなのかしら。)と右斜め上な事を考えていた。
そして開いた扉の先に広い闘技場の様な空間があり、中央には光り輝く全身鎧の魔物が四体、それぞれ大きな武器を構えて待ち構えていたのであった。
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