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魔導国家ヴェリス編
78話 ダンジョン散策開始ですわ!
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クリス達は、ギルドの応接室でアルヴィジョ跡地中央冒険者ギルド支部のギルドマスターと面会をした。
ヴェリス王族の勅命を受けた、話題の英雄クリスティーナを目の前にしたギルドマスターは、クリス達の発する高貴なオーラと隠すつもりのない圧倒的な魔力の高さに圧倒され恐縮しきりであった。
そして、辺境の地のギルドというだけあり、仕事の速さなどもスウェントル王都に比べるべくも無く遅く、何事にも的確な行動を良しとするクリスにとっては我慢の時間であった。
ギルドマスターから仕入れた話も通り一辺倒の物ばかりではあったが、王城のダンジョンは地上四階までは初心者向けで、四階の王座の後ろにある隠し階段から一気に地下まで降りると、そこからは高難易度に刎ねあがるという情報だけは収穫だった。
ギルドとしては何か新しい情報があれば報酬も出しているとの事で、連日様々な冒険者がアルヴィジョ王城へと挑んでいるが、地下三階以降に非常に強力なアンデッドの存在が確認されておりそこから先には誰も行けていないらしい。何か進展があれば是非情報提供をしてほしいとの事だ。
地下からは本当に強力な魔物が出現するらしく、帰ってこない冒険者も多々いる為、Aランク以降推奨ダンジョンとしているが、それでも挑む冒険者が後を絶たないのは、やはり未知なるダンジョンを踏破したいという冒険者の本能の様なものなのだろう。
ギルドの面会はそこそこで終わらせて、クリス達はその日簡易宿に宿泊し、5日ぶりの馬車ではない寝床で疲れを癒したのであった。
翌朝、徒歩で王城跡地へと向かったクリス達は、王城の周辺で突如雰囲気が変わったのを察知した。
それは漂う魔力の質が突如禍々しい物に変質し、屋外だと言うのにダンジョンエリアへと突入した事を示しており、モニカとポールの従者組は周囲の警戒を即座に展開をする。
王都から初めて外に出たラファエルは、当然ながら初めてダンジョンに挑戦する事になり、ダンジョン特有の魔力に当てられた事で鳥肌を浮かべて、己を抱え込む様に腕を擦り合わせていた。
「うわ!なにこの、気持ち悪い感覚…これがダンジョンなの?」
「そうですわね。屋外で突如ダンジョンに踏み入れた感覚は確かに心構えがない分、気持ち悪いものですね。いささか特殊なダンジョンですが、今まで行ったことのあるダンジョンも似たような雰囲気の魔力が漂っておりましたわ。ラファエル様、ここからは魔物も出てきます。アクセルさんの側を離れないよう、お気をつけくださいな。」
ラファエルに注意をしながらも、クリスは市街地だった遺跡がダンジョン化している光景にひっそりと目を輝かせていた。
何だかんだで研究者気質のクリスは、自分の知らない事や珍しい物に遭遇すると調べずにはいられない様子だ。
そのまま真っ直ぐ王城跡に向かっていると、崩れた民家跡の影から争っている剣撃の音が聞こえてきた。
『ガキィン!キィン!ドォン!』と、いかにも戦っていますと言う音が道なりに進んでいくと聞こえて近づいてきたが、とある民家跡の前を通りすぎると、逆に音は遠くなって行った。
ラファエルはその音にビクビクしている様子だが、他の一行は一切気にしていない様だ。
「ね、ねぇ。アクセル君。あの建物の裏で誰か戦っているみたいだけど、助けに行かなくていいの?」
「うーん。ここってダンジョンでしょ?ダンジョンってさ、他の冒険者と鉢合わせる事も多いんだ。でね、助けを求められてもいないのに余計な手出しをしたら、その魔物の素材やドロップしたアイテムを巡って諍いが起きる事もあるし。また、冒険者同士の争いの可能性もあってさ。その場合どっちが悪いのかも、ぱっと見わかんないから、スルーするのが一番なんだ。」
「へ、へー。冒険者って中々ドライなんだね…。慣れるかな?」
「慣れるよ。僕も最初、ラファエル君みたいな感じだったし。それに、余計な正義感程、身の破滅を招く事もあるらしいから、助けを求められない限りは出来るだけスルーするのが定石なんだって。」
「うん。僕、頑張るよ!」
アクセルが冒険者の初級講義をしているところに、クリスが補足を入れるように割り込んでくる。愛息子のアクセルが嬉々としてラファエルに先生をしている姿を見ることができたので、それは妙に楽しげな空気を纏わせていた。
「うふふ。アクセルさん、ラファエル様。何がなんでもスルーをすれば良いと言うものでは有りませんわよ。魔物に襲われて助けを求める事すら出来ないほどに衰弱している冒険者だった場合、見殺しにするのも後味が悪いでしょう?現場の状況を見て臨機応変に、ですわ。」
「はい!ありがとうございます!クリス様!勉強になります!」
そう話をしていたら、背後の剣撃の音は聞こえなくなり、どうやら戦闘は終わった様子だ。
気配察知で様子を伺っていたポールが「冒険者側が無事、適性反応を駆除しました。」と報告したのを聞いて、ラファエルとアクセルは内心ホッとしていた。
アクセルも、口では戦闘の音が聞こえても無視するように言ってはいたが、内心ソワソワしていたのは否めない。まだ、クリスやポール達の様に第三者だからと割り切ってスルーをする事にやや抵抗を感じてしまうのは、幼さ故の正義感だが、それが自らを危険に晒す事も理解している為、なんとか折り合いをつけようとアクセルも努力しているのだ。
「さて、タイミング悪く通りがかってしまいましたが、あちらさん、私達に興味津々で覗いてますわね。」
クリスがつぶやく様に言うと、隣を歩いていたモニカも冒険者が覗いている光景を見て吹き出してしまった。
「ふふ、あれで隠れているつもりなんでしょうか?」
恐らく魔物と戦っていた冒険者パーティが、戦闘が終わり、大通りに戻ったら明らかに場違いな集団が闊歩しているのを見て、驚いたのだろう。
若い男三人が物陰からひっそりとこちらを伺っているのだが、隠れきれていない。
クリスは冒険者の方へと振り返り、優雅な笑みを浮かべ扇子で顔を半分程隠しながら、『チョイッチョイッ』と手招きをし、隠れていないでこちらに来なさいと目で訴えた。まさか気づかれているとは思わなかった男達は、挙動不審になりつつ目線をウロウロとしながらもクリス達の方へとやってきた。
「ごきげんよう。先程は魔物退治、お疲れ様でした。」
「い、いえ。」
おおよそ二十歳前後の冒険者の青年は、クリスの持つ美貌と高貴なオーラでタジタジとしていた。
「あ、あの。俺…私は魔剣士ジェンガと申します。高貴な方とお見受けしますが、ここは女性や子供がくる様な場所ではありません。危険なので、街まで護衛しつつお送りしましょうか?」
クリスは内心(貴族の伝手が手に入るかも知れないと思って覗いていたのかしら?したたかなのは美点ですわ。中々紳士的な態度も、粗暴な冒険者が多い中、褒められる点ですね。装備品から見て、Bランク冒険者かしら?これは都合のいい駒として丁度良いかも知れませんわね…)と、冷静に目の前の青年を品定めしていた。
クリスに目をつけられた青年達は、運が良いのか悪いのか。クリスの今後の企みに巻き込まれてしまう事が確定した瞬間だった。
ヴェリス王族の勅命を受けた、話題の英雄クリスティーナを目の前にしたギルドマスターは、クリス達の発する高貴なオーラと隠すつもりのない圧倒的な魔力の高さに圧倒され恐縮しきりであった。
そして、辺境の地のギルドというだけあり、仕事の速さなどもスウェントル王都に比べるべくも無く遅く、何事にも的確な行動を良しとするクリスにとっては我慢の時間であった。
ギルドマスターから仕入れた話も通り一辺倒の物ばかりではあったが、王城のダンジョンは地上四階までは初心者向けで、四階の王座の後ろにある隠し階段から一気に地下まで降りると、そこからは高難易度に刎ねあがるという情報だけは収穫だった。
ギルドとしては何か新しい情報があれば報酬も出しているとの事で、連日様々な冒険者がアルヴィジョ王城へと挑んでいるが、地下三階以降に非常に強力なアンデッドの存在が確認されておりそこから先には誰も行けていないらしい。何か進展があれば是非情報提供をしてほしいとの事だ。
地下からは本当に強力な魔物が出現するらしく、帰ってこない冒険者も多々いる為、Aランク以降推奨ダンジョンとしているが、それでも挑む冒険者が後を絶たないのは、やはり未知なるダンジョンを踏破したいという冒険者の本能の様なものなのだろう。
ギルドの面会はそこそこで終わらせて、クリス達はその日簡易宿に宿泊し、5日ぶりの馬車ではない寝床で疲れを癒したのであった。
翌朝、徒歩で王城跡地へと向かったクリス達は、王城の周辺で突如雰囲気が変わったのを察知した。
それは漂う魔力の質が突如禍々しい物に変質し、屋外だと言うのにダンジョンエリアへと突入した事を示しており、モニカとポールの従者組は周囲の警戒を即座に展開をする。
王都から初めて外に出たラファエルは、当然ながら初めてダンジョンに挑戦する事になり、ダンジョン特有の魔力に当てられた事で鳥肌を浮かべて、己を抱え込む様に腕を擦り合わせていた。
「うわ!なにこの、気持ち悪い感覚…これがダンジョンなの?」
「そうですわね。屋外で突如ダンジョンに踏み入れた感覚は確かに心構えがない分、気持ち悪いものですね。いささか特殊なダンジョンですが、今まで行ったことのあるダンジョンも似たような雰囲気の魔力が漂っておりましたわ。ラファエル様、ここからは魔物も出てきます。アクセルさんの側を離れないよう、お気をつけくださいな。」
ラファエルに注意をしながらも、クリスは市街地だった遺跡がダンジョン化している光景にひっそりと目を輝かせていた。
何だかんだで研究者気質のクリスは、自分の知らない事や珍しい物に遭遇すると調べずにはいられない様子だ。
そのまま真っ直ぐ王城跡に向かっていると、崩れた民家跡の影から争っている剣撃の音が聞こえてきた。
『ガキィン!キィン!ドォン!』と、いかにも戦っていますと言う音が道なりに進んでいくと聞こえて近づいてきたが、とある民家跡の前を通りすぎると、逆に音は遠くなって行った。
ラファエルはその音にビクビクしている様子だが、他の一行は一切気にしていない様だ。
「ね、ねぇ。アクセル君。あの建物の裏で誰か戦っているみたいだけど、助けに行かなくていいの?」
「うーん。ここってダンジョンでしょ?ダンジョンってさ、他の冒険者と鉢合わせる事も多いんだ。でね、助けを求められてもいないのに余計な手出しをしたら、その魔物の素材やドロップしたアイテムを巡って諍いが起きる事もあるし。また、冒険者同士の争いの可能性もあってさ。その場合どっちが悪いのかも、ぱっと見わかんないから、スルーするのが一番なんだ。」
「へ、へー。冒険者って中々ドライなんだね…。慣れるかな?」
「慣れるよ。僕も最初、ラファエル君みたいな感じだったし。それに、余計な正義感程、身の破滅を招く事もあるらしいから、助けを求められない限りは出来るだけスルーするのが定石なんだって。」
「うん。僕、頑張るよ!」
アクセルが冒険者の初級講義をしているところに、クリスが補足を入れるように割り込んでくる。愛息子のアクセルが嬉々としてラファエルに先生をしている姿を見ることができたので、それは妙に楽しげな空気を纏わせていた。
「うふふ。アクセルさん、ラファエル様。何がなんでもスルーをすれば良いと言うものでは有りませんわよ。魔物に襲われて助けを求める事すら出来ないほどに衰弱している冒険者だった場合、見殺しにするのも後味が悪いでしょう?現場の状況を見て臨機応変に、ですわ。」
「はい!ありがとうございます!クリス様!勉強になります!」
そう話をしていたら、背後の剣撃の音は聞こえなくなり、どうやら戦闘は終わった様子だ。
気配察知で様子を伺っていたポールが「冒険者側が無事、適性反応を駆除しました。」と報告したのを聞いて、ラファエルとアクセルは内心ホッとしていた。
アクセルも、口では戦闘の音が聞こえても無視するように言ってはいたが、内心ソワソワしていたのは否めない。まだ、クリスやポール達の様に第三者だからと割り切ってスルーをする事にやや抵抗を感じてしまうのは、幼さ故の正義感だが、それが自らを危険に晒す事も理解している為、なんとか折り合いをつけようとアクセルも努力しているのだ。
「さて、タイミング悪く通りがかってしまいましたが、あちらさん、私達に興味津々で覗いてますわね。」
クリスがつぶやく様に言うと、隣を歩いていたモニカも冒険者が覗いている光景を見て吹き出してしまった。
「ふふ、あれで隠れているつもりなんでしょうか?」
恐らく魔物と戦っていた冒険者パーティが、戦闘が終わり、大通りに戻ったら明らかに場違いな集団が闊歩しているのを見て、驚いたのだろう。
若い男三人が物陰からひっそりとこちらを伺っているのだが、隠れきれていない。
クリスは冒険者の方へと振り返り、優雅な笑みを浮かべ扇子で顔を半分程隠しながら、『チョイッチョイッ』と手招きをし、隠れていないでこちらに来なさいと目で訴えた。まさか気づかれているとは思わなかった男達は、挙動不審になりつつ目線をウロウロとしながらもクリス達の方へとやってきた。
「ごきげんよう。先程は魔物退治、お疲れ様でした。」
「い、いえ。」
おおよそ二十歳前後の冒険者の青年は、クリスの持つ美貌と高貴なオーラでタジタジとしていた。
「あ、あの。俺…私は魔剣士ジェンガと申します。高貴な方とお見受けしますが、ここは女性や子供がくる様な場所ではありません。危険なので、街まで護衛しつつお送りしましょうか?」
クリスは内心(貴族の伝手が手に入るかも知れないと思って覗いていたのかしら?したたかなのは美点ですわ。中々紳士的な態度も、粗暴な冒険者が多い中、褒められる点ですね。装備品から見て、Bランク冒険者かしら?これは都合のいい駒として丁度良いかも知れませんわね…)と、冷静に目の前の青年を品定めしていた。
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