78 / 84
魔導国家ヴェリス編
78話 ダンジョン散策開始ですわ!
しおりを挟む
クリス達は、ギルドの応接室でアルヴィジョ跡地中央冒険者ギルド支部のギルドマスターと面会をした。
ヴェリス王族の勅命を受けた、話題の英雄クリスティーナを目の前にしたギルドマスターは、クリス達の発する高貴なオーラと隠すつもりのない圧倒的な魔力の高さに圧倒され恐縮しきりであった。
そして、辺境の地のギルドというだけあり、仕事の速さなどもスウェントル王都に比べるべくも無く遅く、何事にも的確な行動を良しとするクリスにとっては我慢の時間であった。
ギルドマスターから仕入れた話も通り一辺倒の物ばかりではあったが、王城のダンジョンは地上四階までは初心者向けで、四階の王座の後ろにある隠し階段から一気に地下まで降りると、そこからは高難易度に刎ねあがるという情報だけは収穫だった。
ギルドとしては何か新しい情報があれば報酬も出しているとの事で、連日様々な冒険者がアルヴィジョ王城へと挑んでいるが、地下三階以降に非常に強力なアンデッドの存在が確認されておりそこから先には誰も行けていないらしい。何か進展があれば是非情報提供をしてほしいとの事だ。
地下からは本当に強力な魔物が出現するらしく、帰ってこない冒険者も多々いる為、Aランク以降推奨ダンジョンとしているが、それでも挑む冒険者が後を絶たないのは、やはり未知なるダンジョンを踏破したいという冒険者の本能の様なものなのだろう。
ギルドの面会はそこそこで終わらせて、クリス達はその日簡易宿に宿泊し、5日ぶりの馬車ではない寝床で疲れを癒したのであった。
翌朝、徒歩で王城跡地へと向かったクリス達は、王城の周辺で突如雰囲気が変わったのを察知した。
それは漂う魔力の質が突如禍々しい物に変質し、屋外だと言うのにダンジョンエリアへと突入した事を示しており、モニカとポールの従者組は周囲の警戒を即座に展開をする。
王都から初めて外に出たラファエルは、当然ながら初めてダンジョンに挑戦する事になり、ダンジョン特有の魔力に当てられた事で鳥肌を浮かべて、己を抱え込む様に腕を擦り合わせていた。
「うわ!なにこの、気持ち悪い感覚…これがダンジョンなの?」
「そうですわね。屋外で突如ダンジョンに踏み入れた感覚は確かに心構えがない分、気持ち悪いものですね。いささか特殊なダンジョンですが、今まで行ったことのあるダンジョンも似たような雰囲気の魔力が漂っておりましたわ。ラファエル様、ここからは魔物も出てきます。アクセルさんの側を離れないよう、お気をつけくださいな。」
ラファエルに注意をしながらも、クリスは市街地だった遺跡がダンジョン化している光景にひっそりと目を輝かせていた。
何だかんだで研究者気質のクリスは、自分の知らない事や珍しい物に遭遇すると調べずにはいられない様子だ。
そのまま真っ直ぐ王城跡に向かっていると、崩れた民家跡の影から争っている剣撃の音が聞こえてきた。
『ガキィン!キィン!ドォン!』と、いかにも戦っていますと言う音が道なりに進んでいくと聞こえて近づいてきたが、とある民家跡の前を通りすぎると、逆に音は遠くなって行った。
ラファエルはその音にビクビクしている様子だが、他の一行は一切気にしていない様だ。
「ね、ねぇ。アクセル君。あの建物の裏で誰か戦っているみたいだけど、助けに行かなくていいの?」
「うーん。ここってダンジョンでしょ?ダンジョンってさ、他の冒険者と鉢合わせる事も多いんだ。でね、助けを求められてもいないのに余計な手出しをしたら、その魔物の素材やドロップしたアイテムを巡って諍いが起きる事もあるし。また、冒険者同士の争いの可能性もあってさ。その場合どっちが悪いのかも、ぱっと見わかんないから、スルーするのが一番なんだ。」
「へ、へー。冒険者って中々ドライなんだね…。慣れるかな?」
「慣れるよ。僕も最初、ラファエル君みたいな感じだったし。それに、余計な正義感程、身の破滅を招く事もあるらしいから、助けを求められない限りは出来るだけスルーするのが定石なんだって。」
「うん。僕、頑張るよ!」
アクセルが冒険者の初級講義をしているところに、クリスが補足を入れるように割り込んでくる。愛息子のアクセルが嬉々としてラファエルに先生をしている姿を見ることができたので、それは妙に楽しげな空気を纏わせていた。
「うふふ。アクセルさん、ラファエル様。何がなんでもスルーをすれば良いと言うものでは有りませんわよ。魔物に襲われて助けを求める事すら出来ないほどに衰弱している冒険者だった場合、見殺しにするのも後味が悪いでしょう?現場の状況を見て臨機応変に、ですわ。」
「はい!ありがとうございます!クリス様!勉強になります!」
そう話をしていたら、背後の剣撃の音は聞こえなくなり、どうやら戦闘は終わった様子だ。
気配察知で様子を伺っていたポールが「冒険者側が無事、適性反応を駆除しました。」と報告したのを聞いて、ラファエルとアクセルは内心ホッとしていた。
アクセルも、口では戦闘の音が聞こえても無視するように言ってはいたが、内心ソワソワしていたのは否めない。まだ、クリスやポール達の様に第三者だからと割り切ってスルーをする事にやや抵抗を感じてしまうのは、幼さ故の正義感だが、それが自らを危険に晒す事も理解している為、なんとか折り合いをつけようとアクセルも努力しているのだ。
「さて、タイミング悪く通りがかってしまいましたが、あちらさん、私達に興味津々で覗いてますわね。」
クリスがつぶやく様に言うと、隣を歩いていたモニカも冒険者が覗いている光景を見て吹き出してしまった。
「ふふ、あれで隠れているつもりなんでしょうか?」
恐らく魔物と戦っていた冒険者パーティが、戦闘が終わり、大通りに戻ったら明らかに場違いな集団が闊歩しているのを見て、驚いたのだろう。
若い男三人が物陰からひっそりとこちらを伺っているのだが、隠れきれていない。
クリスは冒険者の方へと振り返り、優雅な笑みを浮かべ扇子で顔を半分程隠しながら、『チョイッチョイッ』と手招きをし、隠れていないでこちらに来なさいと目で訴えた。まさか気づかれているとは思わなかった男達は、挙動不審になりつつ目線をウロウロとしながらもクリス達の方へとやってきた。
「ごきげんよう。先程は魔物退治、お疲れ様でした。」
「い、いえ。」
おおよそ二十歳前後の冒険者の青年は、クリスの持つ美貌と高貴なオーラでタジタジとしていた。
「あ、あの。俺…私は魔剣士ジェンガと申します。高貴な方とお見受けしますが、ここは女性や子供がくる様な場所ではありません。危険なので、街まで護衛しつつお送りしましょうか?」
クリスは内心(貴族の伝手が手に入るかも知れないと思って覗いていたのかしら?したたかなのは美点ですわ。中々紳士的な態度も、粗暴な冒険者が多い中、褒められる点ですね。装備品から見て、Bランク冒険者かしら?これは都合のいい駒として丁度良いかも知れませんわね…)と、冷静に目の前の青年を品定めしていた。
クリスに目をつけられた青年達は、運が良いのか悪いのか。クリスの今後の企みに巻き込まれてしまう事が確定した瞬間だった。
ヴェリス王族の勅命を受けた、話題の英雄クリスティーナを目の前にしたギルドマスターは、クリス達の発する高貴なオーラと隠すつもりのない圧倒的な魔力の高さに圧倒され恐縮しきりであった。
そして、辺境の地のギルドというだけあり、仕事の速さなどもスウェントル王都に比べるべくも無く遅く、何事にも的確な行動を良しとするクリスにとっては我慢の時間であった。
ギルドマスターから仕入れた話も通り一辺倒の物ばかりではあったが、王城のダンジョンは地上四階までは初心者向けで、四階の王座の後ろにある隠し階段から一気に地下まで降りると、そこからは高難易度に刎ねあがるという情報だけは収穫だった。
ギルドとしては何か新しい情報があれば報酬も出しているとの事で、連日様々な冒険者がアルヴィジョ王城へと挑んでいるが、地下三階以降に非常に強力なアンデッドの存在が確認されておりそこから先には誰も行けていないらしい。何か進展があれば是非情報提供をしてほしいとの事だ。
地下からは本当に強力な魔物が出現するらしく、帰ってこない冒険者も多々いる為、Aランク以降推奨ダンジョンとしているが、それでも挑む冒険者が後を絶たないのは、やはり未知なるダンジョンを踏破したいという冒険者の本能の様なものなのだろう。
ギルドの面会はそこそこで終わらせて、クリス達はその日簡易宿に宿泊し、5日ぶりの馬車ではない寝床で疲れを癒したのであった。
翌朝、徒歩で王城跡地へと向かったクリス達は、王城の周辺で突如雰囲気が変わったのを察知した。
それは漂う魔力の質が突如禍々しい物に変質し、屋外だと言うのにダンジョンエリアへと突入した事を示しており、モニカとポールの従者組は周囲の警戒を即座に展開をする。
王都から初めて外に出たラファエルは、当然ながら初めてダンジョンに挑戦する事になり、ダンジョン特有の魔力に当てられた事で鳥肌を浮かべて、己を抱え込む様に腕を擦り合わせていた。
「うわ!なにこの、気持ち悪い感覚…これがダンジョンなの?」
「そうですわね。屋外で突如ダンジョンに踏み入れた感覚は確かに心構えがない分、気持ち悪いものですね。いささか特殊なダンジョンですが、今まで行ったことのあるダンジョンも似たような雰囲気の魔力が漂っておりましたわ。ラファエル様、ここからは魔物も出てきます。アクセルさんの側を離れないよう、お気をつけくださいな。」
ラファエルに注意をしながらも、クリスは市街地だった遺跡がダンジョン化している光景にひっそりと目を輝かせていた。
何だかんだで研究者気質のクリスは、自分の知らない事や珍しい物に遭遇すると調べずにはいられない様子だ。
そのまま真っ直ぐ王城跡に向かっていると、崩れた民家跡の影から争っている剣撃の音が聞こえてきた。
『ガキィン!キィン!ドォン!』と、いかにも戦っていますと言う音が道なりに進んでいくと聞こえて近づいてきたが、とある民家跡の前を通りすぎると、逆に音は遠くなって行った。
ラファエルはその音にビクビクしている様子だが、他の一行は一切気にしていない様だ。
「ね、ねぇ。アクセル君。あの建物の裏で誰か戦っているみたいだけど、助けに行かなくていいの?」
「うーん。ここってダンジョンでしょ?ダンジョンってさ、他の冒険者と鉢合わせる事も多いんだ。でね、助けを求められてもいないのに余計な手出しをしたら、その魔物の素材やドロップしたアイテムを巡って諍いが起きる事もあるし。また、冒険者同士の争いの可能性もあってさ。その場合どっちが悪いのかも、ぱっと見わかんないから、スルーするのが一番なんだ。」
「へ、へー。冒険者って中々ドライなんだね…。慣れるかな?」
「慣れるよ。僕も最初、ラファエル君みたいな感じだったし。それに、余計な正義感程、身の破滅を招く事もあるらしいから、助けを求められない限りは出来るだけスルーするのが定石なんだって。」
「うん。僕、頑張るよ!」
アクセルが冒険者の初級講義をしているところに、クリスが補足を入れるように割り込んでくる。愛息子のアクセルが嬉々としてラファエルに先生をしている姿を見ることができたので、それは妙に楽しげな空気を纏わせていた。
「うふふ。アクセルさん、ラファエル様。何がなんでもスルーをすれば良いと言うものでは有りませんわよ。魔物に襲われて助けを求める事すら出来ないほどに衰弱している冒険者だった場合、見殺しにするのも後味が悪いでしょう?現場の状況を見て臨機応変に、ですわ。」
「はい!ありがとうございます!クリス様!勉強になります!」
そう話をしていたら、背後の剣撃の音は聞こえなくなり、どうやら戦闘は終わった様子だ。
気配察知で様子を伺っていたポールが「冒険者側が無事、適性反応を駆除しました。」と報告したのを聞いて、ラファエルとアクセルは内心ホッとしていた。
アクセルも、口では戦闘の音が聞こえても無視するように言ってはいたが、内心ソワソワしていたのは否めない。まだ、クリスやポール達の様に第三者だからと割り切ってスルーをする事にやや抵抗を感じてしまうのは、幼さ故の正義感だが、それが自らを危険に晒す事も理解している為、なんとか折り合いをつけようとアクセルも努力しているのだ。
「さて、タイミング悪く通りがかってしまいましたが、あちらさん、私達に興味津々で覗いてますわね。」
クリスがつぶやく様に言うと、隣を歩いていたモニカも冒険者が覗いている光景を見て吹き出してしまった。
「ふふ、あれで隠れているつもりなんでしょうか?」
恐らく魔物と戦っていた冒険者パーティが、戦闘が終わり、大通りに戻ったら明らかに場違いな集団が闊歩しているのを見て、驚いたのだろう。
若い男三人が物陰からひっそりとこちらを伺っているのだが、隠れきれていない。
クリスは冒険者の方へと振り返り、優雅な笑みを浮かべ扇子で顔を半分程隠しながら、『チョイッチョイッ』と手招きをし、隠れていないでこちらに来なさいと目で訴えた。まさか気づかれているとは思わなかった男達は、挙動不審になりつつ目線をウロウロとしながらもクリス達の方へとやってきた。
「ごきげんよう。先程は魔物退治、お疲れ様でした。」
「い、いえ。」
おおよそ二十歳前後の冒険者の青年は、クリスの持つ美貌と高貴なオーラでタジタジとしていた。
「あ、あの。俺…私は魔剣士ジェンガと申します。高貴な方とお見受けしますが、ここは女性や子供がくる様な場所ではありません。危険なので、街まで護衛しつつお送りしましょうか?」
クリスは内心(貴族の伝手が手に入るかも知れないと思って覗いていたのかしら?したたかなのは美点ですわ。中々紳士的な態度も、粗暴な冒険者が多い中、褒められる点ですね。装備品から見て、Bランク冒険者かしら?これは都合のいい駒として丁度良いかも知れませんわね…)と、冷静に目の前の青年を品定めしていた。
クリスに目をつけられた青年達は、運が良いのか悪いのか。クリスの今後の企みに巻き込まれてしまう事が確定した瞬間だった。
10
お気に入りに追加
2,030
あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari@七柚カリン
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる