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魔導国家ヴェリス編
57話 束の間の休息を
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ヴェリス王宮にて、王宮の影であるロベルトはヴァーミリオン王に、クリスの発言をそのまま報告をしていた。
隣には、シアン王妃も控えており、両陛下は静かにロベルトの報告を聞き終わった後、ヴァーミリオンが眉間に皺を寄せながら口を開く。
「スウェントルの英雄、【宝石の女神】クリスティーナ殿…か。なんともな女傑だな。」
「興味深い方々ですわね。おおよそ予想はしておりましたが、やはり異世界人でしたか。」
ヴァーミリオン=エイルーク。齢46で、魔族の様相を色濃く出しており、黒髪短髪の褐色肌にて、耳が尖っている国内有数の魔力の持ち主である。
昔はフェアリアから側室を娶った事があったが、問題が発生し、自らの命で毒杯処分の指示を出した後は、正室であるシアン以外に妻は居ない。
心根は優しく、外交なども平和的外交を展開している。その為、スウェントル王国や、側室問題があり一時国交が危ぶまれた森林国家フェアリアとも、現在は比較的友好な関係性を築いている。
ただし、自分が国内でも有数の内包魔力を持っており、魔力至上主義の筆頭として国の魔道具や魔法研究を発展させたという実績を誇っており、クリスの異世界人である発言を受け、ラファエルの件の進展も含め、是非とも話をしたいと心が踊っているところだ。
シアン=エイルーク。ヴァーミリオンの妻にて、齢44の内包魔力の高い侯爵家長女として生まれた人族の美しい女性だ。
肌は白く美しい亜麻色の髪を結い上げ、妖艶な雰囲気を醸し出している。
国王を裏よりしっかりと支え、国政などにも造詣が深く胆力のある王妃である。
「しかし、なぜラファエル失踪の事を、外部から来たクリスティーナ殿が知っているのだ?」
「それも踏まえて、発言力のある者を、連れてこいというのが、クリスティーナ殿の要望でした。」
フィクサー=スウェントル国王の直筆の紹介状も持っていたという事は、スウェントルの国王とも知己であり、信頼を得ているという事実を理解したヴァーミリオンは、それなりの立場の者を向かわせなければいけないと判断した。
「最初に失礼な行動をした非は、間違いなく此方にある。ロベルトよ、すまなかったな。事前に調べれるだけ調べろと言った、私の判断ミスだ。」
「いえ…私の実力の無さが招いた失態です。申し訳ございません。」
「よい、かの御一行が、規格外なだけだ。気にするな。」
ロベルトの失敗を叱責せず、自分の責であると認める事が出来るヴァーミリオンは、その現場判断力や平和的外交手腕、魔道具開発の実績を持って、ヴェリスの貴族や国民からの指示も比較的高い。
余談だが、ヴァーミリオンは少し人の心の機微に疎く、一時政策などでも失敗も繰り返した事があるため、それに影響された貴族や一部の国民達は、早々に次代の王として、人の出来た政治力の高いブラウン殿下を王にすべきだと訴えかけている。
「ラファエル失踪の情報の件もある。また、異世界人として貴重な情報を持っている事も踏まえ、外交や対人関係に強い、カッシュ宰相か、ブラウンなどが適任だ思うが…シアンの意見を聞きたい。」
「カッシュ宰相は国政で、やらなければならない仕事がございます故。…今回、肝になってくるであろう、ラファエルの情報に対して偏見の目を持たず、交渉ごとにも強いブラウンが適任でしょう。あの子は自慢の息子ですからね。クリスティーナ殿も、流石に王族に対して不敬な態度をとる事も無いでしょう。王族自らが、異世界人で隣国の英雄とは言え、出迎えに行くのです。それ自体をこの度の詫びとする事も出来ましょう。」
第一王子であるブラウン=エイルークは齢23で、母譲りの色白で亜麻色の髪をした人族にしか見えない美男子だ。
ただし、顔立ちそのものは、父親似である。
既に国内の公爵家より妃を娶っており、一児の男児に恵まれている。
その、誰にでも分け隔て無く接する性格と芯の強さと共に、各種政治力の高さは誰もが認めており、またラファエル含めて8人いる王子や王女たちの中でも、突出して判断力に優れたカリスマ性溢れる王子殿下である。
惜しむらくは、内包魔力が王族の中で誰よりも低く生まれてしまった事だが、それが原因で蔑まれる事は無い。
魔力第一主義の国柄ではあるが、それだけで国が動くわけでは無いのは、もちろん貴族や研究者達も理解しているのだ。
立太子の第一候補なのだが、自らの魔力の低さを理由に、他の弟妹より選定するよう直接訴えられており、ヴァーミリオンとしてもブラウンの気持ちも納得出来る部分がある為に、現時点では立太子していない事実がある。
「よし、ではブラウンを向かわせよう。ロベルトよ、近衛兵と魔法研究者の中より精鋭を数名連れて、護衛とするように手配を進めよ。誰か、ブラウンを呼んできてくれ。説明をせねばならぬでな。」
こうして、クリス一行との交渉には、ブラウン第一王子が赴く事となった。
クリスの要望で王族が直接足を運ぶ事になった事件は、特に口外はしていないが、いつのまにか王宮で広まり、王族を動かす事の出来る【クリスティーナ様御一行】は何者なのだと、静かに話題になる事となった。
******
宿場町では、クリス達が休息をとっていた。
高級宿のアクセル達の部屋に皆が集まり、お茶の時間としている。
「さて、王宮の影のあの方は、きちんとお仕事をしてくれるかしらね。」
「クリス様、いつに無く絶好調でしたね。ロベルト様、顔色を変えるくらい怯えてましたよ。」
クリスとモニカが女性同士で会話をしている。
クリスが許可をし、一緒にティータイムと洒落込んでいるのだ。
視界の端では男子3人組が別の小さなテーブルでカードゲームをしており、仲良く遊んでいるのが見える。
「この国の王族について詳しくは知りませんが、ラファエル様をあそこまで追い詰めた事、私、許せませんのよ。アクセルさんと同い年の男の子が、死にそうになっていたのを見てしまいましたからね。助けられて、よかったですわ。」
「本当に。ラファエル様は、アクセル様ともポールとも相性が良いみたいで、すぐに打ち解けましたね。」
「えぇ。素直な良い子ですわ。教育だけはきちんとしていた様子ですわね。よく、針のむしろにも近い環境で、あそこまで真っ直ぐに育ちましたわ。」
そう話をしている時に、カードゲームで負けたらしいアクセルがラファエルにくすぐられている光景を、クリスとモニカが遠目で見る。
そのままラファエルはアクセルに抱きつくような体勢でくすぐり続けており、少年2人は凄く楽しそうにはしゃいでいた。
「微笑ましい光景ですわね。アクセルさんの、あそこまで楽しそうな笑顔、初めて見たかもしれません。」
「えぇ…とてもステキな光景ですね…。(美少年同士がイチャイチャしてる!?何?この胸の中から沸き起こる不思議な感情は!)」
モニカの中の変なスイッチが押されてしまったようだが、クリスはそれに気づかず話を続ける。
「王宮に行くにしても、まずはラファエル様の事を正直に伝えてからでないと、大きな混乱が起きてしまいますでしょう。そうなると面倒ですから、なるべく大物が来てくれると楽なのですが…。」
「ロベルト様が、どの様に伝えてくれたか、ですね。まぁ、外交が得意な文官あたりを寄越して来そうですが、話がしやすい方だと良いですね。」
クリスとモニカはそう言っているが、予想以上の大物が寄越される事になっているとは思いもよらないでいた。
気がつけば、アクセルとラファエルは2人揃ってポールの耳をモフモフしており、ポールのなんとも言えない表情を見たクリスとモニカが小さく吹き出すなど、久しぶりに束の間の休息を楽しんだのであった。
隣には、シアン王妃も控えており、両陛下は静かにロベルトの報告を聞き終わった後、ヴァーミリオンが眉間に皺を寄せながら口を開く。
「スウェントルの英雄、【宝石の女神】クリスティーナ殿…か。なんともな女傑だな。」
「興味深い方々ですわね。おおよそ予想はしておりましたが、やはり異世界人でしたか。」
ヴァーミリオン=エイルーク。齢46で、魔族の様相を色濃く出しており、黒髪短髪の褐色肌にて、耳が尖っている国内有数の魔力の持ち主である。
昔はフェアリアから側室を娶った事があったが、問題が発生し、自らの命で毒杯処分の指示を出した後は、正室であるシアン以外に妻は居ない。
心根は優しく、外交なども平和的外交を展開している。その為、スウェントル王国や、側室問題があり一時国交が危ぶまれた森林国家フェアリアとも、現在は比較的友好な関係性を築いている。
ただし、自分が国内でも有数の内包魔力を持っており、魔力至上主義の筆頭として国の魔道具や魔法研究を発展させたという実績を誇っており、クリスの異世界人である発言を受け、ラファエルの件の進展も含め、是非とも話をしたいと心が踊っているところだ。
シアン=エイルーク。ヴァーミリオンの妻にて、齢44の内包魔力の高い侯爵家長女として生まれた人族の美しい女性だ。
肌は白く美しい亜麻色の髪を結い上げ、妖艶な雰囲気を醸し出している。
国王を裏よりしっかりと支え、国政などにも造詣が深く胆力のある王妃である。
「しかし、なぜラファエル失踪の事を、外部から来たクリスティーナ殿が知っているのだ?」
「それも踏まえて、発言力のある者を、連れてこいというのが、クリスティーナ殿の要望でした。」
フィクサー=スウェントル国王の直筆の紹介状も持っていたという事は、スウェントルの国王とも知己であり、信頼を得ているという事実を理解したヴァーミリオンは、それなりの立場の者を向かわせなければいけないと判断した。
「最初に失礼な行動をした非は、間違いなく此方にある。ロベルトよ、すまなかったな。事前に調べれるだけ調べろと言った、私の判断ミスだ。」
「いえ…私の実力の無さが招いた失態です。申し訳ございません。」
「よい、かの御一行が、規格外なだけだ。気にするな。」
ロベルトの失敗を叱責せず、自分の責であると認める事が出来るヴァーミリオンは、その現場判断力や平和的外交手腕、魔道具開発の実績を持って、ヴェリスの貴族や国民からの指示も比較的高い。
余談だが、ヴァーミリオンは少し人の心の機微に疎く、一時政策などでも失敗も繰り返した事があるため、それに影響された貴族や一部の国民達は、早々に次代の王として、人の出来た政治力の高いブラウン殿下を王にすべきだと訴えかけている。
「ラファエル失踪の情報の件もある。また、異世界人として貴重な情報を持っている事も踏まえ、外交や対人関係に強い、カッシュ宰相か、ブラウンなどが適任だ思うが…シアンの意見を聞きたい。」
「カッシュ宰相は国政で、やらなければならない仕事がございます故。…今回、肝になってくるであろう、ラファエルの情報に対して偏見の目を持たず、交渉ごとにも強いブラウンが適任でしょう。あの子は自慢の息子ですからね。クリスティーナ殿も、流石に王族に対して不敬な態度をとる事も無いでしょう。王族自らが、異世界人で隣国の英雄とは言え、出迎えに行くのです。それ自体をこの度の詫びとする事も出来ましょう。」
第一王子であるブラウン=エイルークは齢23で、母譲りの色白で亜麻色の髪をした人族にしか見えない美男子だ。
ただし、顔立ちそのものは、父親似である。
既に国内の公爵家より妃を娶っており、一児の男児に恵まれている。
その、誰にでも分け隔て無く接する性格と芯の強さと共に、各種政治力の高さは誰もが認めており、またラファエル含めて8人いる王子や王女たちの中でも、突出して判断力に優れたカリスマ性溢れる王子殿下である。
惜しむらくは、内包魔力が王族の中で誰よりも低く生まれてしまった事だが、それが原因で蔑まれる事は無い。
魔力第一主義の国柄ではあるが、それだけで国が動くわけでは無いのは、もちろん貴族や研究者達も理解しているのだ。
立太子の第一候補なのだが、自らの魔力の低さを理由に、他の弟妹より選定するよう直接訴えられており、ヴァーミリオンとしてもブラウンの気持ちも納得出来る部分がある為に、現時点では立太子していない事実がある。
「よし、ではブラウンを向かわせよう。ロベルトよ、近衛兵と魔法研究者の中より精鋭を数名連れて、護衛とするように手配を進めよ。誰か、ブラウンを呼んできてくれ。説明をせねばならぬでな。」
こうして、クリス一行との交渉には、ブラウン第一王子が赴く事となった。
クリスの要望で王族が直接足を運ぶ事になった事件は、特に口外はしていないが、いつのまにか王宮で広まり、王族を動かす事の出来る【クリスティーナ様御一行】は何者なのだと、静かに話題になる事となった。
******
宿場町では、クリス達が休息をとっていた。
高級宿のアクセル達の部屋に皆が集まり、お茶の時間としている。
「さて、王宮の影のあの方は、きちんとお仕事をしてくれるかしらね。」
「クリス様、いつに無く絶好調でしたね。ロベルト様、顔色を変えるくらい怯えてましたよ。」
クリスとモニカが女性同士で会話をしている。
クリスが許可をし、一緒にティータイムと洒落込んでいるのだ。
視界の端では男子3人組が別の小さなテーブルでカードゲームをしており、仲良く遊んでいるのが見える。
「この国の王族について詳しくは知りませんが、ラファエル様をあそこまで追い詰めた事、私、許せませんのよ。アクセルさんと同い年の男の子が、死にそうになっていたのを見てしまいましたからね。助けられて、よかったですわ。」
「本当に。ラファエル様は、アクセル様ともポールとも相性が良いみたいで、すぐに打ち解けましたね。」
「えぇ。素直な良い子ですわ。教育だけはきちんとしていた様子ですわね。よく、針のむしろにも近い環境で、あそこまで真っ直ぐに育ちましたわ。」
そう話をしている時に、カードゲームで負けたらしいアクセルがラファエルにくすぐられている光景を、クリスとモニカが遠目で見る。
そのままラファエルはアクセルに抱きつくような体勢でくすぐり続けており、少年2人は凄く楽しそうにはしゃいでいた。
「微笑ましい光景ですわね。アクセルさんの、あそこまで楽しそうな笑顔、初めて見たかもしれません。」
「えぇ…とてもステキな光景ですね…。(美少年同士がイチャイチャしてる!?何?この胸の中から沸き起こる不思議な感情は!)」
モニカの中の変なスイッチが押されてしまったようだが、クリスはそれに気づかず話を続ける。
「王宮に行くにしても、まずはラファエル様の事を正直に伝えてからでないと、大きな混乱が起きてしまいますでしょう。そうなると面倒ですから、なるべく大物が来てくれると楽なのですが…。」
「ロベルト様が、どの様に伝えてくれたか、ですね。まぁ、外交が得意な文官あたりを寄越して来そうですが、話がしやすい方だと良いですね。」
クリスとモニカはそう言っているが、予想以上の大物が寄越される事になっているとは思いもよらないでいた。
気がつけば、アクセルとラファエルは2人揃ってポールの耳をモフモフしており、ポールのなんとも言えない表情を見たクリスとモニカが小さく吹き出すなど、久しぶりに束の間の休息を楽しんだのであった。
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