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魔導国家ヴェリス編
52話 厄介事の一つや二つ、どんと来い!ですわよ
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三日間何も食べていなかったラファエルに、通常の食事は厳しいと判断して、モニカは別途スープと豆をすり潰した流動食を準備しておいた。
ゆっくりとではあるが、食事をしだしたラファエルを見て、ホッとした一行たち。
徐々に体も動くようになったらしく、食事が終わって落ち着いた頃合いを見て、アクセルからラファエルに、気になっていた事を問いかけた。
「ねぇ、ラファエル君。単刀直入に聞かせてもらうね。君を盗賊団に手引きした人物は誰か教えてくれるかな?内容によっては、今後の事を考えていかなければならないと思ってね。」
「…うん。大丈夫だよ。もしかしたら、既に盗賊から聴き出してるとは思うんだけどさ。僕、ヴェリスの第五王子なんだ…。陛下…僕の父である【ヴァーミリオン=エイルーク】が現王なんだけど、その正妃、シアン王妃陛下の子息で第三王子であるアンバー殿下と、息女で第二王女であるアザレア殿下の双子の兄妹が、秘密裏に動いた事だと思う。」
【ヴァーミリオン=エイルーク】は、魔導国家ヴェリスの始祖である【スカーレット=エイルーク】の子孫である。転移者であるスカーレットは純粋な人族であったが、魔力の高いものを優先的に王族の血筋に掛け合わせ、王族は魔族やエルフ、人族など様々な血筋の混血となっており、現王は特に魔族の特徴を色濃く引き継いでいた。
閑話休題。
「なんで、兄弟なのに、こんな命に関わる酷い事をされたのか聞いても大丈夫?」
ラファエルは、申し訳無さそうな顔をして、力なく頷いた。
「ごめんね、これから話す事で厄介事に巻き込んでしまい、迷惑をかける事になるけど、それでも、話しても良い?」
「母上、乗りかかった舟だから良いですよね?僕、ラファエル君を出来る限り、助けてあげたいです。」
「大丈夫ですよ。厄介事の一つや二つ、今更増えようが、問題ございませんわ。」
クリス達にとっては自虐なのだが、クリス達の事情を知らないラファエルにとっては、非常に心強いセリフであった。
「ありがとうございます…。あの、僕、第五王子と言っても、僕の母はエルフの側室だったんです。【森林国家フェアリア】出身の伯爵位の次女だったらしいのですが、昔、たまたまフェアリアへ外交に赴いた陛下が、母を見かけ、その美貌と内包魔力の高さに惚れたらしくて、そのままフェアリア側に側室の要望を出したらしいのです。フェアリア側も伯爵位の次女で友好的な外交が出来るならと、国からの命令でヴェリスへと嫁いできたのがきっかけで、母は伯爵家次女からヴェリスの側室へとなりました。」
そこまで話すと、ラファエルは何かを恥じ入る様な表情を浮かべ、俯きながらも言葉をつないでいく。アクセル達は、急かす事なくラファエルの言葉を静かに聞いていた。
「そして、第五王子として僕が生まれました。そこで、王からの寵愛を受けた母が調子に乗ったらしく、シアン王妃陛下を小馬鹿にするような態度をとったり、その正妃の子息や息女達…所謂僕の異母兄姉に対して、決して良いとは言えない様な態度を繰り返していたらいんです。と、言っても僕は又聞きで、母がどんな人なのかも知らないんですけどね。」
アクセルは、沈痛な顔をしているラファエルを気遣う様に声をかけた。
「ラファエル君の母君は…。もしかして…。」
「うん。表向きは、病死扱いになっているよ。…ヴァーミリオン陛下もそこには詳しく触れないから、きっと、度重なる正妃への無礼な態度などを含めて、シアン王妃陛下の派閥に消されたんじゃないかな…。って勝手に思っているんですけどね。まぁ、憶測ですよ?本当に病死だったら良いんですけどね…。」
クリスもアクセルも、元の世界で病死扱いとなった王族を見たことがあり、綺麗事だけで済ませる事が出来ないのが、王宮事情であるのは理解をしている。
このラファエルの母親が、他国の伯爵家から来た側室程度が正妃に対して喧嘩を売るという不文律を犯した事は、自殺行為にしか見えない為、なんとも母親の病死扱いについては同情しずらい所であった。
「見たことの無い母親なんだけどさ、きっと閉鎖的な国の伯爵家で、他国の上位貴族に対する常識が養われていなかったのかなって。僕でも、母のとった行動が本当なら、信じられないから…。王宮事情を甘く見ていた母の自業自得だと思う。」
正妃に対して、どれほどの態度をとって消される事になったのか、余程の事があったのではと想像された。
そして、その様な母から生まれた、ラファエルに対する異母兄姉の態度が、自然とどうなるか理解できると言うものだ。
「でもね、ヴァーミリオン陛下は僕の事を、きちんと目にかけてくれたんだ。子には罪は無いと、態度で示してくれていたよ。また、自分の見る目がなかったとも嘆いていたらしい。でもね…。」
ラファエルはそこで言葉を詰まらせてしまった。
クリスがそれに続けるかの様に、ラファエルに話しかける。
「ラファエル様の異母兄姉であらせられる、他の王子殿下や王女殿下達が、良い顔をしなかったという事かしら…?」
「はい…。また、魔導国家ヴェリスは、その名の通り、魔法の技術力よりも、生まれ持った魔力の量を重要視する傾向にあります。技術は努力すればなんとかなるけど、生まれ持った魔力量を増やすのは、難しいですからね。僕は、王族の中でも、特に高い魔力を内包して生まれてきてしまったんです。」
ラファエルにとって、側室の息子で第五王子にもかかわらず、正妃の異母兄姉よりも内包魔力が高い事は、厄介事にしかならなかった。
陛下から可愛がられている事に対する異母兄姉からの嫉妬の視線、既に亡くなっているが悪い印象を与え続けた母親の影、内包魔力の高さからくる第五王子派とも言える魔法研究者達による派閥の形成。
そういった事全てを望んでいないにもかかわらず、背負ってしまったラファエルが、唯一抵抗として行動出来た事と言えば、異母兄姉へのご機嫌とりと、率先して継承権放棄の上、臣籍降下を訴える姿勢をし続ける事であったが、継承権放棄にヴァーミリオン国王は首を縦に振らなかったとの事。
王にはなにか考えがあったのかも知れないが、それが余計に自体の悪化を招いてしまったのだろう。
そうして、三日前にアンバー王子とアザレア王女の双子から、一緒に狩りに行かないかとラファエルが誘われた時は、仲良くなれるかも知れないと凄く嬉しかったのだが、護衛の者も連れて狩りへと出かけたにも関わらず、森の中で突如睡魔に襲われて、気がついたら盗賊団の洞窟の中だったと、ラファエルは語った。
その顔は、異母兄姉にそこまでさせてしまった事による自責の念と、生まれてきた事そのものを悔やむ気持ちが滲み出ていた。
「申し訳ありません。この様な話を聞かされても、クリス様達を巻き込むだけなのに…。ごめんね、アクセル君。盗賊団から助けてくれた君達に、今、正直甘えているんだ。もう、王宮に戻りたいとは一切思わない。少しだけ、手を貸して欲しいんだ…。アンバー兄上とアザレア姉上がまだ気づいていない間に…僕を…どこかに逃がして欲しい…。僕は、王族じゃなくても良いんだ。」
そこまで言って、視線をアクセルからクリスに移すラファエル。
「クリス様、僕はまだ死にたく無いんです…。すみません、初対面なのに、こんな事言われても、困るのはわかっています。でも、お願いします。僕を、助けてください!それに対する対価は、すぐに用意は出来ないけど、なんとかします!」
沈痛な面持ちで、頭を下げるラファエルに対して、アクセルは不安げにクリスを見上げる。
モニカとポールは、従者として無表情を貫いているが、2人とも耳が垂れて、少し悲しい気持ちになっているのが見て取れる。
「ラファエル様、貴方を助けた時から、色々と覚悟はしておりましたよ。さて、今後の事を考えて、行動に移して行きましょうか。」
クリスは、絶対的な安心感を与える優雅な笑みをラファエルに向けて浮かべていた。
ゆっくりとではあるが、食事をしだしたラファエルを見て、ホッとした一行たち。
徐々に体も動くようになったらしく、食事が終わって落ち着いた頃合いを見て、アクセルからラファエルに、気になっていた事を問いかけた。
「ねぇ、ラファエル君。単刀直入に聞かせてもらうね。君を盗賊団に手引きした人物は誰か教えてくれるかな?内容によっては、今後の事を考えていかなければならないと思ってね。」
「…うん。大丈夫だよ。もしかしたら、既に盗賊から聴き出してるとは思うんだけどさ。僕、ヴェリスの第五王子なんだ…。陛下…僕の父である【ヴァーミリオン=エイルーク】が現王なんだけど、その正妃、シアン王妃陛下の子息で第三王子であるアンバー殿下と、息女で第二王女であるアザレア殿下の双子の兄妹が、秘密裏に動いた事だと思う。」
【ヴァーミリオン=エイルーク】は、魔導国家ヴェリスの始祖である【スカーレット=エイルーク】の子孫である。転移者であるスカーレットは純粋な人族であったが、魔力の高いものを優先的に王族の血筋に掛け合わせ、王族は魔族やエルフ、人族など様々な血筋の混血となっており、現王は特に魔族の特徴を色濃く引き継いでいた。
閑話休題。
「なんで、兄弟なのに、こんな命に関わる酷い事をされたのか聞いても大丈夫?」
ラファエルは、申し訳無さそうな顔をして、力なく頷いた。
「ごめんね、これから話す事で厄介事に巻き込んでしまい、迷惑をかける事になるけど、それでも、話しても良い?」
「母上、乗りかかった舟だから良いですよね?僕、ラファエル君を出来る限り、助けてあげたいです。」
「大丈夫ですよ。厄介事の一つや二つ、今更増えようが、問題ございませんわ。」
クリス達にとっては自虐なのだが、クリス達の事情を知らないラファエルにとっては、非常に心強いセリフであった。
「ありがとうございます…。あの、僕、第五王子と言っても、僕の母はエルフの側室だったんです。【森林国家フェアリア】出身の伯爵位の次女だったらしいのですが、昔、たまたまフェアリアへ外交に赴いた陛下が、母を見かけ、その美貌と内包魔力の高さに惚れたらしくて、そのままフェアリア側に側室の要望を出したらしいのです。フェアリア側も伯爵位の次女で友好的な外交が出来るならと、国からの命令でヴェリスへと嫁いできたのがきっかけで、母は伯爵家次女からヴェリスの側室へとなりました。」
そこまで話すと、ラファエルは何かを恥じ入る様な表情を浮かべ、俯きながらも言葉をつないでいく。アクセル達は、急かす事なくラファエルの言葉を静かに聞いていた。
「そして、第五王子として僕が生まれました。そこで、王からの寵愛を受けた母が調子に乗ったらしく、シアン王妃陛下を小馬鹿にするような態度をとったり、その正妃の子息や息女達…所謂僕の異母兄姉に対して、決して良いとは言えない様な態度を繰り返していたらいんです。と、言っても僕は又聞きで、母がどんな人なのかも知らないんですけどね。」
アクセルは、沈痛な顔をしているラファエルを気遣う様に声をかけた。
「ラファエル君の母君は…。もしかして…。」
「うん。表向きは、病死扱いになっているよ。…ヴァーミリオン陛下もそこには詳しく触れないから、きっと、度重なる正妃への無礼な態度などを含めて、シアン王妃陛下の派閥に消されたんじゃないかな…。って勝手に思っているんですけどね。まぁ、憶測ですよ?本当に病死だったら良いんですけどね…。」
クリスもアクセルも、元の世界で病死扱いとなった王族を見たことがあり、綺麗事だけで済ませる事が出来ないのが、王宮事情であるのは理解をしている。
このラファエルの母親が、他国の伯爵家から来た側室程度が正妃に対して喧嘩を売るという不文律を犯した事は、自殺行為にしか見えない為、なんとも母親の病死扱いについては同情しずらい所であった。
「見たことの無い母親なんだけどさ、きっと閉鎖的な国の伯爵家で、他国の上位貴族に対する常識が養われていなかったのかなって。僕でも、母のとった行動が本当なら、信じられないから…。王宮事情を甘く見ていた母の自業自得だと思う。」
正妃に対して、どれほどの態度をとって消される事になったのか、余程の事があったのではと想像された。
そして、その様な母から生まれた、ラファエルに対する異母兄姉の態度が、自然とどうなるか理解できると言うものだ。
「でもね、ヴァーミリオン陛下は僕の事を、きちんと目にかけてくれたんだ。子には罪は無いと、態度で示してくれていたよ。また、自分の見る目がなかったとも嘆いていたらしい。でもね…。」
ラファエルはそこで言葉を詰まらせてしまった。
クリスがそれに続けるかの様に、ラファエルに話しかける。
「ラファエル様の異母兄姉であらせられる、他の王子殿下や王女殿下達が、良い顔をしなかったという事かしら…?」
「はい…。また、魔導国家ヴェリスは、その名の通り、魔法の技術力よりも、生まれ持った魔力の量を重要視する傾向にあります。技術は努力すればなんとかなるけど、生まれ持った魔力量を増やすのは、難しいですからね。僕は、王族の中でも、特に高い魔力を内包して生まれてきてしまったんです。」
ラファエルにとって、側室の息子で第五王子にもかかわらず、正妃の異母兄姉よりも内包魔力が高い事は、厄介事にしかならなかった。
陛下から可愛がられている事に対する異母兄姉からの嫉妬の視線、既に亡くなっているが悪い印象を与え続けた母親の影、内包魔力の高さからくる第五王子派とも言える魔法研究者達による派閥の形成。
そういった事全てを望んでいないにもかかわらず、背負ってしまったラファエルが、唯一抵抗として行動出来た事と言えば、異母兄姉へのご機嫌とりと、率先して継承権放棄の上、臣籍降下を訴える姿勢をし続ける事であったが、継承権放棄にヴァーミリオン国王は首を縦に振らなかったとの事。
王にはなにか考えがあったのかも知れないが、それが余計に自体の悪化を招いてしまったのだろう。
そうして、三日前にアンバー王子とアザレア王女の双子から、一緒に狩りに行かないかとラファエルが誘われた時は、仲良くなれるかも知れないと凄く嬉しかったのだが、護衛の者も連れて狩りへと出かけたにも関わらず、森の中で突如睡魔に襲われて、気がついたら盗賊団の洞窟の中だったと、ラファエルは語った。
その顔は、異母兄姉にそこまでさせてしまった事による自責の念と、生まれてきた事そのものを悔やむ気持ちが滲み出ていた。
「申し訳ありません。この様な話を聞かされても、クリス様達を巻き込むだけなのに…。ごめんね、アクセル君。盗賊団から助けてくれた君達に、今、正直甘えているんだ。もう、王宮に戻りたいとは一切思わない。少しだけ、手を貸して欲しいんだ…。アンバー兄上とアザレア姉上がまだ気づいていない間に…僕を…どこかに逃がして欲しい…。僕は、王族じゃなくても良いんだ。」
そこまで言って、視線をアクセルからクリスに移すラファエル。
「クリス様、僕はまだ死にたく無いんです…。すみません、初対面なのに、こんな事言われても、困るのはわかっています。でも、お願いします。僕を、助けてください!それに対する対価は、すぐに用意は出来ないけど、なんとかします!」
沈痛な面持ちで、頭を下げるラファエルに対して、アクセルは不安げにクリスを見上げる。
モニカとポールは、従者として無表情を貫いているが、2人とも耳が垂れて、少し悲しい気持ちになっているのが見て取れる。
「ラファエル様、貴方を助けた時から、色々と覚悟はしておりましたよ。さて、今後の事を考えて、行動に移して行きましょうか。」
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