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スウェントル王国〜番外編〜
43話 とあるFランク冒険者の恋愛事情
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クリス達が王城に滞在し、魔法研究者達や騎士団員達に色々とアドバイスや指導をしていた頃、Fランク冒険者の少年4人組は、マッドシープはびこる草原で薬草採取に精を出していた。
「ねぇ~、俺らって、いつEランクに上がれるのかな?」
と、不満を漏らすのは、ハーフフットのビビ。実年齢は15歳だが、8歳位に見えるレンジャーだ。
「まだ冒険者になりたてだからなぁー、俺ら。ほら、ビビ。ほっぺに土ついてるよ。」
ビビの頬を自分の袖で拭ってあげてるのは、面倒見の良い魔族のイーサン。14歳。魔法使いである。魔族というだけあって、顔は非常に整っているのだが、醸し出す雰囲気がどうにも垢抜けない。
「クリスティーナ様御一行は、俺らと殆ど同じ時期に冒険者になったのに、スッゲーよな。駆け足でAランクだぜ。」
そう言って、薬草を綺麗に処理しているのは、槍使いで人族のアーディン。15歳。どうにも田舎臭さが抜けない少年だ。
「クリスティーナ様御一行、この草原で優雅にお茶してたんだよなぁ~。それが今では優雅に王城でお茶してるんだよなぁ~。」
最初の草原でお茶をしていたイメージが強すぎて、【クリスティーナ様御一行】はどこでもお茶を嗜んでいるイメージがついている、犬獣人でパーティリーダーのヨシュア、16歳。
まだまだ駆け出しの彼らだが、実はそこそこの実力を持っているのはクリスも感じていたのだ。
おっちょこちょいでヘタレではあるが、素直で基本を忠実にし、臆病な性格なのも逆に言えば慎重で無謀な賭けに出ない為、大怪我をする様な事もない。地道にコツコツと冒険者ポイントは貯めて行っている。
この調子で行けば、来月辺りにはEランク冒険者試験を受けることは可能だろう。
「あ、待って!多分、マッドシープ、この先に潜んでる。」
まだ未熟だが、ある程度の近場の索敵はできるビビ。
この前の様な失態を二度としたくないと、索敵や罠解除に力を入れている最中だが、仲間も含めて気がついても罠にかかる事もあるし、敵に襲われる事も多々ある。
だが、マッドシープだけは絶対に許さないという気持ちを持って、全員が警戒をしている為、あれから、裸踊りビームは受けていない。
ちょっとずつだが成長しているのだ。
「いた!砂目潰し!」
イーサンがマッドシープへ目潰し魔法を先制攻撃で実施。
これでビームは防げるとばかりに、ヨシュアとアーディンが2人がかりでマッドシープを退治した。
「ふふん!俺達、もうマッドシープは怖くないな!」
「いやいや、マッドシープ、Fランクの魔物だから、自慢にならないよ…。」
と、素材を回収しながらも辺りを見回すと、見慣れた女性2人が裸踊りをしていた。
いつぞやの教会の演劇で知り合った、エルフとハーフフットの少女達だ。
「ちょ!あいつら!」
顔を赤くして、指を指すビビ。
「サーシャとミミかよ!全く…。」
目を覆い、上を見上げるイーサン。
「何してんだあいつら…って、ヤベェ鼻血…。」
ガン見しつつ、鼻と股間を抑えるアーディン。
「…あいつら、絶壁なんだなぁ。」
なんの興味も無さげに、冷静に2人を眺めるヨシュア。
「ねぇねぇ、イーサン。状態異常回復の魔法、覚えたって言ってたよね。」
「あー、けど、展開にまだ時間がかかるんだわ。」
「いいから、かけてあげよ?」
「やれやれ…。」
自分達も裸踊りした事は棚に上げて、しょうがない奴らだなぁという態度で裸踊りをしている女子2人に近づくビビとイーサン。
アーディンとヨシュアは後ろを向いて見ていない振りをしてあげた。
「ひぇぇ。見ないでぇ~!助けてください~。」
顔を赤くしながら、踊りつつ助けを求めるミミ。
「見ないと魔法で解除できないから…我慢しろ。」
そう言って、状態異常解除の魔法式を展開していくイーサン。
「まだですかぁ~!早く~!」
ミミは目に涙を溜めながらイーサンを急かす。
「こら!ミミ!イーサンが今魔法唱えてるから、黙って待ってろ!」
同じハーフフット兼レンジャーとして、さらに名前の響きも似ている為か、ミミには強気なビビ。
「ハハ!すまんな!私なんかの裸踊りを見せて。いやーもっと興奮してくれてもいいんだぞ?」
何故か裸踊りをしながらも、堂々としているサーシャはやはり大物なのかもしれないと少年達は戦慄した瞬間だった。
時間はかかったが、状態異常回復の魔法を行使して、サーシャとミミの混乱を解除する。
「ふえぇぇん!もうお嫁に行けないよー!」
「イーサン!助かった!ありがとうな。」
脱ぎ散らかした服を拾いながらお礼を言うサーシャ達。
「なんでこんな事になったんだ?」
服を着た頃を見計らって、声をかけるヨシュア。
「ん?そんなもの決まっているだろう?油断だ!!」
「胸を張って言うセリフじゃ無いよ!」
堂々と開き直るサーシャに、鋭いツッコミを入れるイーサン。
「ビビー!私の裸見たでしょ!責任とってよね!」
「責任取るってなんだよ!」
「うるさい!私の見たんだから、あんたのも見せなさいよ!」
「どー言う理屈だよ!それ!バカ!ズボン引っ張んな!」
羞恥からの誤魔化しか、顔を真っ赤にしてビビを襲うミミ。襲われているビビも、嫌がっている素ぶりはしているが、顔を真っ赤ににつつ本気で嫌がっている訳では無さそうだ。
それを見て、サーシャもイーサンに話しかけた。
「あ、そうか!イーサン、あんた、私の裸を見たんだ。責任とってくれ。」
「はぁ!?」
まるで名案を思いついたかのように、手を叩いて突拍子も無い事を言い出すサーシャ。イーサンも意味が分からず、アホの子を見る目でサーシャを見た。
「エルフと魔族は肌の色の違いくらいで、子供もなしやすい。それに私はあんたが好きだからな。裸も見られた事だ。ポール様は高値の花だが、あんたなら問題ない!」
「え、え…好きって…え?」
「嫌か?」
「いや…では…無いけど。」
「じゃあ、決まりだ!安心しろ!私はまだ処女だ!」
「俺だってまだ童貞だわ!てか何勝手に決めてんだよ!」
唐突な告白からの急展開について行けていないイーサン。だが、サーシャも意外と本気の様子で、前からイーサンの事は気になっていたらしい。
イーサンもイーサンで、少し抜けているサーシャパーティの事は前から心配していたところもあったが、それは恋愛感情では無かった…はずだが、生まれて初めての異性からの告白に舞い上がっているのは確かなようだ。
突然始まったラブコメ展開について行けていないヨシュアとアーディンは、突発的にイチャイチャしだした二組を遠い目で見つめて、なんだかやるせない気持ちになった。
「なんだ?これ…。」
「はぁ~。もう好きにしてくれ。てか、サーシャとミミ、俺らのパーティメンバーに加えた方が良さそうだな…。」
そう遠くない未来に、この二組は付き合う事になるのだが、その際いつまでたっても恋人ができる気配の無いヨシュアとアーディンは2人でやさぐれる事になるのは、仕方のない話だ。
「ねぇ~、俺らって、いつEランクに上がれるのかな?」
と、不満を漏らすのは、ハーフフットのビビ。実年齢は15歳だが、8歳位に見えるレンジャーだ。
「まだ冒険者になりたてだからなぁー、俺ら。ほら、ビビ。ほっぺに土ついてるよ。」
ビビの頬を自分の袖で拭ってあげてるのは、面倒見の良い魔族のイーサン。14歳。魔法使いである。魔族というだけあって、顔は非常に整っているのだが、醸し出す雰囲気がどうにも垢抜けない。
「クリスティーナ様御一行は、俺らと殆ど同じ時期に冒険者になったのに、スッゲーよな。駆け足でAランクだぜ。」
そう言って、薬草を綺麗に処理しているのは、槍使いで人族のアーディン。15歳。どうにも田舎臭さが抜けない少年だ。
「クリスティーナ様御一行、この草原で優雅にお茶してたんだよなぁ~。それが今では優雅に王城でお茶してるんだよなぁ~。」
最初の草原でお茶をしていたイメージが強すぎて、【クリスティーナ様御一行】はどこでもお茶を嗜んでいるイメージがついている、犬獣人でパーティリーダーのヨシュア、16歳。
まだまだ駆け出しの彼らだが、実はそこそこの実力を持っているのはクリスも感じていたのだ。
おっちょこちょいでヘタレではあるが、素直で基本を忠実にし、臆病な性格なのも逆に言えば慎重で無謀な賭けに出ない為、大怪我をする様な事もない。地道にコツコツと冒険者ポイントは貯めて行っている。
この調子で行けば、来月辺りにはEランク冒険者試験を受けることは可能だろう。
「あ、待って!多分、マッドシープ、この先に潜んでる。」
まだ未熟だが、ある程度の近場の索敵はできるビビ。
この前の様な失態を二度としたくないと、索敵や罠解除に力を入れている最中だが、仲間も含めて気がついても罠にかかる事もあるし、敵に襲われる事も多々ある。
だが、マッドシープだけは絶対に許さないという気持ちを持って、全員が警戒をしている為、あれから、裸踊りビームは受けていない。
ちょっとずつだが成長しているのだ。
「いた!砂目潰し!」
イーサンがマッドシープへ目潰し魔法を先制攻撃で実施。
これでビームは防げるとばかりに、ヨシュアとアーディンが2人がかりでマッドシープを退治した。
「ふふん!俺達、もうマッドシープは怖くないな!」
「いやいや、マッドシープ、Fランクの魔物だから、自慢にならないよ…。」
と、素材を回収しながらも辺りを見回すと、見慣れた女性2人が裸踊りをしていた。
いつぞやの教会の演劇で知り合った、エルフとハーフフットの少女達だ。
「ちょ!あいつら!」
顔を赤くして、指を指すビビ。
「サーシャとミミかよ!全く…。」
目を覆い、上を見上げるイーサン。
「何してんだあいつら…って、ヤベェ鼻血…。」
ガン見しつつ、鼻と股間を抑えるアーディン。
「…あいつら、絶壁なんだなぁ。」
なんの興味も無さげに、冷静に2人を眺めるヨシュア。
「ねぇねぇ、イーサン。状態異常回復の魔法、覚えたって言ってたよね。」
「あー、けど、展開にまだ時間がかかるんだわ。」
「いいから、かけてあげよ?」
「やれやれ…。」
自分達も裸踊りした事は棚に上げて、しょうがない奴らだなぁという態度で裸踊りをしている女子2人に近づくビビとイーサン。
アーディンとヨシュアは後ろを向いて見ていない振りをしてあげた。
「ひぇぇ。見ないでぇ~!助けてください~。」
顔を赤くしながら、踊りつつ助けを求めるミミ。
「見ないと魔法で解除できないから…我慢しろ。」
そう言って、状態異常解除の魔法式を展開していくイーサン。
「まだですかぁ~!早く~!」
ミミは目に涙を溜めながらイーサンを急かす。
「こら!ミミ!イーサンが今魔法唱えてるから、黙って待ってろ!」
同じハーフフット兼レンジャーとして、さらに名前の響きも似ている為か、ミミには強気なビビ。
「ハハ!すまんな!私なんかの裸踊りを見せて。いやーもっと興奮してくれてもいいんだぞ?」
何故か裸踊りをしながらも、堂々としているサーシャはやはり大物なのかもしれないと少年達は戦慄した瞬間だった。
時間はかかったが、状態異常回復の魔法を行使して、サーシャとミミの混乱を解除する。
「ふえぇぇん!もうお嫁に行けないよー!」
「イーサン!助かった!ありがとうな。」
脱ぎ散らかした服を拾いながらお礼を言うサーシャ達。
「なんでこんな事になったんだ?」
服を着た頃を見計らって、声をかけるヨシュア。
「ん?そんなもの決まっているだろう?油断だ!!」
「胸を張って言うセリフじゃ無いよ!」
堂々と開き直るサーシャに、鋭いツッコミを入れるイーサン。
「ビビー!私の裸見たでしょ!責任とってよね!」
「責任取るってなんだよ!」
「うるさい!私の見たんだから、あんたのも見せなさいよ!」
「どー言う理屈だよ!それ!バカ!ズボン引っ張んな!」
羞恥からの誤魔化しか、顔を真っ赤にしてビビを襲うミミ。襲われているビビも、嫌がっている素ぶりはしているが、顔を真っ赤ににつつ本気で嫌がっている訳では無さそうだ。
それを見て、サーシャもイーサンに話しかけた。
「あ、そうか!イーサン、あんた、私の裸を見たんだ。責任とってくれ。」
「はぁ!?」
まるで名案を思いついたかのように、手を叩いて突拍子も無い事を言い出すサーシャ。イーサンも意味が分からず、アホの子を見る目でサーシャを見た。
「エルフと魔族は肌の色の違いくらいで、子供もなしやすい。それに私はあんたが好きだからな。裸も見られた事だ。ポール様は高値の花だが、あんたなら問題ない!」
「え、え…好きって…え?」
「嫌か?」
「いや…では…無いけど。」
「じゃあ、決まりだ!安心しろ!私はまだ処女だ!」
「俺だってまだ童貞だわ!てか何勝手に決めてんだよ!」
唐突な告白からの急展開について行けていないイーサン。だが、サーシャも意外と本気の様子で、前からイーサンの事は気になっていたらしい。
イーサンもイーサンで、少し抜けているサーシャパーティの事は前から心配していたところもあったが、それは恋愛感情では無かった…はずだが、生まれて初めての異性からの告白に舞い上がっているのは確かなようだ。
突然始まったラブコメ展開について行けていないヨシュアとアーディンは、突発的にイチャイチャしだした二組を遠い目で見つめて、なんだかやるせない気持ちになった。
「なんだ?これ…。」
「はぁ~。もう好きにしてくれ。てか、サーシャとミミ、俺らのパーティメンバーに加えた方が良さそうだな…。」
そう遠くない未来に、この二組は付き合う事になるのだが、その際いつまでたっても恋人ができる気配の無いヨシュアとアーディンは2人でやさぐれる事になるのは、仕方のない話だ。
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