34 / 84
スウェントル王国編
34話 お給料あげて下さい byナタリー
しおりを挟む
クリス達は騎士団長ブレイズと和解した後、グレートオーガの巣もアクセルとポールで見つけ出し、街道付近のグレートオーガ含め脅威となり得る魔物を殲滅し尽くしたのだった。
「グレートオーガ28匹の討伐を、我々騎士団が確認しております。まさかこんなに繁殖していたとは…クリスティーナ殿一行がいなければ、我々だけでは対処が出来ませんでした。」
「いえ、これで街道を通る人たちも安心出来ますわね。」
「はい。しかし、我々は何の役にも立たず、心苦しい限りです。」
「何度も言っておりますが、気になさらないでくださいまし。騎士団の方々でも、やろうと思えば出来る事。ただ、魔法が得意な私たちが、今回の討伐に適していたという事ですわ。適材適所、それでいいじゃありませんか。」
「…。心より感謝致します。」
またグレートオーガの体は、体などは素材になり得ないが、そのツノは非常に固く、武器や防具にうってつけの為、高級素材として扱われる。
更に、グレートオーガの睾丸は、精力剤としての効能があり、騎士団員が素材として切り取り、回収していた。
その光景を見ていたアクセルとポールが、並んで自分の股間を守る様にしっかりと握り、顔をしかめて「ひゃぁ」と叫びながら内股で抱きしめ合ったのはご愛嬌だ。
騎士団員も、その時ばかりは年相応の可愛らしい反応をした少年達に微笑ましい気持ちを抱いたものだ。
「この案件は、全てがクリスティーナ殿一行の手柄です。素材回収はこちらで行いましたが、その正規の報酬として、改めて冒険者ギルドを通じてお支払いさせて頂きます。」
「うふふ、本当に真面目ですのね。信頼しておりますわ。お任せします。」
そうして、宿場町にてその日は泊まり、食事の場で騎士団と親交を深めたクリス達。
騎士団員達は、出会った当初は護るべき見た目の貴婦人と少年少女が大言を吐き、正直いけ好かないと感じたが、自分達よりも明らかな強さを見せつけられた後は、尊敬の念を持ってクリス達に接する様になった。
クリス一行も見た目で侮られるのは分かっていたので特に気にしておらず、騎士団員から親交を深めてくれるのであれば、別に悪いことではない為クリス達も率先して輪の中に入っていった。
特にアクセルは、将来、自国の騎士団長になりたいと言った気持ちがあるため、ブレイズに懐いた次第だ。
騎士団をまとめ上げる心得や、団長となってのやりがい、苦しみなど矢継ぎ早に質問している。
ブレイズも、自分よりも圧倒的に強い少年が憧れの視線を真っ直ぐに向けてくれる事に悪い気はせず、綺麗な顔立ちと無邪気な笑顔のアクセルに籠絡されてしまった。
騎士団員も「あんなに喋るブレイズ団長を初めて見た。」と驚愕した次第だ。
****
翌日、スウェントル王都に戻ったクリス達は、ギルドで依頼達成の報告をしに行く。
いつも通り、ナタリーは別の冒険者の受付をしていたが、別の受付がナタリーに何か耳打ちをした後、クリスの顔を見るなり立ち上がって、役目を別の受付へと交代した。
クリスはまだ並んでもいなかったが、今日はナタリーからクリスに近づいてきたのだった。
「クリスティーナ様、お待ちしていました。騎士団長より報告を承っております。こちらへどうぞ。」
と、客室へ誘導してくれるナタリー。
クリス達も慣れたもので、お茶が出され、いつも通り座って待つ。
モニカとポールはクリスとアクセルの背後で控えている。
ナタリーとギルドマスターのハリーが連れ立って現れた。
「この度は、騎士団からの依頼を受けて頂き、ありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ、有意義な時間を過ごせましたわ。」
「騎士団からはクリスティーナ様への感謝の言葉を頂いており、またグレートオーガの討伐28体の報告と、とその有効部位素材の提供も騎士団より受けており、全てクリスティーナ様の手柄であるとのこと。まずはその報酬である金貨300枚となります。」
「あら、思ったより高いですわね。」
「グレートオーガの睾丸が高値で取引されており、その、1個で金貨2枚となり、1体につき2個ございますので…。後は延長報酬と、ツノの部位素材の料金、騎士団長よりお礼の気持ちの追加報酬が入っております。」
アクセルとポールはその回収している時の光景を思い出したのか、少しもぞもぞして一瞬内股になった。
ただ表情はしっかりと無表情を貫きまたすぐに元の姿勢に戻れたのは、驚愕のちょん切りを目の前で見て、驚きも過ぎ去った後にて冷静になっているからだろう。
「ありがとうございます。騎士団長のブレイズ様へもお礼をお伝え願えますか?」
「かしこまりました。」
淡々と終わった達成報告であるが、次にハリーの発した言葉で、クリスは優雅な微笑みから少しだけ真面目な表情に切り替えた。
「ところで、先日のゴーレム素材のお礼について、スウェントル国王陛下より召喚状を受けております。我々も予想以上の国のトップからの召喚状で驚愕仕切りでして…日時なのですが、明後日を希望されております。国王陛下も、突然の事なのでもし既に予定があるのであれば、と日時をずらす事も許可頂いています。」
「あら、光栄ですわ。国王陛下との謁見ですか。緊張いたしますわ。日程については問題ありません事よ。」
と、扇を口元に持ってきて優雅に微笑むクリスは一切緊張している様に見えない。
むしろハリーがこの国王からの召喚状を受け取った時に驚愕したくらいだ。
精々、王城の文官辺りに代理で褒美の報告となるだろうと思っていたが、冒険者が王と謁見するなど、前代未聞である。
「では、王城へはそのように報告致します。クリス様の宿へは、王城から馬車が迎えに上がります。恐らく、お昼前には迎えに上がると言っておりましたので、そのつもりでお願い致します。」
「かしこまりましたわ。」
その後、少しだけ今後の事を話し合った後、クリス達は綺麗な礼をして客室を出て行った。
「はぁー。クリスティーナ様には驚かされてばかりだな。」
「ギルドマスターでも、驚くんですね。」
「ナタリー君?どういう意味かな?」
「いえいえ、特に深い意味は無いですよ。全く、ギルドの受付全員がクリスティーナ様の受付を嫌がりやがって。全部私に丸投げですよ。マスター、お給料アップを求めます。」
「ははは。確かに、ナタリー君には気苦労をかけているね。でもクリスティーナ様も明らかに君の事を気に入っているからなぁ。」
「でも、私が別の人の受付してる時に、御一行が私の所に並んだからといっても、手の空いてる受付が自分の所に誘導したらいいじゃないですか!それを横から『交代するよ。クリスティーナ様御一行来てるからお願い。』って普通言います!?」
「まぁまぁ、御一行が気持ちよく受付出来るように計らっているんだよ。そうだね、気持ち、ボーナスでも渡そうか。今回のクリスティーナ様の報酬が国からギルドにも出るからね。頑張ってくれたご褒美だよ。」
「よっしゃ!今の言葉、忘れないで下さいね。」
そう言ってナタリーはそそくさと客室から退場して行った。
「彼女が受付の中で一番仕事が出来るのは確かだからなぁ。流石、クリスティーナ様も良い見る目をしてるよ。」
ハリーは苦笑しつつも、閉じられた扉を見つめながら、疲れを吹き飛ばすように大きな伸びをした。
「グレートオーガ28匹の討伐を、我々騎士団が確認しております。まさかこんなに繁殖していたとは…クリスティーナ殿一行がいなければ、我々だけでは対処が出来ませんでした。」
「いえ、これで街道を通る人たちも安心出来ますわね。」
「はい。しかし、我々は何の役にも立たず、心苦しい限りです。」
「何度も言っておりますが、気になさらないでくださいまし。騎士団の方々でも、やろうと思えば出来る事。ただ、魔法が得意な私たちが、今回の討伐に適していたという事ですわ。適材適所、それでいいじゃありませんか。」
「…。心より感謝致します。」
またグレートオーガの体は、体などは素材になり得ないが、そのツノは非常に固く、武器や防具にうってつけの為、高級素材として扱われる。
更に、グレートオーガの睾丸は、精力剤としての効能があり、騎士団員が素材として切り取り、回収していた。
その光景を見ていたアクセルとポールが、並んで自分の股間を守る様にしっかりと握り、顔をしかめて「ひゃぁ」と叫びながら内股で抱きしめ合ったのはご愛嬌だ。
騎士団員も、その時ばかりは年相応の可愛らしい反応をした少年達に微笑ましい気持ちを抱いたものだ。
「この案件は、全てがクリスティーナ殿一行の手柄です。素材回収はこちらで行いましたが、その正規の報酬として、改めて冒険者ギルドを通じてお支払いさせて頂きます。」
「うふふ、本当に真面目ですのね。信頼しておりますわ。お任せします。」
そうして、宿場町にてその日は泊まり、食事の場で騎士団と親交を深めたクリス達。
騎士団員達は、出会った当初は護るべき見た目の貴婦人と少年少女が大言を吐き、正直いけ好かないと感じたが、自分達よりも明らかな強さを見せつけられた後は、尊敬の念を持ってクリス達に接する様になった。
クリス一行も見た目で侮られるのは分かっていたので特に気にしておらず、騎士団員から親交を深めてくれるのであれば、別に悪いことではない為クリス達も率先して輪の中に入っていった。
特にアクセルは、将来、自国の騎士団長になりたいと言った気持ちがあるため、ブレイズに懐いた次第だ。
騎士団をまとめ上げる心得や、団長となってのやりがい、苦しみなど矢継ぎ早に質問している。
ブレイズも、自分よりも圧倒的に強い少年が憧れの視線を真っ直ぐに向けてくれる事に悪い気はせず、綺麗な顔立ちと無邪気な笑顔のアクセルに籠絡されてしまった。
騎士団員も「あんなに喋るブレイズ団長を初めて見た。」と驚愕した次第だ。
****
翌日、スウェントル王都に戻ったクリス達は、ギルドで依頼達成の報告をしに行く。
いつも通り、ナタリーは別の冒険者の受付をしていたが、別の受付がナタリーに何か耳打ちをした後、クリスの顔を見るなり立ち上がって、役目を別の受付へと交代した。
クリスはまだ並んでもいなかったが、今日はナタリーからクリスに近づいてきたのだった。
「クリスティーナ様、お待ちしていました。騎士団長より報告を承っております。こちらへどうぞ。」
と、客室へ誘導してくれるナタリー。
クリス達も慣れたもので、お茶が出され、いつも通り座って待つ。
モニカとポールはクリスとアクセルの背後で控えている。
ナタリーとギルドマスターのハリーが連れ立って現れた。
「この度は、騎士団からの依頼を受けて頂き、ありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ、有意義な時間を過ごせましたわ。」
「騎士団からはクリスティーナ様への感謝の言葉を頂いており、またグレートオーガの討伐28体の報告と、とその有効部位素材の提供も騎士団より受けており、全てクリスティーナ様の手柄であるとのこと。まずはその報酬である金貨300枚となります。」
「あら、思ったより高いですわね。」
「グレートオーガの睾丸が高値で取引されており、その、1個で金貨2枚となり、1体につき2個ございますので…。後は延長報酬と、ツノの部位素材の料金、騎士団長よりお礼の気持ちの追加報酬が入っております。」
アクセルとポールはその回収している時の光景を思い出したのか、少しもぞもぞして一瞬内股になった。
ただ表情はしっかりと無表情を貫きまたすぐに元の姿勢に戻れたのは、驚愕のちょん切りを目の前で見て、驚きも過ぎ去った後にて冷静になっているからだろう。
「ありがとうございます。騎士団長のブレイズ様へもお礼をお伝え願えますか?」
「かしこまりました。」
淡々と終わった達成報告であるが、次にハリーの発した言葉で、クリスは優雅な微笑みから少しだけ真面目な表情に切り替えた。
「ところで、先日のゴーレム素材のお礼について、スウェントル国王陛下より召喚状を受けております。我々も予想以上の国のトップからの召喚状で驚愕仕切りでして…日時なのですが、明後日を希望されております。国王陛下も、突然の事なのでもし既に予定があるのであれば、と日時をずらす事も許可頂いています。」
「あら、光栄ですわ。国王陛下との謁見ですか。緊張いたしますわ。日程については問題ありません事よ。」
と、扇を口元に持ってきて優雅に微笑むクリスは一切緊張している様に見えない。
むしろハリーがこの国王からの召喚状を受け取った時に驚愕したくらいだ。
精々、王城の文官辺りに代理で褒美の報告となるだろうと思っていたが、冒険者が王と謁見するなど、前代未聞である。
「では、王城へはそのように報告致します。クリス様の宿へは、王城から馬車が迎えに上がります。恐らく、お昼前には迎えに上がると言っておりましたので、そのつもりでお願い致します。」
「かしこまりましたわ。」
その後、少しだけ今後の事を話し合った後、クリス達は綺麗な礼をして客室を出て行った。
「はぁー。クリスティーナ様には驚かされてばかりだな。」
「ギルドマスターでも、驚くんですね。」
「ナタリー君?どういう意味かな?」
「いえいえ、特に深い意味は無いですよ。全く、ギルドの受付全員がクリスティーナ様の受付を嫌がりやがって。全部私に丸投げですよ。マスター、お給料アップを求めます。」
「ははは。確かに、ナタリー君には気苦労をかけているね。でもクリスティーナ様も明らかに君の事を気に入っているからなぁ。」
「でも、私が別の人の受付してる時に、御一行が私の所に並んだからといっても、手の空いてる受付が自分の所に誘導したらいいじゃないですか!それを横から『交代するよ。クリスティーナ様御一行来てるからお願い。』って普通言います!?」
「まぁまぁ、御一行が気持ちよく受付出来るように計らっているんだよ。そうだね、気持ち、ボーナスでも渡そうか。今回のクリスティーナ様の報酬が国からギルドにも出るからね。頑張ってくれたご褒美だよ。」
「よっしゃ!今の言葉、忘れないで下さいね。」
そう言ってナタリーはそそくさと客室から退場して行った。
「彼女が受付の中で一番仕事が出来るのは確かだからなぁ。流石、クリスティーナ様も良い見る目をしてるよ。」
ハリーは苦笑しつつも、閉じられた扉を見つめながら、疲れを吹き飛ばすように大きな伸びをした。
10
お気に入りに追加
2,030
あなたにおすすめの小説

ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

押し付けられた仕事、してもいいものでしょうか
章槻雅希
ファンタジー
以前書いた『押し付けられた仕事はいたしません』の別バージョンみたいな感じ。
仕事を押し付けようとする王太子に、婚約者の令嬢が周りの力を借りて抵抗する話。
会話は殆どない、地の文ばかり。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

騎士団長のお抱え薬師
衣更月
ファンタジー
辺境の町ハノンで暮らすイヴは、四大元素の火、風、水、土の属性から弾かれたハズレ属性、聖属性持ちだ。
聖属性持ちは意外と多く、ハズレ属性と言われるだけあって飽和状態。聖属性持ちの女性は結婚に逃げがちだが、イヴの年齢では結婚はできない。家業があれば良かったのだが、平民で天涯孤独となった身の上である。
後ろ盾は一切なく、自分の身は自分で守らなければならない。
なのに、求人依頼に聖属性は殆ど出ない。
そんな折、獣人の国が聖属性を募集していると話を聞き、出国を決意する。
場所は隣国。
しかもハノンの隣。
迎えに来たのは見上げるほど背の高い美丈夫で、なぜかイヴに威圧的な騎士団長だった。
大きな事件は起きないし、意外と獣人は優しい。なのに、団長だけは怖い。
イヴの団長克服の日々が始まる―ー―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる