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スウェントル王国編
26話 【閑話】宰相とその嫡男、気合いを入れて頑張ります
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※クリスとアクセルが転移する直前からお話が始まります※
ーーーーーーーーーーー
「ほら、あなた。見てこの聖宝石、あなたとケヴィンさんの瞳の色と同じ。綺麗な青色ですわ。」
「よし買おうか。じゃあ、このクリスティとアクセルの瞳と同じ綺麗な緑色のも購入しよう。」
カルロス=ロゼルナは、家族と共に、護身用の聖宝石を見繕っていた。
非常に高価なものであるが、公爵家ひいては宰相として国の中枢部に所属しているカルロスにとって、身を守る為ならこの程度の出費はどうとでもなる。
やや長めの銀髪をオールバックにし、非常に整った顔立ちで理知的な雰囲気を醸し出している。
銀髪に青い瞳で、クリスの金髪碧眼と並ぶと、一対の美しい絵画の様にお互いを引き立たせあっている。
両親の背後では、兄弟が仲良く話しをしていた。
年子で、年齢が近いが、面倒見の良い兄のケヴィンと、素直な弟のアクセルは相性が良く、喧嘩をしたところを見た事がない。
偏に、教育が行き届いている証だろう。
「アクセル、家に帰ったらチェスの再戦をしよう。」
「えー、ケヴィン兄様、チェス得意じゃ無いですか。」
「戦略的思考を鍛える為には、ゲームで思考するのも大切だぞ?」
「うー、言ってることは分かるんですけど…そうだ!模擬試合しません?剣技ならいい勝負出来ますし!」
「はは、最近、剣技ではアクセルに押されてるからなぁ。じゃあ剣の模擬試合の後にチェスだな。」
「良いですよ!剣技ならまだ僕にもチャンスはあります!」
ケヴィンは、父に似て銀髪に青い瞳だ。
公爵家嫡男としての教育を幼い頃から受けており、また弟のアクセルを守り守られる立場であれと教えられてきたケヴィンは、アクセルには気が付かれない程度にブラコンを拗らせている。
(今日もアクセルは可愛いな。チェスでは虐めている時の悔しそうな顔がたまらん。)
と、考えている事がバレたらドン引き間違いなしの腹黒紳士であった。
勿論、弟に対して疚しい気持ちを持っている訳では無く、性的嗜好も女性に興味が出だしている年齢である。
只々、純粋なブラコンであると自覚しているのがまたタチが悪い。
「アクセルさん、カルロスさんとケヴィンさんにお揃いのブレスレットを私たちで選びましょう。」
「ケヴィン、クリスティとアクセルのブレスレットは我々で選ぶぞ。」
「「はい!」」
そうしてケヴィンがカルロスに近づき、すぐ隣ではクリスとアクセルが二人並んで話しをしていた。
「母上、ケヴィン兄様にチェスで勝つ為の必殺技など無いですか?」
「うふふ、そうねぇ。いざとなったら、アクセルさんのお尻…」
《スッ》
と、仲良く話していたクリスとアクセルが、突如カルロスとケヴィンの目の前で消えた。
「おい!?クリスティ!?アクセル!?」
「え!?母上とアクセルが消えた!?」
高位貴族の公爵夫人とその次男が店内で突如瞬きをする間も無く、消えた現象は、ロゼルナ一家のみで無く、店内の店員や来店していた他の貴族やその他護衛にも目撃されており、一大事件となってしまった。
カルロスは二人が消えた直後、現場の術式履歴を検索していたがなにかが行使された形跡はない。
しかし、転移術式に似た波動を感じたのは確かだった為、二人の精神力の波動を追跡してみるも、よくわからない空間にたどり着き、追跡が困難であることを理解した。
「くそ!焦るな…。考えろ…。何が有効だ…?」
「父上、僕にも手伝える事があれば言ってください。絶対に助けだしましょう。」
ケヴィンは、クリスが消える直前に発言していた『アクセルのお尻』の続きが気になって仕方がないのだが、そうも言っていられない状況なのは理解している。
宰相夫人としてのクリスティーナは、外交能力も高く国としての内政面での戦力でもある。
ロズヴィオラ国王や王妃からも捜索に支援頂ける事となり、大規模術士団も派遣された。
大規模術士団を王城の広間に集め、カルロスが中心に立ち、追跡術式陣を展開する。
「クソ!やはり何処にも反応が無い!何処に消えたというのだ!」
カルロスは憤り、柄にも無く大声で叫ぶ。
目の前で家族が消えたのだ。普段は冷静沈着で仕事にミスの無い彼でも心が乱されるのは致し方ない事であろう。
ロズヴィオラ王国の国王、ライアン=ロズヴィオラは、カルロスに落ち着くように話しかける。
ライアンは、まだ27歳という若さで即位した実力派である。
カルロスは少年時代、幼いライアンの世話係を経験し、そのまま宰相へと相成った状況だ。
「焦っても仕方あるまい。地道に探していくしか方法はあるまいて。クリスティーナ殿は、我が国の外交の中心的人物でもある。お主のみで捜索するわけでは無い、国を挙げて捜索しなければならない人物だ。」
「陛下…ありがとうございます。」
カルロスは頭を下げ、ライアンに冷静さに欠けていた事を詫びた。
「カルロスよ…ゼファー家の災難を知っているか?」
「…はい。大昔、ゼファー家の嫡男が家族の目の前で突如姿を消したという…。」
「あれに、状況が似ていると思ってな。」
辺境伯家の嫡男が、家族の目の前で消息を絶った悲劇は、今日でも有名な神隠しとして語り継がれている。
そのライアンとカルロスが話しをしている中、術士団の責任者の一人である、マリナ=マクスウェルが挙手をした。
マリナは、ロズヴィオラ王国内の老齢かつ経験豊富な術士とし、カルロスやクリスの直接の師匠でもある実力者だ。
「発言をよろしいですかな?ライアン様。」
「うむ。マリナ殿、お主の話は参考になる。是非とも。」
「ありがとうございます。カルロス様、ゼファー家の悲劇について。
実は眉唾ではあるのですが、興味深い話がありましてな。」
「続けろ。」
「はい。昔、ゼファー家嫡男が消えた事が問題になってから数年後。
旅の吟遊詩人が語っていた内容でして。
曰く、英雄ガノンは異世界へ飛び、獣人族の長きに渡る戦争を終結させた。
曰く、英雄ガノンは異世界で妻を娶り、幸せに過ごした。
曰く、吟遊詩人はその異世界からやってきた。
曰く、吟遊詩人はガノン=ゼファーに救われた。
などなど。
ゼファー家は、吟遊詩人がガノンを英雄扱いしてくれた事に賛辞を送るも、あくまでも物語として、本気にはしなかったとの事です。」
「異世界…への転移か。物語では良くあるな。」
「得てして、物語には元となる物があるのでは無いかと。この吟遊詩人も今となっては詳細不明ですが、追跡術式にも反応しないとなると、別の世界軸に転移している可能性も考えられるのでは無いか…。と、婆は愚考します。」
マリナはそう言った後、口をつぐんだ。
カルロスもライアンも何かを考えている様子だ。
「別の世界軸だろうが、必ず愛しのクリスティとアクセルを取り戻す!マリナ、これから力を貸してくれ!」
「勿論ですよ。」
「陛下。暫く私は王城に残り、マリナと共に精神力追跡術式陣の研究をさせていただきます。」
「構わん。我と王妃のスーザンも微力ながら力を貸そう。」
「ありがたき幸せ。またケヴィンは一旦領に戻り、私の代理を務めよ!サポートは家令のジャンと、執事のイアンに聞けばどうとでもなる。任せてもいいな?」
「ハイ!今までだって、父上と母上が不在の際に経験した事も有りますので、大丈夫です!」
ケヴィンはまだまだ内政について詳しくは無いが、しっかり勉強中だ。
また、家令のジャンが基本的な事は出来るため、何事も経験だとカルロスは敢えてジャンに責任のある仕事を任せて行っている。
勿論失敗もあるが、多少の失敗は経験としてケヴィンの糧となっている。
今回の逆境も、ケヴィンの成長の糧としてカルロスより采配された役割を、ケヴィンは真剣な表情で承った。
「無事でいてくれよ…クリスティ、アクセル…。」
カルロス達の、ゴールの見えない戦いが始まった瞬間である。
ーーーーーーーーー
次回はまたクリス編になります。
パパとお兄ちゃん編はまた、どこかのタイミングで。
※アップした直後ですが、タイトルふざけ過ぎてたので、少し変更しました。
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「ほら、あなた。見てこの聖宝石、あなたとケヴィンさんの瞳の色と同じ。綺麗な青色ですわ。」
「よし買おうか。じゃあ、このクリスティとアクセルの瞳と同じ綺麗な緑色のも購入しよう。」
カルロス=ロゼルナは、家族と共に、護身用の聖宝石を見繕っていた。
非常に高価なものであるが、公爵家ひいては宰相として国の中枢部に所属しているカルロスにとって、身を守る為ならこの程度の出費はどうとでもなる。
やや長めの銀髪をオールバックにし、非常に整った顔立ちで理知的な雰囲気を醸し出している。
銀髪に青い瞳で、クリスの金髪碧眼と並ぶと、一対の美しい絵画の様にお互いを引き立たせあっている。
両親の背後では、兄弟が仲良く話しをしていた。
年子で、年齢が近いが、面倒見の良い兄のケヴィンと、素直な弟のアクセルは相性が良く、喧嘩をしたところを見た事がない。
偏に、教育が行き届いている証だろう。
「アクセル、家に帰ったらチェスの再戦をしよう。」
「えー、ケヴィン兄様、チェス得意じゃ無いですか。」
「戦略的思考を鍛える為には、ゲームで思考するのも大切だぞ?」
「うー、言ってることは分かるんですけど…そうだ!模擬試合しません?剣技ならいい勝負出来ますし!」
「はは、最近、剣技ではアクセルに押されてるからなぁ。じゃあ剣の模擬試合の後にチェスだな。」
「良いですよ!剣技ならまだ僕にもチャンスはあります!」
ケヴィンは、父に似て銀髪に青い瞳だ。
公爵家嫡男としての教育を幼い頃から受けており、また弟のアクセルを守り守られる立場であれと教えられてきたケヴィンは、アクセルには気が付かれない程度にブラコンを拗らせている。
(今日もアクセルは可愛いな。チェスでは虐めている時の悔しそうな顔がたまらん。)
と、考えている事がバレたらドン引き間違いなしの腹黒紳士であった。
勿論、弟に対して疚しい気持ちを持っている訳では無く、性的嗜好も女性に興味が出だしている年齢である。
只々、純粋なブラコンであると自覚しているのがまたタチが悪い。
「アクセルさん、カルロスさんとケヴィンさんにお揃いのブレスレットを私たちで選びましょう。」
「ケヴィン、クリスティとアクセルのブレスレットは我々で選ぶぞ。」
「「はい!」」
そうしてケヴィンがカルロスに近づき、すぐ隣ではクリスとアクセルが二人並んで話しをしていた。
「母上、ケヴィン兄様にチェスで勝つ為の必殺技など無いですか?」
「うふふ、そうねぇ。いざとなったら、アクセルさんのお尻…」
《スッ》
と、仲良く話していたクリスとアクセルが、突如カルロスとケヴィンの目の前で消えた。
「おい!?クリスティ!?アクセル!?」
「え!?母上とアクセルが消えた!?」
高位貴族の公爵夫人とその次男が店内で突如瞬きをする間も無く、消えた現象は、ロゼルナ一家のみで無く、店内の店員や来店していた他の貴族やその他護衛にも目撃されており、一大事件となってしまった。
カルロスは二人が消えた直後、現場の術式履歴を検索していたがなにかが行使された形跡はない。
しかし、転移術式に似た波動を感じたのは確かだった為、二人の精神力の波動を追跡してみるも、よくわからない空間にたどり着き、追跡が困難であることを理解した。
「くそ!焦るな…。考えろ…。何が有効だ…?」
「父上、僕にも手伝える事があれば言ってください。絶対に助けだしましょう。」
ケヴィンは、クリスが消える直前に発言していた『アクセルのお尻』の続きが気になって仕方がないのだが、そうも言っていられない状況なのは理解している。
宰相夫人としてのクリスティーナは、外交能力も高く国としての内政面での戦力でもある。
ロズヴィオラ国王や王妃からも捜索に支援頂ける事となり、大規模術士団も派遣された。
大規模術士団を王城の広間に集め、カルロスが中心に立ち、追跡術式陣を展開する。
「クソ!やはり何処にも反応が無い!何処に消えたというのだ!」
カルロスは憤り、柄にも無く大声で叫ぶ。
目の前で家族が消えたのだ。普段は冷静沈着で仕事にミスの無い彼でも心が乱されるのは致し方ない事であろう。
ロズヴィオラ王国の国王、ライアン=ロズヴィオラは、カルロスに落ち着くように話しかける。
ライアンは、まだ27歳という若さで即位した実力派である。
カルロスは少年時代、幼いライアンの世話係を経験し、そのまま宰相へと相成った状況だ。
「焦っても仕方あるまい。地道に探していくしか方法はあるまいて。クリスティーナ殿は、我が国の外交の中心的人物でもある。お主のみで捜索するわけでは無い、国を挙げて捜索しなければならない人物だ。」
「陛下…ありがとうございます。」
カルロスは頭を下げ、ライアンに冷静さに欠けていた事を詫びた。
「カルロスよ…ゼファー家の災難を知っているか?」
「…はい。大昔、ゼファー家の嫡男が家族の目の前で突如姿を消したという…。」
「あれに、状況が似ていると思ってな。」
辺境伯家の嫡男が、家族の目の前で消息を絶った悲劇は、今日でも有名な神隠しとして語り継がれている。
そのライアンとカルロスが話しをしている中、術士団の責任者の一人である、マリナ=マクスウェルが挙手をした。
マリナは、ロズヴィオラ王国内の老齢かつ経験豊富な術士とし、カルロスやクリスの直接の師匠でもある実力者だ。
「発言をよろしいですかな?ライアン様。」
「うむ。マリナ殿、お主の話は参考になる。是非とも。」
「ありがとうございます。カルロス様、ゼファー家の悲劇について。
実は眉唾ではあるのですが、興味深い話がありましてな。」
「続けろ。」
「はい。昔、ゼファー家嫡男が消えた事が問題になってから数年後。
旅の吟遊詩人が語っていた内容でして。
曰く、英雄ガノンは異世界へ飛び、獣人族の長きに渡る戦争を終結させた。
曰く、英雄ガノンは異世界で妻を娶り、幸せに過ごした。
曰く、吟遊詩人はその異世界からやってきた。
曰く、吟遊詩人はガノン=ゼファーに救われた。
などなど。
ゼファー家は、吟遊詩人がガノンを英雄扱いしてくれた事に賛辞を送るも、あくまでも物語として、本気にはしなかったとの事です。」
「異世界…への転移か。物語では良くあるな。」
「得てして、物語には元となる物があるのでは無いかと。この吟遊詩人も今となっては詳細不明ですが、追跡術式にも反応しないとなると、別の世界軸に転移している可能性も考えられるのでは無いか…。と、婆は愚考します。」
マリナはそう言った後、口をつぐんだ。
カルロスもライアンも何かを考えている様子だ。
「別の世界軸だろうが、必ず愛しのクリスティとアクセルを取り戻す!マリナ、これから力を貸してくれ!」
「勿論ですよ。」
「陛下。暫く私は王城に残り、マリナと共に精神力追跡術式陣の研究をさせていただきます。」
「構わん。我と王妃のスーザンも微力ながら力を貸そう。」
「ありがたき幸せ。またケヴィンは一旦領に戻り、私の代理を務めよ!サポートは家令のジャンと、執事のイアンに聞けばどうとでもなる。任せてもいいな?」
「ハイ!今までだって、父上と母上が不在の際に経験した事も有りますので、大丈夫です!」
ケヴィンはまだまだ内政について詳しくは無いが、しっかり勉強中だ。
また、家令のジャンが基本的な事は出来るため、何事も経験だとカルロスは敢えてジャンに責任のある仕事を任せて行っている。
勿論失敗もあるが、多少の失敗は経験としてケヴィンの糧となっている。
今回の逆境も、ケヴィンの成長の糧としてカルロスより采配された役割を、ケヴィンは真剣な表情で承った。
「無事でいてくれよ…クリスティ、アクセル…。」
カルロス達の、ゴールの見えない戦いが始まった瞬間である。
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次回はまたクリス編になります。
パパとお兄ちゃん編はまた、どこかのタイミングで。
※アップした直後ですが、タイトルふざけ過ぎてたので、少し変更しました。
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