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スウェントル王国編
24話 クリス達の偉業に慄くギルド長 ※(5/21改稿)
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クリスはこっそりと反省していた。
クリスの元の世界では空間術式が発達しており、英才教育を受けた術士であればアクセルやクリスの様に空間術式を展開でき、魔物退治をしたら丸ごと収納できる技術がある為、魔物研究は非常に進んでいる。
その為、当初クリスはゴーレム達を素材としての価値しか考えていなかった。
しかし昨日、ハリーと交渉後、冒険者ギルドを出た後に、
(あれ?空間術式、この世界発達してないわよね。私、先人の転移者同様、やらかしている?)
と気がついたのだった。
クリスは当初、『商業ギルドと冒険者ギルド双方に素材を卸す』といったのは、商業ギルド側にも『恩を売っておく』と今後何かで役に立つだろう程度の考えでの交渉だったのだ。
しかし、元の世界の術式の水準が大きく離れている為、この世界の常識とも大きく外れている事に、気がつかないまま事を進めてしまった。
(事は、大きくなる可能性がありますわね…。)
下手をするとこれがきっかけとなり、王城へ招待されるかも…いや、間違いなくされてしまう、という予感が働き、早急に身なりを整えるべく動いたのだ。
そして、昨日の高級ブティックの流れである。
モニカやポールも、一緒に行動する様になってもうすぐ一ヶ月。
一ヶ月前であれば、アクセルが空間術式でゴーレムを収納した時点でフォローが入ったであろう。
しかし、みっちり脳筋少年アクセルに鍛えられたモニカとポールも順調に準脳筋に育ってしまい、突っ込みが入らなかったのである。
これくらい、クリス様達はやって当然だ、いざとなったら何とかなるさ、と言った楽観的思考がアクセルより伝授されているのだ。
当の本人達はきっと気がついていないだろうし、否定もするだろうが、弟子の思考は師のそれに染まりやすいものだ。
(しかし、少しだけ気が重いですわね。)
流石のクリスも、きっと前代未聞の『巨大魔物全部持ち帰り』がきっと常識外れであると気が付いてからは、これからハリー達にかける心労に申し訳無さを感じた。
だからと言って、自重する訳ではないのだが。
午前ももうすぐ終わろうかと時間に、クリス達は冒険者ギルドへと到着した。
昨日の結果報告を聞きに来たのだ。
受付のナタリーに声をかけた後、クリス一行は改めてギルドマスターのハリーより報告を伺う。
ハリーの隣には昨日同様ナタリーも控えている。
「まず、子爵様からお礼面談の日程を伺っております。急ではございますが、本日の夕刻に当冒険者ギルドへ来ていただける運びとなりました。誠に勝手ながら、クリス様の予定も聞かずに約束を取り付けてしまった事をお詫び申し上げます。」
自然とハリーはクリスに対し冒険者に対する姿勢ではなく、目上の者へとご機嫌を伺う様な謙った態度をとった。
通常であれば、例えAランク冒険者であったとしてもギルドマスターの権威は強く、指示や命令をする立場にある。
まだ正式にAランク冒険者になっていない、Fランク冒険者パーティに取る態度では無いのだ。
それ程までに、クリス一行の持っている雰囲気が敬わざるを得ない何かがあるという事になる。
「いえ、子爵様が直接こちらまで来ていただける事、恐悦至極でございますわ。一冒険者の予定を聞いていては子爵様と面談しようにも出来ませんでしょう。当然の判断ですわ。私共も、準備をする時間もございますし問題ございません。寧ろお礼を申し上げる立場にあります。お気遣いありがとうございます。」
「とんでもない事でございます。子爵様の面談の時刻は夕刻の5回の鐘が鳴った時にお願い致します。」
「かしこまりました。」
次に、商会ギルドと冒険者ギルドの共同買取の件については、利益分配などの兼ね合いでもう少し時間が欲しいと回答を受ける。
特に急ぎでは無い為、問題ない事を告げるが、素材の量の問題を伝えると、常に爽やかで胡散臭い笑顔を浮かべているハリーから表情が抜け落ち、完全に止まってしまった。
隣でノートに記録を控えているナタリーも同様に動きが止まり、頬をピクピクさせている。
「ですから、ゴールドゴーレム2体分の全身と、クリスタルゴーレム1体分の全身の素材を余す事なく、回収しておりまして、巨大な金とクリスタルの山を卸す事になりますの。恐らく査定にも時間がかかるでしょうし…」
なんて事の無いように伝えるクリス。
「え、あの、ちょっと待ってください。全部回収された…とは?通常、ゴーレムの素材は大き過ぎて持って帰れても、腕や足の一部を砕いてやっとの分量かと。放っておくと勝手にダンジョンに取り込まれてしまいますし、ですから貴重なのですが…。」
どうやってゴーレムの巨体を全身ごと持って帰ったのか想像がつかず、混乱するハリーとナタリー。
クリスにとって、予想通りの反応だったが、敢えて素知らぬ振りで話を続ける。
「あぁ、空間術式…空間魔法と言うのでしょうか。アクセルさんの空間魔法で持ち出し出来ましたわよ。」
「いえいえ、空間魔法の使い手でも、せいぜい持ち運べて20キログラム程度のはず。ゴーレム1体分では考えられない重さになるかと…。」
と、途方も無い事を言い出したクリスに対して、まずは実物を見せて欲しいとハリーは懇願する。
冒険者ギルドの裏にある広い試練場に誘導されたクリス達。
アクセルの空間術式からゴールドゴーレム1体分を取り出したところで、「あ、どうしよう。」と呟いたハリー。
そのまま立て続けに合計3体分のゴーレムを取り出すアクセル。
ハリーは、目を見開き、ゴーレムだった塊を熱のこもった目で見つめる。
「間違いなく、本物ですね…。とりあえず、商業ギルドと共に考えさせて下さい。これだけ綺麗な魔物としての外見を残した物は、研究素材としても素晴らしいものがありますので…。どの様な形にしろ、後日改めて場所を設け、ゴーレム素材のお預かりをし、さらに査定や国への報告などでお時間を頂く事になるかと。」
ハリーはメガネの位置を頻繁に直しながら、予想を遥かに超えた特級の案件に心を躍らせていた。
ゴールドゴーレムの討伐記録は、ここ何年も報告が上がっておらず、さらにはクリスタルゴーレムという超希少種に至っては、討伐報告なぞ聞いたことがなく、存在を疑われる程だったのだ。
それらをまるごと全てを回収しているというのだ。
魔物研究ひいてはダンジョン研究の大きな一歩になるかもしれず、またその素材の価値としても当然計り知れないものがある。
金額では提示できない価値があるのだ。
一冒険者ギルド支部のマスターでは判断出来ない、処理しきれないものだと理解した。
「かしこまりました。この取り出したゴーレムはどうしましょうか?ここに置きっぱなしでもいいですが、もし邪魔になる様でしたら、しばらくお預かりしてもよろしいですわよ。」
と、興奮した様子を隠すことが出来ずにいるハリーに対し、優雅に微笑むクリス。
「…そうですね。申し訳ありませんが…。報告先に証拠として見せるため、ゴールドゴーレムと、クリスタルゴーレムの頭部だけお借りする事は可能でしょうか?」
「勿論ですわ。」
「ちなみに、申し訳ありませんが、今回の件は国の上層部ひいては研究機関へと報告をさせていただきます。討伐しただけであれば、報告までは不要でしたが、魔法生物の素材を全て持ち帰るという前代未聞の快挙を成し遂げた皆様への褒賞は、冒険者ギルドでは準備出来ません。」
「あら、そんなすごい事したのね。私たち。」
「とてつもない事です。歴史的な偉業とも言えます。」
アクセルは、ゴーレムの頭部だけを残してハリーへと渡しておく。
渡すと言っても、頭部だけで両腕で抱える大きさがあるため地面に置きっぱなしではあるが、頭部程度なら運ぶ事も出来るだろう。
「確かに、ゴーレムの頭部をお預かりしました。…さて、この希少種ゴーレム達と遭遇した経緯と、この様に綺麗に倒した方法をお聞かせ頂けると助かります。」
「うふふ。わかりましたわ。驚かないでくださいましね。」
クリスがダンジョンで起きた報告内容を話し終えると、ハリーは天井を見上げた後、両手で顔を覆った。
ーーーーーーーーーーー
(…どうにも説明臭くなる文章をスッキリかけるコツが欲しい。)
※5月21日追記
少し文章の書き方や話が時系列的にごちゃごちゃしていたので、改稿しました。
ストーリーには変化はありませんのでご安心ください。
これからも『こうした方が良いよ!』などのご意見、『これ意味分かんない』などのご指摘、『クリスティーナ様素敵!アクセルとポール可愛い!モニカに蹴られたい!』などの感想、お待ちしています。
クリスの元の世界では空間術式が発達しており、英才教育を受けた術士であればアクセルやクリスの様に空間術式を展開でき、魔物退治をしたら丸ごと収納できる技術がある為、魔物研究は非常に進んでいる。
その為、当初クリスはゴーレム達を素材としての価値しか考えていなかった。
しかし昨日、ハリーと交渉後、冒険者ギルドを出た後に、
(あれ?空間術式、この世界発達してないわよね。私、先人の転移者同様、やらかしている?)
と気がついたのだった。
クリスは当初、『商業ギルドと冒険者ギルド双方に素材を卸す』といったのは、商業ギルド側にも『恩を売っておく』と今後何かで役に立つだろう程度の考えでの交渉だったのだ。
しかし、元の世界の術式の水準が大きく離れている為、この世界の常識とも大きく外れている事に、気がつかないまま事を進めてしまった。
(事は、大きくなる可能性がありますわね…。)
下手をするとこれがきっかけとなり、王城へ招待されるかも…いや、間違いなくされてしまう、という予感が働き、早急に身なりを整えるべく動いたのだ。
そして、昨日の高級ブティックの流れである。
モニカやポールも、一緒に行動する様になってもうすぐ一ヶ月。
一ヶ月前であれば、アクセルが空間術式でゴーレムを収納した時点でフォローが入ったであろう。
しかし、みっちり脳筋少年アクセルに鍛えられたモニカとポールも順調に準脳筋に育ってしまい、突っ込みが入らなかったのである。
これくらい、クリス様達はやって当然だ、いざとなったら何とかなるさ、と言った楽観的思考がアクセルより伝授されているのだ。
当の本人達はきっと気がついていないだろうし、否定もするだろうが、弟子の思考は師のそれに染まりやすいものだ。
(しかし、少しだけ気が重いですわね。)
流石のクリスも、きっと前代未聞の『巨大魔物全部持ち帰り』がきっと常識外れであると気が付いてからは、これからハリー達にかける心労に申し訳無さを感じた。
だからと言って、自重する訳ではないのだが。
午前ももうすぐ終わろうかと時間に、クリス達は冒険者ギルドへと到着した。
昨日の結果報告を聞きに来たのだ。
受付のナタリーに声をかけた後、クリス一行は改めてギルドマスターのハリーより報告を伺う。
ハリーの隣には昨日同様ナタリーも控えている。
「まず、子爵様からお礼面談の日程を伺っております。急ではございますが、本日の夕刻に当冒険者ギルドへ来ていただける運びとなりました。誠に勝手ながら、クリス様の予定も聞かずに約束を取り付けてしまった事をお詫び申し上げます。」
自然とハリーはクリスに対し冒険者に対する姿勢ではなく、目上の者へとご機嫌を伺う様な謙った態度をとった。
通常であれば、例えAランク冒険者であったとしてもギルドマスターの権威は強く、指示や命令をする立場にある。
まだ正式にAランク冒険者になっていない、Fランク冒険者パーティに取る態度では無いのだ。
それ程までに、クリス一行の持っている雰囲気が敬わざるを得ない何かがあるという事になる。
「いえ、子爵様が直接こちらまで来ていただける事、恐悦至極でございますわ。一冒険者の予定を聞いていては子爵様と面談しようにも出来ませんでしょう。当然の判断ですわ。私共も、準備をする時間もございますし問題ございません。寧ろお礼を申し上げる立場にあります。お気遣いありがとうございます。」
「とんでもない事でございます。子爵様の面談の時刻は夕刻の5回の鐘が鳴った時にお願い致します。」
「かしこまりました。」
次に、商会ギルドと冒険者ギルドの共同買取の件については、利益分配などの兼ね合いでもう少し時間が欲しいと回答を受ける。
特に急ぎでは無い為、問題ない事を告げるが、素材の量の問題を伝えると、常に爽やかで胡散臭い笑顔を浮かべているハリーから表情が抜け落ち、完全に止まってしまった。
隣でノートに記録を控えているナタリーも同様に動きが止まり、頬をピクピクさせている。
「ですから、ゴールドゴーレム2体分の全身と、クリスタルゴーレム1体分の全身の素材を余す事なく、回収しておりまして、巨大な金とクリスタルの山を卸す事になりますの。恐らく査定にも時間がかかるでしょうし…」
なんて事の無いように伝えるクリス。
「え、あの、ちょっと待ってください。全部回収された…とは?通常、ゴーレムの素材は大き過ぎて持って帰れても、腕や足の一部を砕いてやっとの分量かと。放っておくと勝手にダンジョンに取り込まれてしまいますし、ですから貴重なのですが…。」
どうやってゴーレムの巨体を全身ごと持って帰ったのか想像がつかず、混乱するハリーとナタリー。
クリスにとって、予想通りの反応だったが、敢えて素知らぬ振りで話を続ける。
「あぁ、空間術式…空間魔法と言うのでしょうか。アクセルさんの空間魔法で持ち出し出来ましたわよ。」
「いえいえ、空間魔法の使い手でも、せいぜい持ち運べて20キログラム程度のはず。ゴーレム1体分では考えられない重さになるかと…。」
と、途方も無い事を言い出したクリスに対して、まずは実物を見せて欲しいとハリーは懇願する。
冒険者ギルドの裏にある広い試練場に誘導されたクリス達。
アクセルの空間術式からゴールドゴーレム1体分を取り出したところで、「あ、どうしよう。」と呟いたハリー。
そのまま立て続けに合計3体分のゴーレムを取り出すアクセル。
ハリーは、目を見開き、ゴーレムだった塊を熱のこもった目で見つめる。
「間違いなく、本物ですね…。とりあえず、商業ギルドと共に考えさせて下さい。これだけ綺麗な魔物としての外見を残した物は、研究素材としても素晴らしいものがありますので…。どの様な形にしろ、後日改めて場所を設け、ゴーレム素材のお預かりをし、さらに査定や国への報告などでお時間を頂く事になるかと。」
ハリーはメガネの位置を頻繁に直しながら、予想を遥かに超えた特級の案件に心を躍らせていた。
ゴールドゴーレムの討伐記録は、ここ何年も報告が上がっておらず、さらにはクリスタルゴーレムという超希少種に至っては、討伐報告なぞ聞いたことがなく、存在を疑われる程だったのだ。
それらをまるごと全てを回収しているというのだ。
魔物研究ひいてはダンジョン研究の大きな一歩になるかもしれず、またその素材の価値としても当然計り知れないものがある。
金額では提示できない価値があるのだ。
一冒険者ギルド支部のマスターでは判断出来ない、処理しきれないものだと理解した。
「かしこまりました。この取り出したゴーレムはどうしましょうか?ここに置きっぱなしでもいいですが、もし邪魔になる様でしたら、しばらくお預かりしてもよろしいですわよ。」
と、興奮した様子を隠すことが出来ずにいるハリーに対し、優雅に微笑むクリス。
「…そうですね。申し訳ありませんが…。報告先に証拠として見せるため、ゴールドゴーレムと、クリスタルゴーレムの頭部だけお借りする事は可能でしょうか?」
「勿論ですわ。」
「ちなみに、申し訳ありませんが、今回の件は国の上層部ひいては研究機関へと報告をさせていただきます。討伐しただけであれば、報告までは不要でしたが、魔法生物の素材を全て持ち帰るという前代未聞の快挙を成し遂げた皆様への褒賞は、冒険者ギルドでは準備出来ません。」
「あら、そんなすごい事したのね。私たち。」
「とてつもない事です。歴史的な偉業とも言えます。」
アクセルは、ゴーレムの頭部だけを残してハリーへと渡しておく。
渡すと言っても、頭部だけで両腕で抱える大きさがあるため地面に置きっぱなしではあるが、頭部程度なら運ぶ事も出来るだろう。
「確かに、ゴーレムの頭部をお預かりしました。…さて、この希少種ゴーレム達と遭遇した経緯と、この様に綺麗に倒した方法をお聞かせ頂けると助かります。」
「うふふ。わかりましたわ。驚かないでくださいましね。」
クリスがダンジョンで起きた報告内容を話し終えると、ハリーは天井を見上げた後、両手で顔を覆った。
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(…どうにも説明臭くなる文章をスッキリかけるコツが欲しい。)
※5月21日追記
少し文章の書き方や話が時系列的にごちゃごちゃしていたので、改稿しました。
ストーリーには変化はありませんのでご安心ください。
これからも『こうした方が良いよ!』などのご意見、『これ意味分かんない』などのご指摘、『クリスティーナ様素敵!アクセルとポール可愛い!モニカに蹴られたい!』などの感想、お待ちしています。
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