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スウェントル王国編
17話 甘える事を知らなかった少年は
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コロナ子爵領はスウェントル王国内のやや北西にあり、そのまま西に進むと鉱山都市『マルカ』へとたどり着く。
さらに北西へと向かうと別の貴族領を挟み、魔導国家『ヴェリス』へと向かう事が出来る為、商人の宿場町として栄えている。
クリス達はそこそこ綺麗な宿を見つけて、普段とは違う組み合わせで部屋を借りた。
モニカは、馬車の中ではどうって事無かったが、いざ、クリスと一緒の部屋で二人きりになると『え、なんだか気まずい。』と今更ながらビビり出した。
でも、ご機嫌なクリスの機嫌を損ねる訳にはいかない。
何か話しを振らなければ…と逡巡しているところ、クリスが独り言の様に喋り出した。
「前の世界では、王妃様や他のご婦人とお茶をするくらいしか、女性同士でお話しする機会がありませんでしたからね。もぅ、腹の探り合いが癖になっちゃって。家の侍女の前では奥様として振舞わなければいけないし。旦那や長男と離ればなれになっているのは寂しいけど、結構楽しんでいるのよ。こちらの世界。それも、モニカさん達のお陰だわ。」
モニカの目を真っ直ぐに見つめ、まだ出会って間もないのに全幅の信頼を預ける様な視線と、その言葉にモニカは心を掴まれた。
「…光栄です。あたしも、クリス様と出会えて、本当に幸せです。」
気まずさはいつのまにか晴れて、モニカは敬愛の念を持ってクリスと対峙する。
勿論、クリスがモニカ達に全幅の信頼を預けているのは、契約魔法があると言う理由もあるが、モニカやポールからの心からの忠誠を感じ取っている為でもある。
宰相夫人として様々な人間とやり取りをしてきて、腹の裏の読み合いばかりしてきたクリスにとって、今までの癒しは家族だけであった。
侍女や家令、使用人達は、主人として敬ってくるが、自分を前にすると必ず萎縮してしまう為、気軽さとは程遠い関係性だった。
そこに自分の息子達と同年代の『仲間』として、愛しの脳筋次男が懐く人材を信頼しない訳がない。
「今日は、モニカさんのお話しを聞かせて欲しいわ。色々と質問してもいいかしら?」
「はい、勿論です。クリス様。」
主人と使用人の女だけの穏やかな夜が始まった。
***************
「ねぇねぇポールってさ、モニカとはいつから恋仲なの?」
「14歳からですよ。フェルナール様の使用人として働き出したのが、12歳で、その時は同郷の男女の友人だったんですけどね。」
アクセルも思春期に差し掛かろうとする時期、他人の恋話には興味津々である。
「へー、何がきっかけで付き合い出したの?」
「え、いや…なんて言ったらいいんですかね。同郷はモニカだけだったし、一緒に仕事をする上で気がついたら俺が好きになってたっていうか…。」
冒険者ギルドでは貴族然とした表情で周りに畏怖され、稽古の時は体育会系で、習うより慣れろとばかりに指導してくる年下の主人だが、最近では特にポールに対して年相応の好奇心溢れる表情を見せる様になってきている。
アクセルも表情や態度には出さないが、仲の良い使用人の恋人であるモニカに対して、やや遠慮をしてしまう事があるのだ。
モニカの事を性的な目線で見る事は無いが、下手に親しく話しかけてポールに勘違いされるのが嫌だと、少年特有の男友だちに嫌われたく無い微妙な感情が出てしまって、『モニカも大切だけど僕はポールと仲良くしたいって事、理解してよね!』という態度を無意識にしている。
クリスはそれに気がついており、微笑ましい様子でアクセルを見守っている状況だ。
また宿では母親と同じ部屋で過ごしており(嫌ではなく、寧ろ少し喜んでいる自覚はある。)、その反動から年の近い同性のポールに親しみを感じている自覚をアクセルは持っている。
「へー。じゃあ、ポールから告白したの?」
「えぇ、まぁそうです…。モニカも少なからず想ってくれていたみたいで、そこから恋仲へと発展しました。」
アクセルはニコニコしながら話しをしている。
元の世界では、家柄や行儀作法などを意識し、家の為、親や兄の為、恥ずかしくない息子であれ、と常に意識していた。
それが苦痛では無いと思っていたが、無意識に息苦しさを感じていたかもしれない。
母であるクリスから、この世界にいる間であれば、家の事を忘れて自由に生きてみましょう、それも貴方の成長に繋がるはずと言われ、常識の範囲で意識して自分の思うがままに行動する様にもしている。
「アクセル様は元の世界ではどうだったんですか?お慕いしている女性などいたんですか?」
「んーん。僕、15歳になったら婚約して、17歳で結婚する予定なんだ。兄が嫡男だから、どこかに婿入りする事になると思うんだけどねー。…恋愛は落ちてしまうとダメになる人を、実際に見てるからね。」
アクセルの国『ロズヴィオラ王国』の第三王子が、男爵令嬢と身分差のある恋をし、真実の愛に目覚めたのだ!と叫んで王国式典中に、婚約者の侯爵令嬢に独断で婚約破棄をしたのは、アクセルにとっても記憶に新しい。
そして、確たる証拠も無しに侯爵令嬢に対して、男爵令嬢を虐めたなどと世迷言を言い出した時は、アクセル自身も『あんな風にはなりたく無い。』と反面教師にしたのだった。
その騒動から一ヶ月後には第三王子は病死した、と子供でも理解出来るあからさまな処分に戦慄したものだった。
「だから僕にとっては、恋だの愛だのは、婚約してから育んでいくものなんだよ。」
「…アクセル様はご立派ですね。俺よりも年下なのに、しっかりとなさって。本当に尊敬します。」
「……やだなぁー、結構内心いじけてるんだよ。僕、少しだけポールが羨ましいんだ。自分が好きになった人を自分から告白して一緒になるって素敵だなって…良いなぁって。」
俯いたままアクセルは話しを続ける。
「母上、父上、兄上、そして僕も…まずは『ロゼルナ家』ありきなんだ。」
ポールは静かに、年下の主人の独白を聴く。
きっと、今まで誰にも話せなかった、自分の運命を受け入れる為の独白は、気が付かないまま溜めた膿を吐き出すかの様に、アクセルの口から流れ出てきた。
「父上も母上もお互いを愛しているし、それが間違っているなんて全く思わない。だから僕もまずは釣り合う家柄の娘と婚約してから愛を育むんだよ。でもね、自分で好きな人を見つけれるのって素敵だなって。ポールとモニカを見てて思ったんだ。」
無いものねだりって分かってるけどさ。
と小さく呟いた小さな主人は、俯いてベッドに腰を掛けて足をプラプラさせている姿は年齢相応だった。
ポールは、アクセルに近づき
「失礼します。」
と一言。
アクセルを優しく抱きしめた。
「アクセル様は俺よりも年下なのに、俺よりもずっと強く、考え方も大人びていらっしゃいます。アクセル様の立場では、そうしなければならない事も沢山おありでしょう。でも、もしアクセル様が心を許してくれるなら、俺には我儘を言ったり、本音で語って頂いて結構です。」
それは『自分には全力で甘えてくれ』とアクセルに伝えており、アクセルも正確にそれを受け取った。
母上は抱きついたり撫でてきたりと甘やかしてはくれるが『甘やかしてくる。』ではなく『甘えても良い。』では、意味合いが違う。
今まで自分から甘えた事が無いアクセルにとって、それは甘美な誘惑で、場の空気に流されてたのか、ポールの背中に手を回し、彼の胸に顔を埋めた。
「アクセル様。…いつも、真剣に俺たちの事を見てくれて、ありがとうございます。これからもずっとよろしくおねがいします。」
「ーーーーーッ!」
アクセルは、何故か涙が溢れでて、なんで泣いているのかもわからないまま、泣いている顔を見られたく無くて。
ただただ強くポールを抱きしめた。
涙と共に、胸の中の何かが軽くなってくるような感じがして、アクセルは静かに声を上げずにポールの胸で泣く。
ポールは、小さな主人の短い金髪を優しく撫でる。
言葉にならない、今この時は主従関係を超えた心地の良い時間が二人を包み込んでいた。
ーーーーーー
…BLでは無いですよ。
さらに北西へと向かうと別の貴族領を挟み、魔導国家『ヴェリス』へと向かう事が出来る為、商人の宿場町として栄えている。
クリス達はそこそこ綺麗な宿を見つけて、普段とは違う組み合わせで部屋を借りた。
モニカは、馬車の中ではどうって事無かったが、いざ、クリスと一緒の部屋で二人きりになると『え、なんだか気まずい。』と今更ながらビビり出した。
でも、ご機嫌なクリスの機嫌を損ねる訳にはいかない。
何か話しを振らなければ…と逡巡しているところ、クリスが独り言の様に喋り出した。
「前の世界では、王妃様や他のご婦人とお茶をするくらいしか、女性同士でお話しする機会がありませんでしたからね。もぅ、腹の探り合いが癖になっちゃって。家の侍女の前では奥様として振舞わなければいけないし。旦那や長男と離ればなれになっているのは寂しいけど、結構楽しんでいるのよ。こちらの世界。それも、モニカさん達のお陰だわ。」
モニカの目を真っ直ぐに見つめ、まだ出会って間もないのに全幅の信頼を預ける様な視線と、その言葉にモニカは心を掴まれた。
「…光栄です。あたしも、クリス様と出会えて、本当に幸せです。」
気まずさはいつのまにか晴れて、モニカは敬愛の念を持ってクリスと対峙する。
勿論、クリスがモニカ達に全幅の信頼を預けているのは、契約魔法があると言う理由もあるが、モニカやポールからの心からの忠誠を感じ取っている為でもある。
宰相夫人として様々な人間とやり取りをしてきて、腹の裏の読み合いばかりしてきたクリスにとって、今までの癒しは家族だけであった。
侍女や家令、使用人達は、主人として敬ってくるが、自分を前にすると必ず萎縮してしまう為、気軽さとは程遠い関係性だった。
そこに自分の息子達と同年代の『仲間』として、愛しの脳筋次男が懐く人材を信頼しない訳がない。
「今日は、モニカさんのお話しを聞かせて欲しいわ。色々と質問してもいいかしら?」
「はい、勿論です。クリス様。」
主人と使用人の女だけの穏やかな夜が始まった。
***************
「ねぇねぇポールってさ、モニカとはいつから恋仲なの?」
「14歳からですよ。フェルナール様の使用人として働き出したのが、12歳で、その時は同郷の男女の友人だったんですけどね。」
アクセルも思春期に差し掛かろうとする時期、他人の恋話には興味津々である。
「へー、何がきっかけで付き合い出したの?」
「え、いや…なんて言ったらいいんですかね。同郷はモニカだけだったし、一緒に仕事をする上で気がついたら俺が好きになってたっていうか…。」
冒険者ギルドでは貴族然とした表情で周りに畏怖され、稽古の時は体育会系で、習うより慣れろとばかりに指導してくる年下の主人だが、最近では特にポールに対して年相応の好奇心溢れる表情を見せる様になってきている。
アクセルも表情や態度には出さないが、仲の良い使用人の恋人であるモニカに対して、やや遠慮をしてしまう事があるのだ。
モニカの事を性的な目線で見る事は無いが、下手に親しく話しかけてポールに勘違いされるのが嫌だと、少年特有の男友だちに嫌われたく無い微妙な感情が出てしまって、『モニカも大切だけど僕はポールと仲良くしたいって事、理解してよね!』という態度を無意識にしている。
クリスはそれに気がついており、微笑ましい様子でアクセルを見守っている状況だ。
また宿では母親と同じ部屋で過ごしており(嫌ではなく、寧ろ少し喜んでいる自覚はある。)、その反動から年の近い同性のポールに親しみを感じている自覚をアクセルは持っている。
「へー。じゃあ、ポールから告白したの?」
「えぇ、まぁそうです…。モニカも少なからず想ってくれていたみたいで、そこから恋仲へと発展しました。」
アクセルはニコニコしながら話しをしている。
元の世界では、家柄や行儀作法などを意識し、家の為、親や兄の為、恥ずかしくない息子であれ、と常に意識していた。
それが苦痛では無いと思っていたが、無意識に息苦しさを感じていたかもしれない。
母であるクリスから、この世界にいる間であれば、家の事を忘れて自由に生きてみましょう、それも貴方の成長に繋がるはずと言われ、常識の範囲で意識して自分の思うがままに行動する様にもしている。
「アクセル様は元の世界ではどうだったんですか?お慕いしている女性などいたんですか?」
「んーん。僕、15歳になったら婚約して、17歳で結婚する予定なんだ。兄が嫡男だから、どこかに婿入りする事になると思うんだけどねー。…恋愛は落ちてしまうとダメになる人を、実際に見てるからね。」
アクセルの国『ロズヴィオラ王国』の第三王子が、男爵令嬢と身分差のある恋をし、真実の愛に目覚めたのだ!と叫んで王国式典中に、婚約者の侯爵令嬢に独断で婚約破棄をしたのは、アクセルにとっても記憶に新しい。
そして、確たる証拠も無しに侯爵令嬢に対して、男爵令嬢を虐めたなどと世迷言を言い出した時は、アクセル自身も『あんな風にはなりたく無い。』と反面教師にしたのだった。
その騒動から一ヶ月後には第三王子は病死した、と子供でも理解出来るあからさまな処分に戦慄したものだった。
「だから僕にとっては、恋だの愛だのは、婚約してから育んでいくものなんだよ。」
「…アクセル様はご立派ですね。俺よりも年下なのに、しっかりとなさって。本当に尊敬します。」
「……やだなぁー、結構内心いじけてるんだよ。僕、少しだけポールが羨ましいんだ。自分が好きになった人を自分から告白して一緒になるって素敵だなって…良いなぁって。」
俯いたままアクセルは話しを続ける。
「母上、父上、兄上、そして僕も…まずは『ロゼルナ家』ありきなんだ。」
ポールは静かに、年下の主人の独白を聴く。
きっと、今まで誰にも話せなかった、自分の運命を受け入れる為の独白は、気が付かないまま溜めた膿を吐き出すかの様に、アクセルの口から流れ出てきた。
「父上も母上もお互いを愛しているし、それが間違っているなんて全く思わない。だから僕もまずは釣り合う家柄の娘と婚約してから愛を育むんだよ。でもね、自分で好きな人を見つけれるのって素敵だなって。ポールとモニカを見てて思ったんだ。」
無いものねだりって分かってるけどさ。
と小さく呟いた小さな主人は、俯いてベッドに腰を掛けて足をプラプラさせている姿は年齢相応だった。
ポールは、アクセルに近づき
「失礼します。」
と一言。
アクセルを優しく抱きしめた。
「アクセル様は俺よりも年下なのに、俺よりもずっと強く、考え方も大人びていらっしゃいます。アクセル様の立場では、そうしなければならない事も沢山おありでしょう。でも、もしアクセル様が心を許してくれるなら、俺には我儘を言ったり、本音で語って頂いて結構です。」
それは『自分には全力で甘えてくれ』とアクセルに伝えており、アクセルも正確にそれを受け取った。
母上は抱きついたり撫でてきたりと甘やかしてはくれるが『甘やかしてくる。』ではなく『甘えても良い。』では、意味合いが違う。
今まで自分から甘えた事が無いアクセルにとって、それは甘美な誘惑で、場の空気に流されてたのか、ポールの背中に手を回し、彼の胸に顔を埋めた。
「アクセル様。…いつも、真剣に俺たちの事を見てくれて、ありがとうございます。これからもずっとよろしくおねがいします。」
「ーーーーーッ!」
アクセルは、何故か涙が溢れでて、なんで泣いているのかもわからないまま、泣いている顔を見られたく無くて。
ただただ強くポールを抱きしめた。
涙と共に、胸の中の何かが軽くなってくるような感じがして、アクセルは静かに声を上げずにポールの胸で泣く。
ポールは、小さな主人の短い金髪を優しく撫でる。
言葉にならない、今この時は主従関係を超えた心地の良い時間が二人を包み込んでいた。
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…BLでは無いですよ。
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