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スウェントル王国編
12話 アクセルの術式ブートキャンプ
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冒険者登録をしてから一週間、クリス達は各々別行動をしていた。
クリスは王立図書館へ赴き、この世界の情報を収集しつつ、周囲から遠巻きに眺められる日常を。
アクセルは、最初『母上と一緒に図書館で調べます!』と張り切るも、クリスからモニカとポールに術式の基礎を叩き込みなさいと指示を受け、モニカとポールへ術式の指導を繰り返す日を。
モニカとポールは、アクセルから術式の基礎を習う日々を過ごしていた。
勿論、日が暮れる前に宿に戻り、夕食や朝食はクリスと共に食べ、お互いの情報交換は密にしている。
アクセル達は、術式指導の片手間に、冒険者ギルドでFランク冒険者用の討伐依頼を受けていた。
馬車で城壁外の森へと行き、お勉強をしつつ、片手間に低級魔物の討伐をしていた。
「モニカとポールに渡した聖宝石の使い方、だいぶ慣れて来たね。」
「はい。しかし凄いですね。術式自体を覚えるのが大変でしたけど、一度覚えると消費魔力は少ないのに、威力が桁違いに上がった事にビックリです。索敵魔法が、闇属性ってのも知りませんでしたし。索敵能力も凄い上がって来ましたよ。」
「アクセル様、あたし達にこんな貴重な聖宝石をぽんっと分け与えて宜しいのですか?この世界の魔石とは比べ物にならない程の力が込められているのですが…。」
アクセルは笑って、母上が転移前に大量に購入してて、余っているから大丈夫だと答える。
この一週間で、モニカとポールの魔法技術はこの世界でも有数の制御能力へと向上していた。元々の素質があったのもそうだが、アクセルの想像以上にこの二人は術式適性が高かった様だ。
もちろん、二人が真剣に習熟に取り組んだ結果でもあり、脳筋なアクセルの教え方が獣人の二人にマッチしたのも理由だろう。
ただ、クリスやアクセルのように年月をかけて訓練はしていない為、上位の術式や応用は効かないが、単一属性での単純な威力だけなら、上位ランクの魔物も駆逐出来る程には強くなっている。
それぞれが目立つつもりが無いため、お散歩程度にFランク依頼をこなして小銭を稼いでいるが、モニカとポールも実力だけで見るとAランク冒険者に匹敵する程度には強くなっていた。
それ程までに、クリス達の世界の聖宝石と術式の威力が、この世界の魔法と差が開いている状況である。
「アクセル様、俺、影移動の術式を覚えたんです。ほら、みてください!」
ポールは得意げに言うと、自分の影の中に潜んだと思ったら、モニカの足下の影から『シュン!』と現れた。
「ほら、凄くないですか?」
褒めて褒めてー!という態度を隠さず、年下のアクセルに懐くポールは、実際の年齢の平均よりも身長が低いのも影響して、アクセルと同年代にみえる。
この世界で影移動が出来る魔法使いは、Aランク冒険者の魔法使いやレンジャーでも数える程しかおらず、実際ポールが行ったのはアクセルの元の世界でも比較的レベルが高い術式でもあった。
「もう、ポールったら。そのアピールずるい!私だってほら!見てくださいアクセル様。」
対抗意識を持ったモニカは地面に生えている雑草を伸ばし、ウネウネと動かし出した。
「これで魔物の足止めとか出来そうですよね!その間に蹴り飛ばす!」
と、回し蹴りの素振りをするモニカ。その威力は、元々体術が得意と言っていただけあって、非常に強力で凶悪なものだと感じる。
実際に、ゴブリンやフォレストオーク程度なら、モニカの蹴り一発で仕留める事が出来る。
「ほんと凄いよ!単純に戦力として、ここまで出来るとは思ってなかったもん。使用人の前は何かしてたの?」
「あたし達、南の方にある獣人の村の出身なんですけどね、子供の頃に狩の仕方を叩き込まれるんですよ。で、村の近くで狩をしていた時に、この国の子爵様が通りがかって、スカウトされたんです。護衛兼、使用人として働かないかって。」
子供の頃から鍛えられていたと聞いて、アクセルは素養の高さに納得した。
「でも、子爵様がこの森の奥を越えたところにある鉱山都市『マルカ』に視察に行った帰り、舗装された道中にも関わらずAランク級の魔物であるイビルベアが突如現れたんですよ。それで、俺とモニカが手足を失う大怪我をしてしまったんです。」
「あたし達以外にも、護衛で死者が出るほどの事件だったんです。何とか、子爵様の護衛達と力を合わせて倒したんですけどね。子爵様を無事お守りする事が出来たのは良かったのですが、それがキッカケで奴隷に下る事を選択したんですよ。」
今となってはなんて事の無い様に話す二人だが、奴隷になった時は本当に辛い思いをしたのだろうと、アクセルは思った。
「そっか。でも、その時死にかけたポール達には申し訳ないけど、それがキッカケで僕たちと出会えたんだよね。」
「はい!結果的に良かったです。イビルベアにも遅れを取らない様に、もっと上を目指して、アクセル様やクリス様をお守り出来るように頑張ります!」
アクセルは、本当に良い人達と巡り会えたと感慨深くなっていた。年下である自分にも懐いてくれて、元の世界と比べても戦力的にレベルの高い二人に出会えた幸運に感謝をした。
「あ、アクセル様!500歩程東の方に、ゴブリンが3体うろついています。」
アクセルも気づいていたが、ポールもほぼ同時にきちんと気付けた事に、本当に成長の早さを感じた。これで役割として、索敵や罠察知などは完全にポールに任せても大丈夫そうだ。と、アクセルは母上や自分が少しでも楽に冒険が出来る準備を着々と進めていた。
三人は気配を殺し、ゴブリンが視認できた瞬間。
ポールの投げナイフが一体のゴブリンの眉間を貫き、モニカの樹魔法で森の枝が瞬間的に伸びもう一体を串刺しにした。
残り一体は、いつのまにかアクセルがエストックで喉を突き刺し絶命せしめていた。
「アクセル様の身体強化、本当に凶悪ですね。一瞬で移動してたっす。俺、目で追うのが精一杯でしたよ。」
「ポールもモニカもそのうち出来る様になるよ。身体強化術式そのものは単純だしね。ただ、強化した後の制御が難しいんだ。僕、何回も転けたり、樹や壁にぶつかって鼻血出したり、自分で自分を殴ったりして悶絶してたから。」
強くなる事に貪欲な三人は、ゴブリンの討伐部位である耳を削ぎつつ、術式の話を続ける。
こうしてアクセルは、クリスに言われた通り、術式の使い方やコツを二人に叩き込むのであった。
ーーーーーーーーーー
次回はクリスティーナ様単独のお話ですわよ。
クリスは王立図書館へ赴き、この世界の情報を収集しつつ、周囲から遠巻きに眺められる日常を。
アクセルは、最初『母上と一緒に図書館で調べます!』と張り切るも、クリスからモニカとポールに術式の基礎を叩き込みなさいと指示を受け、モニカとポールへ術式の指導を繰り返す日を。
モニカとポールは、アクセルから術式の基礎を習う日々を過ごしていた。
勿論、日が暮れる前に宿に戻り、夕食や朝食はクリスと共に食べ、お互いの情報交換は密にしている。
アクセル達は、術式指導の片手間に、冒険者ギルドでFランク冒険者用の討伐依頼を受けていた。
馬車で城壁外の森へと行き、お勉強をしつつ、片手間に低級魔物の討伐をしていた。
「モニカとポールに渡した聖宝石の使い方、だいぶ慣れて来たね。」
「はい。しかし凄いですね。術式自体を覚えるのが大変でしたけど、一度覚えると消費魔力は少ないのに、威力が桁違いに上がった事にビックリです。索敵魔法が、闇属性ってのも知りませんでしたし。索敵能力も凄い上がって来ましたよ。」
「アクセル様、あたし達にこんな貴重な聖宝石をぽんっと分け与えて宜しいのですか?この世界の魔石とは比べ物にならない程の力が込められているのですが…。」
アクセルは笑って、母上が転移前に大量に購入してて、余っているから大丈夫だと答える。
この一週間で、モニカとポールの魔法技術はこの世界でも有数の制御能力へと向上していた。元々の素質があったのもそうだが、アクセルの想像以上にこの二人は術式適性が高かった様だ。
もちろん、二人が真剣に習熟に取り組んだ結果でもあり、脳筋なアクセルの教え方が獣人の二人にマッチしたのも理由だろう。
ただ、クリスやアクセルのように年月をかけて訓練はしていない為、上位の術式や応用は効かないが、単一属性での単純な威力だけなら、上位ランクの魔物も駆逐出来る程には強くなっている。
それぞれが目立つつもりが無いため、お散歩程度にFランク依頼をこなして小銭を稼いでいるが、モニカとポールも実力だけで見るとAランク冒険者に匹敵する程度には強くなっていた。
それ程までに、クリス達の世界の聖宝石と術式の威力が、この世界の魔法と差が開いている状況である。
「アクセル様、俺、影移動の術式を覚えたんです。ほら、みてください!」
ポールは得意げに言うと、自分の影の中に潜んだと思ったら、モニカの足下の影から『シュン!』と現れた。
「ほら、凄くないですか?」
褒めて褒めてー!という態度を隠さず、年下のアクセルに懐くポールは、実際の年齢の平均よりも身長が低いのも影響して、アクセルと同年代にみえる。
この世界で影移動が出来る魔法使いは、Aランク冒険者の魔法使いやレンジャーでも数える程しかおらず、実際ポールが行ったのはアクセルの元の世界でも比較的レベルが高い術式でもあった。
「もう、ポールったら。そのアピールずるい!私だってほら!見てくださいアクセル様。」
対抗意識を持ったモニカは地面に生えている雑草を伸ばし、ウネウネと動かし出した。
「これで魔物の足止めとか出来そうですよね!その間に蹴り飛ばす!」
と、回し蹴りの素振りをするモニカ。その威力は、元々体術が得意と言っていただけあって、非常に強力で凶悪なものだと感じる。
実際に、ゴブリンやフォレストオーク程度なら、モニカの蹴り一発で仕留める事が出来る。
「ほんと凄いよ!単純に戦力として、ここまで出来るとは思ってなかったもん。使用人の前は何かしてたの?」
「あたし達、南の方にある獣人の村の出身なんですけどね、子供の頃に狩の仕方を叩き込まれるんですよ。で、村の近くで狩をしていた時に、この国の子爵様が通りがかって、スカウトされたんです。護衛兼、使用人として働かないかって。」
子供の頃から鍛えられていたと聞いて、アクセルは素養の高さに納得した。
「でも、子爵様がこの森の奥を越えたところにある鉱山都市『マルカ』に視察に行った帰り、舗装された道中にも関わらずAランク級の魔物であるイビルベアが突如現れたんですよ。それで、俺とモニカが手足を失う大怪我をしてしまったんです。」
「あたし達以外にも、護衛で死者が出るほどの事件だったんです。何とか、子爵様の護衛達と力を合わせて倒したんですけどね。子爵様を無事お守りする事が出来たのは良かったのですが、それがキッカケで奴隷に下る事を選択したんですよ。」
今となってはなんて事の無い様に話す二人だが、奴隷になった時は本当に辛い思いをしたのだろうと、アクセルは思った。
「そっか。でも、その時死にかけたポール達には申し訳ないけど、それがキッカケで僕たちと出会えたんだよね。」
「はい!結果的に良かったです。イビルベアにも遅れを取らない様に、もっと上を目指して、アクセル様やクリス様をお守り出来るように頑張ります!」
アクセルは、本当に良い人達と巡り会えたと感慨深くなっていた。年下である自分にも懐いてくれて、元の世界と比べても戦力的にレベルの高い二人に出会えた幸運に感謝をした。
「あ、アクセル様!500歩程東の方に、ゴブリンが3体うろついています。」
アクセルも気づいていたが、ポールもほぼ同時にきちんと気付けた事に、本当に成長の早さを感じた。これで役割として、索敵や罠察知などは完全にポールに任せても大丈夫そうだ。と、アクセルは母上や自分が少しでも楽に冒険が出来る準備を着々と進めていた。
三人は気配を殺し、ゴブリンが視認できた瞬間。
ポールの投げナイフが一体のゴブリンの眉間を貫き、モニカの樹魔法で森の枝が瞬間的に伸びもう一体を串刺しにした。
残り一体は、いつのまにかアクセルがエストックで喉を突き刺し絶命せしめていた。
「アクセル様の身体強化、本当に凶悪ですね。一瞬で移動してたっす。俺、目で追うのが精一杯でしたよ。」
「ポールもモニカもそのうち出来る様になるよ。身体強化術式そのものは単純だしね。ただ、強化した後の制御が難しいんだ。僕、何回も転けたり、樹や壁にぶつかって鼻血出したり、自分で自分を殴ったりして悶絶してたから。」
強くなる事に貪欲な三人は、ゴブリンの討伐部位である耳を削ぎつつ、術式の話を続ける。
こうしてアクセルは、クリスに言われた通り、術式の使い方やコツを二人に叩き込むのであった。
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次回はクリスティーナ様単独のお話ですわよ。
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