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スウェントル王国編
11話 身分証明書ゲットですわ!
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ナタリーは、ギルドカード発行の為に、小さな突起のついた魔道具を持ってきていた。
「恐れ入りますが、こちらの用紙にお名前と得意武器、得意魔法と、パーティの役割…前衛や後衛などで結構です、記載をお願いします。魔法が使えなければ空欄でも結構ですよ。」
クリス達は言われるがまま記入をする。ナタリーは、記入した紙を魔道具の下に入れ、紙の上に空白のカードを設置した、
「ありがとうございます。では、こちらの魔道具に軽く指を刺して頂けますか?一滴だけ血を吸わせて頂きます。」
「あら、この魔道具、術式…魔法式が見たこと無いものですわね。」
そう言って、クリスが指を刺し、一滴血を垂らす。
「あら、でも鑑定と情報付与、生体能力計測の魔法式かしら…」
「あの!クリス様!これはギルド秘匿の魔道具ですので解析されては困ります!」
「あらまぁ、ごめんなさいね。魔法式に興味がありまして。…でも、この世界も何だかんだで、結構魔法式についても研究されているのね。」
「普通、解析なんて出来るものでは無いのですが…。」
血を垂らすと、ギルドカードが発光し、クリスの簡易的な情報が浮かび上がってきた。
クリスが呟いた『この世界も』の部分は、ナタリーには聴こえていなかった様子にて特に訝しがられる事は無かった。
ナタリーは、ギルドの魔道具の構造を一瞬で解析しようとしたクリスに驚愕を覚えた。凄腕の魔法使い、いや、賢者クラスの人物であると認識をする。
これは、ギルド長へ報告しなければいけないな、とギルド内でも有名になる事が決まった瞬間だった。
続いて、アクセル、モニカ、ポールとギルドカードを作成する。
名前:クリスティーナ
性別:女
種族:人間
使用武器:魔道具(扇子)、魔石アクセサリー
得意魔法:治癒、結界、花、幻覚
役割:後衛
ランク:F
名前:アクセル
性別:男
種族:人間
使用武器:魔法剣、魔石アクセサリー
得意魔法:身体強化、付与魔法、炎、水
役割:前衛
ランク:F
名前:モニカ
性別:女
種族:兎獣人
使用武器:ガントレット、グリーブ
得意魔法:樹、土
役割:前衛
ランク:F
名前:ポール
性別:男
種族:猫獣人
使用武器:双剣、投げナイフ
得意魔法:風、索敵
役割:遊撃
ランク:F
「これがギルドカードですか…。」
アクセルが嬉しそうにカードを手に取る。ポールも静かにしているが、尻尾がピンっと立って、ご機嫌な様子だ。
やはり少年達は冒険者というのに強い憧れを持っていた様子で、喜びを隠せていない。
「前衛、遊撃、後衛と、バランスの良いパーティですね。全員魔法も使えると…。クリス様は回復魔法と結界魔法を使えるのですか?」
「えぇ、むしろ一番得意としていますわ。魔法全般使えると自負していましてよ。」
「…どこかの機関に属されては…いないようですね。」
この世界では、回復魔法の使い手が少なく、非常に貴重である。また、付与魔法などは、熟練の魔法使いが覚える、パーティの戦力の底上げに非常に役に立つ魔法を、このような少年が使える事にも驚いた。
貴族の酔狂で冒険者登録に来たかとも思ったが、見た目以上に凄い実力を持っているパーティなのかもしれないと、ナタリーは一層緊張した。
なぜ、冒険者登録をしたのか、何が目的なのか、何者なのか、と思考の渦に飲まれそうになっていたが、「ナタリーさん、心配しなくとも、身分証が欲しかっただけですわ。流浪の旅人ですので、私達。」の一声で、考えるのを放棄した。
クリスが言ったのが事実なのだが、ナタリーは当然の如く信じられず、ただ(あぁ、敵わないわー。レベル違いすぎるわー。)と、遠い目をして諦めた。
「ギルドの依頼についての説明をいたしますね。」
ナタリーは開き直って、淡々と説明をする、依頼対象となる魔物や植物について知りたい場合はギルドで本の貸し出しをしているそうだ。難易度の高い依頼の場合、王立図書館にもより詳しい情報があるとも説明を受けた。
一通り説明を聞いた後、クリスがおもむろに質問をする。
「この冒険者ランクですが、飛び級は出来ますの?実力はあるけど、冒険者になりたて、だとか。」
「基本はルールに則って、ランクアップをして頂きますが、例外はあります。ただ、その方法は回答を控えさせて頂きます。勘違いをした冒険者が危険を冒し、命にかかわる重大な事故に巻き込まれる事も過去にあったそうなのでご理解下さい。」
「はい。分かりましたわ。」
今日は依頼は受けないと回答をして、また後日改めてギルドによるとナタリーに伝える。ナタリーは一礼をし、客室から出てクリス一行を出口まで誘導した。
来た時と同様、ギルド内に謎の緊張感が漂う。クリス一行は優雅に歩き、その場の空気を完全に支配していた。
新人冒険者が登録に来た場合は、大抵冷やかしが入り、その冷やかしから先輩冒険者との繋がりを持って冒険者ギルドの一歩を踏み出すのだが、クリス一行の纏う高貴なオーラに、声を掛けることの出来る猛者は居なかったようだ。
高貴なオーラを無意識に放っているアクセルは密かに、先輩冒険者に『女・子供がおままごとする場所じゃねーんだよ!』などと絡まれて、それを華麗に退治する自分を想像してワクワクしていた。
しかし、現実はそうならずに少しだけガッカリしていたのは内緒の話。
ーーーーーーーーーーーー
やっと冒険者にする事が出来ました(笑)。
「恐れ入りますが、こちらの用紙にお名前と得意武器、得意魔法と、パーティの役割…前衛や後衛などで結構です、記載をお願いします。魔法が使えなければ空欄でも結構ですよ。」
クリス達は言われるがまま記入をする。ナタリーは、記入した紙を魔道具の下に入れ、紙の上に空白のカードを設置した、
「ありがとうございます。では、こちらの魔道具に軽く指を刺して頂けますか?一滴だけ血を吸わせて頂きます。」
「あら、この魔道具、術式…魔法式が見たこと無いものですわね。」
そう言って、クリスが指を刺し、一滴血を垂らす。
「あら、でも鑑定と情報付与、生体能力計測の魔法式かしら…」
「あの!クリス様!これはギルド秘匿の魔道具ですので解析されては困ります!」
「あらまぁ、ごめんなさいね。魔法式に興味がありまして。…でも、この世界も何だかんだで、結構魔法式についても研究されているのね。」
「普通、解析なんて出来るものでは無いのですが…。」
血を垂らすと、ギルドカードが発光し、クリスの簡易的な情報が浮かび上がってきた。
クリスが呟いた『この世界も』の部分は、ナタリーには聴こえていなかった様子にて特に訝しがられる事は無かった。
ナタリーは、ギルドの魔道具の構造を一瞬で解析しようとしたクリスに驚愕を覚えた。凄腕の魔法使い、いや、賢者クラスの人物であると認識をする。
これは、ギルド長へ報告しなければいけないな、とギルド内でも有名になる事が決まった瞬間だった。
続いて、アクセル、モニカ、ポールとギルドカードを作成する。
名前:クリスティーナ
性別:女
種族:人間
使用武器:魔道具(扇子)、魔石アクセサリー
得意魔法:治癒、結界、花、幻覚
役割:後衛
ランク:F
名前:アクセル
性別:男
種族:人間
使用武器:魔法剣、魔石アクセサリー
得意魔法:身体強化、付与魔法、炎、水
役割:前衛
ランク:F
名前:モニカ
性別:女
種族:兎獣人
使用武器:ガントレット、グリーブ
得意魔法:樹、土
役割:前衛
ランク:F
名前:ポール
性別:男
種族:猫獣人
使用武器:双剣、投げナイフ
得意魔法:風、索敵
役割:遊撃
ランク:F
「これがギルドカードですか…。」
アクセルが嬉しそうにカードを手に取る。ポールも静かにしているが、尻尾がピンっと立って、ご機嫌な様子だ。
やはり少年達は冒険者というのに強い憧れを持っていた様子で、喜びを隠せていない。
「前衛、遊撃、後衛と、バランスの良いパーティですね。全員魔法も使えると…。クリス様は回復魔法と結界魔法を使えるのですか?」
「えぇ、むしろ一番得意としていますわ。魔法全般使えると自負していましてよ。」
「…どこかの機関に属されては…いないようですね。」
この世界では、回復魔法の使い手が少なく、非常に貴重である。また、付与魔法などは、熟練の魔法使いが覚える、パーティの戦力の底上げに非常に役に立つ魔法を、このような少年が使える事にも驚いた。
貴族の酔狂で冒険者登録に来たかとも思ったが、見た目以上に凄い実力を持っているパーティなのかもしれないと、ナタリーは一層緊張した。
なぜ、冒険者登録をしたのか、何が目的なのか、何者なのか、と思考の渦に飲まれそうになっていたが、「ナタリーさん、心配しなくとも、身分証が欲しかっただけですわ。流浪の旅人ですので、私達。」の一声で、考えるのを放棄した。
クリスが言ったのが事実なのだが、ナタリーは当然の如く信じられず、ただ(あぁ、敵わないわー。レベル違いすぎるわー。)と、遠い目をして諦めた。
「ギルドの依頼についての説明をいたしますね。」
ナタリーは開き直って、淡々と説明をする、依頼対象となる魔物や植物について知りたい場合はギルドで本の貸し出しをしているそうだ。難易度の高い依頼の場合、王立図書館にもより詳しい情報があるとも説明を受けた。
一通り説明を聞いた後、クリスがおもむろに質問をする。
「この冒険者ランクですが、飛び級は出来ますの?実力はあるけど、冒険者になりたて、だとか。」
「基本はルールに則って、ランクアップをして頂きますが、例外はあります。ただ、その方法は回答を控えさせて頂きます。勘違いをした冒険者が危険を冒し、命にかかわる重大な事故に巻き込まれる事も過去にあったそうなのでご理解下さい。」
「はい。分かりましたわ。」
今日は依頼は受けないと回答をして、また後日改めてギルドによるとナタリーに伝える。ナタリーは一礼をし、客室から出てクリス一行を出口まで誘導した。
来た時と同様、ギルド内に謎の緊張感が漂う。クリス一行は優雅に歩き、その場の空気を完全に支配していた。
新人冒険者が登録に来た場合は、大抵冷やかしが入り、その冷やかしから先輩冒険者との繋がりを持って冒険者ギルドの一歩を踏み出すのだが、クリス一行の纏う高貴なオーラに、声を掛けることの出来る猛者は居なかったようだ。
高貴なオーラを無意識に放っているアクセルは密かに、先輩冒険者に『女・子供がおままごとする場所じゃねーんだよ!』などと絡まれて、それを華麗に退治する自分を想像してワクワクしていた。
しかし、現実はそうならずに少しだけガッカリしていたのは内緒の話。
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やっと冒険者にする事が出来ました(笑)。
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