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スウェントル王国編
6話 掘り出しものですわね
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昨夜の襲撃騒動はすっかりと意識の外に追いやったクリスとアクセルは、日が変わって昨日相談していたように、奴隷商へと向かった。
「ごきげんよう。」
「はじめまして。」
「おや、これはこれは、はじめまして。見慣れないお客様ですが初めてのご利用でしょうか?」
奴隷商人は、まるで王城の文官の様な出で立ちで、清潔感のある男であった。
元の世界で贔屓にしていた奴隷商も、清潔感のある夫婦で、決して奴隷の事を蔑ろにする人物では無かった事を覚えている。この人物も、第一印象では問題は無い。
「はい。初めての奴隷なのですが、私たち身分のない流浪の旅人ですの。問題は有りませんか?」
「大丈夫ですよ。色んな方が立ち寄って頂けますし、契約魔法で購入者様と奴隷双方に一定の制限がかけられますので、問題は非常に起きにくい仕組みとなっております。」
どう見ても貴族な二人を前に、堂々とした対応は、これまでも貴族を相手としてきたことがある事を感じさせる。
また、クリスが気に入って使っている『流浪の旅人』という明らかに身分詐称にしか聞こえない単語にも、臆することなくスルー出来るほどには、この奴隷商人は駆け引きに慣れている様子だ。
「申し遅れました。私、奴隷商を営んでおります、マークスと申します。」
「ご丁寧にどうも。私はクリスティーナですわ。」
「息子のアクセルです。」
マークスは、クリスとアクセルが母子だと聞かされても、穏やかな表情を浮かべたまま、そのまま商談へと話を進め出した。
「まずご予算はどれ程でお考えでしょうか?」
「気に入った者がいるかどうかですので、この国の奴隷の仕組みについて先に教えて欲しいですわ。」
ここで具体的な金額をいうと、そこで舐められるか、もしくは購入時に値段を変動してくる商人がいることをクリスは理解している。そこで予算については回答しない事を選択した。
マークスより奴隷の購入について説明を受ける。ほぼ、奴隷の取り扱いは、元の世界とあまり変わりは無いようだった。
無用な暴力や性行為の強要には反抗が可能。他は基本命令には逆らえない。ただし、自分の命が危うい時は命令は自動的に無効となる。
奴隷魔法の解除は主人と奴隷が希望すれば可能。その場合、お近くの奴隷商に足を運ばなければならない。
冒険者のパーティとして組むことは可能だが、奴隷が嫌がった場合は命の危険に抵触する可能性があり、無理強いはできない。
クリスの国との相違は犯罪奴隷は一般に販売されておらず、王国の強制労働施設へと送り込まれるそうだ。
「要望される奴隷の特徴や、特技などはございますか?」
「そうですわね、性別、年齢は不問。冒険者としてもパーティを組めて、道徳的かつ、身の回りの世話をお任せ出来るような人物はいるかしら?」
「おぉ、年齢性別不問でしたら、何名かいます。全て貧困奴隷で性格も悪くはありません。」
「あ、そうそう。病気や怪我などで動けないけど治れば条件を満たせる様な方がいれば、合わせて紹介してくださいな。」
最後の条件に、マークスは初めて驚きを隠さずにクリスを見つめた。
「動けない方がいたら、奴隷として使い道がなく、マークス様もお困りかと思いますしねぇ。」
「かしこまりました。お心遣い、感謝いたします。」
そう言って、客室にクリス達を誘導し、座って待っているように伝え、マークスは席を外した。
「悪くない奴隷商ですね。」
「そうね、いい人材も取り揃えていそうで、楽しみだわ。」
そうこうしているうちに、マークスが数名の男女を連れて戻ってきた。
「おまたせしました。こちらが、クリスティーナ様の要望に近い者達5名です。ほら、貴方達の雇い主になるかもしれないお方です、失礼のないよう自己紹介をお願いしますね。」
そう言って、奴隷達が左から順に自己紹介を始めた。
一人目は、20歳男性。健康体。
名前はジン。
元冒険者だったが、母の容態が悪く、薬代の捻出で借金をしてしまった。
結局母も他界し、借金返済のために、奴隷へと身を落とした真面目な若者だ。
見た目は、可もなく不可もなく。使用武器は剣との事。
種族は人間。
二人目は、32歳男性。健康体。
名前はモロ。
家が火事で全財産が燃えてしまった、元狩人とのこと。
得意武器は弓。
種族はハーフフット(小人族)で、見た目は10歳程度にしか見えない。
三人目は、24歳女性。健康体。
名前はフェリ。
元冒険者だったが、ギャンブルに負け続け、借金をし、貧困奴隷になったとの事。
使用武器は、斧。
種族は鬼人族にて、立派な体格と額に二本の角が生えている。
四人目は、17歳女性。片腕欠損。
名前はモニカ。
貴族の使用人をしていたことがあるが、森の中で魔物に襲われ、片腕を欠損。
貴族は良くしてくれていたが、仕事ができない体で穀潰しとなった事に罪悪感を感じ、使用人を辞退。
そのまま働き場所が無く、生活に困窮し奴隷へと自ら下った。
魔法と体術が得意だったとの事。
うさ耳の獣人で、桃色の髪でセクシーな体つきをしている。
五人目は、16歳男性。片脚欠損。
名前はポール。
モニカと共に、貴族の使用人をしていたとの事。
同じく、森の中で魔物に襲われた際、脚を欠損してしまう。
モニカとは同郷で、恋仲でもあるとの事。
現に、モニカに肩を支えて貰いながら立っている状態である。
ナイフと罠解除など、レンジャー的動きが得意で、魔法もある程度は得意とのこと。
種族は猫耳の獣人で、白髪。青と緑のオッドアイで猫目だが整った顔立ちをしている。
他、各々に質問をしたりしてどう言った人物像かを見極める。
人物的に三人目の女性は無いなと、二人は思った。
一人目と二人目は悪くなく、特に二人目の狩人をしていたというのがポイントが高い。一人目のジンは無難だが、いつか誰か良い雇い主が現れるだろう。
クリスとアクセルは、元使用人のうさ耳のモニカと、猫耳のポールで決まりかなと考えていた。
年齢も若く、使用人経験があるなら、自分達の世話もそこまで苦にはならないだろう。
また男女に分けてそれぞれ付かせることができるのもポイントが高く、魔法が使えるというのも興味がある。
さらに、部位欠損はクリスにかかればどうとでも出来る為、それは欠点にはならないのだ。
「自己紹介、ありがとうございます。モニカさんと、ポールさんだけ残して頂けますか?」
「かしこまりました、本当に宜しいですか?ジンなどは入ったばかりで、間違いなく人気の出る奴隷ですが。」
「構いません。モロさんも、よかったのですが、モニカさんとポールさんに興味が湧きましたわ。」
部屋には、クリスとアクセル、奴隷商のマークス、奴隷のモニカとポールが残っている。
「しかし、見ての通り、腕と脚に欠損があります。一応一般教養はありましたので、事務作業としては使うことは可能だと思い、奴隷として残しておりましたが、大丈夫でしょうか?」
「このお二人を購入すると、おいくらになりますか?部位欠損している二人とも、まとめて雇うとしたら、多少は融通を利かしてくれると信じておりますわ。」
「ハハハ、これは手厳しい。そうですね。二人共、恋仲の関係だったので、別々の雇い主に降ろすのは罪悪感があったのですよ。これでも、奴隷達には情を持って接して居ますからね。なお、通常の奴隷の相場ですと、先ほどのジンで金貨130枚、モロで100枚、フェリで125枚となります。この二人は部位欠損がありますので、モニカが金貨50枚。ポールは歩くのもままならない為、金貨25枚です。モニカとポールを二人一緒にしてくれるのであれば、金貨65枚で手を打ちます。中々貰い手も見つからない状況でしたので。」
クリスとアクセルは頷きあい、モニカとポールを奴隷として雇い入れることにしたのであった。
この世界で共に過ごす仲間が出来た瞬間だった。
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拙い文章にお付き合いいただきありがとうございます。
少しでも気に入って頂けたら、感想やお気に入り登録していただけると嬉しいです!
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「おや、これはこれは、はじめまして。見慣れないお客様ですが初めてのご利用でしょうか?」
奴隷商人は、まるで王城の文官の様な出で立ちで、清潔感のある男であった。
元の世界で贔屓にしていた奴隷商も、清潔感のある夫婦で、決して奴隷の事を蔑ろにする人物では無かった事を覚えている。この人物も、第一印象では問題は無い。
「はい。初めての奴隷なのですが、私たち身分のない流浪の旅人ですの。問題は有りませんか?」
「大丈夫ですよ。色んな方が立ち寄って頂けますし、契約魔法で購入者様と奴隷双方に一定の制限がかけられますので、問題は非常に起きにくい仕組みとなっております。」
どう見ても貴族な二人を前に、堂々とした対応は、これまでも貴族を相手としてきたことがある事を感じさせる。
また、クリスが気に入って使っている『流浪の旅人』という明らかに身分詐称にしか聞こえない単語にも、臆することなくスルー出来るほどには、この奴隷商人は駆け引きに慣れている様子だ。
「申し遅れました。私、奴隷商を営んでおります、マークスと申します。」
「ご丁寧にどうも。私はクリスティーナですわ。」
「息子のアクセルです。」
マークスは、クリスとアクセルが母子だと聞かされても、穏やかな表情を浮かべたまま、そのまま商談へと話を進め出した。
「まずご予算はどれ程でお考えでしょうか?」
「気に入った者がいるかどうかですので、この国の奴隷の仕組みについて先に教えて欲しいですわ。」
ここで具体的な金額をいうと、そこで舐められるか、もしくは購入時に値段を変動してくる商人がいることをクリスは理解している。そこで予算については回答しない事を選択した。
マークスより奴隷の購入について説明を受ける。ほぼ、奴隷の取り扱いは、元の世界とあまり変わりは無いようだった。
無用な暴力や性行為の強要には反抗が可能。他は基本命令には逆らえない。ただし、自分の命が危うい時は命令は自動的に無効となる。
奴隷魔法の解除は主人と奴隷が希望すれば可能。その場合、お近くの奴隷商に足を運ばなければならない。
冒険者のパーティとして組むことは可能だが、奴隷が嫌がった場合は命の危険に抵触する可能性があり、無理強いはできない。
クリスの国との相違は犯罪奴隷は一般に販売されておらず、王国の強制労働施設へと送り込まれるそうだ。
「要望される奴隷の特徴や、特技などはございますか?」
「そうですわね、性別、年齢は不問。冒険者としてもパーティを組めて、道徳的かつ、身の回りの世話をお任せ出来るような人物はいるかしら?」
「おぉ、年齢性別不問でしたら、何名かいます。全て貧困奴隷で性格も悪くはありません。」
「あ、そうそう。病気や怪我などで動けないけど治れば条件を満たせる様な方がいれば、合わせて紹介してくださいな。」
最後の条件に、マークスは初めて驚きを隠さずにクリスを見つめた。
「動けない方がいたら、奴隷として使い道がなく、マークス様もお困りかと思いますしねぇ。」
「かしこまりました。お心遣い、感謝いたします。」
そう言って、客室にクリス達を誘導し、座って待っているように伝え、マークスは席を外した。
「悪くない奴隷商ですね。」
「そうね、いい人材も取り揃えていそうで、楽しみだわ。」
そうこうしているうちに、マークスが数名の男女を連れて戻ってきた。
「おまたせしました。こちらが、クリスティーナ様の要望に近い者達5名です。ほら、貴方達の雇い主になるかもしれないお方です、失礼のないよう自己紹介をお願いしますね。」
そう言って、奴隷達が左から順に自己紹介を始めた。
一人目は、20歳男性。健康体。
名前はジン。
元冒険者だったが、母の容態が悪く、薬代の捻出で借金をしてしまった。
結局母も他界し、借金返済のために、奴隷へと身を落とした真面目な若者だ。
見た目は、可もなく不可もなく。使用武器は剣との事。
種族は人間。
二人目は、32歳男性。健康体。
名前はモロ。
家が火事で全財産が燃えてしまった、元狩人とのこと。
得意武器は弓。
種族はハーフフット(小人族)で、見た目は10歳程度にしか見えない。
三人目は、24歳女性。健康体。
名前はフェリ。
元冒険者だったが、ギャンブルに負け続け、借金をし、貧困奴隷になったとの事。
使用武器は、斧。
種族は鬼人族にて、立派な体格と額に二本の角が生えている。
四人目は、17歳女性。片腕欠損。
名前はモニカ。
貴族の使用人をしていたことがあるが、森の中で魔物に襲われ、片腕を欠損。
貴族は良くしてくれていたが、仕事ができない体で穀潰しとなった事に罪悪感を感じ、使用人を辞退。
そのまま働き場所が無く、生活に困窮し奴隷へと自ら下った。
魔法と体術が得意だったとの事。
うさ耳の獣人で、桃色の髪でセクシーな体つきをしている。
五人目は、16歳男性。片脚欠損。
名前はポール。
モニカと共に、貴族の使用人をしていたとの事。
同じく、森の中で魔物に襲われた際、脚を欠損してしまう。
モニカとは同郷で、恋仲でもあるとの事。
現に、モニカに肩を支えて貰いながら立っている状態である。
ナイフと罠解除など、レンジャー的動きが得意で、魔法もある程度は得意とのこと。
種族は猫耳の獣人で、白髪。青と緑のオッドアイで猫目だが整った顔立ちをしている。
他、各々に質問をしたりしてどう言った人物像かを見極める。
人物的に三人目の女性は無いなと、二人は思った。
一人目と二人目は悪くなく、特に二人目の狩人をしていたというのがポイントが高い。一人目のジンは無難だが、いつか誰か良い雇い主が現れるだろう。
クリスとアクセルは、元使用人のうさ耳のモニカと、猫耳のポールで決まりかなと考えていた。
年齢も若く、使用人経験があるなら、自分達の世話もそこまで苦にはならないだろう。
また男女に分けてそれぞれ付かせることができるのもポイントが高く、魔法が使えるというのも興味がある。
さらに、部位欠損はクリスにかかればどうとでも出来る為、それは欠点にはならないのだ。
「自己紹介、ありがとうございます。モニカさんと、ポールさんだけ残して頂けますか?」
「かしこまりました、本当に宜しいですか?ジンなどは入ったばかりで、間違いなく人気の出る奴隷ですが。」
「構いません。モロさんも、よかったのですが、モニカさんとポールさんに興味が湧きましたわ。」
部屋には、クリスとアクセル、奴隷商のマークス、奴隷のモニカとポールが残っている。
「しかし、見ての通り、腕と脚に欠損があります。一応一般教養はありましたので、事務作業としては使うことは可能だと思い、奴隷として残しておりましたが、大丈夫でしょうか?」
「このお二人を購入すると、おいくらになりますか?部位欠損している二人とも、まとめて雇うとしたら、多少は融通を利かしてくれると信じておりますわ。」
「ハハハ、これは手厳しい。そうですね。二人共、恋仲の関係だったので、別々の雇い主に降ろすのは罪悪感があったのですよ。これでも、奴隷達には情を持って接して居ますからね。なお、通常の奴隷の相場ですと、先ほどのジンで金貨130枚、モロで100枚、フェリで125枚となります。この二人は部位欠損がありますので、モニカが金貨50枚。ポールは歩くのもままならない為、金貨25枚です。モニカとポールを二人一緒にしてくれるのであれば、金貨65枚で手を打ちます。中々貰い手も見つからない状況でしたので。」
クリスとアクセルは頷きあい、モニカとポールを奴隷として雇い入れることにしたのであった。
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