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第Ⅳ章 天国へ至る迷宮
やや暴走気味のシャフィール
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俺とシャフィールは、野菜スティックとディップソースを運んで、宴会場に入った。
宴会場と化した洞窟内は、それなりに換気が行き届いているだろうに、酒臭い。
リノなんかは若干辟易した様子だが、顔をしかめたりはしていない。
俺はすぐに調理に戻らないといけないので、視線だけでアイコンタクトを送る。
――イヌガミを頼む。
――了解だよ。
リノともアイコンタクトが成立した。
イヌガミは、俺にすぐさま気づいて、駆け寄ろうとしたが、俺の持つ大量の野菜を見て方向転換した。
きっと「野菜を食べさせられる」と誤解したのだろう。
まあ、確かに普段、肉ばかり食べるイヌガミは、全体的に丸っこくぷにぷにしているので、「たまには野菜を食べるように」とたびたび言っている。
野菜スティックを並べると、意外とドワーフにもっとも好評だった。
「サクサクする!」
「食べたことのない食感!」
「このどろりとしたソースも美味いぞ!」
などと歓声を上げている。
(そっか……地上で採れる野菜類は、地中で暮らすドワーフにとっては珍しいのだろう)
それに、ニンジンや大根、キュウリという色とりどりの野菜は、彩りが豊かでなかなか良い。
苦肉の策だったが、想像以上に良さそうだった。
(さて、次は何を作るか……)
シャフィールという初心者冒険者……じゃなかった、料理の初心者がいるので、気を抜くことはできない。
「次は何を作るんですか?」
シャフィールは、好評だったことに大変気分を良くしているらしく、張り切る度合いが、さらにアップしているようだった。
(今包丁を持たせたら、確実に指を切ると断言できる)
ふんす! ふんす! という荒い鼻息でも聞こえてきそうなほど気合い充分で握りこぶしを作っている。
(そういや、アイリーンも料理だけは苦手だったな……)
やはり女王だの王女だのは、料理をする機会がないのだろうか。
だったら、他のハイエルフたちもシャフィールの暴走気味な行動を止めればいいのに、と思ったが、あのサプライズ用の衣装の準備もきっと手伝ったろうから、おそらくハイエルフたち公認なのだろう。
宴会場と化した洞窟内は、それなりに換気が行き届いているだろうに、酒臭い。
リノなんかは若干辟易した様子だが、顔をしかめたりはしていない。
俺はすぐに調理に戻らないといけないので、視線だけでアイコンタクトを送る。
――イヌガミを頼む。
――了解だよ。
リノともアイコンタクトが成立した。
イヌガミは、俺にすぐさま気づいて、駆け寄ろうとしたが、俺の持つ大量の野菜を見て方向転換した。
きっと「野菜を食べさせられる」と誤解したのだろう。
まあ、確かに普段、肉ばかり食べるイヌガミは、全体的に丸っこくぷにぷにしているので、「たまには野菜を食べるように」とたびたび言っている。
野菜スティックを並べると、意外とドワーフにもっとも好評だった。
「サクサクする!」
「食べたことのない食感!」
「このどろりとしたソースも美味いぞ!」
などと歓声を上げている。
(そっか……地上で採れる野菜類は、地中で暮らすドワーフにとっては珍しいのだろう)
それに、ニンジンや大根、キュウリという色とりどりの野菜は、彩りが豊かでなかなか良い。
苦肉の策だったが、想像以上に良さそうだった。
(さて、次は何を作るか……)
シャフィールという初心者冒険者……じゃなかった、料理の初心者がいるので、気を抜くことはできない。
「次は何を作るんですか?」
シャフィールは、好評だったことに大変気分を良くしているらしく、張り切る度合いが、さらにアップしているようだった。
(今包丁を持たせたら、確実に指を切ると断言できる)
ふんす! ふんす! という荒い鼻息でも聞こえてきそうなほど気合い充分で握りこぶしを作っている。
(そういや、アイリーンも料理だけは苦手だったな……)
やはり女王だの王女だのは、料理をする機会がないのだろうか。
だったら、他のハイエルフたちもシャフィールの暴走気味な行動を止めればいいのに、と思ったが、あのサプライズ用の衣装の準備もきっと手伝ったろうから、おそらくハイエルフたち公認なのだろう。
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