98 / 263
第Ⅳ章 天国へ至る迷宮
もう一つの旅立ち
しおりを挟む
村長宅のリノの部屋まで走ったセーレアは、障子を開けた。
布団の上で上半身を起こし、両手を組み合わせて祈るように目を閉じている幼い少女の姿が目に飛び込んできた。
「……リノ……ちゃん?」
予想外の姿と雰囲気に面食らった。
月明かりに照らされる白い横顔。
なぜか侵すことのできないような気配がした。
組んだ手をほどき、青い瞳を向けてきたのはいつもの小さな友人の姿だった。
「セーレア、どうかしたの?」
「どうか……って……」
リノは起きていた。
ならオゥバァに呼ばれて、乱暴に扉を開けて走り出した隣人のことに気づいていたはずだ。当然その理由がフウマの旅立ちであることも。
混乱したセーレアの前に1歩出たオゥバァは、なにを考えているのかわかりづらい笑みを浮かべたまま短く言った。
「出掛けちゃったわよ、彼1人で」
「えぇ」
落ち着いたしっとりとした仕草で頷くリノ。
フウマは、こうしたリノの様子を見たらどう思うだろう。
女は、男の好むように演じる傾向が強いのかもしれない。
勇者パーティーのエリーゼなどもそうだった。周囲にいる男が望むような聖女を演じていたのだ。
リノの場合は、不特定多数ではなく、自分の利益のためでもない。
ただフウマのために、フウマの望む自分を演じているようだった。
「確かにフウマは強いですが、スキルも万能というわけではありません。私を守りながらでは、本来の力の百分の一も出せないでしょう」
確かに、フウマの力はデタラメといってもいいくらいのものだが、誰かを守るのに向いたスキルなどはないようだった。
むしろ万が一の際に、大怪我でも治癒できるセーレアの方が、守ることに関していえば優れているといえるかもしれない。
「彼の無事を思うのであれば、こうして置いていってもらった方がいいのかもしれません」
「本気?」
オゥバァは尋ねる。
「……えぇ」
わずかな間が、リノの薄い胸の内を語っていた。
「……うーん、これ、言おうか、どうしようか迷ってたんだけど、言うね」
オゥバァは、肩先まである銀髪を指先で弄りながら語り出した。
「昔、ダークエルフの里の住人が、水産都市エレフィンの近くにある滝の裏にある洞窟に行って、帰って来なかったことがあるのよ……」
水産都市エレフィンの近くにある滝の裏にある洞窟。
そんなものがいくつもあるとは思えない。
「あんた知らないって言ってたじゃない!」
思わず食ってかかると、悪びれた様子もなくダークエルフが肩をすくめる。
「『天涯』についても『天国』についても知らない……。長い年月を生きるダークエルフでさえ知らないし、そうした伝承もないんだから、きっと『天涯』も『天国』も最近できたものよ」
「ダークエルフの最近って……」
「まぁ、数十年から百年くらいの間かな」
「大雑把な……」
ため息をついたセーレアは、突然こんな話を始めたオゥバァに問いかける。
「で、それでなにが言いたいのよ?」
「単純な話、最難関ダンジョンだかに認定される前から、なにかあったんじゃないかって」
「なにかって?」
「なにかはなにかよ」
「なによそれ」
「少なくとも、最初にそこに行って帰って来れなくなったダークエルフはいるけど、2度目に調査に向かったダークエルフは帰って来たわ。ピンピンして長生きしてた」
「詳しそうね」
「私の育ての親だしね。族長にもなった人よ」
へぇ、とセーレアが頷いていると、リノが勢い込んで尋ねた。
「では、その『天涯』とまだ名付けられていなかった頃のそこに、いったい『なに』があってんですか?」
「それが――」
間を空けたダークエルフが、「全然わかんない」と肩をすくめてみせた。
セーレアは思わず頭を叩いてしまった。
「痛っ! 痛いじゃないセーレア! もうっ!」
「あなたがふざけるからでしょ!」
「ふざけてなんかないわよ。族長も話してくれなかったんだもん。話し好きで、いろいろな伝説や伝承を語ってくれたけど……その件については触れなかったの」
リノの部屋の中に沈黙が降りた。
特にリノからは重たい気配を感じる。
小さな拳を口元に当てて、必死に考え込んでいる仕草は、どれほどフウマのことを案じているのか痛いほど感じさせた。
大丈夫よリノちゃん、と気休めを言う前に、リノはオゥバァに尋ねた。
「つまり、絶対に帰還できないという状況ではなかったわけですね?」
「少なくとも以前はね。……フウマやリノちゃんに聞いた話だと、どうやら『天涯』と名が付いただけでなく、物騒さも一段と凄いことになったみたいだけど」
「他にはなにか?」
「とりあえず近づくな、って言われた。けど、本当に危険なら、その事情とかも説明したと思う。……だから当時はまだそこまで危険じゃなかったんじゃないかな……?」
ちなみに私は近づいたことさえないよ、という返事を聞き、リノはまた考え込んだ。
やがて1つの結論に至ったのか、おもむろに掛け布団をはねのけ、寝衣を脱ぎ捨てて着替えだした。
横顔には決死の覚悟が見え隠れしている。
「導く灯火の合成獣っていう怖いキメラのモンスターが夜間は活発に動き回るから危険だよ?」
オゥバァのちゃかすような台詞に、「それでも……!」と言い募ろうとしたリノの口元に、オゥバァは人差し指を突きつける。
驚いたリノは台詞を止めた。
「ごめん。ちょっと悪ふざけが過ぎた。……――にしても、リノちゃんといい、フウマといい、本当に頼るのが苦手ね」
「たよ……る?」
不思議そうな表情は、年相応に幼く見えた。
「そう。頼ること。……というか、フウマの心配も、リノちゃんの心配も、私とセーレアがついていけば、かなり軽減するでしょ?」
「それは…………」
その考えに至らなかったのか、初めて検討する様子のリノ。
セーレアは、一応友人といってもいいダークエルフに視線だけを向ける。
同じく横目でこちらを見た銀髪の美少女の姿をした存在は、ウインクしてみせた。
リノがいきなり身を乗り出して見上げてきた。
「一緒に行って下さいますか!?」
半裸の少女に迫られるという体験は、数奇な運命を辿っているセーレアでさえ初めての経験だ。
セーレアはちょっと動揺しつつも答えた。
「オーケー」
「こっちもオッケーだよっ」
――軽っ。
とでも思ったのか、びっくりした表情のままリノは固まってしまった。
「……いいん……ですか? 危険ですよ」
「行くなって言われると行きたくなるのがダークエルフってもんよ」
「それあんたの習性でしょ」
「バレた?」
可愛らしく舌を出すオゥバァに、セーレアはため息をついた。
「私も当然行くわよ。……リノちゃんとオゥバァだけだと心配だし……」
それに3人が合流すれば、フウマの生存確率も上がるだろう。
あんな桁外れの存在を心配するのもどうかと思うが、精神的な弱さを突かれたら、怪我の1つや2つするかもしれない。
それでも自分がいれば、傷を癒やすことで、死なない限りなんとか生還させる自信があった。
「ありがとうございます!」
勢いよく頭を下げるリノに、着替えの続きをするように促すと、リノは自分がみっともない格好だったことに気づき、真っ赤になって服を着始めた。
そんなリノの部屋を出たセーレアは、一緒に退出したオゥバァに話しかけた。
「どうして理由言わなかったの?」
「理由?」
「あなた、フウマが気落ちして一切笑わなくなったの、心配してたでしょ? 村の外れにある墓に行った辺りから。……彼の曽祖父と昔なにかあったの?」
「…………そうだったかな?」
はぐらかす友人に、セーレアはため息をついて肩をすくめる。
「……はぁ。はぐらかすならいいけど、あいつがリノちゃんのことを話す時に笑ったことくらい教えてあげればよかったのに」
「……じゃあ、どうしてあなたは教えなかったの?」
「そりゃ、実際に見てもらった方が、面白いからに決まってるじゃない」
セーレアがそう答えると、「リノちゃんの驚く顔が見たいしね」とオゥバァも答えた。
案外似た者同士だ。
忍び笑いを漏らしていると、後ろの障子が開き、旅に相応しい厚手の服装に着替えたリノが立っていた。
「どうしたんですか?」
不思議そうに小首を傾げる少女に返事した。
「なーんにも」
セーレアとオゥバァの声が揃った。
布団の上で上半身を起こし、両手を組み合わせて祈るように目を閉じている幼い少女の姿が目に飛び込んできた。
「……リノ……ちゃん?」
予想外の姿と雰囲気に面食らった。
月明かりに照らされる白い横顔。
なぜか侵すことのできないような気配がした。
組んだ手をほどき、青い瞳を向けてきたのはいつもの小さな友人の姿だった。
「セーレア、どうかしたの?」
「どうか……って……」
リノは起きていた。
ならオゥバァに呼ばれて、乱暴に扉を開けて走り出した隣人のことに気づいていたはずだ。当然その理由がフウマの旅立ちであることも。
混乱したセーレアの前に1歩出たオゥバァは、なにを考えているのかわかりづらい笑みを浮かべたまま短く言った。
「出掛けちゃったわよ、彼1人で」
「えぇ」
落ち着いたしっとりとした仕草で頷くリノ。
フウマは、こうしたリノの様子を見たらどう思うだろう。
女は、男の好むように演じる傾向が強いのかもしれない。
勇者パーティーのエリーゼなどもそうだった。周囲にいる男が望むような聖女を演じていたのだ。
リノの場合は、不特定多数ではなく、自分の利益のためでもない。
ただフウマのために、フウマの望む自分を演じているようだった。
「確かにフウマは強いですが、スキルも万能というわけではありません。私を守りながらでは、本来の力の百分の一も出せないでしょう」
確かに、フウマの力はデタラメといってもいいくらいのものだが、誰かを守るのに向いたスキルなどはないようだった。
むしろ万が一の際に、大怪我でも治癒できるセーレアの方が、守ることに関していえば優れているといえるかもしれない。
「彼の無事を思うのであれば、こうして置いていってもらった方がいいのかもしれません」
「本気?」
オゥバァは尋ねる。
「……えぇ」
わずかな間が、リノの薄い胸の内を語っていた。
「……うーん、これ、言おうか、どうしようか迷ってたんだけど、言うね」
オゥバァは、肩先まである銀髪を指先で弄りながら語り出した。
「昔、ダークエルフの里の住人が、水産都市エレフィンの近くにある滝の裏にある洞窟に行って、帰って来なかったことがあるのよ……」
水産都市エレフィンの近くにある滝の裏にある洞窟。
そんなものがいくつもあるとは思えない。
「あんた知らないって言ってたじゃない!」
思わず食ってかかると、悪びれた様子もなくダークエルフが肩をすくめる。
「『天涯』についても『天国』についても知らない……。長い年月を生きるダークエルフでさえ知らないし、そうした伝承もないんだから、きっと『天涯』も『天国』も最近できたものよ」
「ダークエルフの最近って……」
「まぁ、数十年から百年くらいの間かな」
「大雑把な……」
ため息をついたセーレアは、突然こんな話を始めたオゥバァに問いかける。
「で、それでなにが言いたいのよ?」
「単純な話、最難関ダンジョンだかに認定される前から、なにかあったんじゃないかって」
「なにかって?」
「なにかはなにかよ」
「なによそれ」
「少なくとも、最初にそこに行って帰って来れなくなったダークエルフはいるけど、2度目に調査に向かったダークエルフは帰って来たわ。ピンピンして長生きしてた」
「詳しそうね」
「私の育ての親だしね。族長にもなった人よ」
へぇ、とセーレアが頷いていると、リノが勢い込んで尋ねた。
「では、その『天涯』とまだ名付けられていなかった頃のそこに、いったい『なに』があってんですか?」
「それが――」
間を空けたダークエルフが、「全然わかんない」と肩をすくめてみせた。
セーレアは思わず頭を叩いてしまった。
「痛っ! 痛いじゃないセーレア! もうっ!」
「あなたがふざけるからでしょ!」
「ふざけてなんかないわよ。族長も話してくれなかったんだもん。話し好きで、いろいろな伝説や伝承を語ってくれたけど……その件については触れなかったの」
リノの部屋の中に沈黙が降りた。
特にリノからは重たい気配を感じる。
小さな拳を口元に当てて、必死に考え込んでいる仕草は、どれほどフウマのことを案じているのか痛いほど感じさせた。
大丈夫よリノちゃん、と気休めを言う前に、リノはオゥバァに尋ねた。
「つまり、絶対に帰還できないという状況ではなかったわけですね?」
「少なくとも以前はね。……フウマやリノちゃんに聞いた話だと、どうやら『天涯』と名が付いただけでなく、物騒さも一段と凄いことになったみたいだけど」
「他にはなにか?」
「とりあえず近づくな、って言われた。けど、本当に危険なら、その事情とかも説明したと思う。……だから当時はまだそこまで危険じゃなかったんじゃないかな……?」
ちなみに私は近づいたことさえないよ、という返事を聞き、リノはまた考え込んだ。
やがて1つの結論に至ったのか、おもむろに掛け布団をはねのけ、寝衣を脱ぎ捨てて着替えだした。
横顔には決死の覚悟が見え隠れしている。
「導く灯火の合成獣っていう怖いキメラのモンスターが夜間は活発に動き回るから危険だよ?」
オゥバァのちゃかすような台詞に、「それでも……!」と言い募ろうとしたリノの口元に、オゥバァは人差し指を突きつける。
驚いたリノは台詞を止めた。
「ごめん。ちょっと悪ふざけが過ぎた。……――にしても、リノちゃんといい、フウマといい、本当に頼るのが苦手ね」
「たよ……る?」
不思議そうな表情は、年相応に幼く見えた。
「そう。頼ること。……というか、フウマの心配も、リノちゃんの心配も、私とセーレアがついていけば、かなり軽減するでしょ?」
「それは…………」
その考えに至らなかったのか、初めて検討する様子のリノ。
セーレアは、一応友人といってもいいダークエルフに視線だけを向ける。
同じく横目でこちらを見た銀髪の美少女の姿をした存在は、ウインクしてみせた。
リノがいきなり身を乗り出して見上げてきた。
「一緒に行って下さいますか!?」
半裸の少女に迫られるという体験は、数奇な運命を辿っているセーレアでさえ初めての経験だ。
セーレアはちょっと動揺しつつも答えた。
「オーケー」
「こっちもオッケーだよっ」
――軽っ。
とでも思ったのか、びっくりした表情のままリノは固まってしまった。
「……いいん……ですか? 危険ですよ」
「行くなって言われると行きたくなるのがダークエルフってもんよ」
「それあんたの習性でしょ」
「バレた?」
可愛らしく舌を出すオゥバァに、セーレアはため息をついた。
「私も当然行くわよ。……リノちゃんとオゥバァだけだと心配だし……」
それに3人が合流すれば、フウマの生存確率も上がるだろう。
あんな桁外れの存在を心配するのもどうかと思うが、精神的な弱さを突かれたら、怪我の1つや2つするかもしれない。
それでも自分がいれば、傷を癒やすことで、死なない限りなんとか生還させる自信があった。
「ありがとうございます!」
勢いよく頭を下げるリノに、着替えの続きをするように促すと、リノは自分がみっともない格好だったことに気づき、真っ赤になって服を着始めた。
そんなリノの部屋を出たセーレアは、一緒に退出したオゥバァに話しかけた。
「どうして理由言わなかったの?」
「理由?」
「あなた、フウマが気落ちして一切笑わなくなったの、心配してたでしょ? 村の外れにある墓に行った辺りから。……彼の曽祖父と昔なにかあったの?」
「…………そうだったかな?」
はぐらかす友人に、セーレアはため息をついて肩をすくめる。
「……はぁ。はぐらかすならいいけど、あいつがリノちゃんのことを話す時に笑ったことくらい教えてあげればよかったのに」
「……じゃあ、どうしてあなたは教えなかったの?」
「そりゃ、実際に見てもらった方が、面白いからに決まってるじゃない」
セーレアがそう答えると、「リノちゃんの驚く顔が見たいしね」とオゥバァも答えた。
案外似た者同士だ。
忍び笑いを漏らしていると、後ろの障子が開き、旅に相応しい厚手の服装に着替えたリノが立っていた。
「どうしたんですか?」
不思議そうに小首を傾げる少女に返事した。
「なーんにも」
セーレアとオゥバァの声が揃った。
0
お気に入りに追加
4,196
あなたにおすすめの小説
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~
サイダーボウイ
ファンタジー
「魔物もろくに倒せない生産職のゴミ屑が! 無様にこのダンジョンで野垂れ死ねや! ヒャッハハ!」
勇者にそう吐き捨てられたエルハルトはダンジョンの最下層で置き去りにされてしまう。
エルハルトは錬金鍛冶師だ。
この世界での生産職は一切レベルが上がらないため、エルハルトはパーティーのメンバーから長い間不遇な扱いを受けてきた。
だが、彼らは知らなかった。
エルハルトが前世では魔王を最速で倒した最強の転生者であるということを。
女神のたっての願いによりエルハルトはこの世界に転生してやって来たのだ。
その目的は一つ。
現地の勇者が魔王を倒せるように手助けをすること。
もちろん勇者はこのことに気付いていない。
エルハルトはこれまであえて実力を隠し、影で彼らに恩恵を与えていたのである。
そんなことも知らない勇者一行は、エルハルトを追放したことにより、これまで当たり前にできていたことができなくなってしまう。
やがてパーティーは分裂し、勇者は徐々に落ちぶれていくことに。
一方のエルハルトはというと、さくっとダンジョンを脱出した後で盾使いの竜姫と出会う。
「マスター。ようやくお逢いすることができました」
800年間自分を待ち続けていたという竜姫と主従契約を結んだエルハルトは、勇者がちゃんと魔王を倒せるようにと最強の神器作りを目指すことになる。
これは、自分を追放した勇者のために善意で行動を続けていくうちに、先々で出会うヒロインたちから好かれまくり、いつの間にか評価と名声を得てしまう最強転生者の物語である。
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
Sランクパーティから追放された俺、勇者の力に目覚めて最強になる。
石八
ファンタジー
主人公のレンは、冒険者ギルドの中で最高ランクであるSランクパーティのメンバーであった。しかしある日突然、パーティリーダーであるギリュウという男に「いきなりで悪いが、レンにはこのパーティから抜けてもらう」と告げられ、パーティを脱退させられてしまう。怒りを覚えたレンはそのギルドを脱退し、別のギルドでまた1から冒険者稼業を始める。そしてそこで最強の《勇者》というスキルが開花し、ギリュウ達を見返すため、己を鍛えるため、レンの冒険譚が始まるのであった。
勇者パーティー追放された解呪師、お迎えの死神少女とうっかりキスして最強の力に覚醒!? この力で10年前、僕のすべてを奪った犯人へ復讐します。
カズマ・ユキヒロ
ファンタジー
解呪師マモル・フジタニは追放された。
伝説の武器の封印を解いたあとで、勇者パーティーに裏切られて。
深い傷と毒で、死を待つばかりとなったマモル。
しかし。
お迎えにきた死神少女との『うっかりキス』が、マモルを変えた。
伝説の武器の封印を解いたとき、体内に取り込んでいた『いにしえの勇者パーティー』の力。
その無敵の力が異種族異性とのキスで覚醒、最強となったのだ。
一方で。
愚かな勇者たちは、魔王に呪いを受けてしまう。
死へのタイムリミットまでは、あと72時間。
マモル追放をなげいても、もう遅かった。
マモルは、手にした最強の『力』を使い。
人助けや、死神助けをしながら。
10年前、己のすべてを奪った犯人への復讐を目指す。
これは、過去の復讐に燃える男が。
死神少女とともに、失ったはずの幼なじみや妹を取り戻しながら。
結果的に世界を救ってしまう、そんな物語。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。