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第Ⅱ章 赤魔道士組合の悪夢
7人の勇者たち 1
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王都の中で最も防衛力が高い王城、その隠された地下室に赤魔道士組合秘蔵の神代マジックアイテムが鹵獲されているというのは、赤魔道士組合にとって悪夢といえるだろう。
王家と赤魔道士組合は敵対関係ではない。
王家が魔獣の討伐のために組合に赤魔道士の派遣を依頼したり、組合が自分たちに都合の良い法律を制定したもらうために王家に働きかけたりといった持ちつ持たれつの関係だった。
だがしかし、潜在的な敵であることに変わりはない。
王家は組合を王家直轄の一部門にまで貶めたいし、赤魔道士組合も武力を背景に王家を傀儡にできたらと夢想していた。
そして今、そのパワーバランスが大きく崩れようとしていた。
王家を除けば最大の勢力だった〈治癒神の御手教会〉の屋台骨が、揺らいでいる今だからこそできる効果的な一手だ。
今の〈教会〉に、漁夫の利を得るために王家や赤魔道士組合に手を出す余力はない。内部の派閥争いを収めることが最優先だからだ。三すくみのような均衡状態が崩れたのだ。
(……あー……だから、このタイミングで、コレなのかぁ……)
フェルノは、エリーゼほど論理的に思考できない。だが、政治に関しては大組織の幹部の娘としてそれなりに経験を積んできた。
権謀術数は産湯に浸かるのと同時にどっぷりと浸かってきたのだから、これはもう空気のようなものだ。そして空気を読むのはフェルノは得意だった。
〈勇者召喚の間〉と呼ばれる神代マジックアイテムはあっさりと発動した。
天井にある大きな目玉のような意匠と床にある口と舌のような意匠がどこか禍々しい。
赤く脈動するようなその動き方に、フェルノは見覚えがあった。
(……〈五魂の儀式台〉に似てる)
神代マジックアイテムというのは、てっきり特定の年代に製作されたマジックアイテムという意味だと思っていた。だが、もっと他の共通項があるのかもしれない。
天井の赤い目――神代マジックアイテムの核と思しきものが赤い光線を六本発射した。
とっさに身を翻して後ろに下がった勇者の動きは、かつての姿からは想像もできないほど機敏だ。圧倒的な素早さで、第二王女やフェルノより後方に下がっていた。
ほとんど身動きもできなかったフェルノは、6本の光線が自分の方に飛んでくることがないのを見てホッとした。床の口の意匠の部分に6本の光線は落ちている。
「……大丈夫ですよ。勇者殿」
騎士団長は、さすが第二王女の情夫だけあって〈勇者召喚の間〉の能力を把握していたらしい。余裕ぶったその騎士団長の顔面に、勇者の拳がめり込んだ。
騎士団長が蓄えていた豊な口髭が、勇者の炎によってチリチリになっていた。
(あーあー……)
感情の高ぶりに合わせて勇者の纏う炎は強化されるらしく、さっきのはなかなか強烈だった。
騎士団長の男前の顔は、唇が火傷で腫れあがってひどく無様だった。
騎士団長のこめかみに青筋が浮かんでいる。
睨みつけられている当の勇者は気にした風もなく、第二王女に尋ねた。
「で、これからどうなる? 『勇者召喚』なんて大層な名なんだ、よっぽどすごいことが起きるんだろうな?」
アレクサンダーはこれっぽっちも勇者が本当に召喚されると思っていないらしい。
そりゃそうだろう。
勇者は選ばれた血筋の中、極小確率で誕生する奇跡のような存在なのだ。
奇跡が人為的に引き起こせるのなら苦労はしない。
「……『勇者が異世界より召喚される』と古文書には残っています」
第二王女の淡々とした説明に、勇者は鼻白む。
「王家の古文書なんて、王家にとって都合のいい作り話の宝庫なんだろ? お前が寝物語に語ってくれたじゃねぇか」
「えぇ。……大部分の……例えば王家の血筋に関する記述だの、神からその地位を授かっただのは真っ赤な嘘です。……しかし、こればかりは真実でしょう」
「なぜそう思う?」
「ありていにいえば、……憎しみ……でしょうか」
「あん?」
「その古文書を記した当時の王家――時の国王ですが、相当憎々しく思っていたそうです、その異世界の勇者どもを」
「勇者ども、ね」
「勇者どもは、異世界の法律を振りかざし、この世界にある奴隷法を非道な法律だとなじりました」
「はぁ?」
勇者の呆れ声に重なるように、フェルノは思わず口を挟んでいた。
「ねぇねぇ! じゃあ、その異世界人ってやつらは、どうやって生活してるのよ? 奴隷いないんでしょ?」
「フフフ……聞いてくださるかしら」
さもおかしいというように、第二王女は笑う。
「時の国王が勇者たち――当時召喚した勇者は全部で6人いたそうですが、彼らの話を記した手記があるんですの」
「ふぅーん、どんな?」
「――奴隷……という名称の存在は、確かに異世界には存在しませんでした。正確には禁止されたのです」
「ほぅほぅ」
「でも、こちらの認識では『奴隷』としか言いようのない存在が、社会の9割くらいを占めていたんです。……まぁ、ありていにいえば、やりたくもない仕事を押しつけられたり、危険な仕事に従事させられたりする下等な連中ですね。それも生活できる程度の金だけを与えて。……後は、幼少期から洗脳を行っていました。……といっても、洗脳などといわず、……確か、学校だのと嘯いていましたね」
「ふぅん。……ンで、その異世界の勇者様方は、自分の世界にある不平や不満を正すことなく、こっちに来て、こっちの世界の不平だけは正そうとしたってわけか――糞だな」
上から目線で文句言って何様だ、という勇者の言葉に、フェルノはうんうんと頷く。あまりにも異世界の勇者たちの性格が悪かったので、王家はこの神代マジックアイテムを使用せず封印していたと第二王女は語った。
そんなとりとめのない世間話をしているうちに、赤い光線の下に、人の姿がゆっくりと浮かび上がってきた。
〈勇者召喚の間〉の中央に寝そべるように倒れていたのは、灰色の服を着た者たちだった。
6人いるが、全員が同じ服装だ。味気ない装飾性の薄い揃いの服――。
「囚人か?」
勇者が疑問をつぶやく。
「さぁ、どうでしょう?」
さすがに異世界の事情には詳しくないらしく第二王女も首を傾げる。
「うーん……?」
フェルノは目の前にいる女の灰色のスカートをつまんでみた。
材質は……悪くない。
いや、下手をすると自分が今着ている衣服より良い可能性さえあった。
スカートからむき出しになった足は、膝頭にも傷ひとつない。危険な重労働に従事しているようには見えなかった。
ついでにのぞけた下着も装飾性に優れていた。
「男3人に女3人。……女はスカートで、男はズボンか。一応男女の違いで服装に違いがある」
淡々と勇者アレクサンダーは異世界の勇者らしき存在を眺め回している。
「囚人ならわざわざ別のデザインの服を用意することはないでしょうね。男女両方ズボンが普通でしょう。それに、この生地……それなりに高価そうです。ついでにいえば、全員が身綺麗ですね。垢や泥もついてませんし」
第二王女もフェルノと似たような結論に達したらしい。
「だがよー、それよりコイツら、なんで黒髪なんだ?」
そう。そこがフェルノも気になって気になって、いっそ逆に視界から外すようにしていた部分だった。
「6人中5人もゴミみたいな色してるよね」
あの薄汚い盗賊を連想して、どうにも嫌悪感が抑えられない。
「気絶してるうちに、さっさと〈五魂の儀式台〉に接続しましょうか」
王家と赤魔道士組合は敵対関係ではない。
王家が魔獣の討伐のために組合に赤魔道士の派遣を依頼したり、組合が自分たちに都合の良い法律を制定したもらうために王家に働きかけたりといった持ちつ持たれつの関係だった。
だがしかし、潜在的な敵であることに変わりはない。
王家は組合を王家直轄の一部門にまで貶めたいし、赤魔道士組合も武力を背景に王家を傀儡にできたらと夢想していた。
そして今、そのパワーバランスが大きく崩れようとしていた。
王家を除けば最大の勢力だった〈治癒神の御手教会〉の屋台骨が、揺らいでいる今だからこそできる効果的な一手だ。
今の〈教会〉に、漁夫の利を得るために王家や赤魔道士組合に手を出す余力はない。内部の派閥争いを収めることが最優先だからだ。三すくみのような均衡状態が崩れたのだ。
(……あー……だから、このタイミングで、コレなのかぁ……)
フェルノは、エリーゼほど論理的に思考できない。だが、政治に関しては大組織の幹部の娘としてそれなりに経験を積んできた。
権謀術数は産湯に浸かるのと同時にどっぷりと浸かってきたのだから、これはもう空気のようなものだ。そして空気を読むのはフェルノは得意だった。
〈勇者召喚の間〉と呼ばれる神代マジックアイテムはあっさりと発動した。
天井にある大きな目玉のような意匠と床にある口と舌のような意匠がどこか禍々しい。
赤く脈動するようなその動き方に、フェルノは見覚えがあった。
(……〈五魂の儀式台〉に似てる)
神代マジックアイテムというのは、てっきり特定の年代に製作されたマジックアイテムという意味だと思っていた。だが、もっと他の共通項があるのかもしれない。
天井の赤い目――神代マジックアイテムの核と思しきものが赤い光線を六本発射した。
とっさに身を翻して後ろに下がった勇者の動きは、かつての姿からは想像もできないほど機敏だ。圧倒的な素早さで、第二王女やフェルノより後方に下がっていた。
ほとんど身動きもできなかったフェルノは、6本の光線が自分の方に飛んでくることがないのを見てホッとした。床の口の意匠の部分に6本の光線は落ちている。
「……大丈夫ですよ。勇者殿」
騎士団長は、さすが第二王女の情夫だけあって〈勇者召喚の間〉の能力を把握していたらしい。余裕ぶったその騎士団長の顔面に、勇者の拳がめり込んだ。
騎士団長が蓄えていた豊な口髭が、勇者の炎によってチリチリになっていた。
(あーあー……)
感情の高ぶりに合わせて勇者の纏う炎は強化されるらしく、さっきのはなかなか強烈だった。
騎士団長の男前の顔は、唇が火傷で腫れあがってひどく無様だった。
騎士団長のこめかみに青筋が浮かんでいる。
睨みつけられている当の勇者は気にした風もなく、第二王女に尋ねた。
「で、これからどうなる? 『勇者召喚』なんて大層な名なんだ、よっぽどすごいことが起きるんだろうな?」
アレクサンダーはこれっぽっちも勇者が本当に召喚されると思っていないらしい。
そりゃそうだろう。
勇者は選ばれた血筋の中、極小確率で誕生する奇跡のような存在なのだ。
奇跡が人為的に引き起こせるのなら苦労はしない。
「……『勇者が異世界より召喚される』と古文書には残っています」
第二王女の淡々とした説明に、勇者は鼻白む。
「王家の古文書なんて、王家にとって都合のいい作り話の宝庫なんだろ? お前が寝物語に語ってくれたじゃねぇか」
「えぇ。……大部分の……例えば王家の血筋に関する記述だの、神からその地位を授かっただのは真っ赤な嘘です。……しかし、こればかりは真実でしょう」
「なぜそう思う?」
「ありていにいえば、……憎しみ……でしょうか」
「あん?」
「その古文書を記した当時の王家――時の国王ですが、相当憎々しく思っていたそうです、その異世界の勇者どもを」
「勇者ども、ね」
「勇者どもは、異世界の法律を振りかざし、この世界にある奴隷法を非道な法律だとなじりました」
「はぁ?」
勇者の呆れ声に重なるように、フェルノは思わず口を挟んでいた。
「ねぇねぇ! じゃあ、その異世界人ってやつらは、どうやって生活してるのよ? 奴隷いないんでしょ?」
「フフフ……聞いてくださるかしら」
さもおかしいというように、第二王女は笑う。
「時の国王が勇者たち――当時召喚した勇者は全部で6人いたそうですが、彼らの話を記した手記があるんですの」
「ふぅーん、どんな?」
「――奴隷……という名称の存在は、確かに異世界には存在しませんでした。正確には禁止されたのです」
「ほぅほぅ」
「でも、こちらの認識では『奴隷』としか言いようのない存在が、社会の9割くらいを占めていたんです。……まぁ、ありていにいえば、やりたくもない仕事を押しつけられたり、危険な仕事に従事させられたりする下等な連中ですね。それも生活できる程度の金だけを与えて。……後は、幼少期から洗脳を行っていました。……といっても、洗脳などといわず、……確か、学校だのと嘯いていましたね」
「ふぅん。……ンで、その異世界の勇者様方は、自分の世界にある不平や不満を正すことなく、こっちに来て、こっちの世界の不平だけは正そうとしたってわけか――糞だな」
上から目線で文句言って何様だ、という勇者の言葉に、フェルノはうんうんと頷く。あまりにも異世界の勇者たちの性格が悪かったので、王家はこの神代マジックアイテムを使用せず封印していたと第二王女は語った。
そんなとりとめのない世間話をしているうちに、赤い光線の下に、人の姿がゆっくりと浮かび上がってきた。
〈勇者召喚の間〉の中央に寝そべるように倒れていたのは、灰色の服を着た者たちだった。
6人いるが、全員が同じ服装だ。味気ない装飾性の薄い揃いの服――。
「囚人か?」
勇者が疑問をつぶやく。
「さぁ、どうでしょう?」
さすがに異世界の事情には詳しくないらしく第二王女も首を傾げる。
「うーん……?」
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スカートからむき出しになった足は、膝頭にも傷ひとつない。危険な重労働に従事しているようには見えなかった。
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「だがよー、それよりコイツら、なんで黒髪なんだ?」
そう。そこがフェルノも気になって気になって、いっそ逆に視界から外すようにしていた部分だった。
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