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新たな旅立ち
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「さて・・・使えないエルフを置き去りにして、行くとするか」
愛理がそうそう言うと、アミルが怒り出す。
「誰が使えないエルフですか!」
「だって、あんた、私に助けられてばっかりでしょ?」
「ちゃんとエルフの村とか案内したでしょ!」
「それはこれからこっちの使えるエルフがやってくれる。用済み」
「用済みって何ですか!」
「どう見ても、こっちのダークエルフの方が役立ちそうだし」
「酷い!ここまで一緒にやって来たのに」
泣き出すアミルの傍で気の毒そうな顔をするペルティナ。
「まぁ・・・あんまりアミルを苛めるな。それより、旅に出るなら、準備をさせて貰えないか?」
「そうね。私達も弾薬とか補充した方が良いだろうし」
「じゃあ、明日、ここで落ち合うとしよう」
そうして、三人は別れた。
「しかし・・・エルフってのは顔ばかり良いわね」
愛理はアミルと食堂で飯を食べながら言う。それを聞いたアミルは自慢気に答える。
「当然です。エルフの容姿は人からすれば、完璧と言えますからね」
「性格はアレだけどね」
「誰を見て、言ってるんですか?」
「しかし・・・長寿って言うか、あまり老けないわね。老けてのはあの長老ぐらいだし」
「はぁ・・・長寿って言う程、長寿じゃありませんけどね。人は何故か、私達が何百年も生きていると誤解しているようですが、寿命はせいぜい50歳ぐらいですよ。人と変わらない感じですかね」
「えっ・・・そんなに短いの?」
「えぇ・・・ただ、老けないだけで」
「でも長老は老けてたじゃない?」
「長老は予知の魔法を使い過ぎて、衰えただけです。私達は魔力で肉体を保っているので、なので、大抵は死ぬまでこの容姿ですよ」
「マジか・・・。だから高齢者のエルフってのを見た事が無かったのか・・・」
「そう言うことです。いつまでも若いから人からしたら、長寿だと思われるのかも知れませんが」
「魔力すげぇな。それって、人間にも使えないの?」
「魔獣と同じで、私達は生まれつき、魔石を体内に持ってますから・・・それが無い人には無理かと」
アミルはクスクスと笑う。
「ちっ・・・まぁ、良い。世界が元に戻れば、それも終わる。ダークエルフも仲間にした事だしな」
愛理は生姜焼きの豚肉にフォークをぶっ刺して、口に運んだ。
翌日、旅支度を終えた二人はペルティナの元へと向かった。
城の前にある広場には大きな背嚢を背負ったペルティナが待っていた。
「あんた、意外と力あるのね?」
ペルティナの姿を見た愛理は驚く。
アミルは肩掛けバック一つぐらいしか持てないのに、ペルティナは30キロぐらいある背嚢を背負っているのだ。
「あぁ、しっかりと鍛えたからな。一人で動き回るにはこれぐらいの荷物は持てないとな」
「どこかのエルフにも見習って欲しいわ」
アミルが持てない分は当然、愛理が背負っている。その為、愛理の荷物も大概、かなりの量であった。
「ははは。まぁ、筋トレだな」
ペルティナにそう言われて、アミルは絶望的な顔をした。それを愛理は無視して、歩き出す。
「さぁ・・・西に向かって進むよ」
愛理がそうそう言うと、アミルが怒り出す。
「誰が使えないエルフですか!」
「だって、あんた、私に助けられてばっかりでしょ?」
「ちゃんとエルフの村とか案内したでしょ!」
「それはこれからこっちの使えるエルフがやってくれる。用済み」
「用済みって何ですか!」
「どう見ても、こっちのダークエルフの方が役立ちそうだし」
「酷い!ここまで一緒にやって来たのに」
泣き出すアミルの傍で気の毒そうな顔をするペルティナ。
「まぁ・・・あんまりアミルを苛めるな。それより、旅に出るなら、準備をさせて貰えないか?」
「そうね。私達も弾薬とか補充した方が良いだろうし」
「じゃあ、明日、ここで落ち合うとしよう」
そうして、三人は別れた。
「しかし・・・エルフってのは顔ばかり良いわね」
愛理はアミルと食堂で飯を食べながら言う。それを聞いたアミルは自慢気に答える。
「当然です。エルフの容姿は人からすれば、完璧と言えますからね」
「性格はアレだけどね」
「誰を見て、言ってるんですか?」
「しかし・・・長寿って言うか、あまり老けないわね。老けてのはあの長老ぐらいだし」
「はぁ・・・長寿って言う程、長寿じゃありませんけどね。人は何故か、私達が何百年も生きていると誤解しているようですが、寿命はせいぜい50歳ぐらいですよ。人と変わらない感じですかね」
「えっ・・・そんなに短いの?」
「えぇ・・・ただ、老けないだけで」
「でも長老は老けてたじゃない?」
「長老は予知の魔法を使い過ぎて、衰えただけです。私達は魔力で肉体を保っているので、なので、大抵は死ぬまでこの容姿ですよ」
「マジか・・・。だから高齢者のエルフってのを見た事が無かったのか・・・」
「そう言うことです。いつまでも若いから人からしたら、長寿だと思われるのかも知れませんが」
「魔力すげぇな。それって、人間にも使えないの?」
「魔獣と同じで、私達は生まれつき、魔石を体内に持ってますから・・・それが無い人には無理かと」
アミルはクスクスと笑う。
「ちっ・・・まぁ、良い。世界が元に戻れば、それも終わる。ダークエルフも仲間にした事だしな」
愛理は生姜焼きの豚肉にフォークをぶっ刺して、口に運んだ。
翌日、旅支度を終えた二人はペルティナの元へと向かった。
城の前にある広場には大きな背嚢を背負ったペルティナが待っていた。
「あんた、意外と力あるのね?」
ペルティナの姿を見た愛理は驚く。
アミルは肩掛けバック一つぐらいしか持てないのに、ペルティナは30キロぐらいある背嚢を背負っているのだ。
「あぁ、しっかりと鍛えたからな。一人で動き回るにはこれぐらいの荷物は持てないとな」
「どこかのエルフにも見習って欲しいわ」
アミルが持てない分は当然、愛理が背負っている。その為、愛理の荷物も大概、かなりの量であった。
「ははは。まぁ、筋トレだな」
ペルティナにそう言われて、アミルは絶望的な顔をした。それを愛理は無視して、歩き出す。
「さぁ・・・西に向かって進むよ」
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