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本編

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「それでは開始!!」

 実技試験が始まった。
 内容は、騎士と戦って騎士が試験を受けに来た奴の実力を感じて判断する。という内容らしい。
 騎士1人につき、受験者3人という感じだ。
 私とレクターは、運悪く違うチームになってしまい、ただいま、私はレクターを心配している途中だ。

「うりゃぁあぁぁあ!」

 あ、レクターがいった。
 レクターは、まず上から剣を振り下ろし、次は下斜めから剣を振るう。騎士との間が悪くなったら、後ろに下がって体制を整える。
 ‥‥‥心配いらなさそうだ。
 試験官の騎士も、「ほう」と驚きを見せているから、レクターは合格だと思う。

「おい。来ないのか?失格になりたいのか?」

「え?あ」

 私がレクターに気を取られている間に、他の2人は騎士に倒されていた。

「あの。そこの2人って、合格ラインでしたか?」

 答えてくれなさそうだけど、一応私は好奇心で試験管の騎士に聞いてみた。

「‥‥‥いくぞ」

 少し眉を寄せて怪訝な顔を見せてから、試験管の騎士は、私に攻撃の構えを見せてきた。
 ‥‥なるほど。今の反応からして、不合格ラインなのかな?あの二人。
 私も剣を構えて、攻撃態勢に入った。

「ん?なんだその変な構えは」

「え?ああ‥‥気にしないでください。俺はこっちの構えの方がなれているので、この構えなんです‥‥‥何か不都合でも?」

「‥‥いや。ない」

 私の構えは剣道の構えだ。
 足を肩幅に開き左足を後ろに下げて、右足には体重をあまりのせないようにして、剣を持つ手は、左が手前で右は柄に添えるだけ。
 ‥‥まあ、初歩の構えだ。一応中段?だったけな。そういう名前はあったはずだけど、段とか級とか、私は持っているわけではない。
 ただたんに、学校の部活で少しかじったくらいだ。

「‥‥は!」

 騎士が来るが、そのスピードは遅い。
 ‥‥‥一応剣道の試合とかに出てて、少ないが勝った経験もある。そんな私だ。
 今は防具の面もつけていないからとってもよく見える。
 この分だと、簡単に剣を止めて、そのまま流して、後ろから背中を押して騎士を倒す‥‥‥それでいいかな?

「よいしょ」キン!

「!?」

 剣を避けることも出来たが、それをすると、この世界の中での運動水準を、軽く突破してしまう気がしたので、やめといた。
 それでも、この試験を合格できるぐらいのラインにはいけるだろう。

「チェックメイト」ニヤ

 私はカッコつけて、騎士が倒れたところを片足で押さえて、剣先を首元ギリギリに持っていき、そう言った。
 くぅー!やったよ!?人生でいいないランキング上位のセリフ!「チェックメイト」が言えた!!かっこよくない!?しかも"ニヤ"って笑いながらだよ!?くぅっ~!!
 私が内心悶えている中、試験管の騎士は、冷や汗を垂らしながら、「こ、降参だ」と言ってきた。
 私は剣を鞘にしまい、腰を折って「ありがとうございました」と言った。

「お、おう‥‥お前は何者だ?」

 試験管の騎士がまだ動揺した様子で、そう聞いてきたが、私はアイムヒューマンと言うしかないと思った。

「‥‥アイムヒューマ‥いえ、私はただの人間ですが?人間の騎士団試験を受けに来た、レムンです‥‥‥それでは」

 私はそう言って、レクターの元へと足を動かした。
 レクターも既に試験を終えたみたいで、木陰で寝っ転がって休んでいた。

「お疲れ様、レクター。ほら、水とタオル」

 私は水とタオルをレクターに投げ渡した。
 レクターはそれをキャッチして、体を起き上がらせた。

「おう‥‥レンは予想通り余裕そうだな」

 レクターはそう言って、水をがぶ飲みしだした。
 そうすると、口に入り切らなかった水が少量、口の端から流れ出て、レクターのあごまで来て止まる。
 レクターは水を飲むのをやめて、流れ出た水を手で拭う。
 ‥‥‥これは、夢女子オンリーではなく、誰でもカッコイイというやつだよね。しかも、鼻血出して倒れるタイプのだよね。でも、私は大丈夫!!

「なんたって!今日までに耐性をつけたから!」

 今日までに、レクターはこういうのタイプのカッコイイ姿や、セクシータイプの姿などを私の前で平然とやってきた。だから、私は嫌でもそれに対しての耐性がついてしまった。
 ‥‥‥悲しいやら嬉しいやらで、気持ちは複雑です。
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