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本編

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 ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ

「う~ん‥‥あと5分~‥‥‥‥あれ?」

 いつも使っている目覚ましの音がした。
 だから、いつも通りに音を消そうとスイッチを探すが、手は空を切るばかりで、しまいには、手が地面に生えている草にあたる。

「‥‥地面!?」バサバサ

 私は、驚いて跳び起きる。
 周りを見ると、青々とした綺麗な草木。横には澄んだ水の小川。
 とっても居心地のいいところだ。

「‥‥‥‥おやすみなさい」

 私はもう一度ねることnーー

『ちょっと待ってください!』

「おわぁ!」

 私が二度寝しようとしたら、何か声が聞こえた。
 青年って言うより、苦労してそうな秘書ってイメージがある声だ。

「誰ですかー!?私の二度寝を邪魔するのわ!非常識ですよ!?」

『いやいや、気づいたら知らない場所にいて、何も反応を見せない君の方が非常識じゃないのかな!?』

 私の声に反応する声は、直接脳内に流れるような感じだ。
 ツッコミも、なかなかキレのある方だと思う。

「ま、反応はしましたよ?『地面!?』って、驚いたし十分でしょ?」

『十分じゃないよ。もう、も面倒なの~』

 私は、声の言葉に反応する。

「ん?『あいつ』と『押し付けてきたな』って、まるで私を誰かから任されたような口調ですね~?」

『‥‥‥‥そういうところだけは鋭いんだね。はぁー』

 何故だ。呆れられたため息を疲れた。
 私はまだ何もしていないはずだ。

「と・に・か・く!あなたの期待に答えるとしましょうか」

『いや、期待に応えるとかじゃ‥‥っ!はい。オネガイシマス』

 あら。あってたの?
 私は、声の主がうるさいから、どこにいるか分からないけど、『多分ここじゃないかな~?』と、いう所を睨みつける。
 すると、声の主は、観念したような感じになった。
 まさかの感が、的中~。

「それでは、コホン‥‥‥‥‥うわぁー!ここどこ!?てか、私車に轢かれて死んだんじゃないの!?えええぇぇぇえ!?意味わかんない!!誰か説明してよ!!あ、若葉わかばは?若葉は大丈夫なの!?」

『え!?演技上手い!!なんで鹿なのにそんなのが上手いの!?この子本当にわかんない!!』

 ふふふ。どうよ!
 私は演劇部に入っているんだ!こんなの朝飯前ってもんだ!
 あ、ちなみに兼部してて、剣道部と幽霊部員として、美術部にも入っております。
 学校ゆるいから、最高4つまで部活に入れるんだ!ま、運動部は掛け持ちダメだから、一つだけだけどね。

「はい。あなたの期待は叶えた?よ。さっさと要件言ってよ。それと親友の若葉のこともね」

 私は元の調子に戻って、声に接する。

『‥‥‥君の本性って何?』

「そんなの自分でもわからん」ズバッ!

 私は声の主の問に、間を空けずに答える。
 人はキャラが定まらない人もいるんだよ。
 時に真面目で、時におバカ。またまた、時には冷静沈着だったりね!

「ほら、さっさと言ってよ」

『ああーもう!分かったよ!ぷんぷん!』

 あ、逆ギレされた。
 てか、自分で『ぷんぷん』って声、初めて聞いたわ~。
 何?こいつぶりっ子?私ぶりっ子無理系なんですけど~。

『言っとくけど、僕はぶりっ子じゃないよ?僕は《》だよ!』

「え!?ぶりっ子じゃないの!?」

『‥‥そっちなんだね。驚くの』

 え、だって自分で『ぷんぷん』っとか言ってる奴が、ぶりっ子じゃないのって、ありえないでしょ。
 え?ありえるの?え?

『もう!話が続かないから話すよ!!
 まず、君の親友だけど、無事に転生してるよ』

 勝手に話し出す自称神様。
 あ、若葉無事なんだ。良かった~。

「‥‥ん!?無事に!?若葉も転生してんの!?そこん所詳しく教えてよ!自称神様!!」

『‥‥もう僕は何も突っ込まないからね』

 あ、何か諦めたな?何を諦めたんだ?

『言っちゃうと、元々は若葉ちゃんの方の転生騒動に、恋ちゃんが巻き込まれた形なんだよね?
 若葉ちゃんが転生するには、1回死ぬしかなくて、事故起こしたんだけど、そこに手違いで恋ちゃんが巻き込まれたってわけ。ここまでOK?』

 なるほど。なるほど。

「‥‥理解は出来ている!」

『なら続けるよ。
 若葉ちゃんの転生先は、《邪神じゃしん》でね?転生の儀式したのが、元邪神の補佐の子で、その子が間違えて恋ちゃんを転移させてしまったことに気がついて、僕に恋ちゃんの後始末を頼んできたわけ。
 これが恋ちゃんがここまで来るまでの経緯ってわけ』

 なるほど。なるほど。

「‥‥理解は出来ている!」

『‥‥‥‥本当に?』

「本当に!だから、若葉の邪神転生のために、若葉を殺そうとしたら、間違ってそこに私が入り込んじゃって、その間違いをおこした奴が、私の方は不必要だったから、後始末をするのが面倒だった。
 そこで、後始末を自称神様のあなたに頼んだってことでしょ?」

『‥‥アッテマス』

 ふははは!どうだ!
 見た目はアホ!中身は基本アホだが、頭はいい!
 これが私!浅田あさだ れんだ!

 あ、言い忘れてたね。
 私の名前は浅田 恋。
 年齢は15歳。誕生日は10/18。血液型はO型。
 古典的な日本人体型で、天然パーマな髪!
 皆からは『胸デカくて身長があって、運動神経抜群なのに、中身が残念で可哀想な子』って、言われてます!ブイ!

「どうだ自称神様!私のプロフィールは!」

『‥‥‥本当に可哀想な子』

 おう。自称神様にまで、可哀想な子認定されましたよ。
 私ってある意味天才じゃない?

『‥‥‥ま、間違い転移をさせてしまったお詫びってことで、少しばかり容姿は変えてあげてるから』

 ふ~ん。容姿を変えてるね~‥‥‥‥ん!?

「え!?私の容姿変えてるの!?」

 私は慌てて近くの小川をのぞき込む。
 水の揺れで、そこまで綺麗に見えないが、私の容姿は本当に変わっていた。
 これは、プロフィールの中の、容姿の部分を変えなくては!

 私の容姿は、綺麗な銀髪に輝く髪が、転移前と一緒で頭高くに、ポニーテールとして結ばれている。
 瞳は右が青緑で、左がオレンジだった。
 手で触ってみたが、肌は綺麗でニキビひとつとしてない。水に映った私の肌は、白い方だが、軟弱に見えるほど白くはない、丁度いい白さだ。
 見かたによっては、男性にも女性にも見える容姿だった。

 ‥‥‥控えめに言って



   『



 だった。

「ちょ!自称神様!!?私、ものすご~く!!美形になってんですけど!?」

『だから言ったじゃないか。姿って』

「いやいやいや!これは『少しばかり』じゃないって!『大幅に』にが正しいよ!!」

 私は何もいない空間に怒鳴り散らす。
 絶対に傍から見たら、〖頭が狂ったとってもおかしな人〗だよ。
 人が周りにいなくて良かった~。

『え~。気に入らなかった?でも、もう変えられないんだよね~』

「いや違くて、気に入らない気にいるの次元じゃないよ!

‥‥‥まぁー。どっちかって言うと気に入ってたけどさ?」

 そう言うと、声の主が笑顔になった気がした。
 でも、姿は見えないし、声も出していないから、これはただの勘違いだ。

『それと、もう元の世界には戻れないから。そこん所よろしく!


あ、そうそう。これから君に僕からのプレゼントをあげるよ。
 上手に使いこなして、この世界を楽しんでいきてね♪
 じゃ~あ~ね~♪』

「あ、ちょいまt《ブチッ》‥‥切りやがった」

 私は、最後に一方的に言って逃げていった自称神様に、悪態をつきながら、2度目を始めるのであった。
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