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小等部

私は頑張るから‥‥ね?

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 はい。私は4歳の誕生日を迎えようとした前日。
 正直浮かれてました。ほんとーに浮かれてた。鼻歌スキップとかしたりしてた。どこでって?そんなこと言わなくたってわかるでしょ~。あはははは
 ‥‥‥‥ごめんなさい。正直に言います。ハッキリキッパリ言います。
 みんなは知ってるかい?《》という名の、愚かな嫉妬が突き動かす行動を。
 ただいま、その誘拐にあっております。( ニコッ )

 え?軽すぎないかって?チッチッチッ!皆さん。思い出していただきたい!
 ここは、乙女ゲームの世界だ!ーー例外存在がここにいるがーー誘拐されるのは、主人公ヒロインの役目!そして、必ず何かある前に、助かる!こういうのは、お約束なのだよ!
「こんなに上手くいくとはぁ~な~?嬢ちゃん?恨むなら、俺じゃなくてお前の親を恨めよ?」
 はい。誘拐のお約束の言葉を、誘拐犯からいただきました!
 前振り?前振りだよね!?もしかして、期待されてる?いや!絶対に期待されてる!その期待に答えないわけにはいかないよね!だよね!?どこかの誰か!
「私に‥‥何しようという‥の?‥‥私に何かしたら‥‥お父‥さんが‥‥‥だまってないんだからね!」
 どぅーだ!私の迫真の演技よ!
 精一杯怯えた表情!それに加えて、潤目の下からの、ひと睨み!
 ふふふ‥‥
「ははは!せいぜいそのが来るのを待つんだな!はははは!」
 そう言って、私がいる部屋から出ていく誘拐犯。

 さて、現状把握を始めましょうか。
 まずは、縛られてる手足。手は、後ろで縛られており、ヘタに動かしたら、余計に締まりそうなので、動かさないでおこう。足も同じだけど‥‥なんか結び目がチョウチョ結びなんだけど‥‥
 気お取り直して部屋行ってみようー!
 部屋は、どっかの倉庫なのか、誇りっぽくて、薄暗い。物もいっぱいある。だいたい前世の体育館倉庫ぐらい?
 Yes!定番の倉庫だよ!みんな!人生で初めての王道を経験したよ!
 ‥‥はい。「喜ぶな!」というツッコミが欲しいところだけど、期待はしません。
 どこかに窓がないか探してみると、出入口の向かいの壁の上に、子供が入れそうな窓があった。
 よし!もしものための、脱出口確認!
 次に、ここまでのことを思い出すかな?

 そう、あれは、私が歩いていたときでした。あいつは、後からついてきてたんです‥‥そして、そして、あいつは‥‥私を後から!
 ‥‥‥ごめんなさい。はい。ちゃんとします。
 ほ、ほら!こういう王道を経験したなんて、滅多にないじゃん?だから、テンションが上がっちゃってさ?ね?だから‥‥‥‥許してください。

 コホン。
 ええー。まずですね?幼等部からの帰り道。まぁー当たり前に車ですよ。車。私は運転手の【川上  優太かわかみ  ゆうた】さんに、久しぶりにコンビニによりたくなって、頼んだんですよ。え?どうやってかって?それはね?む・り・や・り・♡
 そんでね?そんでね?私はコンビニのお菓子とか見てたのね?そしたら、川上さんの電話がなって、電話のために外に出たの。私は、ピンッ!と、きたの!
 そう!『今なら逃げて(脱出)街を見て回れる!』と。
 ‥‥‥はい。皆様予想できましたね?脱出!脱出は、できたよ?問題はその後。
 もちろん前世と地形が違うし、初めての街。道に迷ったよ。そのうちに薄暗くなってきてね?『ヤバい』と思った時には、遅い。どっから見てたのか、明桜さんに恨みを持っていた、さっきの誘拐犯に捕まった。
 いや~!お恥ずかしいね~!

「クシュン!」
「え!?」
 いきなり、私以外の声?ーーいや、クシャミだけどーーがして、そちらを振り向く。そこにはーー

「‥‥あ、どうも」
「‥‥えっと‥‥こ‥ん‥‥にちは?」

 ーー怯えている。うさぎさんがいました。
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