上 下
7 / 41
小等部

主人公の誕生

しおりを挟む
 はい。こんにちは!
 あれからかれこれ2年だったよ!

 え?飛んだって?そんなの気にしない!
 そうそう、双子主人公産まれたんだよ!?
 その時の事は、明桜さんがとても恥ずかしかったと言っておこう。
 落ち着きがなくて、看護婦に注意されていた。
 え?その時のことを詳しく言ってほしいって?しょうがない。教えて差し上げよう!

 そう、それはある晴れた日だった‥‥‥

 ちょいそこの方帰らないで!分かった。分かったよ。ちゃんと話すから帰らないで!

 コホン。
 私がまだ1歳と4ヶ月だったかな?
 璃緒さんが入院していた病院から、破水の知らせが来た。
 私と明桜さんは、急いで病院まで行った。
「ああー大丈夫かな!?璃緒は大丈夫かな!?ねぇ蘭夜!」
「パーパ!」
 『そんなこと私に聞かれても分かるか!』という気持ちをこめて、明桜さんの顔を、私が今出せる本気の力で叩く。
 だけど、やっぱり力が弱くて、ペチペチという音しか出なかった。
「蘭夜!もしかして僕に大丈夫って言いたいの?ありがとう~!」
 せいだいな勘違いをして私に抱きついた明桜さん。
 悔しい!大きくなったら、明桜さんをギャフンと言わせれるような力を手に入れてやる!
 そう私は心に決めた。

 病院についてからも、明桜さんはずっと落ち着きがない。見てるこっちが恥ずかしかった。
 看護婦に注意されていたり時々しゃがんでいたり。
 おい。まさかと思うが私の時もそうだったのか?ちょっと‥‥いや、かなり引くぞ。
「蘭夜~‥‥どうしよう‥‥‥トイレに行きたくなっちゃった!」
「あ?」
 何言ってんだこいつっと危ない。明桜さん何言ってんの?行きたければ行けばいい。
 そう思いながら、顔を明桜さんから見られないようにそっぽを向く。
 皆さん。分かります?この恥ずかしさ!
 例えるなら、遊園地に親と一緒に来たら、私より親の方が楽しがっていて、周りからクスクス笑いをされている気分だよ?
 あ、また注意されてるよ。

「「おぎゃー!おぎゃー!」」
 しばらくして、赤ちゃんの声が治療室から聞こえてきた。
「っ!璃緒!」
 明桜さんは、私を置き去りにして部屋に入ってしまった。
 おい!待ってよ!私も赤ちゃん見たいのに!
 置いてかれた私はただ呆然とするしかなかった。
「あら?もしかして、大友さんのお子さん?」
「あ、あーう」
 明桜さんが入っていった部屋から出てきた女性が私を見つけてけれた。
 私はそうですと言えないけど、喋って肯定する。
 すると、女性は私に微笑んでから、私を璃緒さんの所まで連れてってくれた。
 中では明桜さんが赤ちゃんを見て目を輝かせていた。
「あら?‥‥蘭夜ちゃん?」
 璃緒さんは、汗まみれだったが、それさえも綺麗に見えて、とっても羨ましく思った。
「来てたのね?‥‥おいで」
「あう、マーマ」
  私は璃緒さんの方へ手を伸ばし、璃緒さんの方へ行く。
「あ、蘭夜!この子達がお前の弟と妹だぞ~?見せてあげるからおいで?」
 そう言って、こちらに手を伸ばす明桜さん。私は思いっきりその手を叩いて拒絶する。
 さっき私を置いていった人の手を借りるつもりはない!
 明桜さんは、驚いた顔をして、それから泣きそうな顔をし始めた。
「ら、蘭夜~!何に怒ってるんだい?俺がなにかした?」
「あう!」
 私はそっぽを向く。
 こいつ、覚えていないだと!?さっきした私への侮辱を!許さん!
「ら、蘭夜~!!許して~」
「あらあら」
 私は明桜さんを無視して、璃緒さんに引っ付く。
 赤ちゃんも気になるが、これからは璃緒さんは赤ちゃんにかかりっきりになるだろうから、今からお母さん成分を補給しておくのだ!

 はい。これが双子主人公が生まれた時の事だよ?
 もう疲れてね~大変だったよ。
 そうそう。赤ちゃんが生まれたからって、璃緒さん達は、私に構わなくなることはなかった。
 逆に赤ちゃんが生まれてから、自分たちに甘えてこなくなった私に対して、とっても構ってきたぐらいだ。
 ‥‥‥とにかく明桜さんがウザかった!っと言うことだけは言っておこうか。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。 沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。 だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。 モブなのに魔法チート。 転生者なのにモブのド素人。 ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。 異世界転生書いてみたくて書いてみました。 投稿はゆっくりになると思います。 本当のタイトルは 乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜 文字数オーバーで少しだけ変えています。 なろう様、ツギクル様にも掲載しています。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

ヤンデレ騎士団の光の聖女ですが、彼らの心の闇は照らせますか?〜メリバエンド確定の乙女ゲーに転生したので全力でスキル上げて生存目指します〜

たかつじ楓*LINEマンガ連載中!
恋愛
攻略キャラが二人ともヤンデレな乙女ーゲームに転生してしまったルナ。 「……お前も俺を捨てるのか? 行かないでくれ……」 黒騎士ヴィクターは、孤児で修道院で育ち、その修道院も魔族に滅ぼされた過去を持つ闇ヤンデレ。 「ほんと君は危機感ないんだから。閉じ込めておかなきゃ駄目かな?」 大魔導師リロイは、魔法学園主席の天才だが、自分の作った毒薬が事件に使われてしまい、責任を問われ投獄された暗黒微笑ヤンデレである。 ゲームの結末は、黒騎士ヴィクターと魔導師リロイどちらと結ばれても、戦争に負け命を落とすか心中するか。 メリーバッドエンドでエモいと思っていたが、どっちと結ばれても死んでしまう自分の運命に焦るルナ。 唯一生き残る方法はただ一つ。 二人の好感度をMAXにした上で自分のステータスをMAXにする、『大戦争を勝ちに導く光の聖女』として君臨する、激ムズのトゥルーエンドのみ。 ヤンデレだらけのメリバ乙女ゲーで生存するために奔走する!? ヤンデレ溺愛三角関係ラブストーリー! ※短編です!好評でしたら長編も書きますので応援お願いします♫

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

処理中です...