だれよりも貴方に(リメイク)

黒狼 リュイ

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エピローグ

愛の在り方

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君と僕が初めて会ったあの日と同じ4月1日に君は…

この世を去った…

君は僕が”嘘だろ?”って聞いたあの日、最後に呟いた。微かに消え行ってしまいそうな綺麗な声で。

”さよなら”じゃなくて”ありがとう”って。君の口から聞こえた言葉は”さよなら”だけど

そう言った君は、小さく”ありがとう”って言ったんだ。僕が君の声を口パクを見逃すわけがない!

そして多分君はきっと僕に幸せになってと言うんだろ?
新しい恋人を探す。
家族と一緒に毎日を過ごす。
沢山の幸せの形があるだろうね。

それでもね?この先どんな幸せを感じる事があっても僕が一番幸せを感じたのは”君が笑った時”だよ?

だからあの日の僕は、君が笑って”さよなら”と”ありがとう”って言った時とても幸せだった。

ーーでも本当はあの日、僕は君に言おうとして居たんだ。

”君が長く無いのは知ってるよ?”って、でもあの日君は笑顔で僕が来るのを待って居て小さく涙ぐみながら”愛してる”って言ったから僕は言えなかった…君は決めたんだと思ったから言えなかったんだ。全く、君は僕にはいじわるだよ?

でも、残念だったね。
これでも君の事は頼りなくっても小心でも僕が一番知ってるんだよ。

だから君が僕に聞こえまいと呟いた言葉だって僕は絶対に
ーー”聞き逃してあげないよ?”

それでも僕は、君の

”あなたより先には逝かないよ?あなたの聞かせてくれた事が本当かどうか確かめなきゃね?”

といった僕の嘘が真実だったかって確かめようとしてた君の一言を聞かなかった事にするよ!

だって、そうすれば僕は君の事を、存在を決して忘れはしないから。約束だよ。

だから、僕もいつか君の傍に行った時に沢山叱って、沢山甘やかせて…

あぁ。君の事だから、きっと
”あなたは私の言う事を聞かないのねっ!”
ってまた"嘘"ばかり言う僕を叱ってばかりなんだろうな。…でも、それも良いかもしれないな。

だから…沢山。たっくさん話しをしようね?
何日だって何回だって聞くよ。制限なんてないんだ。
君の話なら僕は何だって聞きたいんだ。言えなかった事。言いたかった事。
全てをいつか聞きに行くから。絶対に、ね。
それまでは、4月1日の君の"小さな嘘"を信じて過ごすよ。
だから僕から逢いに行くまでは安らかに眠ってね。
そしてまた、あの笑顔を見せてね。

その時まで。
しばらくは、”さよなら”。

僕の”最愛の嘘つきさん”
君を”大好きな嘘つきより”

「ーー愛してる」

そして一面に桜吹雪が舞う。
その光景に僕はふと笑った。
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