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第6章  異世界編 森の国 幻の国

居ない筈の。 3

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 ヨウの体温やその存在を感じとる。それが太陽であった事を知ってヨウである事を認めていなくても。それがユキにとっての敵でも、真里の風の刃から救ってくれたヨウは昔の太陽にそっくりだったから。

 ユキは、氷水魔法をヨウの身体に纏わせた。その水は、あらゆる菌を弾く。その氷は、あらゆる傷を塞ぐ。そして再生力は、ヨウの持つ炎魔法に協力してもらう。その力に目覚めたヨウは、ユキの手を握ったあの時から上昇していた。だから、無意識でも力が発動する。

ーーーー賭けるしかない。

「アクアスプラッシュ!」
 静かに小さく息を不規則ながらにもするヨウに見える限りの小さな傷さえも水で洗い流す。
「アイスフィールド!…答えてヨウ!!」
 そして、氷で周囲を覆いながらヨウの持つ魔力に賭ける為の時間稼ぎをする。
 ユキに出来るのはここまでだった…
 あと一つ出来るとしたら…

「ねぇ?この人って?あぁ!霜原さんの初恋の人よね~私ったら記憶力良いーーーー!!


 ーーーー真里を魔女を足止めする事。
 
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