25 / 42
第5章 異世界編 森の国
穏やかな温もり 3
しおりを挟む
ユキの手をヨウは離さない。
それは、ユキにとって雪乃にとってとても幸せを側に感じる事が出来る。それほどにこの手はユキであり雪乃である為の一本の大切な物に感じた。
ヨウの手はユキより少し硬くユキより凄く暖かい。
ヨウは、ユキに振り返る。
「ヨウ?どうかした?」
「ねぇ、ユキは…いや。俺ユキの為に何か出来ないかな?」
ヨウは笑顔の何処かに強い眼差しを宿しユキを見つめる。それは、ユキの答えを期待していると同時にたとえユキの答えが来なくても良いと伝えている様だった。
ユキはその強い眼差しに、同じ様に笑顔で返す事しか出来なかった。
だって、ヨウは私と同じだから…
「俺!ユキの為にもっと魔法勉強するからさ‼︎ね、ユキ」
ヨウは、ユキの手をより強く握る。
ユキはその手に反対の手を合わせ告げる。
「ヨウは、ヨウの為に自分の為に使うべき。だから」
「いやだ…俺の為なら、俺はユキの為に」
ユキは首を振る。ヨウは、それでもやっぱりユキの手を離さない。ユキを引き止める。ユキに縋る。ヨウの為にユキが出来る事。
それは、コーローがユキの為に雪乃をユキにする為に魔法を世界を教えた。それをユキはヨウの為にする。
それで十分。
「ヨウ、分かるでしょ?」
「…分かるよ…ユキの言ってる事…」
「なら、」
ユキの視界は急に暗くなる。
ユキの手をヨウが優しく強く引く。ユキの身体は、ヨウの熱い腕に包まれる。
…異性に抱きしめられたのは初めてだ…
「なっ!?ヨ、ヨウ⁇」
「ユキは…居なくなるから…俺…それだけは…」
『耐えられない…』
ユキの肩口でヨウはそう呟いた。消え入りそうな声でつらそうに聞こえた…
それは、ユキにとって雪乃にとってとても幸せを側に感じる事が出来る。それほどにこの手はユキであり雪乃である為の一本の大切な物に感じた。
ヨウの手はユキより少し硬くユキより凄く暖かい。
ヨウは、ユキに振り返る。
「ヨウ?どうかした?」
「ねぇ、ユキは…いや。俺ユキの為に何か出来ないかな?」
ヨウは笑顔の何処かに強い眼差しを宿しユキを見つめる。それは、ユキの答えを期待していると同時にたとえユキの答えが来なくても良いと伝えている様だった。
ユキはその強い眼差しに、同じ様に笑顔で返す事しか出来なかった。
だって、ヨウは私と同じだから…
「俺!ユキの為にもっと魔法勉強するからさ‼︎ね、ユキ」
ヨウは、ユキの手をより強く握る。
ユキはその手に反対の手を合わせ告げる。
「ヨウは、ヨウの為に自分の為に使うべき。だから」
「いやだ…俺の為なら、俺はユキの為に」
ユキは首を振る。ヨウは、それでもやっぱりユキの手を離さない。ユキを引き止める。ユキに縋る。ヨウの為にユキが出来る事。
それは、コーローがユキの為に雪乃をユキにする為に魔法を世界を教えた。それをユキはヨウの為にする。
それで十分。
「ヨウ、分かるでしょ?」
「…分かるよ…ユキの言ってる事…」
「なら、」
ユキの視界は急に暗くなる。
ユキの手をヨウが優しく強く引く。ユキの身体は、ヨウの熱い腕に包まれる。
…異性に抱きしめられたのは初めてだ…
「なっ!?ヨ、ヨウ⁇」
「ユキは…居なくなるから…俺…それだけは…」
『耐えられない…』
ユキの肩口でヨウはそう呟いた。消え入りそうな声でつらそうに聞こえた…
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜
k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」
そう婚約者のグレイに言われたエミリア。
はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。
「恋より友情よね!」
そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。
本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
知らなかったの?婚約者は私になったから、あなたは用済みよ
ヘロディア
恋愛
恋人からのプロポーズを受け入れた主人公だったが、ある日、その座を急に別の女性に奪われた。それだけでなく、彼女は世界を書き換えてしまったようで、世界から主人公の居場所は無くなっていく。このままでは婚約者の立場を奪われてしまう!
しかし、主人公はとうとう最後の方法に至るのだった。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる