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第2章 異世界編 永遠の雪

異世界に転生した雪乃 3

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「…様‼︎…キ様‼︎…どこに…あぁ…」

 雪乃が居た氷の間にそれは居た。
 キラキラ光る氷の生き物。それはガラスの様に精巧に作られた様な生き物。雪乃の世界ではゲームでしか見た事のない四つ足でピンっと先の尖った大きな獣の耳。青白い身体。狼より大きなその姿は偉大さを感じる。

ーーフェンリル?

「君は、誰?」

 雪乃は、その者に問いかけた。
 その者は、大きな顔をこちらに向けた。驚き慌て、破顔した様なその者はその姿からはとても考え難い程の大きな涙を流した。
 流れて流れて止まらない。
 
「君、大丈夫?」

 雪乃は問いかける。だが、涙が邪魔をして話す事すら叶わない。もしくは雪乃の声が届かないだけだろうか?そんな不安さえ感じる。そうして泣き止むまでしばし待ち、ようやく話し出した。

「わたっ、私は…夢を…あぁユキ様‼︎」

「ユキ、様?それは私?」

 その者は、涙を枯れるまで流した後に雪乃を見て笑顔になった。そして雪乃をユキ様と言った。彼女、つまり今の私の事を指しているに違いない。
 
(前世は、普通の人だったけど。どうやら今生では"有名な人"みたいね。)

「ユキ様、良かったです!ようやく私達の野望が果たされます!あの、炎王に、ようやく‼︎」

「炎王?野望?」

 雪乃には、前世よりハードな世界が待っている。さぁ、幕開けだ。

 雪乃は、ようやく自身が何者かのヒントに辿り着いた。
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