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第4章 人間と魔族と見習い
違った世界でお互いに 1
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彼は、自分の身体が日に日に動けなくなるのを知っていた。
少女は、彼が"おかしい"のに気付いていた。
お互いに真実を問わなくとも、何かを感じていた。
"彼の手足が上手く動かせなくなっているのに気づいた。"
"自分が何故いつも何も無い所でコケるのか分からなかった。"
"時折ぼーっと、空を見上げている彼をよく見た"
"思考が時折停止してしまう時が何度かあった"
少女は、彼の危なさを知って手を貸した。
彼は、少女に自身の不思議な瞬間を隠す様にしながらも、力を振り絞り生活を助けた。
彼らは彼らで一つなのだと思う様に生活を分担した。
足らない場所は足りる様に
一つで足りないなら二つで
気づいたら手を貸すように
互いに互いを支え合う。
少女は、地上で体験した事の無い生活を。
彼は、空では決してあり得ない生活を。
ーーそして、どちらも期限のある生活だった。
少女は、彼が"おかしい"のに気付いていた。
お互いに真実を問わなくとも、何かを感じていた。
"彼の手足が上手く動かせなくなっているのに気づいた。"
"自分が何故いつも何も無い所でコケるのか分からなかった。"
"時折ぼーっと、空を見上げている彼をよく見た"
"思考が時折停止してしまう時が何度かあった"
少女は、彼の危なさを知って手を貸した。
彼は、少女に自身の不思議な瞬間を隠す様にしながらも、力を振り絞り生活を助けた。
彼らは彼らで一つなのだと思う様に生活を分担した。
足らない場所は足りる様に
一つで足りないなら二つで
気づいたら手を貸すように
互いに互いを支え合う。
少女は、地上で体験した事の無い生活を。
彼は、空では決してあり得ない生活を。
ーーそして、どちらも期限のある生活だった。
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