転生後、神様の"少年"見習いってありますか？

第3章 神様見習いの仕事

神様とは？見習いとは？

　俺達の仕事は朝早くから始まる。しかし始業式や始業時間なんて物は存在しない。そして俺達は名を呼ばれる事も指示される事も無い。全て俺達自身が勝手に動くだけだ。そんな俺達の仕事場は何もない空間。　
　真っ白な机に真っ白な床。全てが白く塗り潰されている何もない空間。そんな俺達個人に与えられた物は身の丈に合った小さな机だけ。そしてその机の上には小さなウインドウが真っ黒から色を映す。俺達が座るとウインドウに映像が浮かぶのだ。
　それは良く言えば人が往来するいつもの風景。だが、悪く言えば監視カメラと同じ様な感覚で監視する為の映像をただ毎日毎時間見る物だ。

　それを俺は、不思議に感じて沢山の同じ様な子供達に聞き回った。しかし誰も何も答えないし動かない。いつも同じ行動しかしない。まるで、そう…ロボットみたい。

　そして、俺達には名前が無かった。
　だからこそ自分が一番不可解にかつ自然に理解出来た。この場所は異常だと、俺とは全く違う場所だと理解出来た。

　そんな風に毎日を過ごして気がついた事がある。

(俺達の仕事を管理し、チェックをし、最後の仕事をするのは一体誰か？)

　神様見習い。それは神様になる為の見習いなのか？ならば神様とは何だ？見習いとは何だ？
　俺は気付き始めていた。誰よりも早く気付いていた。この時すでに見知らぬ世界の謎に近付いていた。

ーー神様は監視者。世界を監視する者の頂点に立つ者。

ーー見習いは、それになる為の道具。候補者。

ーーなら何故、神様はいるのだ？何をするのだ？目的は何だろう？

　疑問は疑惑へ
　不安は恐怖へ

　そうして形を変えて俺の動きを変えた。名もない彼らの中俺だけが動きを変えた。