叶わぬ願いと望まぬ結末

第23章 炎と聖剣

伸ばされた手は、救いか、破壊か？ 4

　マグマの様に溶け、なおも燃え続ける大地。それは辺り一面に広がり誰も近付く事すら出来ない程に身を焼く程の熱さを放ち、立てる者すらその場に存在しない。
　そんな中、一番燃え盛る炎の固まりがある。
　それに、ラルトは引かれた。頭では思考すら止まってしまっているのに、魂が身体その物体に引かれる。

「こ、れは？」

　ぼうっと見つめるラルトの背後にあの時居なかった者が声を掛けた。

「やぁ、ラルト。怪我はどう？」

「バルン…何故、ここに？」

「それは、こっちの台詞だよ？何、消す気にようやくなったの？勇者」

「消すって…！？」

　バルンの目線は、炎の固まりに注がれた。それに続いてラルトも見た。
　そして、気づいてしまった…

「ミー…ラっ？！」