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第16章 笑顔のラルフ
使用人ゼーラルと人間ラルフ 7
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ゼーラルは、魔法を使った。
それは、もしかしたら世界の核に触れるきっかけを作ったのかも知れない。
だけどこの時のゼーラルには全てがどうでも良かった。だから必死に魔法を全ての力を使った。
そのゼーラルに応えるかの様にラルフは少しづつ息を吸えるようになった。隣では子供達がラルフの回復を喜び合った。
だが、同時にゼーラルは力を失いそうになっていた。
「ゼーラル…もう、平気よ…」
「いえ、まだっ!」
ゼーラルの声に対し、ラルフは小さく首を振る。それは、これ以上何もするなと告げていた。だが、ゼーラルはまだ止めはしない必死でラルフを助けようと力をより多く使う。
今死なせる訳にはいかない。子供達がラルフを望み崇拝し大人達が彼女に縋る。それほどの人物なのだ。だから救う為ならなんだってするーーこの方は生きるべきだ!!
そんなゼーラルの手にラルフは、震えて位置が定まらない右手を当てる。そして左手は首元に伸ばす。
ゼーラルは、ラルフの首に輝く物を見た。それは、ラルフ自身がいつも首を隠す服を着て居たから誰も知らない"艶やかな金の装飾に真っ赤な宝石"の首飾り。
それに左手を伸ばしてラルフは、唱えた。
息が切れそうになりながらも小さくかつ祈りを込めて唱えた。
「かの者の祈りを聞き 祝福を与えん たとえ限りあるものであれ 我は受け入れる」
ゼーラルは、初めてラルフの魔法を見た。そして感じたのは温かな温もりある演唱。その言葉に呼応してラルフの首飾りは金色の光を放ちラルフを覆った。だが、小さな赤い何かもゼーラルには見えた。この時ゼーラルは、ラルフの傷から溢れた血が目に見えただけだと思っていた。
しかし…赤いそれは。ラルフの命の色だった。それを知ったのはミーラが生まれてからだった。
それは、もしかしたら世界の核に触れるきっかけを作ったのかも知れない。
だけどこの時のゼーラルには全てがどうでも良かった。だから必死に魔法を全ての力を使った。
そのゼーラルに応えるかの様にラルフは少しづつ息を吸えるようになった。隣では子供達がラルフの回復を喜び合った。
だが、同時にゼーラルは力を失いそうになっていた。
「ゼーラル…もう、平気よ…」
「いえ、まだっ!」
ゼーラルの声に対し、ラルフは小さく首を振る。それは、これ以上何もするなと告げていた。だが、ゼーラルはまだ止めはしない必死でラルフを助けようと力をより多く使う。
今死なせる訳にはいかない。子供達がラルフを望み崇拝し大人達が彼女に縋る。それほどの人物なのだ。だから救う為ならなんだってするーーこの方は生きるべきだ!!
そんなゼーラルの手にラルフは、震えて位置が定まらない右手を当てる。そして左手は首元に伸ばす。
ゼーラルは、ラルフの首に輝く物を見た。それは、ラルフ自身がいつも首を隠す服を着て居たから誰も知らない"艶やかな金の装飾に真っ赤な宝石"の首飾り。
それに左手を伸ばしてラルフは、唱えた。
息が切れそうになりながらも小さくかつ祈りを込めて唱えた。
「かの者の祈りを聞き 祝福を与えん たとえ限りあるものであれ 我は受け入れる」
ゼーラルは、初めてラルフの魔法を見た。そして感じたのは温かな温もりある演唱。その言葉に呼応してラルフの首飾りは金色の光を放ちラルフを覆った。だが、小さな赤い何かもゼーラルには見えた。この時ゼーラルは、ラルフの傷から溢れた血が目に見えただけだと思っていた。
しかし…赤いそれは。ラルフの命の色だった。それを知ったのはミーラが生まれてからだった。
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