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第13章 魔王の娘と魔王の秘儀
忘れた記憶 1
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ーー母様が言った
”人間は、善の心と行いから成り
魔族は、悪の心と行いから成る”
”昔はそう言われて居た。けれどもいつからか人間と魔族が互いを憎み、互いを傷つけ合い…善と悪の境界は無くなった。それにより人間は魔族の紛い者の『悪魔』に成り代わるものが存在する様になった。”
ーー父様も知っていた
"互いの国をまたぎ始まる戦争。互いの国の民が減少し戦力が減った時に起きる、世界を修正する為の戦争。"
ーーどちらかが滅びる事で世界は救われる。
だけどミーラには一つの違和感があった。魔族の中である昔話での戦争。なら人間にも存在している昔話での戦争もあるのでは無いだろうか?じゃなきゃお互いにお互いを恨み憎み戦争をもう一度しようなんて考え無いはず。なぜだ?まだ私の知らない秘密があるのか?
魔族は人間が先に武器を取り戦った。
人間は魔族が先に武器を取り戦った。
どちらが本当の話なのか?
真実があるはず。でもきっと今更真実を知る者が居るとも思えなかった。人間側は勇者ラルトを筆頭に魔界へ来るはず。だから私達魔族は魔王ガルフを筆頭に戦いをする。だれが発端だなんてきっとどうでもいいのだ。…どちらが強いかが大切なのだろう。そうミーラは考えていた。
「だから、私が父様の娘として前線に出なくてはならない。早く会得しなくては!」
父様から教わった秘儀を会得する為にミーラは自身の魔力を込める練習と魔力を大幅に上げる訓練を独りでしていた。本当は、ミーラの作り出す赤い魔力は現魔王ガルフと同様の強さを測り残るは魔力強化だけなのだが…
ミーラは、「まだ」と精進を怠らない。まだ上にもっと強くと日に日に増していた。時には食事を取らず睡眠すら取らない時さえあったくらいだ。
そうしてミーラは一日のほとんどを魔王城の開けた場所である訓練所、独りで修行していた。
魔界へ来てから修行に入り何日が経っただろう時に休憩を獣人魔族のメイドに言われとったある日。よほど疲れが溜まって居たのかミーラは約一時間寝てしまった。
夢を見た。小さなミーラが母様達から引き離され誰かに今の様に修行をつけられる夢を。
『まだです!ミーラ嬢、まだダメです!もっと集中を』
『もう…ダメ…うぅぅ…』
『しっかりしてください!ミーラ嬢、貴方は魔王様の娘なんですよ!娘らしく強く無いと!魔王様が笑われてしまいます!』
『私のせいで笑われるの…そんな…父様まで…』
この時小さなミーラは変わった。自分が笑われるのならきっと耐え抜いて見せただろう。だって悪いのは魔王の娘らしからぬ自分だから…
だけど父や母は関係ない。なのに二人を馬鹿にしたり笑ったりされるのは堪らなく嫌だ。だからミーラは自分の弱い部分を全て消した。
ーー意地を張り虚勢を張って、強い自分を作り出した。
『…だまれ…』
『はい?』
『だまれと言った。貴様らに私が負けてばかりと思うな!今はまだ、だがいつか貴様の上に私が魔王の娘ミーラが立つのだ。だから存分に稽古をつけてくれ』
『っ‼︎…はっ畏まりました。我が主よ、このバルンハルトが貴方様を必ずや次代魔王へ』
”人間は、善の心と行いから成り
魔族は、悪の心と行いから成る”
”昔はそう言われて居た。けれどもいつからか人間と魔族が互いを憎み、互いを傷つけ合い…善と悪の境界は無くなった。それにより人間は魔族の紛い者の『悪魔』に成り代わるものが存在する様になった。”
ーー父様も知っていた
"互いの国をまたぎ始まる戦争。互いの国の民が減少し戦力が減った時に起きる、世界を修正する為の戦争。"
ーーどちらかが滅びる事で世界は救われる。
だけどミーラには一つの違和感があった。魔族の中である昔話での戦争。なら人間にも存在している昔話での戦争もあるのでは無いだろうか?じゃなきゃお互いにお互いを恨み憎み戦争をもう一度しようなんて考え無いはず。なぜだ?まだ私の知らない秘密があるのか?
魔族は人間が先に武器を取り戦った。
人間は魔族が先に武器を取り戦った。
どちらが本当の話なのか?
真実があるはず。でもきっと今更真実を知る者が居るとも思えなかった。人間側は勇者ラルトを筆頭に魔界へ来るはず。だから私達魔族は魔王ガルフを筆頭に戦いをする。だれが発端だなんてきっとどうでもいいのだ。…どちらが強いかが大切なのだろう。そうミーラは考えていた。
「だから、私が父様の娘として前線に出なくてはならない。早く会得しなくては!」
父様から教わった秘儀を会得する為にミーラは自身の魔力を込める練習と魔力を大幅に上げる訓練を独りでしていた。本当は、ミーラの作り出す赤い魔力は現魔王ガルフと同様の強さを測り残るは魔力強化だけなのだが…
ミーラは、「まだ」と精進を怠らない。まだ上にもっと強くと日に日に増していた。時には食事を取らず睡眠すら取らない時さえあったくらいだ。
そうしてミーラは一日のほとんどを魔王城の開けた場所である訓練所、独りで修行していた。
魔界へ来てから修行に入り何日が経っただろう時に休憩を獣人魔族のメイドに言われとったある日。よほど疲れが溜まって居たのかミーラは約一時間寝てしまった。
夢を見た。小さなミーラが母様達から引き離され誰かに今の様に修行をつけられる夢を。
『まだです!ミーラ嬢、まだダメです!もっと集中を』
『もう…ダメ…うぅぅ…』
『しっかりしてください!ミーラ嬢、貴方は魔王様の娘なんですよ!娘らしく強く無いと!魔王様が笑われてしまいます!』
『私のせいで笑われるの…そんな…父様まで…』
この時小さなミーラは変わった。自分が笑われるのならきっと耐え抜いて見せただろう。だって悪いのは魔王の娘らしからぬ自分だから…
だけど父や母は関係ない。なのに二人を馬鹿にしたり笑ったりされるのは堪らなく嫌だ。だからミーラは自分の弱い部分を全て消した。
ーー意地を張り虚勢を張って、強い自分を作り出した。
『…だまれ…』
『はい?』
『だまれと言った。貴様らに私が負けてばかりと思うな!今はまだ、だがいつか貴様の上に私が魔王の娘ミーラが立つのだ。だから存分に稽古をつけてくれ』
『っ‼︎…はっ畏まりました。我が主よ、このバルンハルトが貴方様を必ずや次代魔王へ』
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