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第7章 5年の始まり
5年の修行と誓い
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魔界に着いて、父様から現状やこれから何をするべきかを聞かされてからミーラの生活は目まぐるしく変化した。
父様の力になる為に5年間を修行に費やした。
魔力強化、魔力操作、魔力の具現化、魔力の扱いをありとあらゆる状況を考慮した上で訓練した。
生易しいものでは無かったが、ミーラは訓練・教育・睡眠を繰り返していた。
時には寝る間も惜しんで訓練に修行に没頭していた時もあった。その間にも父様から得られるものを吸収出来るものがないか、と父様を観察したりしていた時もあった。
母様からは、戦いについて学んだことは無かったし何より、父様を知りたいとミーラ自身が思ったからでもあった。
そして修行開始から一年が経ったある日、父様から直々に収集をされた。
「父様、用とはなんでしょうか?」
「うむ、ミーラよ。お前に我が魔王の秘技と母ラルフの形見を渡そう。」
「秘技と形見を?なぜ今私に?」
「秘技を会得するにはまる三年かかる。…それにラルフの遺言なのだ。お前にこれを渡して欲しいと。」
父ガルフから受け取ったのは艶やかな金の装飾に真っ赤な宝石の首飾り。
それには、母ラルフの暖かな魔力が込められていた。母様がくれた母様の形見は、肉体無き今魔力でその存在感を誇っていた。それを手に取ると感じる暖かさと力強さ。
父様の顔をちらりと見ると優しい顔をしていた…懐かしい物を愛おしい物を見るようなその瞳は、ミーラに安心をくれ力を感じさせてくれる物だった。
ミーラは、自らの首に着け握りしめる。すると、体内から溢れんばかりの魔力を感じた。
(母様が守ってくれる…そんな感じがする。母様…ありがとう…)
「…大事に、してやって欲しい。妻ラルフの想いがある気がするんだ。だから私もお前に持っていて欲しい。」
「はい…父様。」
ふぅっと息を吐き父様に向き直る。
「…それで…秘技とは」
「あぁ。その話だったな。秘技とは我が魔王の血筋だけが伝えられ使う事の出来る最強の技だ。」
「最強の…父様は使えるのですか?」
「もちろんだ。だが、いざという時の為にお前にも使えるようになってもらわねばならない。」
「ならば、私は今からでも訓練を受ける覚悟です。母様の為に…民の為に引いては父様の為に」
「あぁ、では私が直々に教える。技の名は”破滅への業火”ドラゴンの血を持つ私とミーラお前にしかできない。覚悟はいいか?生半可な訓練では物には出来んぞ」
「もちろんです!父様!」
ミーラは、力強く頷き首飾りを握りしめた。誓いを強く胸に刻む。
それからミーラは残りの4年間を”戦術・魔力操作・魔力強化・知識”に”秘技習得”の為に注いだ。
4年後に起きる戦争の為に、ミーラは思い浮かぶことを全てやり吸収出来るものは吸収した。
そして、戦争は音を立てて近付く。
父様の力になる為に5年間を修行に費やした。
魔力強化、魔力操作、魔力の具現化、魔力の扱いをありとあらゆる状況を考慮した上で訓練した。
生易しいものでは無かったが、ミーラは訓練・教育・睡眠を繰り返していた。
時には寝る間も惜しんで訓練に修行に没頭していた時もあった。その間にも父様から得られるものを吸収出来るものがないか、と父様を観察したりしていた時もあった。
母様からは、戦いについて学んだことは無かったし何より、父様を知りたいとミーラ自身が思ったからでもあった。
そして修行開始から一年が経ったある日、父様から直々に収集をされた。
「父様、用とはなんでしょうか?」
「うむ、ミーラよ。お前に我が魔王の秘技と母ラルフの形見を渡そう。」
「秘技と形見を?なぜ今私に?」
「秘技を会得するにはまる三年かかる。…それにラルフの遺言なのだ。お前にこれを渡して欲しいと。」
父ガルフから受け取ったのは艶やかな金の装飾に真っ赤な宝石の首飾り。
それには、母ラルフの暖かな魔力が込められていた。母様がくれた母様の形見は、肉体無き今魔力でその存在感を誇っていた。それを手に取ると感じる暖かさと力強さ。
父様の顔をちらりと見ると優しい顔をしていた…懐かしい物を愛おしい物を見るようなその瞳は、ミーラに安心をくれ力を感じさせてくれる物だった。
ミーラは、自らの首に着け握りしめる。すると、体内から溢れんばかりの魔力を感じた。
(母様が守ってくれる…そんな感じがする。母様…ありがとう…)
「…大事に、してやって欲しい。妻ラルフの想いがある気がするんだ。だから私もお前に持っていて欲しい。」
「はい…父様。」
ふぅっと息を吐き父様に向き直る。
「…それで…秘技とは」
「あぁ。その話だったな。秘技とは我が魔王の血筋だけが伝えられ使う事の出来る最強の技だ。」
「最強の…父様は使えるのですか?」
「もちろんだ。だが、いざという時の為にお前にも使えるようになってもらわねばならない。」
「ならば、私は今からでも訓練を受ける覚悟です。母様の為に…民の為に引いては父様の為に」
「あぁ、では私が直々に教える。技の名は”破滅への業火”ドラゴンの血を持つ私とミーラお前にしかできない。覚悟はいいか?生半可な訓練では物には出来んぞ」
「もちろんです!父様!」
ミーラは、力強く頷き首飾りを握りしめた。誓いを強く胸に刻む。
それからミーラは残りの4年間を”戦術・魔力操作・魔力強化・知識”に”秘技習得”の為に注いだ。
4年後に起きる戦争の為に、ミーラは思い浮かぶことを全てやり吸収出来るものは吸収した。
そして、戦争は音を立てて近付く。
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