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5章.Dies irae
ゆっくりじっくり*
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ルシエルのベッドまで来ると、ミカエルはさっそく服を脱ぎだした。
「俺にやらせてくれると言っただろう」
「あ?」
片眉を上げて手を止める。
ルシエルはベッドに乗り上げ、ミカエルにも来るよう促した。
「俺が脱がせる」
「……おう」
服など邪魔ではないのか。脱がせるのは手間なのでは?
首を傾げるミカエルに肩をすくめて、ルシエルは柔らかな金髪に指を通した。
頭を撫でた手が頬に下り、耳を揉まれる。項に触れられ、反射的に首をすくめた。
「っ、」
ふっと笑った彼の顔が近づく。耳を喰まれてゾクリとした。
シャツの下から侵入した手が背筋を伝う。もう片方の手でシャツの上から胸の突起に触れられ、ムズムズして妙な感じだ。
「ルシ、」
「今はそこまで感じないか」
「んん…」
腿の内側を撫でる手も布越しでじれったい。中心に熱が集まり、足をモゾモゾ動かしてしまう。
「なぁ、服っ」
「焦らない焦らない」
「邪魔っ、だろっ」
「べつに?」
ルシエルは余裕の表情で眉を上げている。ミカエルは落ち着かず、早く先に進んでほしかったが、彼のやり方でやっていいと言った手前、そこまで口出しすることもできず。
「持っていて」
ようやくシャツの袖を持ち上げることを許されたときには、少しホッとした。上のほうまでたくし上げ、胸を反るような恰好になる。
「勃ってる」
「っ、ぁ…」
先端をチロリと舐められて、ようやく与えられた直接的な刺激にゾクゾクした。
胸元からミカエルを見上げる美貌は凶器のようだ。目が合って、カッと熱くなる。
覗く舌。
むくむくと欲が高まる。
「やっぱりイイんだ?」
「っおまえの顔のせいだッ」
「ふぅん?」
ルシエルは首を傾げて舌を這わせる。
長い指に乳首を摘ままれるのもドキドキして、視覚的な刺激に耐えられずミカエルは目を瞑った。
「恥ずかしい?」
「ちげぇっおまえが、エッチだから…っ」
耳許で笑うように聞こえた吐息。不意に首筋を噛まれ、ミカエルは驚いて目を開ける。
「ごめん。うっかり」
「……おまえ、人、食うの?」
「まさか」
「っっ、」
舐めて治癒される。
「なぁ、もう…っ」
「今日はゆっくりやろう」
ささやかに肌に触れる感覚がもどかしい。
ベッドに横になってからも、ルシエルはかすかな刺激しか与えようとしなかった。
ゆっくり背中を撫でる手の感覚。
わき腹に触れられるとビクリとする。
じれったくて全身が熱い。小さく漏れた吐息すら官能的で、頭がほわほわしてくる。
「ここも触ってほしい?」
微睡のような快感に身を任せてどれだけ経ったか、ルシエルが耳許で囁いた。
頷けば反応していた猛りを取りだされ、彼の手が添えられる。長い指の黒い爪。いやらしく絡みつく手すら美しく感じられ、このような事を彼にさせていることに背徳感すら覚えてしまう。
「っ自分で、するっ」
「自分でするよりイイだろう」
「……っ、んっ…っ…」
トロトロと先走りが溢れている。強い刺激を与えてくれないので、腰が動きそうになる。
「は、ぁ…」
甘やかな刺激に浸され、全身ぐずぐずだ。
「膝立ちになって」
「……ぁ?」
ミカエルはぼんやりしたままむくりと起き上がり、言われた通りにする。そこでようやく穿いていたものを下ろされた。
彼はクリームのような何かを手に取り、ミカエルのお尻に指を這わせる。
「俺の肩に手を置いていい」
ミカエルは頷いて彼の両肩に手を置く。
「ぁっ、ナカ、入れてあるっ」
「ここは解してないだろう」
「ん…」
新しい身体で誰かを受け入れるのは、これが初めてなのだ。
「まだ、キツいのか?」
「指を増やそう」
「はぅっ…っ…」
ルシエルのもう片方の手はミカエルの内腿を撫でている。
舌が下腹部を這い、腹が痙攣した。
感じて身体がくねってしまう。彼の頭を抱きこむようにして、止めさせようとしたら吸いつかれた。
「ルシっ」
「もう少し」
ミカエルの身体はすでに火照って、記憶のなかの強い快感を求めている。
「も、いいからっ」
彼の一物を取りだそうと手を伸ばすと、阻止されうつ伏せに寝かされた。
「俺にやらせてくれると言っただろう」
「あ?」
片眉を上げて手を止める。
ルシエルはベッドに乗り上げ、ミカエルにも来るよう促した。
「俺が脱がせる」
「……おう」
服など邪魔ではないのか。脱がせるのは手間なのでは?
首を傾げるミカエルに肩をすくめて、ルシエルは柔らかな金髪に指を通した。
頭を撫でた手が頬に下り、耳を揉まれる。項に触れられ、反射的に首をすくめた。
「っ、」
ふっと笑った彼の顔が近づく。耳を喰まれてゾクリとした。
シャツの下から侵入した手が背筋を伝う。もう片方の手でシャツの上から胸の突起に触れられ、ムズムズして妙な感じだ。
「ルシ、」
「今はそこまで感じないか」
「んん…」
腿の内側を撫でる手も布越しでじれったい。中心に熱が集まり、足をモゾモゾ動かしてしまう。
「なぁ、服っ」
「焦らない焦らない」
「邪魔っ、だろっ」
「べつに?」
ルシエルは余裕の表情で眉を上げている。ミカエルは落ち着かず、早く先に進んでほしかったが、彼のやり方でやっていいと言った手前、そこまで口出しすることもできず。
「持っていて」
ようやくシャツの袖を持ち上げることを許されたときには、少しホッとした。上のほうまでたくし上げ、胸を反るような恰好になる。
「勃ってる」
「っ、ぁ…」
先端をチロリと舐められて、ようやく与えられた直接的な刺激にゾクゾクした。
胸元からミカエルを見上げる美貌は凶器のようだ。目が合って、カッと熱くなる。
覗く舌。
むくむくと欲が高まる。
「やっぱりイイんだ?」
「っおまえの顔のせいだッ」
「ふぅん?」
ルシエルは首を傾げて舌を這わせる。
長い指に乳首を摘ままれるのもドキドキして、視覚的な刺激に耐えられずミカエルは目を瞑った。
「恥ずかしい?」
「ちげぇっおまえが、エッチだから…っ」
耳許で笑うように聞こえた吐息。不意に首筋を噛まれ、ミカエルは驚いて目を開ける。
「ごめん。うっかり」
「……おまえ、人、食うの?」
「まさか」
「っっ、」
舐めて治癒される。
「なぁ、もう…っ」
「今日はゆっくりやろう」
ささやかに肌に触れる感覚がもどかしい。
ベッドに横になってからも、ルシエルはかすかな刺激しか与えようとしなかった。
ゆっくり背中を撫でる手の感覚。
わき腹に触れられるとビクリとする。
じれったくて全身が熱い。小さく漏れた吐息すら官能的で、頭がほわほわしてくる。
「ここも触ってほしい?」
微睡のような快感に身を任せてどれだけ経ったか、ルシエルが耳許で囁いた。
頷けば反応していた猛りを取りだされ、彼の手が添えられる。長い指の黒い爪。いやらしく絡みつく手すら美しく感じられ、このような事を彼にさせていることに背徳感すら覚えてしまう。
「っ自分で、するっ」
「自分でするよりイイだろう」
「……っ、んっ…っ…」
トロトロと先走りが溢れている。強い刺激を与えてくれないので、腰が動きそうになる。
「は、ぁ…」
甘やかな刺激に浸され、全身ぐずぐずだ。
「膝立ちになって」
「……ぁ?」
ミカエルはぼんやりしたままむくりと起き上がり、言われた通りにする。そこでようやく穿いていたものを下ろされた。
彼はクリームのような何かを手に取り、ミカエルのお尻に指を這わせる。
「俺の肩に手を置いていい」
ミカエルは頷いて彼の両肩に手を置く。
「ぁっ、ナカ、入れてあるっ」
「ここは解してないだろう」
「ん…」
新しい身体で誰かを受け入れるのは、これが初めてなのだ。
「まだ、キツいのか?」
「指を増やそう」
「はぅっ…っ…」
ルシエルのもう片方の手はミカエルの内腿を撫でている。
舌が下腹部を這い、腹が痙攣した。
感じて身体がくねってしまう。彼の頭を抱きこむようにして、止めさせようとしたら吸いつかれた。
「ルシっ」
「もう少し」
ミカエルの身体はすでに火照って、記憶のなかの強い快感を求めている。
「も、いいからっ」
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