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4章.Tractus
失墜*
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喉の奥を突かれても、初めてのときほどの苦しみはない。ヤグニエの特訓のおかげだろう。喉を広げたり首の角度を調整したりと、少しはマシになる方法を身につけていた。
「へぇ、ちゃんと、できるじゃねえかっ」
「こっちのっ具合もっいいぜっ!」
代わる代わる、何度も何度も。
「んっ…あっ…ぁ…」
「っへへ、淫乱だなぁ。腰が揺れてるぜ」
「そんな坊やにプレゼントだ」
「なんだ?」
「ニップルピアス。イイ子がいたらつけてやろうと思ってよ」
左右の乳首に痛みが走り、ミカエルの身体が揺れた。
「っア、ぅぅ…」
「感度良好っ」
「似合ってるぜ、坊や」
治癒されたらしく、痛みはすぐになくなった。見下ろすと、両の乳首に輪っかが取り付けられている。細い鎖が左右の乳首を繋いでいた。
「次は俺だなっ」
「フンッ。早くしろ」
「イッ、アッ、ア゛ッ――」
衝撃に視界がブレる。いつか聖学校でやられたように暴力的だ。それなのにミカエルの身体は悦びに震え、ナカを貫く一物にもっともっとと絡みつく。
「ヘッ、気持ちイイだろッ。おらっ、どうなんだっ!?」
「ア゛ッ、ア゛アッ」
男は強く深く何度も穿った。ミカエルが認めるまで続けるつもりか。見るからに屈強な兵士だ。彼の体力は簡単には尽きないだろう。
――コワレル。
あまりの圧迫に呼吸が止まり、目玉がひっくり返りそうになる。これだけで意識がトびそうなのに、後ろから首輪を引っ張られて喉が締まった。飲み込めなかった唾が口の端から垂れるのを感じる。
衝撃に意識が途切れ、衝撃で戻された。
周りの男たちは見ているだけだ。この地獄は彼らの気が済むまで終わらない。壊されるのは身体と心、どちらがマシだろう。
「だから先にやらせるのは嫌なんだ。おまえはこの間も使い物にならなくしただろう」
「ッへ、弱っちいのがッ、わりいんだッ」
「――カハッ、ガ、ア゛ァアッ…ア゛……」
男たちの会話が遠くで聞こえる。
「隊長ー、壊す前に俺にヤらしてくださいよー」
「もったいないっスよ、こんな上物。なかなかいませんよ」
「チッ、うるせぇなぁ」
奥を穿たれるのは変わらないが、衝撃が少し弱まった。――ジリジリと苦しみの向こうから押し寄せる、感じたくない感覚…。
「ア゛ッ、んっア……アッ、ァアッアッぁ――」
口から洩れる声が止まらない。下腹部がビクビク震える。どこまでも広がり落ちていくような――。
「あ? おい、イきやがったな。イイんじゃねえかよ。ちゃんと言えねえならっ、加減してやんねえぜッ」
「えっろ。メスイキだ」
「ヘッ、生意気そうな顔してたのにな。すっかり蕩けてやがる。顔射していいか」
「ああ? 後にしろよ」
膝立ちで両腕を後ろから引っ張られ、再び容赦なく突かれて身体がしなる。乳首を繋ぐ鎖が激しく揺れていた。半端に勃起したままの性器もだ。イヤリングをしたと言っていたか。耳許でチャリチャリ音がする。
こんなに暴力的なのに、感じるのは苦しさだけじゃないなんて――。
「オラッ、イイんだろっ。……認めちまえよ、もっとヨくなるぜ」
耳許で落とされたのは悪魔の囁きのようだった。
「苦しみよりっ、快楽のほうがいいだろうッ」
「イイに決まってるよなぁ。だらしねえ顔でアンアン言ってよ」
「かわいい乳首も勃起してるぜ」
苦しいのも痛いのももう沢山だ。
「――イイッぁ、きもちッ、イ、イ゛ッ」
「ヘッ、言えたじゃねえかッ。褒美だ。一番奥にっ、くれてやるッ――!」
「ひっア、ア゛ァ――ッ」
何かが少し軽くなり、失われたような気がする。けれど考える暇もなく、ミカエルの意識は与えられる快楽に呑まれて白に染まった。
その後も拷問のような責苦は続き、強要されて自ら誘うような体勢を取り、心にもないことを言わされた。
ミカエルは男たちの欲を受け入れ続けた。
中出しして満足した彼らは、次にはミカエルの素肌を汚して悦んだ。顔やら尻やらいたるところに射精され、身体中がベトベトになる。ミカエルがクタクタになって身体を動かせなくなっても、一方的な蹂躙は終わらなかった。
「へぇ、ちゃんと、できるじゃねえかっ」
「こっちのっ具合もっいいぜっ!」
代わる代わる、何度も何度も。
「んっ…あっ…ぁ…」
「っへへ、淫乱だなぁ。腰が揺れてるぜ」
「そんな坊やにプレゼントだ」
「なんだ?」
「ニップルピアス。イイ子がいたらつけてやろうと思ってよ」
左右の乳首に痛みが走り、ミカエルの身体が揺れた。
「っア、ぅぅ…」
「感度良好っ」
「似合ってるぜ、坊や」
治癒されたらしく、痛みはすぐになくなった。見下ろすと、両の乳首に輪っかが取り付けられている。細い鎖が左右の乳首を繋いでいた。
「次は俺だなっ」
「フンッ。早くしろ」
「イッ、アッ、ア゛ッ――」
衝撃に視界がブレる。いつか聖学校でやられたように暴力的だ。それなのにミカエルの身体は悦びに震え、ナカを貫く一物にもっともっとと絡みつく。
「ヘッ、気持ちイイだろッ。おらっ、どうなんだっ!?」
「ア゛ッ、ア゛アッ」
男は強く深く何度も穿った。ミカエルが認めるまで続けるつもりか。見るからに屈強な兵士だ。彼の体力は簡単には尽きないだろう。
――コワレル。
あまりの圧迫に呼吸が止まり、目玉がひっくり返りそうになる。これだけで意識がトびそうなのに、後ろから首輪を引っ張られて喉が締まった。飲み込めなかった唾が口の端から垂れるのを感じる。
衝撃に意識が途切れ、衝撃で戻された。
周りの男たちは見ているだけだ。この地獄は彼らの気が済むまで終わらない。壊されるのは身体と心、どちらがマシだろう。
「だから先にやらせるのは嫌なんだ。おまえはこの間も使い物にならなくしただろう」
「ッへ、弱っちいのがッ、わりいんだッ」
「――カハッ、ガ、ア゛ァアッ…ア゛……」
男たちの会話が遠くで聞こえる。
「隊長ー、壊す前に俺にヤらしてくださいよー」
「もったいないっスよ、こんな上物。なかなかいませんよ」
「チッ、うるせぇなぁ」
奥を穿たれるのは変わらないが、衝撃が少し弱まった。――ジリジリと苦しみの向こうから押し寄せる、感じたくない感覚…。
「ア゛ッ、んっア……アッ、ァアッアッぁ――」
口から洩れる声が止まらない。下腹部がビクビク震える。どこまでも広がり落ちていくような――。
「あ? おい、イきやがったな。イイんじゃねえかよ。ちゃんと言えねえならっ、加減してやんねえぜッ」
「えっろ。メスイキだ」
「ヘッ、生意気そうな顔してたのにな。すっかり蕩けてやがる。顔射していいか」
「ああ? 後にしろよ」
膝立ちで両腕を後ろから引っ張られ、再び容赦なく突かれて身体がしなる。乳首を繋ぐ鎖が激しく揺れていた。半端に勃起したままの性器もだ。イヤリングをしたと言っていたか。耳許でチャリチャリ音がする。
こんなに暴力的なのに、感じるのは苦しさだけじゃないなんて――。
「オラッ、イイんだろっ。……認めちまえよ、もっとヨくなるぜ」
耳許で落とされたのは悪魔の囁きのようだった。
「苦しみよりっ、快楽のほうがいいだろうッ」
「イイに決まってるよなぁ。だらしねえ顔でアンアン言ってよ」
「かわいい乳首も勃起してるぜ」
苦しいのも痛いのももう沢山だ。
「――イイッぁ、きもちッ、イ、イ゛ッ」
「ヘッ、言えたじゃねえかッ。褒美だ。一番奥にっ、くれてやるッ――!」
「ひっア、ア゛ァ――ッ」
何かが少し軽くなり、失われたような気がする。けれど考える暇もなく、ミカエルの意識は与えられる快楽に呑まれて白に染まった。
その後も拷問のような責苦は続き、強要されて自ら誘うような体勢を取り、心にもないことを言わされた。
ミカエルは男たちの欲を受け入れ続けた。
中出しして満足した彼らは、次にはミカエルの素肌を汚して悦んだ。顔やら尻やらいたるところに射精され、身体中がベトベトになる。ミカエルがクタクタになって身体を動かせなくなっても、一方的な蹂躙は終わらなかった。
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