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2章.Kyrie
お手当て
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ベルトを外して下着をモゾモゾ脱いでいたところ、そこに付着していた諸々の汚れにルシファーが目を細めた。
「中に出された?」
「おー」
「……まずは出さないと」
「あ?」
「そのままじゃ、お腹を壊す」
頭からシャワーを浴びて済ませる予定だったミカエルは目を丸くした。
「手伝ってあげる」
ルシファーは上着を脱いで、ミカエルが裸になるのを手伝う。
素っ裸になると、さっそくシャワーに手を伸ばしたルシファーの下でミカエルは爆発寸前だった自身に触れ、いとも簡単にその熱を解き放ってしまった、のだが。
「あ…?」
「一度じゃ収まらないって」
身体の熱も引かない。荒い息でルシファーを見上げると、表情を隠した紅の瞳と目が合った。
「時間で効果が切れると思うから、先にナカ綺麗にしたら? 何度もイクのも大変だろう」
近くにしゃがんだルシファーが、シャワーの水温を調整して渡してくれる。
ミカエルは横座りになってお尻にお湯をかけた。ジワジワと甘い痺れが広がる。治癒された入口に痛みはなく、何事もなかったかのように穴は閉じていた。
問題は、お湯を入れなければならないことだ。
ミカエルは穴を拡げるため、恐る恐る小指を入れようとした。
「力づくでやったら切れる」
「わかってる」
「さっきはそうされたわけ?」
「おー。いつも閉まってるところだぞ。あんなの、入るわけねえっつの」
切れたときの痛みを覚えていることもあり、慎重だ。
引き身でだんだん斜めになる身体をルシファーが支えてくれた。少しだけ指を入れ、拡げてシャワーのお湯を入れようとしてみたが、あんまり入っているように思えなかったので、そのまま自力で出そうと試みる。
「痛い?」
「踏ん張ってるっ」
ルシファーは目を丸くして、クツクツ笑った。
「代わろうか?」
「っるせ、痛ぇのはごめんだ」
「痛くないやり方もあるんだよ」
「っつか、他人の尻に指突っ込むなんてヤだろ」
「相手による」
ミカエルはルシファーの顔を眺め、物好きもいるものだと感心した。
「俺が特別変わってるわけじゃないと思うけど」
「へえ」
「仲良しのルームメイトに聞いてごらんよ。俺のお尻に指突っ込みたい? って」
目を輝かせたサリエルの姿が頭に浮かんだ。
「……。痛くねえんだな?」
「うん」
「ん」
色んな知識があるルシファーなら、上手くやってくれるかもしれない。本人が乗り気なこともあり、熱で身体が怠いミカエルは彼に任せることにした。
「っ、」
「力抜いて。気持ちいいと思っていれば、すぐに終わる」
ルシファーはミカエルの先走りを小指に絡めると、穴の周りを優しく撫でる。そこがヒクリと動くのを感じた。粉のせいか気持ちいい。
無意識のうちに身体に入っていた力が抜けたころ、ルシファーの指が少しずつ穴を拡げにかかった。
「痛い?」
「痛く、ねえっ」
痛いどころか感じてしまって、前が苦しくなっている。キュッと指を締めつけてしまい、なんとも言えない気分になった。
「こうやって少しずつ慣らしていけば、むしろ気持ちよかったりする」
「へぇ、」
「君がそれを体験しなかったのは幸運かもな」
「あ?」
「嫌な奴に善がらせられたら嫌だろう」
あれは暴力に近かったと、ミカエルは思う。それが気持ち良かったらどうだろう。
「でも、痛ぇのはヤだろ」
「望まない相手に身体を暴かれるのは嫌じゃない? それに、過度の快楽は拷問に近い」
「気持ちいいのが、拷問になるのか?」
「なるね。体験してみたい?」
シャワーをお尻に当てられ、ビクリとする。
穴の中にも入っている気がする。こうして話しているうちに、どうやらルシファーはやる事をやりきってくれたらしい。
「おまえ、ホント色々知ってんな」
「相手を快楽の下僕にして支配することも可能だ。そうなったら、挿れてほしくて堪らなくなる」
「こわっ」
「だから君には、無暗に犯されたくないと思ってほしいんだけど」
「あのな、イヤに決まってんだろ。好き勝手されて堪るかよ」
ミカエルはルシファーからシャワーを奪い取り、頭からかけた。
「あいつに触られたとこ、俺が触ってあげようか」
「あ?」
「感覚が残ったらイヤだろう。上書きしてあげる」
淡々と言うので、ミカエルはしばし考え、舐められた所も伝えた。話していると、不愉快な奴の表情や手つきがチラつき、眉根が寄った。
紅の瞳が背筋の凍るような色を見せ、息を呑む。
「今ので臨界点越えた」
「、は?」
言葉とは裏腹にそっと頬に添えられた手に擦り寄る。冷たくて、温かで、心地良い。
「猫みたい」
「うるせー」
睨んだら、顔を寄せられた。
かすかに開いた唇から赤い舌が覗く。耳を舐められ、身体が揺れた。
「おい、」
「この辺?」
「っ、ん。……ぁっ、ちが、」
「ここ?」
「んんっ」
長い睫毛が紅の瞳を隠している。
背中に添えられた手の感覚。ゾクゾクして、ミカエルは堪らず黒髪の頭を掴んで引きはがそうとした。
「も、いいっ」
「次は触る」
濡れた身体を大きな手が滑るように撫でた。
「っ」
「イヤ?」
「ちげ、勝手に動くっ」
触られる場所により、意思とは関係なしに身体が跳ねたりくねったりした。ミカエルの反応を、ルシファーは楽しんでいるようだ。その空気感のおかげか、彼に触られるのは嫌な気がしなかった。
「しなやか」
「っあ?」
「もう一度イク?」
「んぁっ!」
唐突に包み込まれて驚いた。
「おま、」
「少し刺激するだけでイきそうだ」
「なに握っや、まっ」
瞬殺だった。
「中に出された?」
「おー」
「……まずは出さないと」
「あ?」
「そのままじゃ、お腹を壊す」
頭からシャワーを浴びて済ませる予定だったミカエルは目を丸くした。
「手伝ってあげる」
ルシファーは上着を脱いで、ミカエルが裸になるのを手伝う。
素っ裸になると、さっそくシャワーに手を伸ばしたルシファーの下でミカエルは爆発寸前だった自身に触れ、いとも簡単にその熱を解き放ってしまった、のだが。
「あ…?」
「一度じゃ収まらないって」
身体の熱も引かない。荒い息でルシファーを見上げると、表情を隠した紅の瞳と目が合った。
「時間で効果が切れると思うから、先にナカ綺麗にしたら? 何度もイクのも大変だろう」
近くにしゃがんだルシファーが、シャワーの水温を調整して渡してくれる。
ミカエルは横座りになってお尻にお湯をかけた。ジワジワと甘い痺れが広がる。治癒された入口に痛みはなく、何事もなかったかのように穴は閉じていた。
問題は、お湯を入れなければならないことだ。
ミカエルは穴を拡げるため、恐る恐る小指を入れようとした。
「力づくでやったら切れる」
「わかってる」
「さっきはそうされたわけ?」
「おー。いつも閉まってるところだぞ。あんなの、入るわけねえっつの」
切れたときの痛みを覚えていることもあり、慎重だ。
引き身でだんだん斜めになる身体をルシファーが支えてくれた。少しだけ指を入れ、拡げてシャワーのお湯を入れようとしてみたが、あんまり入っているように思えなかったので、そのまま自力で出そうと試みる。
「痛い?」
「踏ん張ってるっ」
ルシファーは目を丸くして、クツクツ笑った。
「代わろうか?」
「っるせ、痛ぇのはごめんだ」
「痛くないやり方もあるんだよ」
「っつか、他人の尻に指突っ込むなんてヤだろ」
「相手による」
ミカエルはルシファーの顔を眺め、物好きもいるものだと感心した。
「俺が特別変わってるわけじゃないと思うけど」
「へえ」
「仲良しのルームメイトに聞いてごらんよ。俺のお尻に指突っ込みたい? って」
目を輝かせたサリエルの姿が頭に浮かんだ。
「……。痛くねえんだな?」
「うん」
「ん」
色んな知識があるルシファーなら、上手くやってくれるかもしれない。本人が乗り気なこともあり、熱で身体が怠いミカエルは彼に任せることにした。
「っ、」
「力抜いて。気持ちいいと思っていれば、すぐに終わる」
ルシファーはミカエルの先走りを小指に絡めると、穴の周りを優しく撫でる。そこがヒクリと動くのを感じた。粉のせいか気持ちいい。
無意識のうちに身体に入っていた力が抜けたころ、ルシファーの指が少しずつ穴を拡げにかかった。
「痛い?」
「痛く、ねえっ」
痛いどころか感じてしまって、前が苦しくなっている。キュッと指を締めつけてしまい、なんとも言えない気分になった。
「こうやって少しずつ慣らしていけば、むしろ気持ちよかったりする」
「へぇ、」
「君がそれを体験しなかったのは幸運かもな」
「あ?」
「嫌な奴に善がらせられたら嫌だろう」
あれは暴力に近かったと、ミカエルは思う。それが気持ち良かったらどうだろう。
「でも、痛ぇのはヤだろ」
「望まない相手に身体を暴かれるのは嫌じゃない? それに、過度の快楽は拷問に近い」
「気持ちいいのが、拷問になるのか?」
「なるね。体験してみたい?」
シャワーをお尻に当てられ、ビクリとする。
穴の中にも入っている気がする。こうして話しているうちに、どうやらルシファーはやる事をやりきってくれたらしい。
「おまえ、ホント色々知ってんな」
「相手を快楽の下僕にして支配することも可能だ。そうなったら、挿れてほしくて堪らなくなる」
「こわっ」
「だから君には、無暗に犯されたくないと思ってほしいんだけど」
「あのな、イヤに決まってんだろ。好き勝手されて堪るかよ」
ミカエルはルシファーからシャワーを奪い取り、頭からかけた。
「あいつに触られたとこ、俺が触ってあげようか」
「あ?」
「感覚が残ったらイヤだろう。上書きしてあげる」
淡々と言うので、ミカエルはしばし考え、舐められた所も伝えた。話していると、不愉快な奴の表情や手つきがチラつき、眉根が寄った。
紅の瞳が背筋の凍るような色を見せ、息を呑む。
「今ので臨界点越えた」
「、は?」
言葉とは裏腹にそっと頬に添えられた手に擦り寄る。冷たくて、温かで、心地良い。
「猫みたい」
「うるせー」
睨んだら、顔を寄せられた。
かすかに開いた唇から赤い舌が覗く。耳を舐められ、身体が揺れた。
「おい、」
「この辺?」
「っ、ん。……ぁっ、ちが、」
「ここ?」
「んんっ」
長い睫毛が紅の瞳を隠している。
背中に添えられた手の感覚。ゾクゾクして、ミカエルは堪らず黒髪の頭を掴んで引きはがそうとした。
「も、いいっ」
「次は触る」
濡れた身体を大きな手が滑るように撫でた。
「っ」
「イヤ?」
「ちげ、勝手に動くっ」
触られる場所により、意思とは関係なしに身体が跳ねたりくねったりした。ミカエルの反応を、ルシファーは楽しんでいるようだ。その空気感のおかげか、彼に触られるのは嫌な気がしなかった。
「しなやか」
「っあ?」
「もう一度イク?」
「んぁっ!」
唐突に包み込まれて驚いた。
「おま、」
「少し刺激するだけでイきそうだ」
「なに握っや、まっ」
瞬殺だった。
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